2020年6月9日発売の格安スマホ Xiaomi Redmi Note 9Sの購入レポートをお届けします。
Redmi Note 9Sは本体価格2万円台(発売時点、各税込み4GBモデル 24,800円・6GBモデル29,800円)で買える格安スマホであり、同価格帯における他社スマホ・従来スマホに比べて高めの機能・性能を誇るモデルです。
2020年6月以降のソフトウェア更新により楽天モバイル自社回線サービスにも対応するなど、端末・回線ともに「コスパ」に特化した一台です(初期状態では楽天モバイルのサービスで一部対応しない機能があります。詳しくは後述)。
Xiaomiは2019年より日本国内で正式にスマホ販売を始めており、第一弾として投入されたMi Note 10に比べてもRedmi Note 9Sは半額程度で買えます。
携帯ショップに行けば2万円台で買える安いスマホも今ではたくさん選ぶことが出来ますが、最新モデルのRedmi Note 9Sの性能・機能性およびコストパフォーマンスがどれほどずば抜けているのか詳しく解説します。
Redmi Note 9Sの主な仕様
主な仕様 | Redmi Note 9S |
ディスプレイ | 6.67インチ |
OS |
MIUI 11 (Android 10ベース) |
CPU | SDM720G |
本体サイズ | 縦:165.75 mm 横:76.68 mm 厚さ:8.8 mm |
RAM/ROM | 4GB/64GB 6GB/128GB |
電池容量 | 5,020mAh |
急速充電 | 18W急速充電 |
本体重量 | 209グラム |
カメラ | 4800万画素 +800万画素 +500万画素 +200万画素 |
防水防塵 | 非対応 |
おサイフケータイ | 非対応 |
SIMスロット | nano SIM×2 |
生体認証 | 指紋認証 顔認証 |
Redmi Note 9S国内モデルの対応バンドは以下のとおりです。
LTE:B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28/38/40/41
3G:B1/2/4/5/6/8/19
GSM:850/900/1,800/1,900MHz
Redmi Note 9Sは国内の主要キャリアと、楽天モバイルでも利用できるようになることがアナウンスされています。
2020年6月9日時点において、楽天モバイルのSIMカードを挿入するだけですぐに通話・通信機能が有効になりました(APNが自動で認識されます。正式対応は2020年6月下旬以降のソフトウェア更新後を予定)。
発売日時点では、Rakuten プランのSIMカードを挿すことで通話・データ通信・SMS(楽天回線・パートナーエリア)・回線自動切り替えが行えることが公式に確認されています。
関連記事:Xiaomi Redmi Note 9Sは楽天モバイル(自社回線) で利用可能
Redmi Note 9Sは充電器・クリアケース付き
Redmi Note 9Sは日本で非常に安価に提供されるスマホですが、購入後すぐに使い始める事ができるセットが同梱されています。
日本正規品の場合、Redmi Note 9S・日本語表記によるユーザーガイドの他、充電用のACアダプター・Type-CのUSBケーブル、SIMピン、クリアケースがセットになっています。
付属の充電器を使うと、18Wの急速充電が可能です(急速充電中はステータスバーに表示される充電アイコン(雷のマーク)が2個表示される)。
付属のケースはクリアカラーの軽量TPUケースです。装着したままイヤホンジャック・USB接続や指紋認証も行うことが可能です。
Redmi Note 9Sのデザイン・サイズ感
Redmi Note 9Sのディスプレイは6.67インチです。インカメラはパネル上部に小さな丸い穴を開けて搭載することで、高い画面占有率を達成しています。
ただ、スマホとしてのサイズ感としてはかなりの大型モデルであり、片手での全画面操作は容易とは言い難い大きさです。
本体の最上部には通話用のスピーカーがあり、その内部に通知ランプが埋め込まれています(音楽などの再生はモノラルで、本体下部のスピーカーからのみ音が出ます)。
本体の背面にはクアッドレンズのカメラが搭載されており、それぞれのレンズが異なる機能を持っていろんな場面できれいな写真が撮れます(カメラ機能について詳しくは後述)。
カメラレンズ部分は本体からかなり飛び出しています。
Redmi Note 9Sの指紋認証は本体右のホームボタンに内蔵されており、かるくタッチするだけ(タッチではなくボタンを押すことで認識が始まるように変更も可能)で素早くロック解除が可能です。
本体背面の左右部分はなめらかにカーブしており、7インチ近い超大画面のサイズから受ける印象よりも持ちやすく感じられます。
本体の下にはType-C USB、3.5mmイヤホンジャック、そしてスピーカーが配置されています。
Redmi Note 9SはDSDV/microSD同時利用可能
Redmi Note 9SはSIMフリースマートフォンであり、2つの電話回線を同時利用出来る「DSDV」(Dual SIM, Dual VoLTE Standby)に対応しています。
Dual SIMスマホの中には2枚のSIMカードを載せるとSDカードが使えない(排他利用)になるモデルが多くありますが、Redmi Note 9Sでは「トリプルスロット」仕様のSIMトレイになっておりMicro SDカードも2枚のSIMと同時に搭載することが出来ます。最大で512GBまで外部ストレージを追加することが可能です(SDカードは別売り)。
Redmi Note 9SのAntutuベンチマークスコア
Redmi Note 9SはQualcomm Snapdragon 720Gを搭載しており、格安モデルとしてはかなり高めの処理性能を持っています。スマホの処理性能の目安を測定できる「Antutu Benchmark」アプリをRedmi Note 9Sに導入して測定してみました。
アプリバージョン8.3において、Redmi Note 9Sのトータルスコアは約27万点になりました。これはおよそ3世代前のハイエンドモデルに使われていたQualcomm Snapdragon 835と同程度のスコアです。
SDM835が搭載されたスマホの例は、ソニーのXperia XZ1、シャープのAQUOS R、Galaxy S8/S8+/Note 8、HTC U11などがあります。いずれも3年ほど前のスマホですが、当時8~9万円程度だった機種に2万円台のRedmi Note 9Sが追いついたということになります。
SDM835よりも新しいハイエンドモデル向けチップ(SDM845/SDM855/SDM865)を搭載したスマホには処理能力で敵いませんが、例えば2019年モデルの格安スマホで人気のAQUOS sense3 (SDM630搭載)に比べると2倍近いスコアになっています。
2020年時点で販売されている多くの2~3万円台のスマホに使われている”SDM450/SDM630/SDM665”などのチップよりSDM720Gのほうが断然性能が高く、ある程度のゲームまでならスムーズに動くことが期待できます(各ゲームが快適に動くかどうかは処理能力の他、バージョンやアプリとの相性もあります)。
Redmi Note 9Sの発熱・連続動作テスト
続いて、Antutuベンチマークアプリの測定動作を利用し、連続でベンチマークを測定し続けることによって”長時間ゲームを遊ぶ”ような高負荷を掛け続けるテストを実施しました。
1回のベンチマークテストには約10分が掛かり、アニメーションテストや処理テストなどが行われます。このテストをさらに連続して行い、各回のスコアとスマホ表面温度を記録しました。
その結果、以下のようなデータが取れました。
テスト回数 | 表面温度 | ベンチスコア |
0回目(テスト前) | 26.4℃ | — |
1回目 | 32.2℃ | 276,763 |
2回目 | 34.7℃ | 278,945 |
3回目 | 35.3℃ | 276,934 |
4回目 | 36.8℃ | 278,883 |
各回約10分、4回のテストで合計40分間スマホが動作し続ける状況を作っています。
Redmi Note 9Sの表面(インカメラのすぐ下部分)は最大で37℃近くまで上昇しているものの、比較的発熱は穏やかに感じられました(類似の条件で測定したiPhone 11 Proでは40℃程度まで上昇した)。超高速処理を行うスマホだと40℃前後まですぐに上昇する機種もある中で、40分以上利用しても人肌よりやや熱い程度にとどまっています。
また、今回測定したディスプレイ面上部は熱くなりやすい部分であり、スマホ本体・背面下部などはもっと温度は低く(30分経過時点で32-33℃程度)、スマホに熱を感じにくい構造になっています。
連続利用による処理速度の変動も殆ど見られず、長時間ゲームを遊んでも安定したパフォーマンスが期待できます。
SDM720Gの処理性能はゲーミングスマホのような、あらゆるゲームが快適に遊べる能力があるとは言えないものの、軽量なパズルゲームやシミュレーションゲームをたくさん遊びたい人には向いているかもしれません。
*実験ではスマホをスタンドに立て掛け、家庭用測定器を用いて簡易的に測定した結果です。実際の発熱状況を正確に測定したものではありませんのでご注意ください。端末の発熱は利用状況・環境によって異なることがあります。
シャッター音も消せるカメラ
Redmi Note 9Sには4個のカメラが搭載されています。
それぞれのカメラ仕様は、
・メインカメラ 4800万画素, 1/2インチセンサー, f/1.79 4-in-1スーパーピクセル
・超広角カメラ 800万画素 f/2.2
・マクロ(接写)カメラ 500万画素 f/2.4
・深度カメラ 200万画素
の4つです。ズームレンズ(望遠)はありませんが、4800万画素の高画素モードを使うと撮影後に高い解像度で切り出すことが可能です。
また、マクロモードで使える専用のレンズを使うと、他機種では近すぎてピントが合わないような距離まで被写体にぐっと近寄ることが可能です。
(横幅3センチの鉱物標本を撮影したもの)
Redmi Note 9SのカメラはAIによるシーン自動判定のほか、
・スローモーション(120/240/960fps)
・ショートビデオ
・4Kビデオ
・ポートレート
・夜景
・パノラマ
・プロ
など、さまざまな機能が使えます。
端末の設定で日本以外の国を地域に設定すると、カメラのシャッター音を消すことも可能です(地域設定を日本にすると音が出ます)。
Redmi Note 9Sと上位モデルXiaomi Mi Note 10のカメラで写真を撮り比べをした様子は下記記事を参照ください。
関連記事: [実機比較]Xiaomi Mi Note10 1億画素カメラと激安Redmi Note 9Sの写真性能評価
シンプルで使いやすいMIUI
Redmi Note 9Sを含むXiaomiのスマホでは、OSとしてAndroidをベースとした「MIUI」というシステムが使われています。
MIUIの機能にRedmi Note 9Sだけが使える機能というものは無いはずですが、シンプルで使いやすいメニュー画面になっています。
Redmi Note 9Sの初期状態は「MIUI 11.0.7」というバージョンになっており、基本的なAndroidスマートフォンに搭載されている機能が使えるほか、「セカンド・スペース」という端末の設定を2種類独立させて(利用者に合わせて変更して)使うことが出来る機能や、「デュアルアプリ」でアプリをコピーし、別々のアカウントで利用することが出来る機能なども使えます。
Redmi Note 9Sの圧倒的コスパ・セール情報
Redmi Note 9Sはメーカー発表時点で多数のスマホ販売店で取扱が決まっており、2020年6月時点では本体一括4,900円から買える発売記念セールも登場しています。
Redmi Note 9Sには2モデルがあり、それぞれのメーカー定価は、
・RAM 4GB/ROM 64GBモデル:24,800円(税込)
・RAM 6GB/ROM 128GBモデル:29,800円(税込)
となっています(オープン価格のため、実際の販売価格は店舗により異なることがあります)
4GBモデルはアマゾンにて買うことが出来ます。
☆「Amazon Xiaomi Redmi Note9S 4+64GB 【日本正規代理店品】」
6GBモデルはビックカメラ、ノジマ、ジョーシンなどの量販店でも買えます。