2022年春モデルとして登場した最新のハイエンドスタンダードモデル「Galaxy S21」と、旧モデルで安くなってきた2021年モデル Galaxy S21とのスペック・機能の違い・新機能の有無、価格を解説します(日本向けモデル SC-51C/SCG13のデータ・価格情報などを追加しています)。

(2021年型 Galaxy S21実機)

2022年モデルの最新シリーズでは、3つのサイズ展開で「Galaxy S22」「Galaxy S22+」「Galaxy S22 Ultra」があります。2022年3月時点で国内向けの紹介ページがメーカーサイトにも掲載されており、日本でも発売されることはほぼ確実です。

→ Galaxy S22/Galaxy S22 Ultraが日本で2022年4月21日に発売されることが確定しました(S22+は4月時点で取り扱い無し)。

一方で、日本では2022年3月時点で2世代前の「Galaxy S20」と1世代前の「Galaxy S21」が継続して販売中(在庫限りの投げ売り中)でもあるため、ハイエンドモデルとしてはかなり安く買える状態です。

Galaxy S22とGalaxy S20/S21は”ハイエンドで比較的コンパクト”というコンセプト・デザインはずっと変わっていないため、必ずしも最新モデルを買うべき、というほどの違いが感じられない場合もあります。

新旧モデルの違いをしっかりと把握して、どちらを買うべきか・価格差と性能差から判断しましょう。

Galaxy S22とGalaxy S21の違い・比較

スペック・仕様 2021年モデル
Galaxy S21
2022年モデル
Galaxy S22
ディスプレイ 6.2インチ
FHD+
Dynamic AMOLED 2X
6.1インチ
FHD+
Dynamic AMOLED 2X
サイズ 151.7 × 71.2
× 7.9 mm
146 × 70.6
× 7.6 mm
重さ 169グラム(sub6)
171グラム(mmW)
日本モデルは約171グラム
168グラム
電池容量 4000mAh 3700mAh
電池持ち時間(5G/au)
約85時間
—(非公開化)
連続待受時間(au)
約430時間
約240時間
充電時間
最短約95分
最短約85分
CPU Snapdragon 888 Snapdragon 8 Gen 1
RAM 8GB 8GB
ROM 128GB/256GB
(日本では256GBのみ発売)
128GB/256GB
(日本では256GBのみ発売)
5G通信 sub6
sub6・ミリ波
おサイフケータイ
国内版対応
国内版対応
カメラ 12MP
+12MP
+64MP
50MP
+12MP
+10MP
価格 USモデル**
128GB:約8.3万円
256GB:約8.8万円
au (256GB) SCG09:118,540円
d (256GB)SC-51B:99,792円
d(256GB)SC-51C:127,512円
→94,512円

au(256GB)SCG13:125,030円
US:799.99ドル~
(約9.2万円)

*Galaxy S21の価格は各社発売当時のもの。2022年10月、ドコモオンラインお得割適用後価格を追加(割引にプラン条件一切無し)。

歴代のGalaxy Sシリーズは日本向けモデルではおサイフケータイ(Felica)に対応していますので、Galaxy S22国内版は対応することが期待されます→対応しました。日本向けモデルのGalaxy S22はミリ波に(ドコモ版は5G SAも)対応します。2022年春時点でまだまだミリ波の恩恵を受けられる場所は限られているものの、都心部・大型の商業施設などで超高速通信を体験出来るかもしれません。

まず、Galaxy S22では旧モデルのS21に比べて一回りコンパクトなサイズになります。

Galaxy Sシリーズは「無印」→「プラス」→「ウルトラ」の順番にディスプレイが大きくなり、無印のGalaxy S22もS21も片手で操作しやすいサイズ感といえます。

S21→S22ではディスプレイのサイズがほんの少し小さくなったものの、本体重量はほぼ変わらず、各パーツの配置デザイン自体も殆ど変わっていません。

なお、最上位モデルのGalaxy S22 Ultraだけはカメラレンズのガードデザインが変更(カメラレンズ周辺全体が飛び出るのではなく、レンズ個々が飛び出るように)されています。

デザインの見た目は大きくは変わりませんので、Galaxy S22/Galaxy S21をデザインの好みで選ぶ必要はないでしょう(ただしモデル変更による質感やカラーラインナップは販売国・キャリアによって異なります)。

Galaxy S21とGalaxy S22の最大の違いは搭載されたCPUチップでしょう。

Galaxy S22にはシリーズで最高のチップ Snapdragon 8 Gen 1が採用されています(販売国によって異なるSoCが使われることもあります)。

Galaxy S21に使われていたSnapdragon 888に比べてCPU/GPUの性能がおよそ20~30%ほどアップしており、Galaxy S22は順当に処理性能がアップしていると考えて良いでしょう。

ただし、Galaxy S21のSnapdragon888でもありとあらゆるスマホゲームは快適に遊べるくらい高性能ですので、ゲーム性能を最優先したいユーザー以外はGalaxy S21の処理性能でも不足を感じることはまず無いはずです。

Galaxy S22で物足りない・買って後悔するかもしれない要因は、バッテリー持ちの悪さです。

Galaxy S22の電池容量は旧モデルよりも約9%少ない3700mAhとされています。Galaxy S21も電池持ちの評価はやや低めでした。

公式の表記では「スマートフォンの使用パターンに最適化し、24時間以上長持ちするバッテリー」とされているものの、何日も充電せずに使いたいというユーザーには物足りない電池持ちの場合があります。

au基準の連続待受時間・連続通話可能時間もGalaxy S22では大幅に悪化しており、日常的に電池の減りが早くなったと感じてしまうユーザーが多く出る可能性があります。

CPUやディスプレイも変更されているため、消費電力が減っていれば電池容量自体が減っていても”実際に使える時間”は長持ちする可能性もありますが、5G通信・ハイパワーを必要とするゲームを長時間駆動させると電池減りが早く感じられるかもしれません。

一方では、Galaxy S22シリーズは急速充電に関わるスピードアップをしているモデルもあります。

●Max.45W:Galaxy Note10+, S20 Ultra 5G,  Galaxy S22+, Galaxy S22 Ultra
●Max.25W:Galaxy Z Fold3 5G, S21 Ultra 5G, S21 5G, S21+ 5G, Note20 Ultra 5G, S20 5G, S20+ 5G, A52 5G, Galaxy S22
●Max.15W:Galaxy Z Flip3 5G, Z Flip 5G, Z Fold2 5G, Z Flip, Fold, S10, S10+, Note9, S9, S9+, Note8, S8, S8+, A32 5G, A51 5G, A41, A21, A30, A20

*最大出力は専用の45Wアダプタを使った場合。

Galaxyシリーズのうち、2022年モデルのGalaxy S22+とGalaxy S22 Ultraは歴代最速と並ぶ45W超急速充電に対応しました。Galaxy S22は旧モデルから変わらず25Wです(au基準ではACアダプター02利用時、10分ほど充電時間が短くなった)。

このため、もし少しでも早い充電速度を体験したいというのであれば無印のGalaxy S22ではなくS22+/S22 Ultraの購入検討をしたほうが良いでしょう。

関連記事:Galaxyの45W超急速充電対応 Galaxy Travel Adapterレビュー

続いて、カメラにも大きな変更がありました。

Galaxy S21とGalaxy S22は同じ「超広角+広角+3倍相当の望遠」のトリプルカメラという点は変わらないものの、画素数やカメラセンサーが変更されています。

カメラの種類 Galaxy S21 Galaxy S22
超広角 1200万画素
1/2.5″センサー
F2.2
1200万画素
1/2.55″センサー
F2.2
広角(メイン) 1200万画素
1/1.76″センサー
F1.8
5000万画素
1/1.56″センサー
F1.8
望遠 6400万画素
1/1.72″センサー
F2.0
1000万画素
1/3.94″センサー
F2.4

超広角カメラは同様であるものの、メインカメラはよりセンサーが大きく、画素数もアップしています。

センサーサイズが大きくなることで歴代モデルよりも暗い場所での撮影に強くなっているとされています。

また、望遠カメラも大きく仕様変更があり、高画素のカメラから切り出す(ハイブリッド光学ズーム)→光学的にズームする方式になっています。

カメラの性能(写真の品質)は画素数が下がったからと言って悪くなるという意味ではないため、Galaxy S22のほうがカメラ性能が低いということはありません。Galaxy S2xシリーズの無印でも、十分にきれいな写真が撮れるという評価です。

ただ、カメラ性能を重視してスマートフォンを選びたいのなら、最上位モデルのGalaxy S22 Ultraでは108メガカメラ+光学10倍ズーム~デジタル100倍ズームができる高性能モデルがあります。Galaxy S22/S21のカメラは決して”スマホ全体で最高峰”というレベルには達していませんので、一般的なレベルでキレイという水準以上を期待は出来ません。

関連記事:15万円の価値あり?GalaxyS21UltraとGalaxyS21のカメラズーム画質評価-iPhone12ProMaxとも比較

Galaxy S22の価格比較

Galaxy S22が先行販売されているアメリカの場合、Galaxy S22とGalaxy S21の発売時点の価格は同一の799.99ドル~です。

2022年3月4日時点で各種割引・キャンペーンで200ドル相当の特典や値引きが適用されるため、アメリカでの実売価格は6.9万円程度~となっています(現地価格、128GBモデルの場合)。

☆「amazon.com Galaxy S22

一方で、日本で発売されるGalaxy SシリーズのハイエンドモデルはS21同様、キャリア向けモデルには高いコストが上乗せされてしまうため、256GBモデルなら定価10万円前後~それ以上になる可能性が高いでしょう。

Galaxy S22の日本向け価格

前項での予想通り、日本向けGalaxy S22の価格は10万円を超えました。

ただし、auでは予約キャンペーンと期間限定値引きでお得に買えます。

auではGalaxy S21の発売時価格:118,540円から125,030円まで6千490円の値上げとなりましたが、発売日から期間限定で16,500円値引き(または同額相当の還元)を受けられ、予約特典として市場相場1万円以上のGalaxy Buds2もタダで貰えます。

Galaxy S22を買うなら、予約特典がある発売日前の注文を推奨します。

[2022年10月追記]ドコモが一気に3.3万円値下げ

NTTドコモは2022年10月1日より、Galaxy S22 SC-51Cをオンラインおとく割の対象に追加し、機種変更も含めて33,000円の大幅値引きを適用できるようになりました。

ドコモではオンラインショップお得+5G Welcome割+いつでもカエドキプログラムの代金免除を併用することで、発売から半年しか経っていないにもかかわらず10万円以上安い実質負担額1.8万円まで下げてしまいました。

この値下げによりGalaxy S21との価格差がずいぶん小さくなったため、これからはGalaxy S22(ドコモ版)が狙い目です。

Galaxy S21/S20の値下がり相場との比較

2022年春時点において、日本国内では型落ちになる前に現行モデルのau Galaxy S21 SCG09やdocomo(ahamo含む)モデルの値引きが進んでいます。

2年前に発売当時10万円程度だったGalaxy S20は、現時点でドコモ公式価格(ahamo向け含む)で52,800円に値下げされています。

また、auショップでは2021年モデルのGalaxy S21が一括2万円前後~で投げ売られており、在庫処分特価のバラマキが実施されていることがあります(販売価格はショップにより異なります)。

Galaxy S21 SCG09の本体のみ価格(白ロム)も、楽天市場では6.8万円前後から新品が購入できます(2022年3月時点)。

☆「楽天市場 Galaxy S21 SCG09一覧

処理性能やカメラ性能のアップが期待できるGalaxy S22も将来的に価格が安くなることが期待できるものの、発売日直後にS22を10万円以上の高値を出して買うよりは、その半額以下で買えるGalaxy S20、3~4割は安いGalaxy S21のほうがお買い得と言えるかもしれません。

前述のとおり、Galaxy S20/S21→S22で極端に機能や性能が変わる部分は少ないため、コスパ重視のユーザーには型落ちで安くなったS21/S20をまず検討することをオススメしたいです(→2022年10月時点、価格差が小さくなってきたためS22のほうが有利な場合もあります)。

旧モデルの特徴について下記も参照ください。

☆「Galaxy S20 実機レビュー・評価
☆「Galaxy S21 実機レビュー・評価

(日本発売)2022年モデルGalaxy S22は安いか 型落ちGalaxy S21との違い・スペック・価格比較