2020年時点における完全ワイヤレス型イヤホンのノイズキャンセリング性能搭載モデルトップ人気機種「Apple AirPods Pro」/「Bose QuietComfort Earbuds」「Sony WF-1000XM3」の3台を全部買って、じっくりとノイキャン(消音)性能を比較してみた感想・評価をお届けします。

単に「お店で試した」「メーカーに借りて試した」のではなく実際に買ってさまざまな場所で聴き比べたレビューですので、ノイズキャンセリング性能を重視したいユーザーは参考にどうぞ。

2020年、スマホ用のイヤホンでは有線接続(3.5mmイヤホンジャック)が出来ないモデルも増えて、ワイヤレスイヤホンが標準となってきました。

ワイヤレスイヤホンの中でも現在のトレンドは「完全ワイヤレス」です。

ワイヤレスイヤホンには、上記写真のように左右の耳取り付ける本体をケーブル(ネックストラップ)で繋いだものと、

上記のようにケーブルが全く無く左右のパーツが独立しているタイプを「完全ワイヤレス」「フルワイヤレス」「トゥルーワイヤレス」などと呼びます。

完全ワイヤレスタイプのメリットは、

・ケーブルの絡みが無い
・ケースによる充電が出来る
・本体+ケースがコンパクトで持ち歩き易い

などが挙げられ、数多くのメーカーから発売されています。性能・価格によって完全ワイヤレス製品にも選択肢は多くありますが、「ノイズキャンセリング性能が欲しい」と考えた場合にはアップル・BOSE・ソニーの3機種は人気トップのグループになっているはずです。

「Apple AirPods Pro」・「Bose QuietComfort Earbuds」・「Sony WF-1000XM3」の3台はメーカーが違いますので、それぞれ操作性・音質の傾向・デザインやサイズ、そして価格も異なります。

今回のレビューでは「ノイズキャンセリング性能」を比較するため、いろんな場所に移動してイヤホンをとっかえひっかえして、消音性能をチェックしてきました。

*以下、ノイズキャンセリング性能については「音の感じ方」よりは個人差が小さい客観的な評価が出来ているとは思いますが、耳へのフィット・密閉性による消音性能は個人によって異なる可能性があるため、あくまで一個人の感想として参考にしてください。

なお、今回の比較ではAirPods Pro/Bose QuietComfort EarbudsはデフォルトのMサイズのイヤーチップを、WF-1000MX3は「Comply-T200」を使っています。初期イヤーチップは私には合わず(ノイキャンの効きが弱いので)捨ててしまったのでご了承ください。

電車内でのノイズキャンセリング性能

まずは日常生活でノイズキャンセリングが欲しくなる機会が一番多そうな、電車内での聴き比べ結果です。

電車内でワイヤレスイヤホンを使う場合、混雑具合や通過エリアによって音切れが発生することがあります。今回のテストでは在来線の通常走行中でのみテストしています(接続安定性については本稿では比較していません)。

それぞれの機種で「走行音」と「車内アナウンス」に対して、イヤホンをつけていない状態を100%として装着中にどのくらい消音割合になっているか(100%=ノイズキャンセリングが全く聞いていない・イヤホン無しの状態/0%=何も聞こえない状態。数値が小さい方がノイズキャンセリング性能が高いを評価していきます。

なお、すべてのテストで音楽は流さず、純粋に「ノイズキャンセリング状態でどのくらい静かになったか」に対する感想・評価となっています。

機種/音の種類 電車の走行音 車内アナウンスの声
Apple AirPods Pro 40~50% 80-90%
Bose QuietComfort Earbuds 30~40% 80-90%
Sony WF-1000XM3 60~70% 70-80%

*車内アナウンスの声に対する聞こえ方は外音取り込みモードではなく、通常のノイズキャンセリング状態での聞こえ方に対する評価です。

電車内で各機種のノイズキャンセリング機能を試したところ、AirPods Pro/Bose QuietComfort Earbudsでは「ゴー」という走行音を明らかに体感出来るレベルで消音します。ただしどちらの機種でも電車の走行音のような大きな音を完全に消し去るようなことは出来ません。

Sony WF-1000XM3も走行音に対してある程度のノイズキャンセリングを感じられますが、特に低音側の音に関して他の2種よりも騒音が大きめに聞こえました。

AirPods Pro/Bose QuietComfort Earbudsの電車走行音に対するノイズキャンセリング効果は僅差。若干Boseのほうが静かかな?という程度です。

一方で、車内アナウンスのような「人の声」に対する静音性では、イヤーチップを交換して密閉性が高くなっているWF-1000XM3のほうが騒音は小さく聞こえました(交換イヤーチップに対する解説は後述)。

Bose QC Earbuds/AirPods Proの初期イヤーチップは柔らかく・薄いシリコン樹脂素材のパットであり、ノイズキャンセリングは原理的に人の声のような種類を消音することは難しいため、音楽を流していなければ外音取り込みモードを使わなくても大きなスピーカー音は聞こえます。

道路での車通行音に対するノイズキャンセリング性能

続いて、道路脇で車の通行音を聴いてみました。

機種/音の種類 車の通行音
Apple AirPods Pro 40~50%
Bose QuietComfort Earbuds 40~50%
Sony WF-1000XM3 風切り音が煩い

電車内の音に比べて音が小さい車の走行音に対して、エンジン音のような低音側に対するノイズキャンセリングはBose QC Earbuds/AirPods Proともによく効き、静かに感じられます。

しかし、タイヤと地面が接地することで生じるやや高めの「シャー/ザー」という音はノイズキャンセリングが効きにくく、すれ違う車に気づかないほど静かになることはありません。極端な話、自転車のタイヤ/チェーンの音でもイヤホンをしたままで聴こえます。

電車の音に比べて相対的な騒音の大きさは小さいため、散歩中に使うのならBose QC Earbuds/AirPods Proどちらも快適に利用が出来ます。

一方で、ソニーのWF-1000XM3は屋外で弱い風や車とすれ違う際の風がノイズキャンセリングによって増幅され、風切り音が強く出てしまいます。

風がない状態で立ち止まっていれば問題ありませんが、散歩程度の速度でもノイズキャンセリングをオンにしておくと不快な状態になってしまいます。Bose QC Earbuds/AirPods Proも強風状態だと風切り音はしますけれど、WF-1000XM3の風切り音は弱い風でもかなり大きく聴こえてしまいます。

ただ、この風切り音はノイズキャンセリング性能を犠牲にすれば、アプリによる設定により風ノイズ低減モードも使えます。

ノイズキャンセリング(外音コントロール)を少し弱めることで、WF-1000XM3で発生する風ノイズはかなり減ります。せっかくのノイズキャンセリングはあまり感じられなくなってしまいますが、外でもWF-1000XM3を使うのならアプリでコントロールすることをおすすめします(コントロールしないとノイズが増幅されてしまい、外で使いたくないレベルで不快です)。

レンジフード(換気扇)に対するノイズキャンセリング性能

これはノイズキャンセリングイヤホンの得意分野です。

キッチンの換気扇の前で各機種で音の聴き比べを行ってみました。

機種/音の種類 換気扇の騒音
Apple AirPods Pro 20~30%
Bose QuietComfort Earbuds 20~30%
Sony WF-1000XM3 40~50%

フードの影響で音が広がり「ゴー」という一定でかなり大きな音がするキッチンの換気扇の音は、「Apple AirPods Pro」/「Bose QuietComfort Earbuds」ではかなりの割合で消音してくれます。音楽をかけていなければ換気扇が動いているかどうかわからないほどではありません(高めの音がやはり残る)が、劇的に静かになります。

この換気扇の騒音をヘッドホンタイプの「Bose QuietComfort 35」でも聴いてみたところ、「Apple AirPods Pro」/「Bose QuietComfort Earbuds」のほうがノイズキャンセリング性能がより強く発揮されていると感じられます(耳の密閉/オーバーイヤーのタイプが違うため、音の感じ方もかなり違いますが、同じ評価で言えばQC35で30~40%といったところ)。

WF-1000XM3もかなりノイズキャンセリング効果を体感出来ますが、聴き比べてみるとAirPods Pro/BoseQC Budsよりは騒音を消しきれていないと感じられました。

類似の音として、エアコンの動作音・扇風機の音など、小さめで一定・低音が主な騒音であれば、この3台のノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホンを使うと騒音はほとんど消え去ります

管理人の場合は音楽が聴きたいときだけではなく、日常で生じるさまざまな騒音・外音をシャットアウトして集中したいときにもノイズキャンセリングイヤホンを室内でよく使います。スポンジ素材の耳栓で強めの圧迫感が苦手という人には、Bose QuietComfort Earbudsを耳栓代わりに使うのもありかもしれません。

周囲の会話騒音に対するノイズキャンセリング性能

これは前述の「電車内のアナウンス」の聞こえ方とも似通った音に対するテストで、目の前で会話をしてもらい、内容が聞き取れるかどうかチェックしました。

機種/音の種類 周囲の会話騒音
Apple AirPods Pro 80-90%
Bose QuietComfort Earbuds 80-90%
Sony WF-1000XM3 70-80%

ノイズキャンセリングをオンにしたまま(外音取り込みモードではない)でも、近くでそれなりの音量でしゃべっている声は、十分に聞き取れる程度までしか消音されません。小さな声で話すと聞こえずらくなくなることもありますが、音楽を流していなければ「人の声もすべて聞こえなくなる」なんてことはまずありません。

車内アナウンスと同じく「人の声」に対してはAppleでもBoseでもSonyでも、ノイズキャンセリングはあまり効きません。あくまで「薄い耳栓をしている」程度の聞こえ方に変わるだけです。

WF-1000XM3で使っているComplyのイヤホンチップはまさに耳栓のような仕組みで密閉性を実現しているため、他の2機種より音が小さく感じられたという評価になっています。

私はワイヤレスイヤホンを買うと、とりあえず全部イヤホンチップを交換するほど「密閉性」がアップするComplyのイヤホンチップを気に入っていますが、Bose QuietComfort用の交換チップは現時点では発売されていないはずです(形状が特殊であるため、おそらく今後も発売されないでしょう)。

AirPods Pro用のComply交換チップは、2020年11月21日より販売が始まったばかりです。

ComplyのAirPods Pro用チップはS/M/Lの3サイズがあります。

☆「アマゾン – Comply AirPods Pro専用チップ

WF-1000XM3に使っているComplyのチップについて

Comply-T200は上記のようにウレタンフォームによる柔らかなイヤーチップ。装着したままケースでの充電も可能です(イヤーチップが膨張しているとやや引っかかりがあるので、ケース収納時にはしっかりと押し込んでおきましょう)。

イヤーチップの装着感は個人の耳の大きさ・形状により大きくことなるので必ずしも交換すれば音が良くなる・ノイズキャンセリング性能が上がるとは言い切れませんが、私の場合は圧倒的にComplyのほうがノイズキャンセリングを感じられる密閉性と快適な装着感を得られました。

WF-1000XM3にノイズキャンセリング性能を期待して買ったのに思ったほどではない・・・という方は、ぜひComplyのイヤーチップを試してみることをオススメします(このチップはちょっとお高いですが)

「Comply(コンプライ) T-200 」(サイズはS/M/L、1ペア・3ペアセットなどがあります)

ノイズキャンセリングイヤホンの価格比較

今回比較に使った3機種はそれぞれ発売直後にほぼ定価で買ったため、全部で10万円くらいしちゃいました。しかし、みなさんは全機種買う必要ないでしょう。

音の聴こえ方、装着感は機種・個人によって差がありますので、こだわりがある人はお店で試して判断しましょう。

いずれも完全ワイヤレスイヤホンの中でも高めの製品ではありますが、ノイズキャンセリングおよびその他の仕様・機能を見比べて、価格に見合うかどうか判断しましょう。

機種/価格 ビックカメラ価格
AirPods Proicon 30,580円(ポイント5%)
Bose QuietComfortEarbuds 33,000円(ポイント5%)
SONY WF-1000XM3icon 27,500円(ポイント10%)

(*2020年11月23日時点)

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[全部買ってレビュー]AirPodsPro/BoseQC Earbuds/SONY WF-1000XM3 ノイズキャンセリング性能比較・評価
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