2017年11月3日発売のiPhone XはApple StoreにてSIMフリーモデルが販売されるのと同時に、国内ではドコモ・au・ソフトバンクの各社がキャリアロックを掛けたモデルを販売します。
昨今では格安スマホ/格安SIMサービスの知名度上昇に伴い「SIMフリー」という言葉も定着してきていますが、キャリアロックが掛かった端末に関わるルールは、この2017年に各社で細かくルール変更が実施されています。ここではキャリアから購入したiPhone XのSIMロック解除・SIMフリー化するための条件や、MVNO回線などでの利用可否条件などをまとめておきます。
特に注意が必要なのは、auとソフトバンクのロック解除条件は2017年12月1日以降、2018年1月以降と段階的にルール変更が実施されるという重要なポイントもありますので、購入手続前にしっかりと購入予定のキャリア版のSIMロック解除サービスの仕様を勉強しておきましょう。
docomoのSIMロック解除ルール
ドコモでiPhone/スマートフォンを購入した場合には、「本体代金を一括払いした場合」「本体代金を分割払いした場合」、そして「過去にSIMロック解除実績があるかどうか」がポイントになります。
iPhone Xを発売日である11月3日に購入した場合に、
本体を分割払いで購入する → 2018年2月11日から解除可能(購入日を含めて101日目)
本体を一括払いで購入する → 2017年11月3日から解除可能(支払いを確認出来た日より)
本体を分割払いで購入(2017年7月26日より前に解除実績あり)→ 2017年11月3日から解除可能
特別ルールとして購入した回線で過去100日以前にSIMロック解除実績がある場合、分割払いで購入していても、iPhone X購入日からの日数に関わらず解除可能となっています。
公式の記載表現としては以下の通りです。
① ネットワーク利用制限、おまかせロック等の各種ロックがかかっていないこと
②ご利用料金のお支払実績が確認できること
③契約者ご本人の購入履歴がある機種であること
④購入日から100日経過した機種であること ( ただし、以下の場合は100日を経過していない場合でも即時にSIMロック解除の手続きが可能となります – 当該回線において、過去にSIMロック解除を行っており、その受付から100日経過した場合 、当該機種を一括払いでご購入、または分割払いでご購入され、その分割支払金/分割払金のご精算をされた場合 (いずれも端末購入サポートを利用されている場合は、端末購入サポートの解除料をお支払いいただくことが必要です。)
⑤既にドコモを解約済の方は、解約日から100日経過していないこと
上記の「④」にある通り、ドコモの一括値引き「ドコモ 端末購入サポート」を適用して購入した機種の場合は一括払いでも100日の経過が必要となる点は覚えておきましょう(2017年10月時点ではiPhoneX/8/8Plusは購入サポート対象ではありません)。
端末購入サポートを利用して機種変更をした場合には、過去に解除履歴があれば100日未満でもロック解除が可能となります(公式表記での④に該当)。
ドコモから販売されるiPhoneは、SIMロック解除をしなくてもドコモのネットワークを利用したMVNO(例えば楽天モバイル・LINEモバイルなど)のSIMカードで使う事が可能です。iPhone Xについてはもちろん現時点(2017年10月末)では動作確認が行われていませんが、ほぼ確実に従来機種と同じ挙動となりますので、ドコモ系MVNOで使い限りはSIMロック解除日は気にしなくて大丈夫なはずです。
au、Softbankおよびその両社のネットワークを使ったMVNOでドコモ版iPhone Xを使うにはSIMロック解除手続きが必要となる見込みです。ただし、確実に過去のiPhoneと同じかどうか、SIMの種類・全機能が同じように使える動作保証はありませんので、それぞれの動作状況は各格安SIMサービスにお問い合わせ下さい。
ドコモのスマホ(Xperia X Compact SO-02J)で実際にSIMロック解除手続きを行ったレポートは以下の記事を参照ください。
☆「[レビュー]Xperia X Compact SO-02JのSIMロック解除方法 au VoLTE SIMも利用可能」
auのSIMロック解除ルール
auでは2017年8月1日、そして2017年12月に重要なロック解除ルール変更があります。
2017年10月末時点(iPhone X発売日の11月3日でも同様の予定)では、以下の条件が公式の記載となっています。
①2015年5月以降に新たにauで発売されたSIMロック解除機能対応のスマートフォン/タブレット/Wi-Fiルーターなどであること。
② 機種購入日から101日目以降であること(※ご購入日当日を「1日目」)
③ネットワーク利用制限中のau携帯電話でないこと。
iPhone Xは①の条件は問題ありませんが、ドコモと違い、本体一括払いをしていてもiPhoneXの発売日時点では100日以内のSIMロック解除をすることが出来ません。
ですが、このルールは2017年12月に新たなルールが追加されることによって、条件が変わります。
2017年12月1日以降は以下のように変更されます。
①当社の回線契約を解約済みのお客さまは、解約日から100日以内の場合、SIMロック解除の手続きが可能です。
②契約者ご本人さまの購入履歴がある場合のみお申し込みいただけます。
③対象回線におけるSIMロック解除実績があり、かつ前回のSIMロック解除受付日から101日目以降である場合は、機種購入日から100日以内の場合でもSIMロック解除の手続きが可能です。
ようは、12月1日以降はドコモと同じルールになると考えて良いでしょう。
従って、発売日(11月3日)にauでiPhoneXを購入すると、
本体を分割払いで購入する → 2018年2月11日から解除可能(購入日を含めて101日目)
本体を一括払いで購入する → 2017年12月1日から解除可能(ルール変更当日から)
本体を分割払いで購入(過去に100日前に解除実績あり)→ 2017年12月1日から解除可能(ルール変更当日から)
この3パターンに分かれます。
また、iPhone Xにはとりあえず関係はありませんが、2018年1月より購入サポートなどの一括割引適用時は、一括払い時も100日以内はロック解除が出来なくなります(これもドコモの端末購入サポート適用時と同じ扱い)。より詳しいauのSIMロック解除ルールの変更に関わる注意点は下記の記事を参照下さい。
関連記事:2017年auスマホのSIMロック解除ルール変更で何がどうなる?白ロム運用・格安SIM利用時の注意点
auのiPhone XをMVNOで使う場合
auから発売されたiPhone Xを、auのネットワークを利用した格安SIMサービスで利用する場合、SIMロック解除は必要ありません。
総務省からの指導により、2017年8月以降に発売されたキャリアモデルでも、それぞれの同じMVNO系列で発売されたモデルではSIMロック解除を不要で利用できるように変更されており、iPhone8, 8 Plus, Xも対応したau VoLTE SIMであれば、そのまま使えるはずです。
具体的に利用可能機種と公開されているサイトとして、2018年8月時点において
・mineo Aプラン(auプラン)
・IIJmio タイプA
・イオンモバイル タイプ1 au回線
・UQモバイル
・BIGLOBE au回線
などが、iPhone Xの動作確認を行っています(利用には各社のAPNプロファイルのインストールが必要。iOSのバージョンによって動作が異なることもあるため、最新情報は各社HPにて確認してください)。
☆「UQ mobile(SIMカード契約のみでキャッシュバック中)」
ソフトバンクのSIMロック解除ルール
SBの場合のルール状況は、auの場合と同様です。
2017年10月末時点のルールでは、分割・一括に関わらず100日間はロック解除ができず、2017年12月1日からのルール変更により一括購入時の即ロック解除が開放されます。
また、過去に対象回線で100日以上前にSIMロック解除実績がある場合に、分割支払い中でもSIMロック解除が出来るように2017年12月1日から変更がある点も、auと全く同じです(SB-SIMロック解除の一部受付条件変更のご案内より)。
本体を分割払いで購入する → 2018年2月11日から解除可能(購入日を含めて101日目)
本体を一括払いで購入する → 2017年12月1日から解除可能(ルール変更当日から)
本体を分割払いで購入(過去に100日前に解除実績あり)→ 2017年12月1日から解除可能(ルール変更当日から)
SBとauのiPhone Xに関わるSIMロック解除ルールのスケジュールも全く同じようになります。
auとSBの違いは、2017年11月30日までは100日経過のSIMロック解除条件を満たしていれば(iPhone Xでは無理です)、購入者本人でなくてもauショップでロック解除手続きが可能な点くらいでしょう。
ドコモとau/SBでは上記のように2017年12月・2018年1月以降に順次ほとんど同じロック解除ルールになる予定です。iPhone XをすぐにSIMロック解除したい事情がある人は、発売日の時点でルールが異なる点に注意して購入手続きを進めてください。
【追加情報】: 2019年9月改訂版 ドコモ・au・ソフトバンクのSIMロック解除条件-中古/白ロムのSIMフリー化手順と料金
*上記のルールは2017年10月30日に各社のHPおよびサポートに確認したものです。随時のルール変更/解釈違いによる変則的ルール適用が行われることもありますので、SIMロック解除を行う場合は各自自己責任において、各社に問い合わせてからご利用ください。