2019年12月に日本でも正式に販売されるようになったXiaomi(シャオミ)の格安スマートウォッチ Mi Band4(スマートバンド4)を使ってみて、「表示される距離がズレている」という報告を多数見かけます。

実際、管理人も購入したMi Band4を付けて歩いてみると、想定される距離よりもかなり短い数字が出ることが気になりました。

Xiaomi Mi Band4はアップルウォッチに比べておよそ1/10のお値段であることを考えれば、ある程度のずれ・誤差はどうでもいいかな・・・とも思ったのですが、場面によってはあまりにも酷い誤差が表示されることがあったため、Mi Band4の歩数と距離の誤差事例・距離の補正方法などを紹介します。

Mi Band4の距離表示の誤差について

Mi Band4では、装着時に歩数を測定する機能が稼働しています。

運動量を測定できる「ワークアウト」を利用すると、運動した時間・心拍数・運動強度の変化などを記録・保存することが出来るのですが、Mi Band4はGPSを内蔵していないため、距離測定の大きな誤差が出る場合があります。

例えば、Apple Watch Series4とMi Band 4(スマホとの連動無し)の両方を腕につけておよそ1.2キロ(Google Mapで測定)を歩いた場合、以下のような表示がされていました。

約1.2キロの歩行 Apple Watchの場合 Mi Band4の場合
歩数 1,508 歩 1,421 歩
距離 1.23 km 0.92 km

このように、GPSを内蔵するApple Watchではほぼ正確な数字を表示できているものと推測されますが、Mi Band4はおよそ2割ほど少ない数字が出ています。これは上記の1.2キロの歩行テストだけでなく、購入後に何度もApple Watchと比較測定をしても、ほぼ毎回同じような結果が出ています。

Mi band4の距離測定に関する技術仕様は(たぶん)公開されていないため、推測でしかありませんが、Mi Band4においてスマホと連動させていない場合の距離は、設定された身長・体重と歩数からのみ算出された数字になっています。それゆえ、歩幅がシャオミが想定したものより広い/または狭い場合に、ずれが大きくなってしまうのでしょう(今回のテストでは、Apple WatchにもMi bandにも同じ身長・体重・年齢データを登録してあります)。

なお、歩数の数字に関しては上記のテストでは若干のズレはあるものの、それほど大きな違いは生じません(Apple Watchに比べて数%程度の誤差)。

*歩行距離のズレは以下に説明するように、連動するスマホ・歩き方・デバイスのバージョンなどによって測定結果が異なる可能性があります。必ずしも「Mibandは2割少なく表示される」というものではありませんので、個別の誤差・表示の特性を理解することが重要です

Mi band 4とスマホを連動させれば正確な距離が測定可能

Mi band4にはGPSが搭載されていなため、「想定された歩幅」が違ってしまうと距離表示がズレてしまうのは、仕様上どうしようもないことです。これを補正するために、Mi band4とスマホ(Xiaomiのスマホだけでなく、他社Androidスマホ・iPhoneでも利用可能)を連動させ、スマホ側のGPS情報から距離を表示出来ます。

スマホで距離を測定する場合は「Mi Fit」のアプリが必要です。Mi bandとFitアプリが正しく連動していれば、GPSにより捕捉された距離が表示されますので、スマホと連動させていない状態よりも正確な移動距離が表示出来ることを確認しています。

ただし、連動してもGPSがずれる場合も

以下の画像を見てください。

これはMi band 4とXiaomi Mi Note10を連動させて、約1.2キロの距離を歩いた場合のログです。画像を見てわかる通り、途中でGPSを見失ってしまったようで、とんでもない誤差が出ています。

この測定時には、スマホは上着のポケットに入れたまま移動しました。スマホ-Mibandの連携は途切れていません(途切れるとアラートが出るため、すぐに気付きます)。Mi Note10のGPS感度が悪いのか、たまたまMi Note10が不良品だったのかは不明ですが、このようなGPSのジャンプもMi Fitでは修正することなく移動距離として反映してしまいます。

GPSがズレていない期間の距離は正確に表示していたため、これはMi Band4のせいというより、スマホ側のGPSに問題があると言えそうです(Mi Note10でGoogle Mapを使っている限りでは、このように大きな位置情報のずれが起きたことはありません)。GPSが正確なスマホと連動させれば、より正確な距離データが得られます。

ただ、GPSのズレ・スマホとの連動がワークアウト中に切れてしまうとまた距離がズレるので、現実離れした数字が出てしまう可能性はスマホと連動させてもありえるでしょう。

プロフィールの身長を変更して、距離補正をする

Mi band 4とスマホのGPSを連動させて距離を測定する以外の方法で、より正確な距離を表示させたい場合は、Mi Fitアプリ上で設定した身長を変更することで補正が可能です。

管理人の場合は実際の距離(Apple Watch・Googleマップから予想される距離)と比較した場合、2割程度少ない数字がMi band4で表示されることが多かったため、身長を伸ばして設定してみました。

身長を変える方法は、

【Mi Fitアプリを開く】(Miband4と接続した状態にしておく)→ 画面右下の「プロフィール」をタップ→  画面最上部のプロフィールアイコン(写真)をタップ → 身長をタップし、変更・保存する

これで、任意の身長にすることが出来ます。Mi band, Mi Fitには「歩幅の設定」という項目そのものはありませんので、身長を変更するしか無さそうです(2020年1月19日時点のアプリバージョンにおいて)。

身長を変更したあと、もう一度前項でテストした1.2キロのルートをApple Watch 4と一緒に比較測定してみました。

約1.2キロの歩行 Apple Watchの場合 Mi Band4の場合
(身長変更後)
歩数 1,428 歩 1,385 歩
距離 1.18 km 1.09 km

このように、身長変更前に比べて歩数が少ないにもかかわらず、移動距離が増えています。まだこれでも10%弱ズレていますが、変更前よりはマシです。同じルートを何度も歩き、身長を伸ばす・縮めていけば、より正確な距離が測定できるようになるでしょう(一定の歩幅を維持する必要がありますので、なるべく長い距離でキャリブレーションをしたほうがより実測に近い数値補正が出来るでしょう)。

ただ、この方法で移動距離をGPSに依存すること無く移動距離を補正することは出来ますが、消費カロリーやBMIの計算が狂うはずです。

Mi Fitのアプリ上には、スマート体重計と連動させて適切な体重目安を表示する機能があり、この計算に登録されたプロフィールの身長が反映されます。身長を偽ると、その他のデータが狂うことを覚悟する必要があります。

また、上記の補正を行ったあとにMi band/Mi Fit側の歩幅設定データがアップデートにより変更された場合、逆に数字がズレる危険性もあるため、いつもと表示される数字に違和感がある場合は、再度キャリブレーションを行う必要が出てくる可能性があることも忘れないでください。

Mi band 4の距離・歩数・カロリー表示はあくまで「参考値」

Apple Watch Series 4とMi band 4を同時に使っていると、どうしても表示される距離のずれが気になってしまいます。

しかし、Mi Band4のようなフィットネストラッカーの本来の目的は「運動量・強度の目安」が分かれば十分なのであって、「正確な距離」が測れることはさほど重要ではないはずです。

毎回の測定でズレがあると困りますが(今回のテストでGPSがズレてしまった事例は、かなりダメな例)、”毎回1キロの距離を歩くと0.8kmと表示される”のであれば、それを前提にして運動量を調整すればよいだけの話です。

他のデバイスとデータを比べたい・より正確な運動量・数字が知りたいという明確な目的がある場合には、実売価格4千円のMi Band4に精度を求めるのは厳しい、と言わざるを得ません。そういった場合は素直にApple Watchを買っておくことをオススメします。

上記のテストでも判る通り、Apple Watchの移動距離・GPS測定はかなり正確です。最新のApple Watch 5はMi band4に比べて10倍くらいのお値段ですが、型落ちのApple Watch Series 3あたりならば、お手軽な価格になってきてます。

関連記事:型落ち値下げのApple Watch Series3(セルラー)がアマゾンでお得に買える ドコモユーザー最大約50%還元


(左 Miband4 , 右 Apple Watch Series4)

Apple WatchはGPSを内蔵していますので、単体でも正確な距離を測定できます。

Mi Band4はGPSも積んでいませんし、Apple Watchのようにいろんなことを「スマートウォッチ単体で出来る」モデルではありません。それでもなお「3千円台で買えるスマートウォッチ」として、電池の持ちの良さ・スマホとの連携させた場合の機能は十分に価格に見合うアイテムだと思います

Mi Band4で「歩いた距離が正確に知りたい」場合は、上記のように「スマホのGPSデータと連動させる」または「身長を変更して歩幅を補正する」といった手段によって、割り切って使えばいろいろと遊べるので、ぜひスマートウォッチを使ったことが無い方はお試し用に買ってみることをオススメします。

☆「正規販売店 アマゾン-Xiaomi Mi Smart Band 4

[Xiaomi Miband4レビュー]距離表示はデタラメ?移動距離がずれる場合の補正・正確に測る方法