冬が過ぎ、色とりどりの花や緑が美しく映える春の季節は誰でも簡単にきれいな写真が撮れるiPhone7のカメラが活躍します。
2016年9月に発売されたiPhone7では、従来のiPhoneに比べて明るい(F値が小さい)レンズが採用されているため、特に暗い場所・夜景撮影に強いカメラになっています。以前は大阪の夜景で撮影テストを行いましたので(iPhone7で夜景撮影にチャレンジ キレイに撮るためのコツ)、今回は春なので夜桜撮影をするために京都まで行ってきました。
撮影場所は有名な京都の桜スポット・円山公園です。撮影時間は夜の19時、あえてライトアップはされていない「祇園の夜桜(シダレザクラ)」を撮ってきました。
撮影に使ったスマホのカメラスペック
機種 | Apple iPhone 7 |
Sony Xperia X Compact |
Huawei nova lite |
メインカメラ 画素数 |
12メガ | 23メガ | 12メガ |
サブカメラ 画素数 |
7メガ | 5メガ | 8メガ |
F値(メイン) | 1.8 | 2.0 | 2.2 |
撮影はすべてオートモードで、以下3枚の画像は一切加工していません。画像をクリックすると拡大出来ます(データ容量が大きいため、固定回線での閲覧を推奨します)。
機種 | iPhone 7 | Xperia XC | nova lite |
写真 | |||
ファイルサイズ | 3.16MB | 4.88MB | 1.51MB |
露出時間 | 1/16秒 | 1/8秒 | 1/14秒 |
ISO | 1600 | 3200 | 3200 |
いかがでしょうか。3機種とも、まったく色合い・明るさが違います。
この桜は直接ライトアップがされておらず、実際には周囲の街頭・出店の明かりだけがある状態です。はっきり言って、スマホカメラの撮影条件としてはかなり悪いものでしょう。
写真をクリックして拡大してご覧になるとよくわかりますが、いずれの写真もISOが高く設定されているためにノイズがひどいです。この写真で我慢できるのはケータイやスマホの画面の中だけで、タブレット・パソコンサイズのディスプレイでは見るに堪えない写真となってしまいました。
*このような暗い環境でスマホカメラ撮影をする場合、オートモードでは上記のような荒い写真になってしまうのは仕方のないことです。スマホでもマニュアルモードにより露出時間を長く取ればもっと綺麗な夜桜が撮影可能です(その場合は三脚必須)。当記事の一番最初に掲載している写真は、一眼レフカメラを使って30秒の露出時間を設定しており、スマホのオートモード撮影とはまったく異なる暗所撮影専用の撮り方をしています。
この3枚の中で、Xperia X Compact SO-02Jの色合いは頭一つ飛び抜けてキレイな青色が表現されているようです。2016年冬モデルのXperiaでは見たままの自然な色合いを実現する「BIONZ for mobile」という画像エンジンが搭載されています。実際の見た目以上に鮮やかな色に調整されており、画像の粗さはさておき高コントラストでカラフルな写真が撮れていると思います。
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3台の中で最もレンズが明るい、iPhone7の場合はシャッタースピードが短く、ISOも低め設定されています。この条件だと普通は画像が暗くなってしまうのですが、Xperia , nova liteに比べてもはっきりと桜の様子が見て取れます。拡大してしまうと残念なノイズですがiPhoneの画面上だけで見るのなら、あれだけ暗い桜をよく写すことが出来たな、という感想です。
最後のnova lite。今回の撮影条件では残念ながら照明環境が暗すぎて、iPhone7, Xperia X Compactに比べてかなり暗く、色合いがわかりづらい画像になってしまいました。
ただ、この画像でも後からスマホアプリ・画像編集ソフトで明るさ調整・色合い調整を掛けてやれば、見られないこともありません。
nova lite 編集前 | nova lite 編集後 |
画像の粗さはスムージングを掛ければ少しは見られるようになります。それでもiPhone7の方が圧倒的に桜の輪郭・幹がはっきりと写っていると言えるでしょう。7万円のiPhone7と2万円のnova liteを比べるのは酷ですが、やはりiPhoneのカメラは一般的な格安スマホよりは格段にキレイな写真が撮れるものです。
nova liteでも明るい環境での撮影や、マニュアルモードを使って長時間シャッタースピードを確保してやればキレイな写真が撮れるはずです。オートモードの写真だけを比べてしまうと残念な機種に思われますが、これで2万円ならば十分に満足できるモデルです。
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ライトアップされた桜の明るさ調整
iPhoneだけでなく全般のスマートフォンに言える夜桜撮影のコツとして、オートモード撮影時では「どこに明るさの基準を合わせるのか」を意識すると、撮れる写真の印象が変わります。
iPhoneではカメラモードで画面をタップすると、その場所周辺の明るさを自動判定して調整されます。以下の写真はiPhone7を使い、同時刻に連続で撮影したものです。
明るい照明に 合わせて調整 |
暗い背景に 合わせて調整 |
夕暮れ時にライトアップされた桜は光量の多い場所に合わせると風景が暗く、もし桜と一緒に人物も写しても顔の判別が出来ないかもしれません。一方ではライトが強く当たっている部分が強調され、幻想的な絵になるでしょう。
ライトが当たっていない暗い場所をタップしてから撮影すると、右の写真のように風景全体がお昼のように明るく映し出されます(この設定だとシャッタースピードが長くなるため、手ブレに気をつけて下さい)。この場合は照明が当たっている桜が真っ白になってしまいました。左右の写真のどちらが良いのかは微妙なところですが、タップする場所を変えるだけで印象の違う写真になることを理解して使い分けましょう。
iPhone7で明るい照明に合わせて撮影した写真も、アプリで明るさ調整をしてやればこのとおり。
編集前はほとんど見えなかった地面に散った桜の花びらまでしっかりと写っています。夜桜の撮影をするのなら最新のiPhoneはやっぱり強いです。
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