通信品質が低い格安SIMプラン(MVNO)ではなく、ドコモ・au・ソフトバンク3大キャリアの本家回線で月額1,000円以下のスマホ料金を実現できる3プランを比較します。
2023年時点、これまで携帯会社は「使い放題」を売りにした大容量プランをゴリ押しして高額な基本料金を獲得することに心血を注いできましたが、円安・物価高・増税により”スマホ代を少しでも安くしたい”という強いニーズに応えるため、低料金なスマホプランをようやく各社が揃えてきました。
2021年にサービスがサービスが開始されたソフトバンクの「LINEMO」(らいんも)、途中でサービスを変更して誕生したKDDI(au)の「povo 2.0」(ぽゔぉ)、そして2023年7月にドコモが開始した新プラン「irumo」(イルモ)によって、MVNOではない正規のキャリア回線の料金プランで、特殊な割引/期間限定でもなく、通常の料金プランで月額1,000円以下を実現できるようになりました。
ただし、これらの携帯会社の低料金プランは従来の月額数千円もする高額プランに比べると利用できるサービス・使えるギガ容量・サポートなどに制限・差があります。
全くの初心者・スマホの使い方を熟知していないユーザーがirumo/LINEMO/povoをいきなり契約するとトラップに引っかかってしまって満足できない可能性がありますので、それぞれのプラン・サービスの特徴、メリット/デメリットを理解して、自分にあうプランへ乗り換えて適切なスマホ代節約をしましょう。
3サービスの基本料金比較
まずはドコモ・au・ソフトバンク3社の各サービスの基本料金を、ざっくりと比較してみましょう。
基本料金/サービス | irumo | LINEMO | povo2.0 |
【1,000円以下 のプラン】 |
0.5GB 月額 550円 |
ミニプラン (3GB)月額990円 |
基本料金0円 +オプション |
それ以外のプラン | 3GBプラン 6GBプラン 9GBプラン (料金は割引によって変動) |
スマホプラン(20GB) 月額 2,728円 |
無し |
*2023年8月25日時点のサービス内容。
はっきり言って、3サービスそれぞれが全く違う料金システムであるため、単純に「このサービスを選べば無難。一番良い」というものではありません。
一番安いプランを選ぶと月々のスマホ料金を1,000円以下に出来ることは間違いありませんが、条件・使えるサービスが違うため、「安いから」というだけの理由で選んではいけません。
では詳しく各社の「1,000円以下」のプランを見比べていきましょう。
irumo 月額550円プランの特徴
ドコモで基本料金1,000円以下のスマホ料金を実現したいなら、「irumo 0.5GBプラン」を選ぶことが出来ます。
irumo 0.5GBプランの特徴は、
割引条件一切無しで月額550円になる
オンライン専用ではない(ただし店舗だと手数料有)
通信速度制限3Mbpsまで/超過時128kbps
5G利用不可(4G通信のみ)
ドコモメールは有料オプション
などが挙げられます。使えるギガ(データ容量)が非常に少ないプランであるため、スマホをほとんど使わない/サブ・予備回線用など用途が限られるのがirumoの0.5GBプランです。
かけ放題/5分以内かけ放題などの通話オプションも選べるため、従来のガラケー・FOMAプランから変更するような、「通話だけ出来ればいい」といった目的ならirumo 0.5GBプランで節約が出来る可能性があります。
普通にスマホを良く使う・動画を見る・ゲームをする人は0.5GBでは一瞬で通信制限になってしまい、使い物にならなくなります。スマホで動画を見る人は550円プランより大きな容量のプランを検討してください。
irumoの場合、割引条件を満たすと0.5GBプランではなく3GBプランでも月額880円で使える場合があります。これが他社との決定的な違いですので、irumoを検討するなら下記ページも参照ください。
続きを読む → irumo(イルモ)料金プランとは?サービス特徴/使えるiPhone・スマホ
LINEMO 月額990円プランの特徴
続いてソフトバンクの格安プラン「LINEMO」の低料金コースです。
LINEMOでは「20GBプラン」と「3GBプラン」の二本立てで勝負しており、料金の安いミニプランでも新規・乗り換え契約時に大きめの特典があるのが特徴です。
割引条件無しで月額990円
LINEのギガフリー(ギガ容量を消費しない)対応
通信超過時制限 300kbps
オンライン専用プラン(店頭契約不可)
キャリアメール無し
iPhone/スマホセット販売なし
LINEMOのミニプランでは、加入特典として大量のポイントが貰えるキャンペーンがあります。特典獲得には条件がありますが、プランは実質何ヶ月もタダで使えるようなものまであります。
2023年8月時点で、公式オンラインサイトで加入を条件とした還元系特典を用意しているのはLINEMOだけです。
☆公式サイト:「LINEMO(ラインモ)公式サイト」
※出金・譲渡不可。PayPay公式ストア/PayPayカード公式ストアでも利用可。 ※ソフトバンク・ワイモバイル・LINEモバイルからの乗り換えの場合は対象外です。 ※お申し込み時に「現在ご利用中の携帯電話会社」の入力を誤って選択した場合、特典付与の対象外となる場合があります。 ※特典付与対象判定月までに、一度でも「ミニプラン」にプラン変更している場合は、特典付与の対象外となります。最新情報は公式HPで確認してください
povo2.0の月額0円プランの特徴
au系のオンラインプラン「povo 2.0」は、ドコモ・ソフトバンクの格安プランとは違い、唯一「月額0円維持」な数少ないサービスプランです。
ただし、povoは「0円でスマホをずっと使える」というプランではありません。povo 2.0の基本料金は0円ですが、実際にスマホで通話・通信させるためには有料の”トッピング”と呼ばれるオプションを追加するか、さまざまなキャンペーン・特典でデータ通信を有効化するコードを手に入れる必要があります。
基本料金は0円
データ/通話/コンテンツ各種のトッピング
「ギガ活」で容量を追加出来るチャンスあり
無課金が長く続くと強制解約あり
オンライン専用プラン
端末販売なし
povoのトッピングにはさまざまなタイプがあり、小容量から大容量のギガを含むオプションが揃っています。
トッピングを全く使わない・課金しない状態が続くとpovo2.0では強制的に回線が解約されることもあるため、スマホでトッピング購入操作が出来るユーザーであることが大前提です。
高速データ通信のトッピングがない状態だと通信速度が128kbpsに制限されるため、動画再生などはほぼ利用できない状態です。普通のウェブページの読み込みも極端に遅くなる場合があるため、普段よく使うスマホで0円状態のまま利用するのは苦行です。
月額1,000円以下で使えるオプションだと、
・3GBデータ(30日間)/990円
・1GBデータ(7日間)/390円
・24時間データ使い放題/330円
・[期間限定]1GBデータ(30日間)/499円
などを追加して、通信容量を節約しながら利用することになるでしょう。
とにかく安く維持したいという目的から、一時的に大量の通信もしたいという場合にも対応可能という自由度の高さが魅力であり、初心者には難しいと感じるかもしれない部分です。
以上、3キャリアの本家回線で「月額1,000円以下」が実現できるプランでした。
回線品質を気にしないなら格安SIM(MVNO)ならもっと安いプランもありますし、1,000円以下は難しくてもサービスが豊富なサブキャリア(ワイモバイル/UQモバイル)を選ぶという手もあります。どれがベストかはユーザーの使い方次第です。