2019年、総務省は携帯業界の複雑な料金プランが消費者の混乱を招いているとして、携帯電話端末販売と利用料金/割引のシステムを見直すことを義務付ける方針を打ち出し、通信キャリア各社がその対応を迫られています。

ドコモではこれまでに長く続いてきた「月々サポート」および2017年に導入されて以来400万契約数を突破した人気の低料金プランの「docomo with」(ドコモウィズ)がガイドラインに抵触するとして、2019年春以降に廃止されてしまう見込みです(→2019年4月15日発表の新プラン「ギガホ/ギガライト」について追記しました。旧プランの廃止も確定しています)。

ドコモウィズは対象となるスマートフォン機種は限定されますが、機種代金の定価自体が3~4万円程度に設定された比較的安価ながら日常利用に十分な高パフォーマンスを誇る機種が豊富で、利用者数を増やしていたところです。

(docomo withの対象スマホ:左からarrows Be F-04K, iPhone 7, らくスマF-01L

これまでの一般的な「機種購入後に24ヶ月間割引が続く」という(月々サポート)方式から、「月額1500円の割引が3年目以降もずっと続く/途中で割引が変らない」という安心感・わかり易さから多くのユーザーに受け入れられていたはずなのですが、、、

総務省の方針では「機種の購入と料金プランの割引を完全に切り離す」ことを強いているため、残念ながらdocomo withを継続することは難しくなったということのようです。

もっとdocomo withの仕組み・格安運用テクニックについて知りたい方はこちらを参照→「最安月額280円でスマホ追加契約が可能”docomo with”(ドコモ・ウィズ)割引のお得な運用方法を解説

料金値下げが”料金値上げに”

月々サポートおよびdocomo withの受付を終了する一方で、ドコモでは2019年中に新しい料金プラン体系を発表・運用開始することがほぼ確定的です。ここでも総務省の方針として「携帯料金プランは値下げしろ」というものがあり、現行のプランから「2割から4割程度の値下げ」が行われることが期待されます。

ここで気になるのは「どの程度まで基本料金が安くなるのか」という点です。ドコモがどのくらい料金を下げるのかは2019年3月時点ではまだ不明ながら、同様の機種代金分離プランはすでにKDDI(au)とソフトバンクでは導入されていますので他社の前例から類推しても現行プランより新プランのほうが”基本料金部分は”安くなることが予想されます。

ドコモが月々サポートを廃止するのと同様の変更を、auでは「ピタットプラン/フラットプラン」導入によって実現しています。

関連記事:auピタットプランを契約する前に必ず理解しておくべき10個のポイント

auピタットプランでは当時auスマホの通常基本料金が5~8千円程度が一般的(LTEフラットプラン契約時)であったところから、最安3,480円~(ネットセット割引・1年限定の割引含む)にまで下げました。

ソフトバンクでも2018年~2019年1月末までにスマートフォン・携帯販売向けの月月割を廃止 → 「基本プラン+ミニモンスター/ギガモンスター」 による基本料金の値下げを実行しています。

関連記事:ソフトバンク新プラン「ウルトラギガモンスター+/ミニモンスター」契約条件や2年縛りは?デメリットを分析

au・ソフトバンクがすでに始めた新プランに比べると、確かにドコモの通常基本料金の体系は”機種代金の割引を含まず比較すると割高”になるケースも存在しています。

例えば、現在ドコモで契約できる月々サポート向けの基本的な料金プランでは最新のiPhone XS (64GB)を買うと、機種代込みで1万円近くの負担になります。

しかし、docomo withの場合にはたとえ基本料金が2割~4割安くなったところで、すでに安い料金プランで運用している・docomo withの現行値引き「1500円値引きがずっと続く」よりも安くならない可能性が高いです。

docomo withプランの場合は現行の料金システムでも機種代金部分に関わる値引きはしないため、「docomo with割引分>基本料金の値下げ効果」となってしまい、4割の値下げでは逆に維持費が高くなってしまいます。

現在の280円と同等にまで下げるためには基本料金自体を80%以上も値下げしないと計算が合いません。ドコモが基本料金を8割下げることを期待するのはさすがに無理があるでしょう。280円では現在のspモード/iモードの利用料金にすら足りません。

上記の予想新料金では「基本料金のみを4割安くして、機種値引きが変らない」場合を想定しています。実際の新料金ではもっと別の割引が登場してくるかもしれませんし、機種代金自体が今とは変わってくることもありえます。

[追加情報] 2019年4月15日、ドコモ新プラン発表

NTTドコモは2019年4月15日15時、新しい料金プランを突如発表します。これまでの「かけ放題+定額パケットプラン」とは一部異なる、新しいプランです。詳細は下記記事で解説します。

本サイト解説:[最大4割値下げ]ドコモ2019新料金プラン解説 結局スマホ料金は安くなるのか?高くなるトラップを解説

公式:NTTドコモ-新しいお知らせ

新料金プラン「ギガライト」では、パケット料金部分だけを比べて、”4割の値下げ”としています。確かに上記の点だけについて見れば値下げされていることは間違いないのですが・・・予想通り、機種代金が事実上大幅値上げ(割引廃止)によって、帳尻が合わされてしまっています。

新プランで契約したくないユーザーは、現行プラン・割引が使える2019年5月31日までがリミットとなりました(5月31日までに加入すれば、月々サポート・端末購入サポート・docomo withなども6月以降も引き続き利用する事が出来ます)。

上述の通り、高い料金プランをベースに考えれば「4割の値下げ」によって月々サポートが廃止されても「機種代金+新料金プラン」のほうが安くなるケースが出てくることも考えられます。しかし、元から料金が安い docomo with割引と同等にまで新プランが安くなる保証はありません。すでにある程度の安いドコモ料金プランの組み方を知っているユーザーにとっては改悪にしかならない可能性のほうが高いと言えるでしょう。

現在のdocomo withでは2019年2月27日より、新しく iPhone 7(32GB)モデルも対象になりました。元から高額な最新のiPhoneを買うのなら新料金プラン発表後のほうが多少安くなる可能性もゼロではないものの、docomo with廃止後にiPhone 7を280円以下で維持する方法が残されているかは判りません。

もし新料金プランのほうが安くなるのであれば、その時にプランを変更すれば良いだけです。しかし、docomo with廃止後に永年1500円値引きを追加することは絶対に出来なくなります。新プランのほうが”割高/割安”になるかどうかは実際の発表後・提供開始後に考えても遅くはありませんが、docomo withプランを契約できるのは今だけだと思って早めに契約を行っておくことをオススメします。

☆「ドコモ公式HP:docomo with 対象機種とキャンペーン適用条件詳細」/ 2019年5月31日を以って新規受付終了が確定

当サイトではdocomo with対象のスマートフォンをたくさん入手して比較レビューを行っています。各機種の実際の使い勝手や評価を見たい方は下記の実機レビューリストよりご覧ください。

☆「ドコモスマートフォン実機レビュー一覧」(docomo with対象機種はAQUOS sense2, Galaxy Feel2, LG Style, らくらくスマートフォン, arrows Beなどを網羅しています)

*当ページは2019年3月時点(一部2019年4月の新着情報を追加しました)の情報に基づき記載しています。ドコモの2019年導入見込みの新プランについて確定した公式情報は一切公開されておらず、すべて憶測に基づくものとなります。今後状況次第で有利/不利が変わってくる可能性も高いため、最新情報を良くチェックしてください。より詳しい情報・最新情報はドコモへ直接お問い合わせください。

[ギガホ/ギガライト]2019年分離プラン改悪 ドコモスマホ “料金4割値下げ”でもdocomo with廃止で料金が高くなる可能性大