2022年5月、楽天モバイルが脱落した「スマホの料金0円維持」を、今後もずっと継続宣言したauの新料金プラン「povo 2.0」(ぽゔぉ)と楽天新料金プラン「Rakuten UN-LIMITE VII」の違い、それぞれのメリット・デメリットや注意点、そしてお得に契約できるキャンペーンやテクニックを解説していきます。

楽天は2022年5月、新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」(楽天アンリミット7)を発表し、従来プランの利用者もすべて強制的に新プランへ変更することを発表しました。

楽天モバイルの従来プランは、データ通信の利用量が少ない(1GBまで)の場合は基本料金0円で圧倒的におトク!と謳っていました。しかし、このプランで0円で利用されると「困る」らしく、楽天は0円維持プランの提供を完全終了*させます

楽天モバイルの新料金プラン「UN-LIMIT VII」は利用状況によって旧プランよりも便利・お得になるケースもありますが、スマホの利用頻度が極めて少ないユーザーにとっては改悪・値上げとなりえるため、改めて「スマホ料金0円」が可能なauプラン・ポヴォとの違い・他社格安プランへ乗り換え先を検討する必要があります。

*楽天モバイルの新料金プランは2022年7月より提供が始まります。旧プランのユーザーは2022年8月分までは0円維持可能、2022年10月までポイント還元の救済措置があります。詳しくは「楽天モバイル公式サイト」の移行スケジュールを参照ください。

楽天モバイルの新料金プラン・概要

楽天モバイルが2022年7月より提供を開始する「Rakuten UN-LIMIT VII」は、月々の基本料金が利用量に応じて「月額1,078円~3,278円」に変動するプランとなります。

楽天モバイル新プランは3ステップで料金が自動で変わり、「3GB以下」・「20GB以下」・「それ以上」の区分があります。利用通信量に上限はなく、楽天モバイルの自社エリア内であれば100GBでも200GBでも使うこともルール上は可能です。

楽天モバイルの基本料金に通常の無料通話は含まれていません。そのかわり、楽天モバイルでは「Rakuten Link」というアプリを経由して通話をすることで無料通話を利用可能です。

アプリを使わない場合の通話は有料となりますが、追加オプションで「1回15分まで無料」の準かけ放題サービスも開始されます。

従来プランや他社の準かけ放題プランは「1回5分まで」「1回10分まで」といったものが多い中、楽天モバイルのかけ放題オプションは一歩進んだサービスとしてリニューアルされます。

楽天モバイルの新料金プラン提供開始に伴い、さまざまなキャンペーン・楽天市場でのポイントアップ特典も実施されます。

povo 2.0の料金プラン・概要

楽天モバイルの旧プランが「1GB未満なら0円~使いすぎると料金が値上がる」という仕組みであったのに対して、auの新料金プランpovo 2.0は「基本料はずっと0円」を掲げています。

povo 2.0の料金コンセプトは「ゼロから自分で作るスマホプラン」です。月々の基本料は0円ですが、通話やメール・インターネット(モバイルデータ通信)・専用コンテンツを使うには、”トッピング”と呼ばれるオプション課金が必要となります。

トッピングの種類としては、

・データ使い放題(24時間/7日間)
・データ追加(3GB~150GB)
・コンテンツ追加(DAZN/smash.)
・通話かけ放題(5分以内/かけ放題)
・スマホ故障サポート

などがあります。トッピングはユーザーが自由に追加・廃止出来ます。

また、povo2.0では「ギガ活」と呼ばれる、対象の店舗やサービスでau Pay (コード払い/ネット払い/残高払い)を使うと、データ通信容量がタダで貰えるキャンペーンを展開しています。

例えば、コンビニで500円以上の買い物をau Payで行うと、300MB(0.3GB/有効期限3日間)のデータ通信を追加できるコードが貰える、という仕組みです。このコードを貯めておき、利用したいタイミングで回線に追加していけば基本料金以外の支払いを極めて少なく維持することも不可能ではありません。

対象のサービス・店舗は増えたり減ったりしますが、全国各地のショッピング・外食・ファストフードチェーン店などが加入していますので、誰でもよく使う店舗を見つけることが出来るでしょう。

楽天モバイルとpovo2.0の仕様比較

楽天モバイルの料金プランとau povoプランではかなりサービスの仕様・質が異なりますが、あえて主な仕様比較を一覧にしてみましょう。

項目 povo 2.0 楽天モバイル
基本料金 0円 1,078円~3,278円/月
データ容量 0GB
トッピング 330円~
3GB~無制限
国内通話料 22円/30秒 22円/30秒
通話かけ放題 5分/回まで 月額550円
かけ放題 月額1,650円
15分/回まで 月額1,100円
専用アプリ経由 0円
店舗サポート 無し あり
メールアドレス
無し
提供予定あり
5G利用 可能 可能
eSIMサービス 対応 対応
支払い方法 クレジットカード クレジットカード
口座振替
スマホの販売 無し あり

料金プラン・サービス以外で重要な違いは、スマートフォンの購入が出来るかどうか・クレジットカード以外の支払い方法が使えるかどうか・店舗でのサポートを受けられるかどうかなど挙げられます。

まず、povo 2.0では月額料金の支払いにクレジットカード以外は利用不可能です(2022年5月時点)。口座振替での契約・変更は出来ないため、クレジットカードを持っていないユーザーは契約できません(同じau系のUQ mobileであれば店頭で口座振替での契約が可能)。

楽天モバイルでは月額料金の口座振替支払いが可能です(ただし製品購入代金の口座振替は出来ません。クレカ以外だと商品代引きが利用可能)。

povo 2.0のサービスではiPhone・スマートフォンのセット販売を行いません。新規契約や機種変更をしたい場合には、SIMフリースマホをネット通販や量販店で自分で探して購入する必要があります(au回線で使える多くのスマートフォン・iPhoneがpovoで利用可能です)。SIMフリーのiPhoneはアマゾンでも買えますので、通販に慣れているユーザーなら問題ないでしょう。

また、povo 2.0はauのサービスですが、auショップでは通常契約やサポートを受けることが出来ません(店頭でしか出来ない手続きやシステムトラブル時には一部例外あり)。povoはオンライン専用プランであるため、すべての手続きやサポートを自分で解決・対処できる人向けです。

一方で楽天モバイルの契約・サービスサポート・機種購入などは、全国に1000以上ある店舗で手続きが出来ます(2022年3月時点)。

楽天モバイルでは契約時に大量のポイントが貰えるキャンペーン、iPhoneやスマートフォンのお得な値引きが適用出来るため、初めてのスマホ契約なら楽天モバイルのほうが有利な場合もあります。

特に最新のiPhoneを買いたいのなら、4キャリアで最安の楽天モバイル公式iPhone販売がお得です。povoではiPhoneの販売をしていないため、楽天モバイルでSIMフリーiPhoneを購入→povoに乗り換えて節約することも可能です。

楽天モバイル/povo 2.0の注意点

楽天モバイル・povo 2.0は格安のスマホサービスを提供するかわりに、従来プラン・既存大手キャリアとのサービス品質・利用条件に関して注意したほうがよい部分があります。

まず楽天モバイルでは料金に対して「ワンプラン」を謳っているため、2022年7月に始まる「Rakuten UN-LIMIT VII」のように、旧プラン・旧サービスを利用中のユーザーも強制的に新プランへ変更されてしまう場合があります。

これまでRakuten UN-LIMIT VIで利用できた「1GBまで0円」を今後も使い続けたいと思っても、楽天は強制的にプラン変更を実施します。サービス変更によって値上げされる場合でも、ユーザーに新旧プランの選択権はありません。

また、楽天モバイルは2022年時点で人口カバー率96%を突破(2022年3月発表時点)した一方で、auローミングサービスの終了・利用電波周波数帯(いわゆるバンド)の特性から建物内・遮蔽物が多い場所で電波が繋がりにくいなどの口コミ・体験談もまだまだ多いのも実情です。

auのプランであるpovo2.0は通信品質はauと同等であるため、ネットワークに関する評価は問題ないと感じる人が多いながら、やはり「0円」という激安維持をしたい場合には注意点もあります。

povo 2.0は基本料金(ベースプラン)は確かに0円ですが、有料の課金オプションを全く使わない状態が長く続くと、回線の休止・強制解約が実施されます。

180日間以上有料トッピングの購入などがない場合、利用停止、契約解除となることがあります。また別途所定の手数料等がかかる場合があります

つまり、povo2.0は「基本料金は0円」であっても、「永久に1円も支払わずに使う」ことは不可能です。2022年5月時点の最安オプションは220円(smash. 1回24時間使い放題パック)であるため、回線をずっと維持したい場合は年間440円~くらいのコストが必要となります。

povo 2.0のサービスではiPhone/スマホの販売を行っていないため、いわゆる「スマホの乗り換え割引」のような特典が一切ありません。一般的に携帯会社は乗り換え(MNP)には2万円程度の乗り換えコストに相当する特典・割引が使えるため、povoを使い続けても新しいスマホを安く買えるチャンスは来ません。

楽天モバイル、povo、あるいは他社のオンライン専用プラン(ドコモの”ahamo”、ソフトバンクの”ラインモ”)のデメリット・注意点が不安な場合は、各社のサブキャリアであるワイモバイル・UQ mobileの検討をオススメします。

ワイモバイル・UQモバイルもキャリアの主要プランに比べて通信料金が安く設定されています。ワイモバイル・UQ mobileはどちらもiPhoneとスマートフォンの販売・店頭サポートを行っており、乗り換え時に強力な割引やキャンペーンも豊富です。

(2022年5月時点、ワイモバイルの乗り換えは最大36,000円値引きあり)

ワイモバイル・UQ mobileの基本料金は0円ではありませんが、強制的にプラン変更・解約されるようなシステムは現時点ではありません。

2022年スマホ料金0円au povo(ポヴォ)と楽天モバイルを改めて比較-お得に契約する方法