2021年5月28日発売のソニー格安スマホ最新作「Xperia Ace2」(えくすぺりあえーすまーくつー/型番SO-41B)の購入体験・実機評価レポートです(2021年7月、値下げ情報追加)。
Xperia AceII SO-41Bは、2021年5月末時点においてドコモが販売中のスマートフォンの中でも最安値クラス(最も安いのは同時発売の富士通製 arrows Be4 Plus)。なんと、本体料金はガラケーより安いのです(2021年7月時点、NTTドコモ公式価格のケータイラインナップ販売価格との比較)。
かつてソニーのスマートフォンといえば、ハイエンド仕様の高性能モデルが高いのは仕方ないとして、ミドルスペックモデルも他社モデルに比べて若干割高に感じられる価格設定になることが多く、「Xperiaブランド」に一定の価値があった時代もありました。
しかし、今回のXperia Ace2は本体価格が2.2万円(値引き無しの通常定価)と、海外メーカーの格安スマホレベルの値段でドコモが扱いました。
従来の10万円前後のハイスペックモデルのような性能をXperia Ace2に求めることが出来ないのは、購入する前の段階でも分かっていたことながら、実際に買って、使ってみて感じた「2.2万円のXperia」としての評価をお伝えします。
*本ページでは「使った感想」をメインに、主観的な評価を行います。Xperia Ace2のスペックや対応機能、他機種との比較などのデータ評価を知りたい方は、先にこちらを参照ください→ 「“大きさも価格もコンパクト” アハモでも使えるXperiaAce2(SO-41B) 価格と性能・購入レビュー」
Xperia Ace2の実際の処理性能・スピードの評価
Xperia Ace2が格安で作ることが出来た主な理由の一つとして、利用されているCPU(SoC)が台湾メーカーの格安チップ「MediaTek Helio P35」を使っていることにあります。
このhelio P35は、他の最新Xperiaスマートフォンや他社高性能スマホが使っている「Qualcomm」製のSoCに比べて、ベンチマーク上の処理性能が格段に低いです。
実際に購入したXperia Ace2でベンチマークアプリを動かしてみたところ、最新モデルの1/7程度の数字しか出ませんでした。
2021年モデルの最新スマートフォンXperia 1 IIIなら、上記のアプリスコアは70万点くらい出ます。歴代のハイスペックモデルのおよそのベンチマークスコアを列挙して比較してみると、
・2021年モデル(Snapdragon 888/Xperia 1 III)70万点前後
・2020年モデル (Snapdragon 865/Xperia 1 II) 55万点前後
・2019年モデル (Snapdrago 855/Xperia 1) 45万点前後
・2018年モデル (Snapdragon 845/Xperia XZ2) 35万点前後
・2017年モデル (Snapdragon 835/Xperia XZ1) 27万点前後
・2016年モデル (Snapdragon 820/Xperia XZ) 20万点前後
・2015年モデル (Snapdragon 810/Xperia Z5) 16万点前後
*古いモデルでは現行のアプリとは数値評価が異なるため、歴代の処理性能比較から算出したざっくりとした目安の数字です。本当にこの数字になるわけではありません。
このような数字目安になるように、Xperia Ace2は5年以上昔の当時高性能モデルにも大きく劣る処理性能ということになります。2~3年前の低性能・格安スマホと比較しても進歩しているとは言い難く、平均の水準以下です。
しかしながら、これはあくまでベンチマークの数字上の話です。この結果が「スマホが快適に使えるか」に直結するものではありません。
Xperia Ace2 SO-41Bで音楽リズムゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」を入れてプレイしてみたところ、最高画質の3Dリッチモードでも、ゲームに支障はないレベルでアニメーションが再生出来ました。
古いスマホ・安いスマホだとこのアプリの最高画質モードで動きが鈍くなり、プレイが困難になるモデルもある中で、Xperia Ace2は意外とスムーズに動くという印象です(ただし、最高性能のスマホに比べると動きに滑らかさが無く感じました)。
これはアプリ側との相性・最新のAndroid 11 OSとしてのパフォーマンス改善など、CPUの処理性能だけではない部分で色々と処理プロセスが改善されているということなのでしょう。
もちろんhelio P35による処理スピードは決して他のハイスペック・ハイエンドモデルに比べて高いわけではないため、ゲームによっては処理が追いつかない可能性もあるでしょう。「すべてのゲームを快適に遊びたい」という人が買うスマホではありません。しかし、Xperia Ace2ではゲームが全く出来ないというほど実際の処理性能が遅いわけではない、という評価になります。
ゲーム以外での表示速度や操作性については、購入・初期設定の直後はややモッサリとした動きに感じました。しかし使い始めた翌日には通常のメニュー画面設定や通話・メールなどの基本操作を行う場面において、特に遅さは感じなくなりましたので、初期設定直後はバックグラウンドで何かが動いていたのでしょう。
Xperia Ace2は「とりあえずスマホとして動けば良い」という人ならば、日常の利用シーンではフツーに使える処理性能である、と感じました。
ただ、過去5年くらいのハイエンドモデルを使ってきたユーザーがXperia Ace2を使うと、多数のアプリ・機能が動作している状態だとスピードに遅さを感じる場面があるでしょう。
Xperia Ace2のカメラ性能・機能について
Xperia Ace2のカメラで素晴らしいと感じた点があります。それは、レンズのデザインです。
Xperia Ace2のカメラパーツは、他のスマホのようにボディから出っ張っていません。むしろボディパネルよりほんの僅かに埋まっているため、平面の机に置いた時にレンズが傷つくこと無く、安定・安心して使えます。
最近のスマートフォンではカメラ性能が高くなる代わりに、どんどんカメラパーツが大きく・ボディ面から飛び出してしまいがちですので、このフラットな背面デザインは逆に貴重です。
Xperia Ace2のカメラ機能・性能としての評価は、平凡です。ガラケーより安いスマホですから、「価格相応」のカメラレンズ・センサーしか搭載されていないのは妥協せねばなりません。しかし、古いガラケーのカメラよりは間違いなく高性能です。
Xperia Ace2には1,300万画素のメインカメラと、ボケ表現のための深度測定センサーがあります。
ボケ最小 | ボケ最大 |
Xperia Ace2のポートレートモードを使うと、上記のように前面の被写体にだけピントをあわせて、まるで単焦点レンズを装着したデジタルカメラで撮影したような背景をボケさせる事ができます。若干不自然な部分があるものの、格安スマホの部類としては綺麗にボケていると思います。
Xperia Ace2には超広角レンズや望遠レンズはありませんので、カメラでは遊びがいがありません。マニュアルモードもなく、高度な設定で特殊撮影をしたい場合には向きません。
動画撮影については手ブレ補正が結構よく働く印象です。古いスマートフォン(Xperia X Compact)と比較すると、明らかに振動が抑えられています。写真撮影時の手ブレ補正は5倍ズームをしてしまうと手ブレが起きやすいため、他の高スペックモデルほどの補正ではないという感想です。
Xperia Ace2のカメラは「撮れれば何でも良い/カメラはよく使うけど、細かい設定は使ったことがない」というレベルの人ならば十分、カメラにこだわりがある人にはまったく物足りない、という評価です。
Xperia Ace2のアプリ一覧
Xperia Ace2には、購入時点でドコモサービス・関連サービスのアプリが山ほど入っています。
ドコモ関連のアプリでは、
・dポイント
・dメニュー
・My docomo
・d払い
・dcard
・あんしんセキュリティ
・遠隔サポート
・my daiz
・マイマガジン
・おすすめアプリ
・iDアプリ
などが始めから使えます。
ソニー関連では、
・Reader by Sony
・Xperia Lounge Japan
・Xperiaカバー
・Xperiaガイド
などが入っています。もちろんGoogle Playサービスに対応しているため、さまざまなアプリを自由にダウンロード・インストールすることが出来ます。Xperia Ace2の保存容量(ストレージ/ROM)は64GB、初期状態で17-18GBくらいが占有されています。あまり不要なアプリをたくさん入れてしまうとすぐに容量がいっぱいで写真やアプリが保存できなくなります。クラウドサービスを使ったり、適時外部ストレージに保存出来るといった知識があれば問題ありませんが、すべてのアプリやデータを保存しっぱなしにしている初心者は注意が必要です。
ROM容量64GBは2万円のスマホとしては十分なレベル、標準的という評価です。
初心者に優しいXperia Ace2
Xperia Ace2をドコモで買うと、初心者向けのガイドブックが付いてきます。
「かんたん使いこなしガイド」を見れば、これまでスマホをまったく使ったことが無い初心者でも使い始める事ができるでしょう。
かんたん使いこなしガイドには、
・スマホの名称や操作方法の説明
・各種初期設定、使い始めるための設定手順
・電話、メール、LINEの使い方
・カメラの使い方、機能の説明
・インターネット、地図、ラジオ、音楽再生などの使い方
などが記載されています。スマホをすでに使いこなしているユーザーには必要のないガイドですが、Xperia Ace2はドコモの「らくらくスマホ(F-42A/F-01L)」よりも安く買えるため、スマホデビュー用の1台として選びたい場合には、これで十分です。
総評:「デザインと安さ」のバランスで判断を
Xperia Ace2は、最近のハイエンドモデルに比べて画面が小さく、コンパクトなデザインが採用されています。ボディは背面・サイドも指紋が目立たない素材で作られているため、ケース無しで使っても良いでしょう。
コロナ対策でマスクをしていても使える指紋認証センサーによるロック解除・セキュリティも安心です。
そして何より、本体価格が22,000円というドコモガラケーより安い(2021年5月発売中のドコモ携帯はすべて本体価格3万円以上)設定であることが魅力です。
最新の高性能スマホが高すぎる・性能は特に気にしないので安いスマホが欲しい人にはXperia Ace2は向いていますので、料金・価格を確認して機種変更検討をしてください。
☆「NTTドコモ公式サイト Xperia AceII (SO-41B)の料金・値引き情報をみる」
新規契約なら本体5,500円に値下げ
NTTdocomoで新規または乗り換えでスマートフォンを契約するユーザー向けに、2021年7月16日よりXperia Ace2の値下げが拡大されました。
通常価格でも非常に安いXperia Ace2が、新規契約・MNP時には75%オフとなる、たったの5,500円で購入出来ます。
オンラインショップでは、割引は即時適用されます。おもちゃみたいな価格で買えてしまう人気Xperiaを手に入れるなら、au・ソフトバンク・楽天ユーザーはドコモへ乗り換えして契約するとお得です。
Xperia Ace2以外にも端末購入割引で安く買える機種があります(対象機種・適用条件をよくご確認ください)。
[7/29~期間限定]機種変更でも1万円オフ
2021年7月29日から2021年8月1日までの期間、ドコモオンラインショップではXperia Ace2を端末購入割引に追加して、機種変更でも安く買えるように変更します。
機種変更向けの割引は超短期間のみの実施が予告されていますので、買い逃がさないよう注意してください(2021年7月28日時点)。