auからも2020年10月発売予定のGalaxy Note20 Ultraと、ずば抜けたカメラ機能&超高コスパスマホとなったドコモスマホ P30 Pro HW-02Lの実機カメラ機能比較レビューです。

P30 Proはカメラ・レンズメーカーとして有名なLeica協業による高品質なカメラ機能を搭載しています。

一方のGalaxy Note20 Ultraも3つのレンズ+深度測定用レーザーAFセンサーを搭載しています。

Galaxy Note20 Ultraの目玉機能となっているのは1億800万画素の超高画素広角カメラですが、望遠レンズも旧モデルに比べてアップグレードされています。

シリーズ 望遠カメラ性能
Galaxy Note20 Ultra
(2020年)
12MP 光学5倍ズーム
F値/3.0
Galaxy Note10+
(2019年)
12MP 光学2倍ズーム
F値/2.1
1/3.5インチセンサー
Galaxy Note9
(2018年)
12MP 光学2倍ズーム
F値/2.4
1/3.4インチセンサー
Galaxy Note8
(2017年)
12MP 光学2倍ズーム
F値/2.4

歴代のGalaxy Noteシリーズもデュアル・トリプルカメラモデルはありましたが、望遠レンズは光学2倍止まりでした。Galaxyシリーズの望遠レンズは2020年モデルから一気に向上しています。

P30 Proも強力なズームレンズを搭載しており、2019年モデルながら光学5倍相当の望遠レンズとなっていました。

Galaxy Note20 UltraもP30 Proも「光学5倍-デジタル併用50倍ズーム」が出来る機種として、実際に撮影出来る写真にどのような違いがあるのか、どちらの画質が良いのか比較してみましょう。

レンズの種類 Galaxy Note20 Ultra P30 Pro
メイン(広角) 1億800万画素
1/1.33インチセンサー
4000万画素
1/1.7インチセンサー
超広角 1200万画素 2000万画素
1/2.8インチセンサー
望遠 1200万画素  800万画素
1/3.6インチセンサー
その他 レーザーAFセンサー ToFカメラ

P30 Proのカメラ性能については下記レビューも参照下さい。

続きを読む:[ドコモ版HW-02L購入レビュー]P30 Proのズームカメラは噂通りヤバイ!型落ちのP20 Proが霞む写真性能

Galaxy Note20 Ultraで月を撮ってみた

一般的なスマホのカメラで月(特に満月)を撮影すると、光っている白い丸にしか写りません。

(光学2倍のiPhone 11 Proで撮影した月)

しかし、性能が高めの望遠カメラ搭載スマホだと月の模様が見えます

月面の模様を判別するためにはおよそ30倍~50倍程度のズーム倍率が必要(”○倍”という表現はスマホの機種/各焦点距離によって変わるため、あくまで一般的な倍率表記のイメージ)です。

Galaxy Note20 UltraとP30 Proはどちらも最大50倍ズームに対応していますので、月面が撮れます。

では早速作例を見ていきましょう。

まずはGalaxy Note20 Ultraで撮影した月です。

(画像をタップすると拡大出来ます)

上記はウェブページ用に圧縮していますが、iPhoneでは真っ白にしかならない月面の模様がかなりくっきりと写っています

Galaxy Note20 Ultraは手ブレ補正も強力に働くため、この倍率でも手持ち撮影が可能です。

続いて、P30 Proで撮影した月です。

(画像をタップして拡大)

P30 Proで撮影した月面はGalaxy Note20 Ultraに比べて滑らかで、ノイズが少なくきれいに写ります。

明暗差はGalaxy Note20 Ultraのほうがくっきりと見えるのですが、模様の境界はややモヤっとしてしまいます。P30 Proの写真のほうが模様の境界もはっきりとしています。

月の色合いはGalaxyでは黄色っぽく、P30 Proでは白っぽく仕上がりました。これは好みの問題なのでどちらが優れているとも言えませんが、メーカーの色付けの方向性が違うことが見て取れます。

管理人の主観的な感想では、Galaxy Note20 Ultraもかなりズーム性能は高いものの、月面の模様撮影においてはP30 Proのほうが若干画質が上であると感じました。

この他、iPhone 11 Pro, Pixel 4 , Xperia 1, P40 Pro, AQUOS R5Gなどで撮影した月の写真は下記を参照ください。

通常のズーム写真比較

月の撮影ではズーム性能だけでなく明暗差の調整も要求される作例でした。

続いて、同じくGalaxy Note20 Ultra, P30 Pro, そしてiPhone 11 Proを用いて同じ距離からサンプル撮影をした写真も比較してみましょう。

このように離れた距離に置いた絵の具セットのパッケージをそれぞれの機種で撮影し、同じ場所を切り出して並べてみたものが下記の画像です。

(画像をタップすると拡大出来ます)

写真中央付近の文字を拡大してみると、Galaxy Note20 UltraもP30 Proに負けないくらいくっきりとズームが可能でした。iPhone 11 Proではノイズが大きく文字の枠が潰れてしまうような小さな(遠く離れた)被写体も、Galaxy Note20 Ultra, P30 Proの望遠カメラなら高画質で捉えられます。

Galaxy Note20 Ultraの特長はカメラだけではありませんが、カメラ性能も2019年モデル最高峰と言われた機種にも匹敵する高水準なものになっていますので(auなら更に上位のGalaxy S20 Ultraも)、カメラを重視するユーザーも十分楽しめると思います。

Galaxy Note20 Ultraはau(SCG06)、P30 Pro はドコモ(HW-02L)モデルが購入可能です。

2020年9月時点、ドコモ P30 Proは一括4.8万円に値下げされており、Galaxy Note20 Ultraの半額以下で買えます。

Galaxy Note20 Ultraのカメラ評価まとめ

上記でGalaxy Note20 Ultraを用いて月・月面の撮影、ズーム機能をチェックしてみました。1億800万画素・1/1.33インチというスマホにしては大型センサーを搭載することで旧シリーズに比べると大きく性能がアップしていることが感じられました。

一方で、Galaxy Note20 Ultraと他社の最先端モデルのカメラ性能を比較すると、Note20 Ultraよりも性能が高いと感じられたモデルもあります。

2020年10月時点で国内で買えるスマートフォンのうち、やはり最高峰はファーウェイのP40 Pro 5Gでしょう。特にズーム性能に関して、Galaxy Note20 Ultraは1世代前のP30 Proとの比較であればそこそこ良い勝負になりますが、P40 Proのカメラはさらに進化しています。

十分に明るい状態であれば画素数の大きなGalaxy Note20 Ultraも最高峰の画質の写真は撮れますが、撮影に数秒を要する夜景モードを使わなくても暗所・低照度の場面ではISOを最大409600にまで上げられるP40 Proの感度・画像補正はやはり格上。

Googleサービスに非対応であるP40 Pro 5Gは購入検討候補外という場合でも、他にもauから発売されたGalaxy S20 Ultra、OPPOのFind X2 ProなどもNote20 Ultraより高い評価になるかもしれません(撮影シーンや評価方法によって差はあると思います)。

関連記事:[P40Pro実機レビュー]Googleサービス非対応でも最強カメラ&eSIMも使えるDSDVスマホ スペック&性能評価

2021年モデル Galaxy S21 Ultraならさらに高ズーム

スマホのズーム性能を極めたい人は、Galaxy Note20 Ultraの5倍ズームより高性能な2021年型 Galaxy S21 Ultraもあります。

Galaxy S21 Ultraには2個のズームレンズ(3倍・10倍)が搭載されており、最大100倍ズームが出来ます。Galaxy S21 UltraのズームはP30 Proより上です。

月面の模様を撮りたい場合も、Galaxy S21 Ultraならさらに綺麗になります。

続きを読む → [実機レビュー]安くなったGalaxy S21 Ultraを購入して感じた進化点・物足りない点 Sペン・100倍ズームカメラ

おまけ:月面クレーターが撮れる125倍デジタルカメラ

スマホのカメラで月面を撮影していて「もっと高画質で月を撮ってみたい」と思った場合、P30 ProやGalaxy Note20 Ultraよりも圧倒的にキレイに撮れるスマホ機種はなかなか無く、最新の2020年冬モデルでも望遠機能は物足りないかもしれません。

そんな場合は、やはり通常のデジタルカメラに手を出すしかありません。

上記はGalaxy Note20 Ultraの月撮影テストと全く同じタイミングで、ニコンのデジタルカメラP1000を使って撮ったものです。

デジカメP1000は、Galaxy Note20 Ultraが小さく見えるほどレンズが伸びて、35mm換算で広角24mm~3000mm相当の光学125倍ズームが出来ます。P30 Pro, Galxy Note 20 Ultraの光学倍率性能は35mm換算で焦点距離135mmですので、P1000はまさに桁違いのズーム性能です。

最新のスマホで頑張っても撮れない月のクレーター・隕石衝突によって伸びた跡まで、余裕で捉えられます。

P1000ではさすがに大型の天体望遠鏡の代わりにはなりませんが、、、

条件が良ければ木星の縞模様や土星の輪まで撮れます。このP1000も、Galaxy Note20 Ultraよりは安く買えます(2020年9月時点)。

☆「Nikon デジタルカメラ COOLPIX P1000

Galaxy Note20 Ultraカメラ実機レビュー- 月面クレーターは撮れる?P30 Proとズーム性能比較