日本へ初投入されることになったXiaomiの最新スマホ「Mi Note10/Mi Note10 Pro」は、1億800万画素・1/1.33″センサーという、世界最高峰の画素数と大きなセンサーを搭載していることで話題となっています。

しかしながら、どれほど大きな画素数・大きなセンサーを搭載していようとも、カメラアプリの操作性が悪い・機能が少ない・加工や編集がしづらい・カメラアプリ自体に不具合がある場合には「良くないカメラ」になってしまうでしょう。

そこで実際にXiaomi Mi Note10(Global仕様の日本公式発売と同一モデル)を1ヶ月、主にカメラ用途として使ってみて感じた使いやすさ・各種機能の評価や、生じた不具合・不満点を詳細に紹介します(実際にMi Note10で撮影した作例もあります)。

Mi Note10とその他トップメーカーのカメラ画質比較はこちらを参照 →Xiaomi Mi Note10実機レビュー 5万円台でもiPhone11Proを超える評価の最強カメラスマホ

Mi Note10のカメラスペック

Mi Note10に搭載された「5個のレンズ」は、それぞれ役割が異なります。スマホのカメラは”レンズの数が多ければ良いスマホ”というわけではありませんが、Mi Note10のカメラレンズの多さは「機能の豊富さ」に直結する仕様となっています。

5つのカメラは上から順番に、

・光学5倍相当、最大50倍ズーム時に使われる 500万画素望遠カメラ
・光学2倍相当、ポートレート撮影用に使われる1200万画素カメラ
・1億800万画素、1/1.33インチのメインカメラ
・画角117°、 2000万画素の超広角カメラ
・最短1.5センチまで寄れる200万画素のマクロカメラ

となっており、利用シーンによってカメラが自動的に切り替わります(プロモード時にはマニュアルで選ぶことも可能)。

この中で、特にMi Note10/Mi Note10 Proの目玉となっているのが1億800万画素という、一般的なスマホの画素数とはまさしく桁違いのメインカメラです。

単に”画素数が大きいだけ”ではキレイな写真が撮れるカメラとは言えないものの、利用されているセンサーもスマホ用としては超大型であり、高い解像度を実現しています。

参考ページ:スマホカメラのセンサーサイズ一覧 センサーの大きさ比較/画素数・F値データ

Mi Note10で使えるカメラモード

2019年12月時点のソフトウェアで利用できる、Mi Note10/Mi Note10 Proに搭載されたカメラモードは以下のようなものがあります。

・スローモーション(120/240/960fps)
・ショートビデオ
・ビデオ
・写真
・108M
・ポートレート
・夜景
・パノラマ
・プロ

スマホのカメラを使ったことがあるユーザーならば、日本初登場のXiaomiスマホであってもモードの名称を見るだけでそれぞれの機能がどんなものか想像がつくと思います。Mi Note10のカメラモードでは、そこまで極端に目新しい機能があるわけではありませんが、iPhoneやGalaxy, Xperiaスマホなど有名なメーカーのスマホカメラで出来ることは、だいたいMi Note10でも出来ます

ではそれぞれのモードについて、実際に利用してみた感想を解説していきます。

このMi Note10のカメラモードの中で、Mi Note10ならではの機能はやはり「108M」モードでしょう。

「108M」は文字通り、メインカメラの108メガピクセルを活かしたモードのことです。

108Mモードは項で解説したとおり、Mi Note10に搭載された5つのカメラのうち、108メガピクセルのセンサーを搭載しているのはメインカメラだけであり、広角・マクロ・ズームレンズは108メガではありませんので、「108M」モード時は広角・ズームは機能は使えません(ズームや広角を使う場合は通常時は”写真”モードを使います)。

ここでは108メガモードの画質そのものについては紹介を省略しますが、108Mモードを使っていて気になった点として、ファイルサイズが非常に大きいせいなのか保存に時間が掛かることが挙げられます。

一般的なスマホで撮影する写真のデータ容量は、高画質モードで保存するとおよそ5MB~10MB程度になることが多いはずです。しかし、Mi Note10の108Mモードの写真は1枚あたり30MB程度にまで容量が膨れ上がることがあります。Mi Note10の本体データ保存容量は128GB, Proならば256GBのストレージを搭載していますので、たくさんの写真をスマホ本体に保存する事自体は可能です。

大きな写真データを保存する処理が重すぎるのか、Mi Note10自体の処理性能が足りていないのか、1枚写真を撮る毎に10秒程度の処理待ちが必要です。保存処理中にはもちろん次の写真を撮ることが出来ず、カメラモードが切り替えられないという仕様になっています。

連写をしたい場合には108Mモードの待ち時間はやや焦れったく感じましたので、「ここぞ」という時にだけ108Mは使うべきなのかもしれません。

専用のマクロレンズが効果的

Mi Note10では「マクロ(接写)」用の専用レンズを搭載しており、被写体に超接近して写真を撮ることが出来ます。

画素数自体は200万画素と低いため、超高精細な写真に仕上がるわけではありませんが、物理的に近寄ることが出来る対象であれば普通のスマホでは写し取ることが難しい超拡大写真を撮ることが出来て、かなり楽しいです。

Mi Note10では「マクロレンズで拡大する」ことと「ズームで拡大する」ことが出来るわけですが、”たった200万画素”と思うかもしれませんが、十分に物理的に接近出来るモノを撮る場合にはマクロモードが効果的です。

スローモーションビデオも多彩

昨今のほとんどの高性能スマホでも可能なように、Mi Note10でもスローモーション撮影が出来ます。

スローモーション速度は120fps、240fps、そして最高960fpsのスーパースローモーションにて撮影モードを切り替えて使うことが出来ます。

スローモーションは通常レンズの他、マクロレンズでもスローモーションが撮れます(ただし240fpsまで)。

960fpsモードの場合には、約2秒の撮影時間のうち、最後の1/4がスーパースローモーションになります。つまり、シャッターを押した瞬間にスロー撮影が始まるわけではないため、ちょっと使いづらいです。他社スマホだと「フレームに動くものが入った瞬間に自動でスローモーション撮影スタート」といった機能がある機種もありますが、そういった機能はMi Note10にはないようです(2019年12月時点のソフトウェア時点)。

スマホカメラの標準モードである「写真」では、広角0.6倍~最大50倍までのズーム撮影が出来ます。

ズームの切り替えは、0.6倍・1倍・2倍・5倍の4種類をタップで切り替える(数字が○で囲まれている状態時)方法と、メモリをスライドさせることによる0.6~50倍切り替えが可能です。

タップ・スライドによるズーム切り替えはスムーズで、ズーム倍率の表示を”タッチして左右に動かす”操作で、素早く倍率を変えられます。

テイクオフする飛行機を追いかけるようにズームを切り替えても十分撮影に間に合います(ただし、最大50倍まで使えるとはいえ、20倍以上の倍率を使うとかなり手ブレが発生する・画質が落ちます)。

なお、これは一般のユーザーは特に気にする必要はない情報ですが、Mi Note10で撮影した写真ファイルにはデジタルズーム倍率のデータが保存されない仕様になっているようです(EXIFに35mm換算でレンズの焦点距離は表示されますが、ズーム分は反映されない。スマホ内アプリのファイル詳細データにも倍率は表示されない)。Mi Note10で撮影後に「この写真は何倍のズームで撮ったものだったかな?」と気になっても、調べることが出来ないのはレビュー制作者としてちょっと不便でした。

Mi Note10プロモードの設定加工項目

写真にこだわりがあるユーザーは、カメラの各種設定を手動で固定出来る「プロ」モードもMi Note10で使うことが出来ます。

設定可能な項目は、

・ホワイトバランス
・フォーカス
・シャッタースピード(1/1000秒~最大32秒)
・ISO(100~3200)
・レンズ選択(超広角・広角・望遠 2X・望遠5X・マクロ)

です。

Mi Note10のカメラ不具合・エラー

Mi Note10のカメラを使っていて、実際に遭遇したエラー・不具合っぽいものもいくつかありました。

1ヶ月使っていて1回だけですが、「カメラエラー」が表示され、撮影が全く出来ないトラブルがありました。

カメラを起動しても画面が真っ暗のまま変わらない状態が続き、スマホ画面には「カメラに接続できません」と表示されてカメラアプリが落ちました。原因は不明です。直後にもう一度カメラアプリを起動したところ、すぐに通常通り撮影ができており、エラーの再現は今のところ出来ていません。

上記の「カメラエラー」の表記は出ずに、カメラ自体がフリーズすることも何度かありました。こちらは108Mモード時・夜景モード時などに、連続で操作する・画像保存処理中に操作を行ったときに起きやすい印象です(必ずフリーズするわけではありません)。

また、まれにカメラの自動回転が効かない不具合も1度だけありました。スマホの設定自体は回転がオンになっていることを確認済みである状態でも、スマホを縦・横に倒してもUIが固定されたまま、回転動作をしませんでした。

一旦カメラアプリを停止しても画面回転が反映されなかったため、スマホ本体を再起動したところ直りました(こちらも1度きりのトラブルで、その後再現しませんでした)。

Mi Note10カメラUIの総評

Mi Note10のカメラアプリの使い勝手は、他社のスマホと使い比べてみても、特別に珍しい機能があるというほどではないものの、十分に使いやすい操作性・機能性を持っているという評価です。


標準アプリから撮影後にメールやSNSアプリへ連携して送信・保存する機能や、さまざまな雰囲気のフィルター設定・加工も出来る機能があります。

上記の昼間に撮影した写真から、「空」の部分を自動で認識して・・・

夕暮れに撮影したかのような写真に加工することも、デフォルトのアプリで可能です(夕暮れ以外も虹を入れたり、青空・雲のある空などを選ぶことが可能)。じっくり見比べない限り不自然さを感じさせず、自然にフィルター加工をすることが出来ています。

上記で紹介した以外にも、パノラマ写真・タイムラプスビデオ・いろんな効果を付けられるポートレートモードなどなど、印象的な撮影に使える機能や便利な設定もあります。最高峰のカメラスマホであるMi Note10/Mi Note10 Proを購入したのなら、いろんな機能を使いこなせるようにいろいろと試してみると楽しいと思います。

やや気になるのは写真の処理保存に時間がかかる場合があること、フリーズ・エラーが発生する不具合がある点ですが、これらも今後のソフトウェアの更新によって修正される可能性もあります(上記感想はすべて日本発売前のMi Note10のソフトウェアバージョンで試した時点のものです)。

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Xiaomi1億画素カメラ-Mi Note10レビュー “画質以外”のカメラ機能・UIの使いやすさチェック・評価・不具合情報

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