「格安スマホ/格安SIMに変えて携帯料金が半額になる」といったPRを繰り返し、一般的知名度も高くなったMVNO(仮想移動体通信事業者)によるサービスが普及していますが、一方で2019年時点ではすでに格安SIM回線の契約数が伸び悩んでいるというデータがあります。

管理人もこれまでに何十回線も格安SIMサービスを契約してきましたが、最近はあまり格安SIMに魅力を感じることが少なくなってきました。

なぜなら、スマホヘビーユーザーにとっては格安SIMサービスは「通信速度が遅いだけでなく、料金が逆に割高」になるケースが増えてきたからです。

MVNOのサービスが本格的に拡大していた2015年~2018年あたりに比べて、大手携帯会社の料金プランの仕組みが2019年には大きく変わった影響を受けて、今後は逆に「MVNO離れ」が進むかもしれません。

格安SIMがお得なのは「ライトユーザー」だけ?

格安SIMサービスの「料金の安さ」をPRするために、以下のような広告イラストを見たことがある人も多いでしょう。

一般的にドコモ・au・ソフトバンクなどの大手携帯会社のスマホ料金は月額5,000円や6,000円程度を平均的な支払額として想定し、格安SIMに変えれば同じような利用量(パケットプラン・通話オプション込み)でも料金が半額以下になるというデータは、かつては正しかったと言えますし、2019-2020年時点でも当てはまるユーザーはいるはずです。

格安SIMサービスの料金プラン表を見ると、月額料金は音声通話機能あり・データ通信容量3GB程度を含んで月額1,500円前後が一般的です。

例えば、今人気のOCNモバイルONEの2019年新料金プランでは、音声機能付きコースは最安月額980円~、3GBプランも1500円を切っています

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ドコモやソフトバンクの大手キャリアのスマホ利用料金は一番安いプランでも月額3000~4000円程度(端末代を含まず、スマホデビュー・学割などの特殊な値引きを考慮しない場合)になるため、パケット容量・ギガをあまり必要としないユーザーにとっては格安SIMサービスに変えると料金が安くなる人は多いでしょう。

大容量ギガプランは大手キャリアのほうがお得か?

スマホをあまり使わない・モバイル通信を多用しない(Wi-Fiのみで使う)のであれば大手携帯会社の契約から格安SIMに乗り換えることで携帯代金を大きく節約することは2020年も可能であることは変わりないでしょう。

しかし、スマホでゲームや動画をたくさん利用する「スマホヘビーユーザー」の場合は、大手携帯電話会社の大容量通信プランのほうがサービス・料金ともに優遇されるケースがあります。

例えば、NTTドコモは2020年1月1日より、新料金プラン「ギガホ」に関して、これまで30GBのギガが付いてくるプランの通信容量を価格据え置きのまま2倍の「60GB/月」まで使えるように増量キャンペーンをはじめます(終了日未定)。

このギガホプランは、複数の割引・値引きキャンペーンを併用すると割引適用時には2年縛りナシでも月額3,480円から使えるケースがあります。

ここで2019年末時点における大手携帯電話会社の大容量通信プランと主要な格安の大容量通信プランの料金を比べて見ると、「キャンペーン・割引を使える利用者は大手携帯電話会社の大容量通信プランも高くない」という傾向がはっきりと判ります。

通信会社名大容量通信プラン月額料金イメージ
ドコモギガホ
60GB/月
月額4,980円~
ソフトバンクウルトラギガモンスター+
50GB/月
月額3,480円~
auauデータMAX Pro
データ上限無し/月
月額5,980円~
LINEモバイル10GBプラン月額3,220円~
楽天モバイル30GBプラン
(MVNO)
月額6,150円
OCN モバイル ONE30GBプラン月額5,980円
BIGLOBE Mobile30GBプラン月額7,450円
IIJmio12GBプラン月額2,260円~
UQ mobileLプラン14GB
月額3,480円~
nuro mobileLプラン13GB月額3,400円~
イオンモバイル50GBプラン月額8,980円
DTI SIM10GBプラン月額2,800円
LinksMate1TBプラン月額87,600円
LIBMO(リブモ)30GBプラン月額5,980円~
インターリンク30GBプラン月額7,480円~
[2019.12.28時点]ドコモのギガホは2020年1月1日~より改定。「月額料金」には期間限定の割引適用後のものを含みます。割引の詳細は各社HPを参照。MVNOの場合は「音声付きプラン」の料金を表示しています

格安スマホサービスの中には最大でも10GB程度までのギガ容量プランしか提供していない会社も多くあります。格安SIMの中には2019年末~2020年1月時点でも大手携帯電話会社より安い大容量通信プランを提供している会社もあれば、イオンモバイルの50GBプラン(8,980円)のように、ドコモのギガホ増量によりMNOよりも高くなるという逆転現象まで起きています。

ドコモの旧プランにおいては「ウルトラシェアパック 50GB」というプランが月額16000円(割引前のパケット料金のみ)で提供されていました。

古いドコモスマホプランの”割引前価格”とイオンモバイルの50GBプラン(8,980円)を比べれば、たしかに「基本料金は格安SIMサービスのほうが安い」(ように見える)と言えたケースも過去にはありました。しかし、今は料金プラン・割引システム自体がガラリと変わってしまっていますので、古い料金プランの印象から「格安スマホで契約したほうが携帯料金が必ず安くなる」とは限らない状況が増えてきているのです。

大手携帯電話会社(ドコモ・au・ソフトバンク)、格安スマホサービスでは「使えるギガ」の量だけでなくサービスそのものにも違いがあるため直接的な比較は出来ませんが、ともに家族割引やネットセット割引により料金が安くなるサービスもあるため、「大容量通信プランが安くなるかどうか」は、条件次第です。

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