NTTドコモより発売中の「縦折りスマホ」、Galaxy Z Flip3 SC-54Bを入手・実際に利用して感じたメリットやデメリットを解説します(2022年時点、値下げが進んでいます)。
スマホに新しい価値をもたらす可能性がある「折り畳めるスマホ」の大本命、Galaxy Z Flip3(ギャラクシー ゼット フリップ スリー)は発売以降、日本国内でも入手困難・予約無しで購入することが出来ないほどの人気があります。
これまでにも「折り畳めるスマホ」はいくつも市場に登場していますが、このGalaxy Z Flip3の評価や口コミが良い理由を、実際に使って感じたままに解説していきます。
結論から先に書いてしまうと、「Galaxy Z Flip3は良くも悪くも”折り畳める”機能以外、普通のスマホ」という評価です。なぜそのような結論・評価になったのか、Galaxy Z Flip3のメリット・デメリット、満足できる点・不満点を解説します。
Galaxy Z Flip3のスペック
Galaxy Z Flip3は海外でも発売されています。日本向けモデルの仕様と海外仕様では一部性能や機能が異なります。
ドコモ向けモデルSC-54Bの主なスペック・機能は以下のとおりです。
主なサービス・機能 | SC-54Bの仕様 |
ディスプレイ | 6.7インチ有機EL |
リフレッシュレート |
120Hz |
サブディスプレイ | 1.9インチ |
サイズ(オープン) | 縦:166mm 横:72mm 厚み:8.1mm |
サイズ(クローズ) | 縦:86mm 横:72mm 厚み:17.1mm |
重さ | 184グラム |
電池容量 | 3300mAh |
CPU | Snapdragon 888 |
RAM | 8GB |
ROM | 128GB |
SDカード | 利用不可 |
5G通信 | 対応 |
防水機能 | IPX8対応 |
おサイフケータイ |
対応 |
カメラ | 広角+超広角 デュアルカメラ |
Galaxy Z Flip3の性能はハイエンドモデル相当の機能とサービスに対応しています。
一方で、すべての性能・機能が現時点で最高峰というわけではなく、より性能が高い・高機能な仕様の他モデルは存在します。
旧世代のスマホや型落ちモデルと比べた場合にはGalaxy Z Flip3は十分に高い性能・多くの機能を持っているという評価です。
Galaxy Z Flip3 SC-54B対応バンド
ドコモモデル Galaxy Z Flip3 SC-54Bの対応周波数帯は以下のとおりです。
5G:n78/n79
4G FD-LTE:B1/B3/B19/B21/B28
4G TD-LTE:B42
3G:B1
*3G/B1はドコモでは利用できない周波数帯。
Galaxy Z Flip3の全ての機能・対応サービス詳細情報は公式ページを参照ください。
☆「NTTドコモ公式サイト Galaxy Z Flip3の価格・機能をみる」
SC-54Bの価格・割引
折り畳めるディスプレイを採用した特殊なスマートフォンであるGalaxy Z Flip3の価格・月々の負担額は以下のとおりです。
分割払い-24回 |
いつでもカエドキプログラム利用 |
5G WELCOME割 ▲22,000円値引き |
分割支払い額 月々2,877円×23回 |
残債免除額 60,720円 (総支払額:66,176円) |
*2021年10月26日時点の価格、割引条件の場合。
5Gウェルカム割の適用条件、いつでもカエドキプログラムの利用方法は公式サイトの記載をご確認ください。
Galaxy Z Flip3の価格は「折りたたみスマホとしては安い」、しかし「普通のハイエンドスマホとしては高い」という評価です。
2年も経てばGalaxy Z Flip3は型落ちモデルの時代遅れになり、さらに機能・性能がアップデートされたモデルが出ると予想されます。
Galaxy Z Flip3の購入を検討する場合は、2年間での返却を前提として負担額が少なくなるカエドキプログラムの加入を推奨します。
オンライン限定値引きで妥当なお値段に安く
2022年9月より、Galaxy Z Flip3はドコモの公式オンラインショップ限定割引の対象に追加され、機種変更でも5.5万円値下げされました。
オンラインショップ限定割引+2年後の返却を前提にすれば、機種変更でも実質33,176円の負担で使えるようになりました。定価の15万円で買うには厳しいモデルでしたが、今の在庫処分価格なら「折りたたみスマホをちょっと使ってみたい」と感じていた人は狙い目です。
デザイン・外観評価
Galaxy Z Flip3を買うべき理由の大部分を占める、デザイン・外観について解説します。
Galaxy Z Flip3は「スマホを縦方向に折り畳める」ことが最大の特徴です。折りたたむと縦の長さがおよそ半分になり、ジャケットやパンツのポケットにも入りやすいサイズになります。
スマホなのに、画面の途中で折り曲げてしまうことが出来るという珍しい体験が出来ます。
折りたたみ時のサイズ感はガラケーを思い出す大きさです。
横幅は一般的なドコモガラケーより太いものの、縦の長さはガラケーより短いです。厚みもほとんどガラケー並であり「スマホの利便性に慣れたけれど、ガラケー時代のポータビリティも忘れ慣れない」という人に最適な大きさと言えます。
パネルを一度開けば、もう普通のスマホです。
Galaxy Z Flip3のデザイン不満点
やや気になるデザインの仕様として、スマホを折りたたんだときにディスプレイ面に直接衝撃が伝わらないようにするためか、ディスプレイ面の周囲がわずかに盛り上がっている(フチが高くなっている)という点があります。
昨今ではスマホ画面のフチは滑らかにカーブしたエッジディスプレイを採用したモデルも多いため、仕様上しかたないとはいえGalaxy Z Flip3の高いフチは指ざわりの良さにはマイナスです。
また、指紋認証センサーを内蔵した電源ボタンがディスプレイの上部にある点も、少し不満です。
Galaxy Z Flip3を開いて持った場合、管理人の持ち方(小指で画面下を支える状態)では親指が電源ボタンに届かない高さにあります。開いた状態で指紋認証を行う・ディスプレイをオン/オフにするために強引に片手で電源ボタンを押そうとすると、画面を支えづらくストンと落としてしまいそうになります。
ディスプレイを閉じればパネルは消えますので、一般的なスマホで「電源ボタンを押してパネルを消す」という操作に慣れている人には使いづらく感じる可能性があります。
Galaxy Z Flip3画面の折り目・シワ
Galaxy Z Flip3は「ディスプレイ自体を曲げる」ことでスマホを折りたたむため、曲げられる特殊なパネルを使っています。
一般的なスマホのディスプレイガラスとは異なり、折り目部分はやはり少し目立ちます。
ガラケーのように折り目の部分を堺にして表示を分けているときにはそれほど気にならないものの・・・
Galaxy Z Flip3の画面をフラットに開いた場合でも、わずかに凹凸が残ります。指で触れば滑らかに中央が凹んでいることが分かります。
この折り目の凹凸は操作に支障があるほどではないものの、光の当たり具合によっては目立つこともあります。折りたたむという機構上、どうしてもこの程度の折り目は残ってしまうため(Galaxy Z Fold3も同様)、このシワが気になるユーザーはまだ折りたたみスマホは買い時とは言えないかもしれません。
オープン時のディスプレイサイズに対するスマホ本体の大きさは、同じくドコモの大画面スマホ Galaxy S21 Ultra(6.8インチ)より薄く・軽くなります。
Galaxy Z Flip3は開いた状態では普通のスマホとそれほど変わらないサイズ感になりますので、一般的なアプリ・ゲームを遊ぶときの違和感はありません。
そうじて、Galaxy Z Flip3の大きさ・デザインは普通のスマホに使い慣れた人でも利用しやすいという評価です。
Galaxy Z Flip3専用のケースで保護・持ち運びが便利に
特殊なデザインのGalaxy Z Flip3のボディを保護したい場合、専用のケースを使うと便利です。
写真のケースは純正の「Clear Cover with Ring」です。スマホのボディをポリカーボネート製の透明なケースで覆い、指をかけることが出来るリングで持ち運びも楽になります。
折りたたみのGalaxy Z Flip3に合わせて、ケースは上部と下部に分かれています。リングは固定のためのシートをケースとスマホの間に挟み込むことで安定した利用ができます。
もちろんケースをつけたままFlip3の開閉を行うことができます。
☆「Galaxy Z Flip3 SC-54B Clear Cover with Ring」
Galaxy Z Flip3のカメラ画質評価
Galaxy Z Flip3のカメラ、レンズの仕様は以下のとおりです。
広角レンズ(標準カメラ) | 1200万画素 F値 1.8 センサーサイズ 1/2.5インチ |
超広角レンズ | 1200万画素 F値 2.2 センサーサイズ 1/3.0インチ |
インカメラ | 1000万画素 F値2.4 センサーサイズ1/3.2インチ |
Galaxy Z Flip3のメインカメラは2個あります。各カメラの画質・機能ともに特筆すべき点はありません。Galaxy Z Flip3のカメラはごくごく普通のスマホカメラ性能という評価です。
Galaxy Z Flip3ならではの機能・使い方として、サブディスプレイを見ながらセルフィーが撮れるという点です。
電源ボタンをダブルクリックすると、カメラが起動し、音量ボタンの上下どちらかを押すとシャッターが切れます。1.9インチにカラーミニパネルにプレビューが表示されるため、高画質なメインカメラで自撮りがしやすいという特徴があります。これはサブ画面を搭載したFlipモデルだけの特徴と言えるでしょう。
また、折りたたみのデザインを活かしてスタンド/三脚無しで長時間露光による夜景撮影・タイムラプス撮影などを行うことが出来るという利点もあります。折りたたみ機構は鋭角30~40°くらいでも保持できるため、ローアングルでの撮影微調整も可能です。
ただし、Galaxy Z Flip3にはズーム(望遠)カメラが無いため、ズーム拡大性能は低めです。最大ズームはデジタル10倍であり、2年前の型落ちiPhone 11 Proと比べてもズーム性能は劣ります。
同じ距離から最大ズームで文字を撮影すると、iPhone 11 Proなら判読できる細かい文字も、Galaxy Z Flip3では解像度が足りずに潰れてしまいます。
ズーム性能を優先する場合は望遠レンズがあるGalaxy Z Fold3・ズーム性能最高峰のGalaxy S21 Ultraがドコモから発売中です。
関連記事:15万円の価値あり?GalaxyS21UltraとGalaxyS21のカメラズーム画質評価-iPhone12ProMaxとも比較
Galaxy Z Flip3の処理性能・ゲーム性能
Galaxy Z Flip3には高性能なCPUチップ Qualcomm Snapdragon 888が採用されています。
Snapdragon 888の処理性能は2021年春~冬モデルのAndroidハイエンドモデルに多数使われており、どんなゲームでも快適に遊べる性能があります。
メモリに関しては8GBと一般的な高性能スマホと同水準であり、処理性能・ゲーム性能でGalaxy Z Flip3に不満を感じることはまずないという評価です(Galaxy Z Flip3よりも高性能なスマホは、いわゆる「ゲーミングスマホ」のゲーム特化モデルになる)。
Galaxy Z Flip3の音質・オーディオ性能
Galaxy Z Flip3にはスマホの上部と下部に2個のスピーカーが搭載されています。
動画や音楽を再生する場合、ディスプレイの上部(インカメラの上)とボディ下(充電端子の横)から、ステレオで音が出ます。特別に優れたスピーカーという程ではないながら、スマホを折り曲げた状態でビデオ通話や動画を楽しむ場合には正面から音が自然に聞こえます。
Galaxy Z Flip3を買うべき人
Galaxy Z Flip3の最大の特徴かつ、魅力は「折り畳めること」によって生じる利点です。
折りたたむことでガラケーのようにポケットに入れて持ち歩ける、コンパクトな使いやすさに魅力を感じるならGalaxy Z Flip3は買いです。この魅力は、ただ小さいだけのスマホ・薄い/軽いスマホでは味わえません。”折りたためるからこそ”の使い方が具体的に思い浮かぶなら、防水対応・おサイフケータイ対応で完成度が高くなったGalaxy Z Flip3へ機種変更しても楽しめると思います。
☆「ドコモ公式サイト Galaxy Z Flip3をみる」/オンライン機種変更で事務手数料無料
Galaxy Z Flip3を買うべきではない人
以上で解説したとおり、Galaxy Z Flip3の魅力の大部分は「折りたためること」にあります。それ以外の機能や性能については、特に目立ったものはなく”普通の高性能スマホ”の水準です。
「別にスマホを折りたたまなくてもいいんじゃない?」と感じるユーザーはGalaxy Z Flip3を買わなくても、もっと安く機種変更出来るGalaxy S21があります。
(左 Galaxy S21/右 Galaxy S21 Ultra)
Galaxy Z Flip3は良くも悪くも「開いてしまえば普通のスマホ」ですから、折りたたむことのメリットをよりもコスパを優先する選択肢も検討すべきです。
関連記事:「2021年モデルGalaxy S21は安いか 型落ちGalaxy S20との違い・スペック・価格比較」
単純な性能・機能面ではGalaxy Z Flip3よりGalaxy S21 のほうが高いため、コスパ重視ならGalaxy Z Flip3以外のハイエンドモデルを買ったほうが満足度は高いでしょう。
Galaxy Flip・Galaxy Foldは特殊なスマホですので「どんなふうに折りたたみスマホ固有のメリットを活かしたいか」を良くイメージしてから購入検討をしてみてください。
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