来たるべき「5G」通信に向けた携帯各社の大容量通信プラン競争が激しくなってきました。
NTTドコモは2020年1月1日より、通常月間30GBまで使える同社の新料金プラン最大ギガ容量を誇る「ギガホ」プランについて、終了期間未定で「ギガホ増量キャンペーン」として2倍の合計60GBまで使えるようにサービスを変更します。
ドコモの料金プランではかつて家族向けのシェアプランには50GBプラン・100GBプランといった超大容量プランが存在していましたが、旧プランの場合は「複数人で分けて使う」ことを前提にしており、個人向けで使うプランではありませんでした。
しかし、ドコモの新プラン「ギガホ」であれば、ほとんどのスマホユーザーは通信量を全く気にせず使ってもギガを使い切ることがないと想定される60GBまで高速通信が使えるようになります。
ソフトバンク(ワイモバイル)が公開しているデータ通信容量の目安を基準にすると、60GBというギガ容量があれば・・・
・メール送受信(500KB/1通):約12万5千通(1日あたり4千通以上)
・ニュースサイトの閲覧(300KB/ページ):約20万ページ(1日あたり6千ページ以上)
・ネット動画視聴(4MB/分・中画質):約270時間(1日あたり9時間)
・音楽のダウンロード(4MB/1曲):約1万5000曲(1日あたり500曲)
といった利用が可能となります。
スマホで1日9時間動画を毎日利用し続けても、ドコモのギガホなら速度通信は掛からないという計算です(さらに60GB超過時にも、ギガホプランは1Mbpsの中速度でネットを使い続けることが可能です)。
ギガ容量をパソコンのデータ通信として使う(テザリング利用)場合にはOSの更新・超大容量アプリのダウンロードや高画質な映画の連続視聴をすると60GBあっても使い切る恐れもありますが、一般的なスマホユーザーにとって1人で「60GB」を使い切ることはそうそうありえることではないはずです。
しかも、この60GBプランはかつて提供されていた「データシェアプラン100GB」よりも、圧倒的に安く使うことが可能です。
旧プランの「ウルトラシェアパック100GB」は”データプラン部分のみ”で月額2万円超えでした。現在のドコモ料金とは仕組み自体が全く異なるため直接的な比較には意味がありませんけれど、ドコモのギガホプランは約1/5となる基本料金月額5千円台(割引適用後価格)~にて使えます。
ドコモのギガホ料金プランは「ドコモを利用してい人数/支払い方法」あるいは学割料金・スマホデビュー割引などによっても変動しますので、詳しくは公式サイトの新プランシミュレーターで計算が出来ます。
[更新]3キャリアのギガ大容量プランを徹底比較
ドコモの「料金据え置きで30GB→60GB増量」のギガホ増量キャンペーンは大きな料金プラン変革の始まりを感じさせるものではありますが、すでに他社ライバルにも「ほぼスマホ使い放題」的なプランは存在します。
auの場合は「auデータMAX Proプラン」、ソフトバンクの場合は「ウルトラギガモンスター」として、スマホをたくさん使う超ヘビーユーザー向けのプランをすでに提供しています。
しかし、今回ドコモが実施する「ギガホ増量キャンペーン」も含めて、au・ソフトバンクのヘビーユーザー向けプランは料金・サービスともにかなり異なったものとなっています。
スマホでゲームや動画をギガ節約を全く気にせず自由に使いたいというユーザーは、各社のプランの特長をよく理解してキャリアを選ぶことをオススメします。
3キャリア使い放題系プラン-使えるギガ容量の違い
3キャリアの大容量通信プランを比較する上で最も重要で大きな違いは料金面ではなく「利用できるギガ/容量/サービス」にあります。はっきり言って、3キャリアともにかなりユニークなサービスであるため、一概に「このキャリアがベスト」という答えはありません。
ざっくりと各社の大容量通信プランのデータ通信に関わるサービスを紹介すると・・・
ドコモの「ギガホ」:月間60GB(通常は30GB)まで使える/ギガ使い切り後も1Mbpsの中速度で使い放題継続
auの「データMAXプラン Pro」:上限なしで使い放題/ただしテザリング、データシェア、世界データ定額の利用は20GBまで→ 2020年2月より30GBにアップ。長時間の接続・大容量通信対して通信制限を課す場合あり
ソフトバンクの「ウルトラギガモンスター+」:月間50GBまで使える/対象の動画SNSサービスはギガ消費無しの使い放題
このような違いがあります。
スマホでたくさんゲームをする、動画を見る、インターネットへ接続するといった使い方によっても、「どのサービスをどれくらい使うか」によって選ぶべきサービスが変わります。
例えば「スマホでYoutubeをたくさん見たい」というだけなら、3キャリアのどの大容量プランでも大丈夫でしょう。
その根拠は、
ドコモの「ギガホ」でYoutubeを見る場合・・・動画視聴だけで1ヶ月に60GBを使い切ることはまずありえません。60GBを超過しても低画質な動画なら1Mbps通信で見続ける事が出来ます。
auの「データMAX Proプラン」でYoutubeを見る場合・・・データ通信上限はありませんので、いくらでも見ることが出来ます。(ただし高画質モードで再生を続けると速度制限を受ける可能性あり)
SBの「ウルトラギガモンスター+」でYoutubeを見る場合・・・Youtubeはカウントフリー対象であるため、いくら見てもギガを消費しません。
となります。各社ともに短時間で大容量通信を行うと速度制限が掛かる恐れはありますが(制限条件は各社非公開)、常識的な範囲であればどの携帯会社のプランでもYoutubeを飽きるほど見られることでしょう。
なお、ソフトバンクのカウントフリー対象サービスは以下のようなものがあります。
・Youtube
・Amazon Prime Video(2020年1月31日より追加)
・Abema TV
・Tver
・GYAO!
・Hulu
・LINE
・Twitter
・インスタグラム
・Facebook
・TikTok
これらをメインで使う場合は、通信容量が「50GBまで」と3キャリアで最も使える容量が少なくなったソフトバンクのウルトラギガモンスター+でも、実際の利用にはかなり有利になることがありえます(2019年12月時点で、ドコモにはカウントフリーサービスプランはありません)。
*各サービス内でも通信量が必要な利用があります。詳しくは公式HPを参照ください。
3キャリアギガ使い放題系-料金の比較
ドコモ・au・ソフトバンクの大容量通信が出来るプランのサービスは前項で解説した通り、各社かなり異なった内容になっていますが、料金面でも若干の差が出ています。
各社がPRしているそれぞれの料金プランイメージは、以下の通りです。
ドコモ「ギガホ」は4,980円~
au「auデータMAXPro プラン」は5,980円~→ 2020年2月より値下げ4,480円~
ソフトバンク「ウルトラギガモンスター+」は3,480円~
という数字を出していますが、それぞれの価格には家族利用割引・ネットセット割引・期間限定の割引・機種変更では適用されない割引などを含んでおり、契約者の状態によって維持費は変わってきます。
シンプルに各携帯会社が提示している料金だけをみるとソフトバンクのウルトラギガモンスター+が一番安くなりますが、最安値に到達するための割引条件は多めです。
(2019年12月時点の料金シミュレーション結果)
auの「データMAXPro プラン」は、他社のように上限を決めない「使い放題」プランとなるため、基本料金自体がやや高めの設定になっています。
(2020年1月31日まで)
(2020年2月1日、値下げ後)
auのデータMAXプランProは2020年2月実施の値下げにより、割引適用時には最大4480円~から利用することが出来るようになります。
ドコモの「ギガホ4,980円」も同じく家族割引を含んだ料金表記ですが、ネット回線値引きは含んでいません。ドコモのギガホプランは条件次第でもっと維持費が安くなります。
ギガホ料金内訳 | 月額料金・値引き |
ギガホ基本料金 (2年縛りなし) |
7,150円/月 |
dカードお支払い割 | ▲170円値引き/月 |
みんなドコモ割 (3回線以上) |
▲1,000円値引き/月 |
ドコモ光セット割 | ▲1,000円値引き/月 |
ドコモの学割 (2019-2020年版) |
▲1,500円値引き/月 (最大12ヶ月) |
ギガホ最安料金 |
総額3,480円~ 税込み3,828円~ |
(2020年時点)
このように、シミュレーション条件を変えることでドコモのギガホ料金はソフトバンクのウルトラギガモンスター+の「3480円」表記と同額になることもあります。
ドコモ・au・ソフトバンクの各社ギガ使い放題系プランを選択する場合は、上記の通り「どのサービスをメインで使うのか」、そして「どの割引(家族の利用回線数・ネット割引の併用)を使うことが出来るのか」を優先して、どこの携帯会社を選ぶべきか検討してみることをオススメします。
*各社の料金・サービスは2019年12月28日時点の情報に基づいています。最新プラン・料金詳細は公式HPの情報を参照ください。