最新モデルのiPhone Xでは, iPhone 7 Plus, iPhone 8 Plusでも利用できるポートレート(Portrait=肖像画の意)モードが利用できます。

背面に2個のカメラレンズを搭載したiPhoneだけが使えるこのポートレート機能は、人物撮影だけでなく風景撮りでも活躍し、これからの紅葉シーズンでは特に印象的で綺麗な写真を残すのに一役買ってくれるはずです。

iPhone Xのカメラ機能は、同じく2017年9月に発売されたばかりのiPhone 8 Plusに比べて、カメラセンサーの画素数は同じ12メガピクセルながら、望遠レンズのf値が2.8→2.4に変更されており、8PlusとXの比較では劇的に画質が良くなっているというわけではないものの、より明るく・高クオリティな写真が撮れるとされています。

というわけで、iPhone Xを使って色づき始めたイロハモミジを撮影してみましたので、最新のiPhoneのカメラ機能でどんな写真が撮れるのか気になっている方は参考にしてみてください。

*以下に掲載する写真をクリックすると、色合い・鮮明度などを未調整のままアップロードしたデータを見ることが出来ます。ファイルサイズが大きいため、Wi-Fi環境・パソコンやタブレットなどの大きな画面でご覧になることをオススメします。

まずは標準モードで撮影

iPhone Xでカメラ機能を立ち上げると、通常は[写真]と表示された通常モードで撮影が出来ます。

よく晴れた天気で、下から見上げるような角度で撮影しています。

ポートレートモードを使うには、カメラを立ち上げて左右にフリックしてモードを切り替え、「ポートレート」の表示がある画面を出します。

ポートレートの中にも「自然光」「スタジオ照明」「輪郭強調照明」「ステージ照明」「ステージ照明(モノ)」の5種類がありますが、これらの効果切り替えは撮影後にも変更が可能です。

では、ポートレートモードに切り替えてみましょう。

どうでしょうか。手前の赤い紅葉にピントがあったまま、背景の黄色~緑色の葉や空の青色の輪郭が大きくボケて、紅葉だけが際立って写っていると思います。これが、ポートレートモードの効果です。ポートレートモードが無い iPhone 8や旧シリーズのiPhoneでは、このような写真を撮ることは出来ません。

こうした背景をボケさせる写真は、交換レンズカメラ(一眼レフ/ミラーレス)を使い、単焦点レンズというものを使った撮影時に得られる効果です。これをiPhone XやiPhone 8/7 Plusでは2つの焦点距離の異なるレンズに写真を合成することで再現しているということになるはずです。

本当にデジカメ+単焦点レンズ(Canon 50mm F1.8)を使って撮影した写真もついでに掲載しておきましょう。

上のiPhone Xで撮った写真と同じように、手前の木・葉だけにピントがあっていて、背景がぼんやりと滲んでいるのがわかると思います(この他の作例は「 京都の紅葉 単焦点レンズを持って霊鑑寺に行ってきた 」を参照)。

iPhone Xのカメラが一眼レフと同じクオリティだとは言いません。ボケを表現した写真の撮り比べなら、iPhoneと一眼レフで撮影した写真データをじっくり見比べれば、まず間違いなく区別が出来るでしょう。しかし、iPhone Xでも十分にそれらしいボケを活かした紅葉が撮れていると思います。

色合いについても、iPhone XではHDR(ハイダイナミック・レンジ)撮影により、木の陰から空を見上げる逆光に近い条件でも鮮明に色が表現出来ます。 (これはHDRが有効になった通常モードの写真です。ポートレートモードは使っていません)

ここでもう一度、ポートレートモードとノーマルモードの写真(元ファイルによる比較)を比べてみましょう。

左がポートレートモード、右がオリジナルデータです。かなり自然にボケを表現出来ているように見えますが・・・

手前の赤い紅葉部分の境界を拡大してみましょう。

よく見ると、境界部分の葉先が不自然に滲んでいます拡大しなければ気づかないレベルとも言えますが、やはり完璧にボケを表現出来るというわけではないようです。これは風景写真に限らず、人物のポートレートを撮影した場合でも同様です。

iPhone Xに限らず、Galaxy Note 8やHuawei honorシリーズ・Pシリーズ、ZenFone4やLG V30+などなど、最近では多くのスマートフォンが2つのカメラレンズを搭載して、iPhoneのポートレートモードと類似の機能を使うことが出来ます(ダブルレンズカメラはiPhone 7 Plus発売よりも前から、複数のAndroidスマホで実装されています。単一レンズのスマホでも2枚の写真を連続撮影し、擬似的にボケを作り出す機能のあるスマホもあります)。

ボケを表現することの出来るスマホカメラはiPhone Xだけの機能というわけではありませんが、今回の紅葉撮影ではスマホカメラとは思えないような綺麗で、雰囲気のある写真を撮ることが出来ているな、と感じました。2倍のズーム(望遠レンズでの撮影)も非常に便利で、接写能力(小さなものを大きく撮る)も高いです。

ポートレートモードの「ステージ照明」を使うことで、背景をすべて消したり、消した背景に画像を合成したりといろな楽しみ方がありますので、日常のいろんなシーンでiPhone Xのカメラは威力を発揮してくれます。

このように、後から背景を消すことも出来ます。

iPhone 8 Plusでもほとんど同じような写真を撮ることが可能ではありますが、iPhone 8 Plusの本体が202グラムもあるのに対し、iPhone Xは約174グラムと比較的軽く、気軽に持ち運べる点が良いです。管理人はiPhone 8 Plusも買って「カメラ機能凄い!」と思っていましたが、カメラ機能に関してはフロントカメラのFace ID機能を含め、iPhone Xは完全に上位互換であると言えます。

従来通りのホームボタンが欲しい人はiPhone 8 Plusを選んでも綺麗な写真は撮れますが、新しいiPhone Xを手に入れたのなら、ぜひポートレート機能を使いこなして印象的な紅葉写真撮影にチャレンジしてみましょう。

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irumo
[レビュー]iPhone X ポートレート機能カメラで紅葉を格好良く撮影 単焦点レンズ並のボケ味を再現

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