2017年モデルのiPhoneは過去のモデルに比べて見た目の違いだけでなく、内部にもいろいろと細かな進化があります。その中で日常的に新型のメリットを感じることが出来そうなポイントが、インターネット通信の接続速度向上です。
必ずしも最大速度の数字通りのネット接続を体感できるわけではありませんけれど、どうせなら速い接続が出来るキャリアを選びたいという人も多いと思います。最新のiPhone8/8 Plusが過去のiPhoneシリーズと比べてどのように変わったのかチェックしてみましょう。
国内で販売されているiPhone 8/ 8 Plusは「モデルA1906(iPhone 8)」と「モデルA1898(iPhone 8 Plus)」という型番になっており、ドコモ・au・ソフトバンク・アップルストアで売られている端末はすべて規格上は同じ接続方式に対応しているはずです。しかし、実際のネット接続時にはそれぞれの携帯会社が利用しているネットワーク周波数の対応・キャリアアグリゲーションの種類・利用可能なエリアによって最大速度が異なります。
iPhone8/8 Plus/Xの対応バンド
国内正規モデルのiPhone8, iPhone 8 Plusが対応しているバンド(周波数帯)は以下の通りです(→iPhone Xも同じです)。
FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、66)
TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42)
TD-SCDMA 1,900(F)、2,000(A)
CDMA EV-DO Rev. A(800、1,900、2,100MHz)
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)
GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)- Apple iPhone 8,iPhone 8 Plus の仕様
4.7インチモデルと5.5インチモデルで接続できるネットワークは全く同じです。赤文字で示したバンドはiPhone7/7 Plusから新しく追加されたものです(B66, B34は国内では使われていないはずです)。
ドコモのiPhone8/X 下り最大速度は500Mbps
ドコモでは2017年9月4日より「PREMIUM 4G」のサービスにおいて、下り最大接続速度788Mbpsに対応しました。
「4×4 MIMO」による複数のバンドの重ね合わせ技術を使い、光回線並の最大速度が理論上は出るようになっているそうです(788Mbps対応は現在東名阪エリアの一部のみ。738Mbpsは全国250都市以上で提供中という記載が2017年9月末時点でされています)。
ただ、現在iPhoneではこの788Mbps/738Mbpsまでの最速高速接続キャリアアグリゲーションには対応しておらず、この規格に対応した機種は「Xperia XZ Premium SO-04J」・「
Galaxy S8+ SC-03J」などの2017年夏モデルAndroidスマホが中心となっています。
ドコモのiPhone/iPadシリーズをXi接続で使う場合のベストエフォート速度は以下のとおりです。
対応機種(docomo) | 下り最大速度 |
iPhone 8 iPhone 8 Plus iPhone X |
最大 500Mbps |
iPhone 7 iPhone 7 Plus 10.5インチ/12.9インチ iPad Pro |
最大 375Mbps |
iPhone 6s iPhone 6s Plus 9.7インチ iPad Pro |
最大 262.5Mbps |
ドコモでは接続エリアのサービスマップを提供しており、以下の地図だと緑色のエリアが下り最大494Mbps~444Mbps、紫色のエリアで最大450Mbpsの提供エリアとなっています。
ドコモのiPhone 8/ iPhone 8 Plusの価格・キャンペーン情報は以下のページにまとめています。
☆「ドコモのiPhone 8/8 Plus 予約方法と価格」
auのiPhone8 最大下り速度は370Mbps(588Mbps)
auでは2017年9月時点で提供される最大接続速度は4G LTEとWiMAX2+によるキャリアアグリゲーションによる590Mbpsとなっています。
ただ、やはりauもドコモの788Mbpsと同様に、最大速度に対応しているのは2017年9月時点でAndroidスマホのみです。
auのiPhoneシリーズの最大接続速度は以下のようなデータが公開されています。
対応機種(au) | 下り最大速度 |
iPhone 8 iPhone 8 Plus iPhone X |
最大 370Mbps |
iPhone 7 iPhone 7 Plus iPhone 6s iPhone 6s Plus 9.7インチiPad Pro |
最大 225Mbps |
iPhone 6 iPhone 6 Plus iPad Pro iPad mini 4 iPad Air 2 |
最大 150Mbps |
iPhone 5 | 最大 100Mbps |
auの2017年モデルiPhoneでは4CC CA(コンポーネントキャリア/キャリアアグリゲーション)により、最大558Mbpsのサービスも9月から開始予定とされています(参照:au 最新ネットワーク技術)。ただ、ホームページ上にはiPhone 8/8 Plus/ Xは現在最大370Mbpsで記載がされています。
auの場合は対応CAの違いだけでなく、今年のiPhone 8/ iPhone 8 Plusでは従来のau向けiPhoneとは仕様が異なり、3G通信(CDMA2000)への接続が不可になるという違いもあります。
関連記事:auのiPhone8,iPhone8Plus, Xが日本で3G利用不可である事が判明 3G(CDMA2000)だけがつながる場所を調べる方法
従来のau LTE SIM(非VoLTE用のカード)も使えなくなっており、やや特殊な状況となっています。一般的な接続エリアとしてはすでに4G LTEでカバーされるため、SIMカードの互換性問題以外はこれまで通りの接続が可能だとされています。
☆「auのiPhone8/8 Plus価格・予約情報はこちら」
SBのiPhone8 最大下り速度は500Mbps
ソフトバンクのキャリアアグリゲーション技術では最大612Mbpsまでの規格で対応出来るAndroidスマホもあります(AQUOS Rなど)。
ソフトバンクのiPhone 8/8 Plus/X用の最大接続速度情報は、2017年9月30日時点では(11/4時点でも)公式ホームページには仕様が記載されておらず、問い合わせても不明でした。
→ iPhone X, iPhone 8/8 Plusのデータも追加・更新されました。
公式サイトにはiPhone 7 Plusシリーズまでのデータ通信速度対応表は公開されています。
iPhone以外のAndroidスマートフォンの場合、ソフトバンクのサービスエリアマップを見るとキャリアアグリゲーション・256QAM方式での接続によって一部エリアで385Mbps(500Mbps)という記載があります。
500Mbpsで接続できるエリアはまだ都心部の一部に限られるようです。
☆「ソフトバンクのiPhone8/8 Plusの価格・予約手順」
まとめ
以上より、2017年9月末時点のiPhone8/8 Plus(およびiPhone Xもおそらく同じ)での最大受信速度はキャリアごとに以下のような規格になります。
キャリア | 最大下り速度 | |
iPhone X/8シリーズ | iPhone 7シリーズ | |
ドコモ | 500Mbps | 375Mbps |
au | 370Mbps (588Mbps) |
225Mbps |
ソフトバンク | 187.5Mbps | 187.5Mbps |
2016年モデルまでのiPhoneではドコモだけが300Mbpsを超える最大速度になっていましたが、auは370Mbpsまでアップすることでドコモの速度に追いつきました。4CC CAが拡大すると、さらに588Mbpsまで対応するのでしょう。
一方でドコモ・ソフトバンクはさらに速度をアップして500Mbpsに到達しました。ドコモのXiサービスが登場した2010年、100Mbpsを突破したのが2012年のことです。わずか5年で5倍の最大通信速度まで技術が進歩したということになります。
あくまでこの数値は規格上の、ベストエフォートでの通信速度となります。実際に管理人もiPhone 8 Plusにて真夜中や早朝にスピードテストを行うと実効速度で100Mbpsをゆうに超える数値(ドコモ回線の場合)を叩き出しており、快適な回線で契約していれば速度不満を感じることはまず無さそうです。
最新のネットワーク技術を体験してみたい人は新しいiPhoneシリーズに機種変更してみると速度の違いが感じられるかもしれません。
*それぞれのデータ・ネットワーク技術については2017年9月末時点で公開されている情報に基づいて記載しています。実際の接続速度を保証するものではありません。初めてiPhoneを契約する場合は各自公式ホームページ等で地域ごとのサービスマップを確認してからキャリアを選んでみましょう。