2018年9月1日よりドコモが初めてiPhoneを月額割引がずっと続く「docomo with」対象にすることで話題となっています。
話題となっている理由は「iPhoneをドコモのまま格安で契約できるらしい」という情報が飛び交っているためですが、では実際にはどのくらい料金が変わるのか、さまざまなパターンについて新規追加対象となるiPhone 6s 32GBモデル(→2019年2月よりiPhone 7 32GBも追加されました)と、現行モデルのiPhone Xを購入した場合で比較・シミュレーションしてみましょう。
以下の料金シミュレーション結果を見ることで、「docomo withで型落ちのiPhoneを買うこと」と「通常契約で最新・最高のiPhoneを買うこと」の意味の違いがハッキリと判ると思います。
例えば家族が新しくスマホを持ちたいと言ったとき、最新モデルのiPhoneを買うのとdocomo withのiPhoneを買う場合では、大きく負担額が変わってきます。
管理人は現行でiPhone Xをメインに使っており、iPhone 6sも過去に使っていたことがありますので(他にもiPhone8 Plus, iPhone 7, iPhone SE, iPhone 6, iPhone5s, iPhone 4sも所持していました)、機種としての使い勝手の違いも合わせて解説します。
[追記]docomo withの受付は終了しました
2019年5月31日を以って、docomo with割引の新規適用はできなくなりました。これはドコモの新料金プラン「ギガホ/ギガライト」の導入により、基本料金プラン-機種割引が分離されることになったためです。
すでにdocomo withを利用中・適用中の場合は今後もサービスが続く限りは継続することも可能です。ただし、新料金プラン(2019年6月~)へ変更してしまうと既存適用者のdocomo with割引も継続することができなくなってしまいますので、旧プランのまま利用を続けるか、新プランに切り替えたほうが安くなるのかしっかりと検討する必要が出てきています。
docomo with(ドコモ・ウィズ)の概要
*以下の情報はdocomo withサービスが提供されていた頃の話です。現在は新規適用は不可能となっていますので、過去の情報を調べたい人だけ参照ください
まずはじめにdocomo withのシステムについて少しだけ解説しておきます(詳しい情報がみたい人は先に「最安月額280円でスマホ追加契約が可能”docomo with”(ドコモ・ウィズ)割引のお得な運用方法」のページをご覧ください)。
ドコモでiPhoneやスマートフォンを契約すると、通常は購入した機種と契約種別(機種変やMNPなど)に応じて「月々サポート」という月額割引が適用されます。月々サポートは機種購入後に24ヶ月(2年間)に渡って適用されるため、これまでの携帯購入は2年おき、という常識が定着してきました。
一方のdocomo with対象機種を購入した場合、月々サポート(および端末購入サポート)の機種値引きは適用されなくなります。ドコモとしては「docomo withは”基本料金からの値引き”であり、”機種代金の値引き”ではない」ということになっているはずです。
docomo withは機種代金の値引きではないため、公式サイトでは価格表示をする場合に本体の販売価格をそのまま表示します。
(過去のdocomo withスマホの例)
上記のような場合、月々サポートを適用する機種であれば「実質○○円~」といったように、2年間割引を最大まで適用した場合の価格を表示したものを見かけたことがあると思います。しかし、ドコモウィズスマホの場合は「実質○円」という書き方を公式サイトではしません(当サイトでは比較をわかり易くするためにあえてdocomo with値引き額を月々サポートと同様に計算して表記する場合があります)。
docomo withのスマートフォンはこれまで「販売価格が4万円程度」の機種に限定して適用されています。
月々サポートや端末購入サポートが適用される機種よりも定価が安く、契約月が2年を超えてもずっと割引が適用され続ける、というのがdocomo withの特徴です。
2019年2月27日 iPhone 7 32GBがiPhone6sと同額で販売中
2019年2月、iPhone 6sに続いて iPhone 7 32GBモデルもdocomo withの対象に追加され、圧倒的な人気を集めています。その理由は、iPhone 6sとiPhone 7が全く同じ価格(本体定価39,600円)で販売されているからです。
iPhone6sよりもCPUやカメラの大幅性能アップ、防水性能追加・Suica対応などの大きな進歩があったiPhone 7が追加されたことで、今買うのであればiPhone 7を選んだほうが絶対にお得です。
iPhone 6sと iPhone Xの違い
今回ドコモウィズ対象に追加されるApple iPhone 6sは2014年9月に発売されたモデルをベースに、後に追加されたストレージ容量32GBのモデルのみとなります。iPhone 6sの他のモデル(16GB/64GB/128GB)はすでにドコモでは販売が終了しています。仮にどこかのショップに32GBモデル以外の在庫があり販売されていたとしても、docomo with割引の適用をすることは出来ません(もちろん中古のiPhone6sを持ち込みで契約しても適用されません)。
Apple iPhone Xは2017年11月に発売された新型モデルで、これまでのiPhoneとは大幅に異なるデザイン・操作性を採用した斬新なモデルとなっています。
従来のホームボタンが前面からなくなり、生体認証には指紋認証ではなくFace ID(顔認証)を採用しました。また、ディスプレイを本体パネルの全域まで広げるために「ノッチ」と呼ばれる画面上部の凹みを作り、iPhone Plusシリーズよりもさらに大きな5.8インチのディスプレイを比較的コンパクトなボディに収めています。
処理性能面ではiPhone 6sに搭載されたA9チップから、iPhone7シリーズに搭載されたA10チップよりさらに1世代新しいA11 Bionicチップが搭載されています。
A9チップとA11チップの処理性能はベンチマークアプリで測定すると1.5倍くらいのスコアが出ます。iPhone 6sでも十分にゲームアプリを楽しめるレベルの高性能なCPU/GPUを搭載していますので操作上で大きく違いを感じる場面はまずありません。
(左がiPhone X, 右がiPhone 8 Plus)
カメラはデュアル仕様になり、ポートレートモードで背景のボケを表現することも出来るようになりました。
iPhone 7シリーズから新機能としてFelicaにより、Apple Payの利用が出来るという違いもあります。iPhone 6s以前のシリーズでもアプリ・ウェブを経由して支払いを行うことは出来ますが、おサイフケータイとしてタッチによる決済が出来るのはiPhone 7以降のモデル(iPhone Xを含む)となります。
また、iPhone8シリーズとiPhone Xから新しく利用出来るようになった機能に、ワイヤレス充電(おくだけ充電)もあります。
細かな違いはまだまだたくさんありますが、ざっとiPhone 6sとXの違いをまとめると、
・ディスプレイが4.7インチ→5.8インチ OLEDに変更
・ストレージ時容量が32GB → 64GB/256GBにアップ
・CPUがA9→A11へ1.5倍くらい性能アップ
・カメラが望遠ズーム対応のデュアルレンズに変更
・物理式ホームボタンが無くなり、Face IDに対応
・Apple Payも使えるFelicaに対応
・3.5mmイヤホンジャックが無くなった
・ワイヤレス充電に新対応
・防沫、耐水、防塵性能(IP67等級)に新対応
このように、3年間の進化は伊達ではありません。特にホームボタンが無くなったことによる操作方法の違いは、iPhone Xを買った直後は戸惑ったものです。すぐに慣れましたけれど。
iPhone 6sとiPhone Xは、両方を使ったことのあるユーザーから見れば間違っても「似たようなもの」とは言えませんが、とはいえiPhone 6sが完全に時代遅れになったというほど使い勝手が悪かったモデルでもありません。
iPhone 7以降は感圧式のホームボタンに変更されていますが、iPhone 6sにもフロントパネル側にボタンあり、ボタンがあるほうが操作がしやすい・慣れた操作方法のまま使い続けたいというユーザーもまだまだ居るようです。
iPhone XのFace IDは精度は他社の顔認証よりも高いものの、マスクをしていると使えない・端末を顔の正面まで持ってこないと認証しないなど仕様上の問題はどうしても生じるため、使い方に合わないと感じる人も少なくありません。
さらにiPhone 6sまでのシリーズには3.5mmイヤホンジャックがついており、ワイヤレスイヤホンを持っていない・変換プラグを使う必要なく多くのイヤホン・ヘッドホンを使うことが出来たというメリットもあります。
より詳しいiPhoneの機能・性能違いは公式サイトのスペックデータを参照下さい。
docomo with iPhoneの料金シミュレーション
このような大きな違いのあるiPhone XとiPhone 6sでは、大きく価格負担が変わってきますので実際の料金シミュレーションを比較していきましょう。
ドコモのdocomo with割引は家族と一緒につかう(パケットを分け合う・シェアする)場合でも、1人で契約する場合でも使うことが出来ますので、両方のパターンで料金シミュレーション比較を行います。
家族と一緒につかう場合
ここでは新規契約で最新・最高峰のモデルであるiPhone X 256GBモデルと、docomo with対象のiPhone 6s 32GBを新規契約する場合の月額料金負担をいくつかのプランで計算します。
料金内訳 | iPhone 7 32GB/ iPhone 6s 32GB |
iPhone X 256GB |
機種代金 | 1,782円×24ヶ月 | 5,994円×24ヶ月 |
月々サポート | — | ▲2,403円×24ヶ月 |
docomo with割引 | ▲1620円割引 | — |
シンプルプラン(スマホ) | 1,058円 | 1,058円 |
spモード | 324円 | 324円 |
シェアオプション | 540円 | 540円 |
2年間の月額料金 | 月額2,084円~ | 月額5,513円~ |
3年目以降の月額料金 | 月額302円~ | 月額1,922円~ |
上記が最も安くドコモのスマートフォンを維持できる「シンプルプラン+家族とデータシェア」で回線と追加する場合の料金負担です(実際には下取りプログラムや家族まとめて割、ポイント還元、クーポン値引きなどを併用することで負担額が変わりますので、上記は基本的な料金部分だけの比較である点に留意してください)。
iPhone XではなくiPhone 6sを購入すると、最初の2年間の月額負担は3,429円安くなり、3年目以降も月額負担は1,620円安く利用が可能になります。
2年間での負担差は82,296円となり、家族3人分契約すれば24万円ものコストダウンになります。
iPhone Xの月々サポート(新規の場合-2403円/月額)は、docomo with割引(1620円/月額)より大きな割引額となりますが、3年目以降はiPhone X購入時は割引が終わってしまうため、維持費に差(1922円と302円)が生じます。
docomo withのiPhone 6sを選べば、本体分割代金を支払い終えた3年目以降の負担額は追加1回線あたりたったの302円となり、一般的な格安スマホサービスの料金(音声通話が可能なプランは最安月額1000円~程度)よりも安くなります。
こちらのプランでは、5分以内の通話であれば他社携帯や固定電話への通話が無料になります。家族以外への通話をたまに使う・短い電話をよく掛ける場合はカケホーダイライトを選択してもdocomo with割引・月々サポートの適用が可能です。
料金内訳 | iPhone732GB/ iPhone 6s 32GB |
iPhone X 256GB |
機種代金 | 1,782円×24ヶ月 | 5,994円×24ヶ月 |
月々サポート | — | ▲2,403円×24ヶ月 |
docomo with割引 | ▲1620円割引 | — |
カケホーダイライト | 1,836円 | 1,836円 |
spモード | 324円 | 324円 |
シェアオプション | 540円 | 540円 |
2年間の月額料金 | 月額2,862円~ | 月額6,291円~ |
3年目以降の月額料金 | 月額1,080円~ | 月額2,700円~ |
*5分を超える通話、かけ放題対象外の電話番号に掛けた場合は別途料金が発生します。
料金内訳 | iPhone 7 32GB/ iPhone 6s 32GB |
iPhone X 256GB |
機種代金 | 1,782円×24ヶ月 | 5,994円×24ヶ月 |
月々サポート | — | ▲2,403円×24ヶ月 |
docomo with割引 | ▲1620円割引 | — |
カケホーダイ | 2,916円 | 2,916円 |
spモード | 324円 | 324円 |
シェアオプション | 540円 | 540円 |
2年間の月額料金 | 月額3,942円~ | 月額7,371円~ |
3年目以降の月額料金 | 月額2,160円~ | 月額3,780円~ |
*無料対象外の電話番号に掛けた場合は別途通話料金が発生しえます。
docomo withプランでiPhone 6s 32GBを新規契約する場合、通話のかけ放題プランを付けても月額4000円を切ることが出来ます。iPhone Xの場合は7千円を超えており、「日本のスマホ料金は高い」というイメージはこのあたりから来ているとも言えます(しかも上記はパケットプラン料金はシェアサービスの加入料金分だけしか含んでいない)。
一人で契約する場合
続いて、パケット容量を家族と共有するのではなく、iPhoneを契約した回線で専用のパケット容量を使う場合の料金シミュレーションを行います。
料金内訳 | iPhone 7 32GB/ iPhone 6s 32GB |
iPhone X 256GB |
機種代金 | 1,782円×24ヶ月 | 5,994円×24ヶ月 |
月々サポート | — | ▲2,403円×24ヶ月 |
docomo with割引 | ▲1620円割引 | — |
シンプルプラン | 1,058円 | 1,058円 |
spモード | 324円 | 324円 |
ベーシックパック | 1GBまで:3,132円 3GBまで:4,320円 5GBまで:5,400円 20GBまで:7,560円 |
1GBまで:3,132円 3GBまで:4,320円 5GBまで:5,400円 20GBまで:7,560円 |
2年間の月額料金 | 月額4,676円~ | 月額8,105円~ |
3年目以降の月額料金 | 月額2,894円~ | 月額4,514円~ |
ドコモのベーシックパックは2018年より提供開始となった、利用量の応じて価格変化をするプランです。詳しくは「ドコモの新スマホ料金「ベーシックパック」の罠を解説 変更して安くなる人・損をする人」のページをご覧ください。
iPhone Xを購入して1人でドコモの契約を行うと、もっも安いシンプルプラン+ベーシックパックの1GB未満利用時ですら月額の支払額は8千円を超えます。一方、docomo withであれば5千円以内に収めることが可能です。また、3年目以降もiPhone 6sを使い続けるのなら最安値は月額負担は3千円を下回ります。
料金内訳 | iPhone 6s 32GB |
iPhone X 256GB |
機種代金 | 1,782円×24ヶ月 | 5,994円×24ヶ月 |
月々サポート | — | ▲2,403円×24ヶ月 |
docomo with割引 | ▲1620円割引 | — |
シンプルプラン | 1,058円 | 1,058円 |
spモード | 324円 | 324円 |
ウルトラデータL ウルトラデータLL |
20GB:6,480円 30GB:8,640円 |
20GB:6,480円 30GB:8,640円 |
2年間の月額料金 | 20GB:月額8,024円~ 30GB:月額10,184円~ |
20GB:月額11,453円~ 30GB:月額13,613円~ |
3年目以降の月額料金 | 20GB:月額6,242円~ 30GB:月額8,402円~ |
20GB:月額7,862円~ 30GB:月額10,022円~ |
ウルトラデータパックは毎月大容量のパケット通信を必要とするユーザー向けです。小容量しか使わない場合でも料金が変わらない代わりに、余ったデータ容量の翌月繰越に対応します。
docomo withスマホは各種プランで使える
上記でのシミュレーションのとおり、docomo withを適用してiPhone 6s 32GB を購入する場合には、一人で使う場合のプラン・家族と一緒に使う場合のパケットプランでも、同じ月額1500円の割引がずっと続きます。
電話のかけ放題プランではないプラン(シンプルプラン)でも、docomo with割引が使えます。
さらにベーシックパック(1GB~20GB)の変動型プランでも、20GB/30GBの大容量データプランを選択しても、割引額が変わることはありません。
docomo withが適用できる機種はiPhone 6s 32GBおよび一部のAndroidスマートフォンに限定されますが、それ以外の料金プラン選択は初心者・ライトユーザー向けのプランからヘビーユーザー向けのプランまで、なんでも選べるのがドコモウィズの特徴だと言えるでしょう。
機種の値引きを受けるために料金の高い大容量プランへの加入が事実上強制されるようなこともなく、使い方に合わせて料金プランを選んでdocomo withのiPhoneを契約すればOKです。
ただし、iPhone Xでは利用できて docomo withスマートフォンの購入時には使えない割引(例えば「家族まとめて割」など)もありますので、最新のキャンペーン・割引条件を確認して、最高峰のiPhoneを選ぶか、安いdocomo with対象機種を選ぶか考えてみて下さい。
☆「ドコモ公式オンラインショップ 事務手数料でiPhoneを契約する手順」