2018年3月末を以ってKDDI(au)はスマートフォンの契約時に提供してきた「テザリングオプション」の無料キャンペーンを打ち切り、利用ユーザーには毎月550円の課金を開始します。

本来このテザリングオプションは提供開始当時から「キャンペーンにより無料で使える」というものではありましたので、KDDIが方針を変えない限り、テザリングを使いたいauユーザーは追加料金を毎月支払うしかありません。

ソフトバンクは2018年5月31日まで無料期間を延長、ドコモは2018年4月以降も無料で提供することを発表済み(2017年7月のニュースリリース)です。また、多くの格安SIMサービスではテザリングは無料(プラン料金に含む)であるため、この機会にドコモやMVNOに移動するのも良いですが、今後のテザリング有料化対策として「SIMフリーパソコン」を使ってみるという方法もあります。

SIMフリーパソコンとは

「SIMフリーパソコン」という名称は一般的なものなのかどうかは知りませんが、ここでは【SIMカードスロットを内蔵し、モバイルネットワークに単体で接続できる”タブレット以外”のパソコン】を紹介します。

かつてワイモバイルがMicrosoft Surface 3のLTEモデルを販売したことはあります。しかし、一般的にSIMカードを直接挿して通信が出来るパソコンを携帯キャリアがセット販売していることはありませんので、必然的に「SIMフリー」となります。

タブレット(ディスプレイのみタイプ)に別売りのBluetoothキーボードを使って「パソコンっぽく使う」ということももちろん可能ですが、キーボード部分が分離しない・クラムシェル型ノートパソコンのほうがふらつかず・安定感があり、移動中に作業をするのならやはり「ノートパソコン型」であることが重要です。マグネット等で固定・立て掛けるだけの機種だと、ディスプレイが外れたり・倒れたりして危険なのです。。。

パソコン本体で直接モバイルネットワークに接続しますので、スマホのテザリング・モバイルルーターを介した接続のように別の機器を持ち歩く必要がないことも重要です。スマホのテザリングは電池の消耗も早めますから、毎回パソコンをネット接続したいときだけON/OFFにするという手間も、SIMフリーパソコンを使うことで解消されます。

日本で使えるSIMフリーパソコン機種・対応バンド

icon icon

VAIO社の小型ノートパソコン「S11」シリーズは,さすがソニー時代のXperia・分離されてからもVAIO Phoneをこれまでに作ってきただけあり、非常に豊富なLTE対応バンド数が魅力です。

3G対応(バンド 1,2,4,5,6,8,19)
LTE対応(バンド1,2,3,4,5,7,8,12,13,17,18,19,20,21,25,26,28,29,30,38,39,40,41,66)

☆「ソニーストア VAIO S11(VJS1121 ) icon」/11.0インチ 119,800円~(2018.03.20時点)
☆「ソニーストア S13 icon」/13.3インチ 119,800 円~(2018.03.20時点)

公式サイトでVAIOを購入すると、お試し用のSIMカードが無料で貰えます(1GBまで利用可能。国内ではIIJmioがサポートします)。

*VAIOのSシリーズには、LTE非対応(SIMスロット非搭載)の型番もあります。注文時にはよく注意して選んでください。

ストレージの容量やCPUはCeleron~Core i7シリーズまでさまざまな仕様をカスタマイズ出来ます。ウェブサイトの閲覧やオフィスソフトくらいしか使わないのなら最安構成~画像の処理やビジネス用の専用ソフトを動かすのならCPUのアップグレードをしましょう。

VAIO S11/S13は2018年4月25日までに購入すると、最大18,000円キャッシュバックキャンペーンの対象となっています(その他各種キャンペーンを「ソニーストア VAIO販売サイト icon」で実施しています)。

レノボのThinkPadシリーズからは、2017年モデルのX1 Carbon(14インチ)がLTEに対応したモデルがあります(SIMカードスロットがないモデルもあるので注意してください)。

対応のバンドは発売年数のモデルによって異なりますので、購入時に必要なモデルを選んでください。

2018年モデルはauのメインLTE周波数帯域であるB18,26にも対応しています。一方、ドコモのFOMAプラスエリア(B6/19)は非対応に変わる?ようです。接続可能エリア・受信接続/強度は利用環境によって異なるため2017年・2018年モデルのどちらが繋がりやすいという比較は難しいですが、Think PadシリーズのLTE対応PCは高スペックモデルでも比較的価格が安い機種が多いのが特徴です。

クラムシェルモデルのSIMフリーノートパソコンの仕様は公式サイトにてチェックしてください。

☆「ThinkPad X1 Carbon」/14インチ
☆「ThinkPad T470s」/ 14インチ
☆「ThinkPad X270」/ 12.5インチ

ビジネス用のモバイルノートパソコンと言えば定番のレッツノート(Let’s Note)にもLTE対応モデルがあります。

レッツノートは、はっきり言って価格は他社のLTEパソコンより高額ですが、耐衝撃・耐加圧の堅牢性・軽量性に優れたモバイルPCとして最上位クラスのモデルが欲しい人に向いています。

レッツノートのラインナップはau回線には非対応と考えたほうが良いでしょう(B1があるため繋がらないことはないかもしれませんが、速度・接続エリアの観点からオススメしません)。

「SV7」シリーズは12.1インチのノートPCタイプ、「RZ6」はワンサイズ小さい10.1インチノートPCタイプ、「XZ6」はキーボード部分が分離出来る2 in 1(強固に接続・安定した利用が可能)タイプです。

☆「Panasonic Store(パナソニックストア) レッツノートシリーズ

2018年4月24日13時までに、2018年春モデルのLTE対応レッツノートを公式サイトから購入すると、Panasonicが運営している格安SIMサービス「Wonderlink」を3ヵ月無料で試すことが出来るキャンペーンを実施中です。

無料で試すことが出来るのは「Wonderlink Aシリーズ」のエントリーコースプランで、月間3GBの高速通信が可能な通常は月額891円のプランです。通常の契約では最低利用期間が6ヶ月(違約金1万571円)がありますが、ネット接続がついてるキャンペーンで契約した場合はいつ解約しても違約金が掛かりません。速度や接続速度に不満がある・契約しても思ったほど使わなかった・他に安い格安SIMプランを見つけた場合に、臨機応変に契約を変更出来るチャンスです。

キャンペーンの対象となるのは2018年モデルのLTE対応機種・全11モデルで、旧モデルの購入ではLTE無料キャンペーンは適応外になる点に注意してください。

LTE対応モデルを含む2018年春モデルのSVシリーズを対象として、「”高速”SVクイズ」キャンペーンページにて簡単なキーワードクイズに参加すると最大15,000円引きのクーポンが貰えます。

重さ・サイズ比較

項目VAIO S11VAIO S13レッツノート
CF-SV7MFRQR
レッツノート
CF-XZ6LFKQR
レッツノート
CF-RZ6LFMQR
ThinkPad
X1Carbon
(2017)
ThinkPad
T470s
ThinkPad
X270
画面13.3インチ
(1920×1080)
アンチグレア
13.3インチ
(1920×1080)
アンチグレア
12.1インチ
(1920×1080)
12.0インチ
(2160×1440)
10.1インチ
(1920×1200)
14.0インチ
(1920×1080)
14.0インチ
(1920×1080)
12.5インチ
(1920×1080)
本体重量840-860g1060 g1124 g1224 g780g1130g1320 g1320 g
横幅283.4mm320.4mm283.5mm288.5 mm250mm323.5mm311mm305.5mm
奥行き195.5mm216.6mm203.8mm223.7mm180.8mm217.1mm226.8mm208.5mm
高さ
(厚さ)
15.0-17.9mm15.0-17.9mm24.5 mm22mm19.5mm15.95mm16.9-18.8mm20.3mm
駆動
時間
14.5-16.0 h11.5-12.5 h21 h18.5 h11.5 h15.3 h11.1 h11 h
SIMmicro SIMmicro SIMnano SIMnano SIMnano SIMmicro SIMmicro SIMmicro SIM
[2018.03.20作成]各データはおよその数値です。CPUやストレージの選択によってサイズが若干異なる可能性があるため、詳細は公式サイトで確認してください。

長く無料で使えるのが当たり前になっていたこと・格安SIMサービスやドコモでは今後も無料(*サービス・契約プランによる)で使える、スマホの高性能化によってスマホで使ってもテザリング経由でネットに接続しても使うパケット通信量・トラフィックが極端に変わるわけでもないのに別料金が掛かること自体がおかしい等、いろんな理由でテザリング有料化が納得出来ないところかと思います。

ただ、auのモバイルネットワークの仕様は世界的に見てもやや特殊と言われており、上記でピックアップしたSIMフリーノートパソコンにauのSIMカードをそのまま挿しても利用できない・パケット容量を一気に消費して料金請求が高額になる可能性もあります(ピタットプランのような変動性の場合)。

そこで、auの携帯・スマホとは別に、SIMフリーPC専用のモバイル回線を契約することをオススメします。

SIMフリーPC向けの格安SIMサービス

国内で販売されるSIMフリーノートパソコンのほとんどはドコモのネットワークに対応するように作られています(動作を保証するものではありません)。日常的に大容量通信を行うのでなければパケット容量は5~10GB程度があれば十分でしょう。auのスマホプランで10GBを契約すると月額8千円程度(データ定額10GB)が掛かりますが、格安SIMサービスなら10GBプランも半額以下が相場です。

大容量プランで最も単価が安いサービスだと、「U-mobile MAX」プランがあります。このプランなら1GBあたり95.2円と超格安でネット利用が可能です。

MAXプランは1ヶ月あたり25GBという超大容量のデータ通信が可能で、月額料金はわずか2千円台。この価格は一般的な格安SIMサービスのデータプラン料金の中でも、並外れた安さです。

U-mobileの通信品質(お昼・夕方時間の混雑時)はイマイチですが、ビジネス用途で一般的な仕事をする時間帯(8-12時、13-17時)や夜間での通信ならそこそこの速度が出ますので、うまく使い分けることが出来ればお得です。

MVNOサービスはいっぱいありますので、好みに合わせて選んでみましょう。

テザリング有料対策 パソコンで直接ネット通信が出来る「SIMフリーノートパソコン」という選択

Tagged on: