店頭でちょっと触ったくらいでは気づかない、Pixel 7 / Pixel 7 Proの顔認証の残念な点、その弱点の対策を公開します。

2022年モデルのGoogleスマホ「Pixel 7」と「Pixel 7 Pro」では、Pixel 6シリーズには無かった顔認証が追加され、「顔認証+指紋認証」によるダブル生体認証を使えるようになりました。マクスを付けているときには指紋認証、屋外や家庭内では顔認証で、場面に合わせてスムーズなロック解除が出来るため、利便性が大きく向上しました。

一方で、実際にPixel 7に生体認証によるセキュリティを設定して使い始めてみると、iPhoneのFace ID(顔認証)に比べてちょっと不満に感じる場面が出てきました。

Pixel 7はマスク着用時顔認証非対応

Pixel 7/Pixel 7 Proでは、事前に撮影した使用者の顔情報データを参照して認証を行います。

上記の顔認証登録直後のアナウンスにも書かれている通り、Pixel 7の顔認証は「顔が十分に照らされていて、マスクやサングラスを付けていない場合」には顔認証が動作します。

iPhoneシリーズでは最新のソフトウェアにアップデートすると、マスクを付けたままでも顔認証(Face ID)が使えるように設定が出来ます。iPhoneではマスク着用時の目の周りの特徴・メガネの状態を細かく分析・解析することで、このような機能を実装しています。

一方で、Pixel 7 / Pixel 7 Proにはマスク着用時向けの設定はありません(顔情報は1つしか登録できないため、マスクあり/なしで両方登録することも出来ません)。Pixel 7シリーズには顔認証しか使えないiPhoneと異なり指紋認証もありますから、”マスク着用時は指紋認証を”と使い分けることは出来ますので、”マスク着用時は顔認証が出来ない”と覚えておく必要があります。

”マスク着用時にロック解除が出来ない”というのは想定内だったのですが・・・問題は次の弱点です。

Pixel 7の顔認証は暗い場所では失敗しやすい

これは前項でも少し書きましたが、Pixel 7の顔認証は「顔が十分に照らされている場合」にしか正しく動作しません。夕暮れ程度の暗さならば問題ありませんが、夜間の街灯が少ない屋外/照明がついていない屋内において、顔認証に失敗しまくるケースに遭遇しました。

iPhoneのFace IDでは「TrueDepth カメラシステム」と呼ばれる、顔の形・特徴を深度(奥行き)のデータを含めてセンサーで解析・照合するため、暗い場所でも顔認証が使えます。

実際に照明を消した室内でiPhone 14 ProとPixel 7 Proを両手に持って顔認証を試すと、iPhoneでは完璧に動作する明るさでも、Pixel 7 Proの顔認証は動作しませんでした。

(Pixel 7 Proの明るさを自動設定した場合)

Pixel 7/Pixel 7 Proの顔認証は深度センサーではなくインカメラによる画像分析でしょうから、暗い場所での動作に弱いことは想定して然るべきでしたが・・・筆者はこれまでiPhone 14 Pro (および歴代Face ID搭載モデルも毎年購入)の顔認証に慣れていたため、Pixel 7 Proの顔認証がここまで夜に弱いことに強いギャップを感じました。

この「暗い場所でPixel 7の顔認証が動作しない」場合の対処方法として、Pixel 7のディスプレイの明るさを最大にしておけば、ディスプレイが照明代わりになって顔を照らすことで顔認証を動作させることが可能です。

(Pixel 7 Proの明るさを手動調整した場合)

筆者が試したところでは、Pixelのディスプレイの明るさを75%~100%に設定しておけば、真っ暗な室内でも顔認証に成功するようになりました。しかし25%以下~明るさ自動調整にしてしまうと暗い場所では顔認証が使えないという印象です。

顔認証をするときだけ自動でディスプレイの明るさを最大輝度に調整するなどの設定が出来ればよいのですが、2022年10月時点のソフトウェアではそのような設定は見当たりません。今後のアップデート・システム更新に期待したいところ。

明るささえ確保されていればPixel 7の顔認証精度・スピードはともに満足できるスムーズさ、指紋認証によるロック解除も全く問題なく動作しています。

ということで、「暗い場所では顔認証が使えない/指紋認証を使う」ことをしっかりと把握しておけば問題ありません。しかしながらiPhoneでは暗い場所でも全く失敗せず解除が出来ていたため、iPhoneからPixelへ機種変更するユーザーは利用時に留意してください。

実際に使って分かったPixel7顔認証弱点-認証精度/iPhoneのFace IDと比較した場合の残念な点(対処方法あり)