日本で購入可能な正規モデル Xiaomi Mi Note 10および Redmi Note 9Sについて、それぞれのカメラ性能・作例比較を行ってみました。


(左Redmi Note 9S,右 Mi note 10)

Redmi Note 9Sは2020年6月9日に発売され、本体価格24,800円~という格安価格帯ながらQualcomm Snapdragon 720Gを搭載・4つのカメラを搭載した圧倒的なコスパを誇る新型です。

一方、Mi Note 10は2019年に発表され、スマホとして最高クラスの「1億画素・1/1.33インチセンサー」を搭載、5つのレンズを採用したペンタカメラモデルとして、非常に高いカメラ性能をもった一台として知られています。

Redmi Note 9Sの価格が2.5万円であるのに対して、Mi Note 10の本体価格は5.8万円~。「最高峰のカメラを積んだMi Note10」と、「同価格帯では最高峰のスペックを誇るRedmi Note 9S」のカメラ性能にどれほどの差があるのか、同じ状況で撮り比べをしてみます。

Mi Note 10とRedmi Note 9Sのカメラ比較

Mi Note 10とRedmi Note 9Sでは搭載されているカメラの数・センサーなどの仕様から大きく違っています。まずはそれぞれに搭載されているカメラの仕様を見比べてみましょう。

カメラの種類 Mi Note 10 Redmi Note 9S
メイン 1億800万画素
1/1.33″センサー
f/1.69
4800万画素
1/2″センサー
f/1.79
望遠レンズ 500万画素
f/2.0
無し
広角レンズ 2000万画素
1/3″センサー
f/2.2
FOV 117°
800万画素
f/2.2
FOV 119°
マクロレンズ 200万画素 500万画素
ポートレート 1200万画素
f/2.0
光学2倍ズーム
深度カメラ
200万画素
インカメラ 3200万画素 1600万画素

Mi Note10とRedmi Note 9Sではすべてのカメラレンズにおいて画素数やセンサーが異なるパーツが使われています。

数字上で見てもMi Note 10のほうがきれいな写真を撮れるであろうスペックを持っていることが一目瞭然ながら、この数字の差がどの程度画質に影響するのか、実際に撮り比べて評価します。

本体の値段が2倍以上違う2機種で、「価格が高くても良いカメラを搭載したスマホを選ぶ」と考えるのか、「この程度の差なら安いスマホが良い」と考えるのか、参考にしてみてください。

標準・広角の画角・ズームの違い

Mi Note 10とRedmi Note 9Sでは、撮影画角とズーム性能に大きな違いがあります。

前項でも比較したとおり、Mi Note 10にはズーム(望遠)用の専用レンズが搭載されているのに対して、Redmi Note 9Sにはズームレンズがありません。

それぞれ撮影可能なズーム倍率は、

・Mi Note 10:0.6倍~最大50倍(デジタル併用)
・Redmi Note 9S:0.6倍~最大10倍(デジタル)

となります。

Mi Note10とRedmi Note 9Sで同じ位置から、超広角レンズを使った0.6倍にて撮影した結果が以下の写真です。

 

Mi Note 10の広角写真 Redmi Note 9Sの広角写真

*写真はウェブサイト用に圧縮・縮小しています(若干角度が違うのは、2機種のカメラが付いている位置が異なるため)。

公式サイト上の視野角(Field of View = FOV)はMi Note 10が117°、Redmi Note 9Sが119°であり、”写る範囲”には大きな差はありません。

画素数はMi Note 10が2000万画素、Redmi Note 9Sが800万画素と2倍以上の差があります。

上記の写真から一部(左上)を切り出して比較してみましょう。

画素数が少ないRedmi Note 9Sのほうがややノイズが大きく見えますが、歪みは同程度に補正されており(広角レンズの歪み補正はオフにすることも可能)、今回の撮影条件ではそれほど画質に大きな違いは感じられませんでした。どちらも、十分にきれいな広角写真が撮れていると思います。

続いて、Mi Note10とRedmi Note 9Sで10倍ズーム状態(Redmiの最大ズーム)で比較をしてみます。

Mi Note 10の10倍ズーム Redmi Note 9Sの10倍ズーム

上記からさらに一部を切り出して比較してみましょう。

Redmi Note 9Sではすべてがぼんやりと滲んでしまう距離でも、Mi Note 10ならくっきりと写し撮ることが可能です。

写真右上にある「garden」の文字も、Redmiでは判別困難ですがMi Note10なら余裕で読めます。

また、画質の問題だけではなくMi Note 10の望遠カメラには手ブレ補正が搭載されているため、10倍ズームでも揺れがすくなく感じられます。一方、Redmi Note 9Sでは10倍ズームをするとブレが大きくなり、手ブレが発生しやすいです(上記作例は手ブレしないようにスタンドに立てかけて撮影しています)。

Mi Note 10では最大50倍ズームまで対応しており、手ブレ補正ズーム性能に関しては圧倒的にMi Note 10のほうが格上です。

高画質モードの比較

続いてそれぞれの最高画質モード(108MPと48MP)にて撮影比較をしてみました。

 

最高画質モードにするとズームや特殊効果撮影はできなくなりますが、十分な明るさがある環境においてはスマホとは思えない微細な部分まで写し撮ることが可能になります。

Mi Note 10の108MP Redmi Note 9Sの48MP

*上記はそれぞれ圧縮・縮小したものです。

いずれもスマホ上の画面で写真全体を表示させているだけならば大きな差は感じられませんが、写真を拡大比較すると、画質に差が出ます。

Redmi Note 9Sでは文字の輪郭がぼやけ始めるくらい大きく拡大した状況でも、Mi Note 10ならばクッキリと写っています。これが108,000,000画素と48,000,000画素の違いと言えるでしょう。

ただ、逆に言えばこのくらいまで大きく拡大しなければ108メガでも48メガでもそれほど画質に違いは感じられず、撮影後にパソコン・大画面タブレットで見る/拡大編集をするユーザー以外はRedmi Note 9Sでも十分に高画質なカメラであると評価出来ます。

まとめ

1億画素・大きめのセンサーを搭載したMi Note 10と、2.5万円から買える格安スマホRedmi Note 9Sのカメラを使い比べてみると、やはり「1億画素・ペンタカメラは伊達ではない」ことがはっきりと感じられました。

Redmi Note 9Sのカメラも格安スマホとして見るならば十分に高い水準にあり、超広角・マクロレンズなど、効果的で面白い写真が撮れる一台であると言えます。

しかし、Redmi  Note 9Sに非搭載である望遠レンズの影響が大きく出るズーム性能比較をすると、Mi Note10および他機種のズーム性能が高いスマホとは差が出ることがあります。

Mi Note 10もRedmi Note 10もメーカーが同じであるため、利用できる機能・モードは似通っています。スローモーション撮影・ショートビデオ・夜景・パノラマ・プロ(マニュアル)など、さまざまなカメラ機能はどちらの機種でも使えます(一部設定可能な範囲が違う部分もあります)。

カメラ機能にこだわりたいのであればMi Note 10をオススメします。上記の作例のように細かく比べていけば「Mi Note10とRedmi Note 9Sのどちらも変わらない」なんてことはなく、価格差・スペック性能差を反映した画質の差が明確にあります

しかし、「2.5万円と5.8万円」という価格差を考えた場合、よりお手軽なRedmi  Note 9Sでも十分楽しめるカメラが搭載されているため、「対コスパ」を優先するのならRedmi Note 9Sのほうが満足度は高いでしょう。

特にRedmi Note 9Sは2020年6月時点でOCNモバイルONEで発売記念セールを実施しており、本体価格一括4,900円から購入可能という激安プライスは、やはり魅力です。

より詳しい各機種のレビュー・評価は下記も参照ください。

☆「[購入レビュー]楽天自社回線対応予定 Redmi Note9S評価 2万円台のSDM720G搭載機スペック・機能

☆「Xiaomi1億画素カメラ-Mi Note10レビュー “画質以外”のカメラ機能・UIの使いやすさチェック・評価・不具合情報

[実機比較]Xiaomi Mi Note10 1億画素カメラと激安Redmi Note 9Sの写真性能評価