2017年6月より発売開始となったドコモ夏モデル arrows Be(アローズビー) F-05Jは従来の月々サポート・端末購入サポートとは異なる「docomo with」という新しい割引システムが導入されました。docomo withはやや特殊な、新しい割引方式となるためどのように運用する場合に料金がお得になるのか、どのようなプランが選べるのか、併用できるキャンペーンや利用出来る機種について「F-05Jへ機種変更するとどのくらいお得か?」という観点から分析してみましょう。

docomo with全体に対する解説・利用料金イメージ・arrows Be F-05Jについての解説は以下の記事で行っていますので、参考にどうぞ。

☆「最安月額280円でスマホ追加契約が可能”docomo with”(ドコモ・ウィズ)割引のお得な運用方法を解説

☆「 ドコモ2017年夏 格安スマホarrows Be F-05Jの魅力 2年経っても買い換えず続く「安さ」と「安心」

では、「ドコモで機種変更をしてF-05Jを買う」というケースを想定した場合に生じるメリット・デメリットを上記2記事よりも詳しく考えていきます。

旧モデルのarrowsシリーズから進歩は小さい

もし富士通のアローズシリーズスマホである arrows Fit F-01H (2015年モデル)や arrows SV F-03H (2016年モデル)の性能や機能に満足できず、旧モデルより多機能・高性能なスマホを求めてarrows Be F-05Jの購入を考えているのであれば、正直オススメは出来ません。

これは過去記事で行ったスペック比較からも一目瞭然なのですが、新型のF-05Jは他社が発売しているハイスペックスマートフォンと比べると目新しい機能・ずば抜けたパフォーマンスを持つ点はありません(強いて言えば頑丈さに関してはPRポイントですが、それも旧機種・他社スマホでも類似の特長を持つスマホはあります)。古い機種がボロくなった、バッテリーが劣化して使い続けるのが困難であるという目的で「同じ性能でもいいから新しくスマホ取り替えたい」というのなら問題ないでしょう。

「arrows Be」の「Be」は、最も基本的な動詞であるbe動詞の原型で、シンプルさ、基本性能の充実、素の状態の良さ・魅力を表しています

富士通の公式サイトにもあるように、F-05Jには基本的な機能(ワンセグ・防水・おサイフケータイ)はしっかりと対応しています。機種変更に何を求めて買い替えるのかをよく考えて、F-05Jが合うのか、もっと高性能なスマホを選ぶべきか考えるところが第一歩です。

☆「ドコモ arrows Be F-05Jのスペック・価格情報を見る」(F-05Jの販売は終了しました)

2018年5月25日より、F-05Jから大幅にスペックアップをさせながらも格安価格を維持した新機種 arrows Be F-04Kが発売されました。

F-04Kもdocomo withの対象機種であり、初期購入費用以外の維持費・割引は共通しています。2年間使えば実質0円以下で使える低価格モデルながら、カメラ性能は上位モデルのF-01Kよりも明るいレンズ・ピクセルサイズの大きなセンサーを搭載するなど、スマホカメラをよく使うユーザーにも嬉しいアップグレードがありました。

F-04Kは初代のarrows Be F-05Jの完全上位互換モデルであるため、今からF-05Jを買うよりはF-04Kへの機種変更をしたほうが確実に高い満足度を得られるでしょう。

☆「NTTドコモ arrows Be F-04Kの価格・スペックをみる

より詳しいF-04Kに関する情報は以下の記事も参照ください。

F-05J本体ではなく、docomo with狙いの場合

ドコモ・ウィズの大きな特徴「機種変更をしなくても永年月額1,620円(税込み)の割引が適用され続ける」というシステムを利用し、F-05Jの端末本体ではなく「値引きされた回線」が欲しい人もいらっしゃるでしょう。その場合には前項で考察した旧モデルとの違いや、シンプルな性能であることはどうでもいいかもしれませんね(笑)

上記写真は私の所有しているSIMフリースマートフォンの一部ですが、すべてドコモ回線のデータ通信(Xi)・通話が可能な端末達です。arrows Beの販売価格は28,512円(税込み)となっており、スマホ本体の価格としてコストパフォーマンスが悪いわけではありませんが、世の中にはもっとコスパの良い機種・面白い機能を持った機種はいっぱいあります。

もちろんこれらのSIMフリースマホはドコモショップでは売られていませんので自分自身で別途購入する必要はありますが、リサイクル店・中古携帯専門店等で中古在庫などを安く買うことも不可能ではありません。

☆「携帯電話のおすすめオンラインショップ一覧リンク集

docomo withの適用には、docomo with対象機種を回線契約付きで購入している必要があります。新規でもMNPでも、機種変更のいずれの種別でも同額の割引が適用されます。

docomo withの割引は、SIMフリースマートフォンなどにSIMカードを差し替えながら使っても割引が継続されます。このルールを活かし、F-05J自体は白ロムとして売却し、すでに持っているドコモスマートフォン・ドコモのネットワーク対応のSIMフリースマートフォンを使ってもOKです。

つまり、F-05J本体の機能・性能に魅力を感じない人であってもF-05Jへ機種変更しておき、別のスマホで利用するという節約方法は誰でも思い浮かぶ回線運用法でしょう。

docomo with自体に魅力を感じる場合には、以下の割引システムと購入価格・SIMロック解除等の運用も理解してから購入検討を進めましょう。

docomo withの割引額

ドコモウィズの割引は非常にシンプルで、割引の対象状態であれば契約後ずっと1,500円(税込み1,620円)の値引きが受けられます。従来の月々サポートのように24ヶ月で割引が終わってしまうことがないため、機種変更をせずに2年以上使い続けていたい人に向いているプランです。

適用月数 割引累計 適用月数 割引累計 適用月数 割引累計
1ヶ月 1620円 13ヶ月 21060円 25ヶ月 40500円
2ヶ月 3240円 14ヶ月 22680円 26ヶ月 42120円
3ヶ月 4860円 15ヶ月 24300円 27ヶ月 43740円
4ヶ月 6480円 16ヶ月 25920円 28ヶ月 45360円
5ヶ月 8100円 17ヶ月 27540円 29ヶ月 46980円
6ヶ月 9720円 18ヶ月 29160円 30ヶ月 48600円
7ヶ月 11340円 19ヶ月 30780円 31ヶ月 50220円
8ヶ月 12960円 20ヶ月 32400円 32ヶ月 51840円
9ヶ月目 14580円 21ヶ月 34020円 33ヶ月 53460円
10ヶ月 16200円 22ヶ月 35640円 34ヶ月 55080円
11ヶ月 17820円 23ヶ月 37260円 35ヶ月 56700円
12ヶ月 19440円 24ヶ月 38880円 36ヶ月 58320円

(すべて税率8%で計算しています。37ヶ月目以降も、提供条件が変更されない限りは割引が続きます)

docomo withを2年間(24回)適用した場合、料金からの値引き累計額は38,880円分となります。2年間の割引適用だけでドコモウィズを終了させる場合≒月々サポートを適用した機種購入と考えるのあれば、2年分の月サポが4万円を超えるもっと高性能なスマートフォンを選んだほうが有利な可能性があり、docomo withが最善の選択とは限らなくなります。

本体定価 本体実質負担額*
1年後 2年後 3年後
F-05J
(28,512円)
9,072円 -10,368円 -29,808円
SO-02J
(63,504円)
39,528円 15,552円 15,552円

*2017年6月1日時点のドコモ公式ショップの販売価格による。1年=12回分の割引適用(docomo with, 月々サポート)を本体価格から差し引いたものをここでは便宜上「実質負担額」として表記しています。ドコモ的にはdocomo withの割引は「月々の利用料金の値引き」として表現されますので、混同しないように気をつけて下さい(事実上はほぼ同じことですけど…)

Xperia X Compact SO-02Jの機種変更価格では従来通りの月々サポートが適用されます(機種変更向け端末購入サポートは2017年4月に終了しています)。そのため、2年間(24回)分の月々サポートが終わってしまった2年後→3年後にかけて割引は適用されず、どこまで使い続けても本体の実質負担額は変わりません(ずっとドコモ割など長期利用値引きはdocomo withの場合も同じなので、ここでは考慮しない)。

☆「ドコモ Xperia X Compact SO-02Jをみる

しかしながら2年間までの割引額で言えば docomo with利用時で38,880円分の値引きであるのに対し、SO-02Jの月々サポート(月額1,998円値引き)合計額は-47,952円分となり、割引幅のおトクさはXperiaのほうが上です。

一方、docomo withの機種であれば1年・2年を超えて3年目以降もずっと割引が続くため、3年目以降も機種変更をせずに使い続けるとどんどん実質負担額の差が開くようになります。

SO-02Jの月々サポートが終わった時点で別の機種に機種変更をすれば、また新たに月々サポートを付け替える事ももちろんできます。逆にF-05Jを購入してすぐに別の機種(docomo with対象外)へ機種変更してしまうと、F-05Jの実質負担額はあまりお得だったとは言えないことになってしまいます。

従来通り2年ごとに機種変更を繰り返したほうが高額のスマホを割安に使うことが出来る可能性もあるため、どんな契約の仕方・機種変更のタイミングであってもdocomo withのほうが安くなるとは限らないことを理解して、月サポ(端末購入サポート)型かdocomo with機種を買うか、検討しましょう。

ドコモで比較的高い月々サポートが付く機種は以下のようなモデルがあります(2017年6月1日時点)。

機種名 月々サポート 機種変実質価格
iPhone7 32GB -2,322円 26,568円
Xperia XZ SO-01J -2,322円 25,920円
arrows NX F-01J -2,808円 25,920円
AQUOS ZETA SH-04H -2,835円 20,736円

arrows Be F-05JのSIMロック解除事情

ドコモでは2017年5月24日よりSIMロック解除に関するルールを緩和しました。この影響もまたarrows Be(docomo with対象機種)の購入に関する重要なポイントとなっています。

ドコモで買ったスマホやタブレット機種等をSIMロック解除したい場合、機種代金を一括支払いで完済した場合には即日SIMロック解除が出来るようになりました。

上記ルール変更の特例として「ドコモ 端末購入サポート」を適用して機種購入を行った場合には一括払いをしていても100日間はSIMロック解除手続きが行えないというルールもあるのですが、docomo with機種には当てはまらないため、F-05Jは購入してすぐにSIMロック解除をしやすい端末になっています。

なお、分割払いを選択した場合でも以下の条件に当てはまるのであれば100日以内のSIMロック解除手続きが可能です。

対象回線におけるSIMロック解除実績があり、かつ前回のSIMロック解除受付から100日以上経過したお客様は、機種購入日から100日経過していない場合でもSIMロック解除の手続きが可能です

F-05Jをドコモ回線・ドコモのネットワークを利用したMVNO(格安SIMサービス)で使う場合にはSIMロックの有無は事実上関係ないものの、海外や国内他社のSIMカードで使いたい場合にはロック解除が必要になるため、SIMフリー化された端末のほうが市場価値はアップするのが通例です。
F-05JのSIMロック解除は機種変更をした回線に紐付いたアカウントのMy docomoから、すぐに手続きをすることが可能です。

☆「docomo SIMロック解除の手続きについて

F-05Jの買取価格を調べる(白ロム買取店)

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docomo withの適用には「docomo with対象機種の購入が必須」というは先程書いた通りですが、その後の運用によってはdocomo withの割引が終了してしまうパターンもありますので、SIMカード差し替えて使いたい場合には以下の「docomo withの割引適用終了条件」がある点に注意してください。

・docomo withの適用対象外機種への機種変更
・docomo with適用条件外へのプラン変更(必須基本料金プラン/パケットプランあり)
・回線解約、電話番号保管*時

*電話番号保管を行った場合には保管中のdocomo with割引は停止されますが、番号利用を再開した際に割引も復活します。

より詳しい条件は公式ページ「docomo with 対象機種とキャンペーン適用条件詳細」を参照下さい。

docomo withで併用可能なキャンペーン(2017年6月)


ドコモウィズの対象機種では月額1500円の割引のほか、以下のような割引・キャンペーンの併用が可能です。

・下取りプログラム (最大28,800円相当のポイント還元:郵送利用)
・最大5万ポイントが当たるキャンペーン:2017年7月31日まで(オンラインストア限定
・最大77,777ポイントが当たるキャンペーン:2017年7月31日まで
・頭金、Xiプラン機種変更手数料無料 (オンラインストア限定
・「dカード」支払いによる2%還元 (オンラインストア限定

docomoで複数台機種を購入した際に適用される「家族まとめて割」では, F-05JおよびGalaxy Feel SC-04J(docomo with対象機種)はペアリングのカウントのみ・割引対象外となっています。

*以下のような割引とdocomo withは併用不可である点も覚えておいて下さい。

「月々サポート」「シニアはじめてスマホ割」「はじめてスマホ割」「シニア特割」「ドコモにチェンジ割」「ドコモの学割 2017(1,000円/月割引)」は、「docomo with」との重畳適用不可となります。すでに割引適用中の場合、「docomo with」契約に伴い廃止となります。またその場合、「docomo with」は開通日の翌月から割引適用となります。

各キャンペーンの適用条件は公式サイトにて確認してください。

☆ドコモ 実施中のキャンペーン一覧

irumo
ドコモウィズ対象 arrows Be F-05Jへ機種変更をした場合の実質価格とSIMフリー機種運用

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