アマゾンでやたらと高レビューなクチコミが多い、MISEDIという聞き慣れないメーカーのモバイルモニター/ポータブルモニターを買ってみたので評価します。
2021年時点でMISEDIのモバイルモニターには複数のディスプレイサイズ(13.3インチ・15.6インチ・17.3インチなど)・解像度(HD/フルHD/4K)・機能を持った製品があります。今回購入したモデル(MDS-156G16/MS-156G16)は以下のような特長があります。
・15.6インチのフルHDディスプレイ
・非光沢(ノングレア)パネル
・タッチパネル操作対応
・10800mAhのバッテリー内蔵
・スピーカー内蔵
一般的にモバイルモニター製品では、タッチパネル対応をしていないモデルも多い中、このMISEDIのモバイルモニターは比較的安価でタッチパネル対応かつ電源無しでもバッテリー駆動が可能という、使いやすさ重視の機能があります(MISEDIにはタッチ機能に対応しない15.6インチのモバイルモニターもあります。購入時に間違えないよう気をつけてください)。
一方で、「タッチパネル対応モデルとしては比較的安価」でありますが、タッチパネル機能が無い他のモバイルモニターに比べるとちょっぴり高価であるため、価格に見合う製品かどうか、厳しくチェックしていきます。
MISEDIポータブルモニターの仕様と同梱品
MISEDIのモバイルモニター・ポータブルモバイルモニターのパッケージは、購入してすぐに使い始められるケーブルや電源がセットになっています。
このモバイルモニターはバッテリー駆動でも利用可能ですが、電源は普通のスマホ用充電器とケーブルでは充電出来ないことがあります(高出力なPD充電規格である必要あり)。利用する場合は、必ず同梱されている充電器/ACアダプターの利用をおすすめします。
この製品に同梱されているのは、
・15.6インチモバイルモニター本体
・スタンド機能付きカバー
・PD充電ACアダプター
・HDMI-miniHDMIケーブル(PC等→モニターに接続)
・TypeC-TypeCケーブル 2本 (充電用)
・USB-TypeCケーブル(タッチ機能用)
・日本語の取り扱い説明書
以上、普通のパソコンやスマホがあれば、すぐにモバイルモニターに表示出来るセットが一通り入っています。ただし、各ケーブルはそれほど長くないため、必要に応じて延長ケーブルなどがあると便利かもしれません。
付属の説明書はかなりちゃんとした日本語で(内容が理解できるレベルで)書かれています。意味不明な機械翻訳マニュアルではありませんので、モバイルモニターを初めて利用する人でも説明書を読めば使えると思います。
モバイルモニターの製品サイズは本体重量958グラム、縦×横×厚みは227mm×358mm×8mmとされています。実測でもそのくらいの数値でした。
内蔵バッテリー容量は10800mAh、最大で6時間のバッテリー駆動が可能です(明るさや表示・利用状況によって動作時間はもっと短くなります)。PD充電で約3.5時間でフル充電が可能とされています。
*2021年購入時点の製品の仕様です。モデルによって機能や仕様が変わる可能性がありますので、詳しくは販売ページを参照ください。
☆「MISEDI 15.6インチ モバイルモニター モバイルディスプレイ 大容量バッテリー内蔵 タッチパネル搭載モデル」
MISEDIモバイルモニターのデザイン・作り評価
本体のデザインはかなり薄めで、シンプルな作りとなっています。
モニター本体の上部エッジはメタリックな装飾が施され、なかなかかっこいいです。上記の電源ボタンは電源を入れると青・充電中は赤点滅で動作状態を示します。
本体の左右には、以下のようにインターフェイスがあります。
【本体右側】:スピーカー・音量調整キー・明るさ調整キー・電源用Type-C接続
【本体左側】:スピーカー・micro USB(OTG用)・mini HDMI入力・USB-C入力(タッチ操作用)
パネルの上下・背面には何もありません。
この製品はタブレットデバイスではなく”モニター”ですので、SDカードやUSBメモリなどを直接指す事はできませんが、OTG機能はありますので別途拡張ポート等を利用すればさまざまな機器を繋ぐことも出来ます。
スピーカーは左右両方にあり、ステレオ再生が可能です。特に音質が優れているというほどではありませんが、スピーカーがひとつしかないスマホよりはずっと自然に聞こえます。
MISEDIモバイルモニターには画面保護+スタンド機能があるカバーもついています。
マグネットによってモバイルモニター本体と弱く接着し、パタパタと折りたたむことで上記のようにモバイルモニターを立てかけることが出来ます。角度調整は出来ませんが、持ち歩いて使いたい場合には十分でしょう。
このモバイルモニターはVESA(マウント)には対応していません。もし通常のパソコンモニターのように高さや向きを調整したいなら、モニター画面をホールド出来るタブレット向けアーム・スタンドなら使える可能性があります。
管理人が所有している「iPadを壁掛けに出来るアイデアスタンド/モニターアーム」で、ちょうどMISEDIモバイルモニターを挟むことが出来ました。ただし、このスタンドは13インチ程度までのタブレット向けであり、モバイルモニター用としては重いため、壁掛け状態・きつい角度にするとアームが垂れてしまいました(ネジを思いっきり締め付ければある程度は保持可能)。
MISEDIのモニター表示の品質評価
今回買ったMISEDIのモニターは、15.6インチ・フルHD対応です。パネル表面はノングレアタイプ(光沢がない)です。
上の写真は、上部がDELLのパソコンモニター、下がMISEDIのモニター表示を並べたところです。
パソコンの設定の違いもありますが、DELLのパネルとはかなり色合いが違います。MISEDIのモバイルモニターでは設定で色合い(ホワイトバランス)調整も出来ますので、このあたりは好み次第です。
ただ、モバイルモニターの画質自体は、はっきり言ってレベルが低いです。表示に不具合がある・解像度が低いという意味ではなく、パネルそのものの品質の低さが気になりました。
(左がDELL、右がMISEDIのモバイルモニター)
MISEDIモバイルモニターのパネルは、全体的にモヤがかかったようにムラというか、くすんで見えます。上記写真の赤い矢印で示した位置に注目すると、DELLモニターではドット列の線がくっきりしているのに対して、MISEDIモバイルモニターでは輝度ノイズのようにぼんやりしています。
接近して見なければ特に気にならないレベルではあるものの、明らかに有名メーカーの高品質なパソコンのモニターよりも汚いパネルです(文章や写真では伝えづらいですが、メーカーパソコンのディスプレイパネルを、サードパーティ製の格安パネルで修理したような感じの品質の低さ)。表示の色やコントラスト自体は綺麗・表示もスムーズなので、見比べなければ画質も気にならないという人もいるでしょう。
MISEDIモバイルモニターの画質は、安物らしい価格相応という評価です。
スマホをモバイルモニターに接続する場合
MISEDIモバイルモニターは、Galaxyスマートフォンの「DeX」(有線接続)に対応しています。
Galaxy Note20 Ultraの場合、付属のType-C to Type-Cケーブル1本で繋ぐだけで、ノートパソコンのような画面で操作がすぐに出来ます。
Dexモードを解除すると、スマホ画面そのものを表示することも可能です。ただし、自動回転機能などは無いため、モニターのみを表示方向変更することは出来ません(スマホが横画面になれば、比率に応じて拡大されます)。
初期設定だとスマホ側から音声が出ますが、サウンドも「オーディオ出力を変更」(Galaxyの場合)という設定から、モバイルモニターのスピーカーから鳴らすように変更も出来ました。
MISEDIモバイルモニターのリフレッシュレートは60Hz・Galaxy Note 20 Ultraは最大120Hzですがケーブル接続時の表示遅延も少なく、ほぼスマホ画面の表示と同時です(少なくとも0.01秒以下)。映画や動画を見る場合でも、音声と表示の遅延が気になるということは少ないでしょう。
MISEDIモバイルモニターを使えばタッチパネルもモニター側で操作が可能になる(Dexモードでも通常モードでも可能)ため、本当にタブレットパソコンのように使うことが出来て便利です。
表示内容はアプリにも依存しますが、とある漫画アプリの場合はスマホ2画面分が見開きのように1度に表示されて読みやすくなるアプリもありました。
関連記事:[実機レビュー]SDM865+搭載Galaxy Note20 Ultraを買って感じた優れた点・イマイチな点を評価
MISEDIモバイルモニターとライバル機種の比較
今回MISEDIのタッチパネル対応モバイルモニターを購入するにあたり、購入を迷ったライバル製品がありました。
それは、ASUSのZenScreen(MB16AMT)です。
このZenScreenとMISEDIモバイルモニターは非常によく似た機能・仕様です。
仕様・スペック | ASUS ZenScreen | MISEDIモバイルモニター |
型番 | MB16AMT | MS-156G16 |
ディスプレイ | ノングレア フルHD 15.6インチ |
ノングレア フルHD 15.6インチ |
大きさ | 359.7×227.4 ×9.0 mm |
358×227 ×8mm |
重さ | 0.9 kg | 0.958 kg |
バッテリー容量 | 7800mAh | 10800mAh |
バッテリー駆動 | 最大4時間 | 最大6時間 |
スピーカー | 2個内蔵 (1W+1W) |
4個内蔵 |
細かい機能や対応モードの違いはありますけれど、「タッチパネル操作とバッテリー動作が可能な15.6インチフルHDモバイルモニター」として、よく似た機能があります。
そして、圧倒的にMISEDIモバイルモニターのほうがお値段が安くなっています。ZenScreenのメーカー価格は44,387円(2021年1月時点)です。
☆「MISEDI 15.6インチ モバイルモニター モバイルディスプレイ 大容量バッテリー内蔵 タッチパネル搭載モデルの価格をみる」
MISEDIモバイルモニターの評価まとめ
今回MISEDIモバイルモニターを購入する際に重要視したのは「ノングレアタイプでタッチパネル操作が出来ること」でした。この点に関して、MISEDIモバイルモニター MS-156G16は十分な機能を果たしてくれました。
接続のインターフェイス、内蔵のバッテリーでも動くこと、スピーカーもとりあえずの利用には十分な音質・音量であり、満足できる水準でした。
一方で、モニターの画質は「タッチ操作をする」ことを前提にして注視してしまうと、モヤっとしたような低品質な部分が気になります(解像度が低いという意味では無い)。
高品質なパソコン・ノートパソコンのモニターやiPadのような美しい画面を想像していると、かなりがっかりするでしょう。
じっくりと画面を見なければ画質の低さもそれほど気にならないという場合もありますので、どの程度の画質を期待するか次第です。個人的な評価としては「短時間・一時的に使うのならアリ。日常的にモニターとして使うのならもっと高くても良い製品を買うべき」でした。
「フルHDの15.6インチ」+「ノングレア(非光沢)」+「タッチパネル対応」という条件を満たせるモバイルモニターは他にそれほど候補はありませんので、全体としての機能・画質と価格のバランスを考えれば十分な品質だと感じました。
☆「MISEDI 15.6インチ モバイルモニター モバイルディスプレイ 大容量バッテリー内蔵 タッチパネル搭載モデル」/購入時価格 25,440円
☆「ASUS ZenScreen MB16AMT 」