2016年モデルのiPhone7/7 Plusでは従来モデルよりも明るいレンズ(f/1.8)が使われているため、光量が少ない室内や夜景撮影に威力を発揮します。今回はiPhone7を使って撮影した暗い場所での作例と、画質を確認してみましょう。

以下、一部の写真や画像をクリックするとオリジナルのサイズで表示が出来ます。元のファイルはデータ容量が大きいため、モバイル回線を利用してご覧の方はパケット料金に注意して下さい。

iPhone7での撮影例

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JR大阪駅の正面から。ISO80、露出時間1/15秒。照明で明るく照らされた建物の入り口とビルの様子がくっきりとノイズが少なく映っています。

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グランフロント大阪のビルはISO 40,1/20秒。先程よりもさらにISOが小さくなり、窓の格子がキレイに映っていますが、若干全体が暗い印象に。HDRは自動設定にしてありましたが、オフのまま撮影されています。

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梅田スカイビル前にある、ライトアップされた噴水。ISO 100, 1/9秒。シャッタースピードが長めであるため、水流・飛沫は掠れて見えますが、発色はキレイですね。

続いて夜景撮影を行うために梅田スカイビルの空中庭園展望台に行きますよ~

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長いエスカレーターで展望台へ登っていきます。ISO 640, 1/4秒。動きながら撮影しているため、エスカレーターのステップはくっきり写りましたが、周囲の景色がブレて面白い感じの写真になります。エスカレーター内は暗いため、ISOがかなり大きくなった影響を受けてざらつきが流石に目立ちます。

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こちらが展望台から撮影した夜景です。ノーマルモードで無加工。ファイルサイズは1.52MB, ISO160, 1/4秒で撮影されています。遠くの明かりまで潰れること無く、キレイに撮れているとは思います。

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続いて、同じ露出時間の1/4秒のまま、ISO 250、明るさをマイナス3.5までアップさせて撮影してみました。空の色が明るくなりましたが、ハイライト部分が明るくなりすぎてちょっと失敗。

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パソコンで明るさ・色調を調整して、こんなところです。一眼レフカメラを使った長時間露出撮影などに比べてしまうと平凡ながら、手持ちのままさっと撮影してこのレベルの夜景が撮れるiPhoneは便利ですね。

ついでにXiaomi Mi5でも撮影してみました。

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こちらはHDRモードが効いており、色調の強い写真が撮れています。iPhoneと比べてどちらが良いかは微妙なところですが、Mi5の方が印象的ではありますね。img_20161011_185358-1

こちらもMi5で撮影。ISO 200, 1/2秒でHDRはオフです。明るいところはよく撮れていますが、ビルや空が真っ黒。少し面白みにかける写真です。

Mi5ではマニュアルモードでシャッタースピードをとても遅くして撮影することも出来るのですが、三脚を使わない限り手での夜景撮影には向きません。実はこの日も何枚もトライしたのですが、手すりに置いてもすぐにぶれてしまい(多くの客が手すりにもたれ掛かったりして、わずかな振動でも拡大するとボケてしまう)、使い物になる写真は撮れませんでした(´Д`;)

最後に一眼レフカメラのCANON EOS  KISS X7で撮影したものも比較用に見てみましょう(ファイルデータは4MBあります)。

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展望台の手すりに置いて、5秒間シャッターを開いたままにして撮影しています。高さのある三脚を使えば手前の手すりも写らないように撮れそうでしたが、なかなか難しい・・・

ISOは250でiPhoneの場合と同じです。色調はもちろんパソコンで調整していますが、空の青さはiPhoneでは色調調整だけでは表現出来ないものです(撮影時間は上から10枚目のiPhone7で撮影したものの約10分後であり、このときだけ空が青くなったわけではありません)。

EOS X7とiPhone7写真で同じエリアを拡大して比較してみましょう。

kisscompiPhone7の方がビルから漏れる明かりがくっきりと映っている反面で、空のノイズが目立ちます。どちらもISO250で同じ感度で処理されているはずなのですが、スマホとデジカメのセンサーの大きさが違いすぎるため、カメラがキレイと言われるiPhoneでも初心者向けデジイチには流石に勝てないというところでした。

もっとも、この比較写真は小さな部分を強引に拡大して比較しているためにノイズが目立つのであって、スマホの画面上で見るだけなら本当に綺麗なものです(逆に言えば、この比較写真をスマホのブラウザサイズでご覧になっている場合には細かな違いは判らないかもです)。

iPhoneで夜景をキレイに撮影するためには、とにかく「スマホを動かさないように固定すること」です。iPhone7には手ぶれ補正機能が備わっていますが、大きく手を動かしてしまうと夜景撮影時でもぶれてしまいます。

明るさの調整はピント合わせを行った後にそのままピント位置「□」の上下に指でなぞると変えられます。光の強い部分が明るくなりすぎ無いように調整して撮影してみましょう。

カメラ画面で明るい場所(照明やライトが当たっている場所・白い場所)をタップすると、そこを基準として明度が引き下げられます(ISO感度が小さく・シャッタースピードが短くなり、全体が暗くなる)。逆に暗い場所(光が当たっていない、黒い場所)をタップすると、ISOが大きくなり明るい写真が撮影出来ますので、明るさの調整が上手くいかない場合は試してみましょう。

iPhoneでうまく夜景が取れない場合は、素直にセンサーが大きな一眼レフやミラーレスを買いましょう(´∀`)

iPhone 11シリーズから「夜景モード」対応に

2019年モデルのiPhone 11シリーズから、iPhoneでも夜景モードが使えるようになりました。

上記では2016年モデルのiPhone 7にて撮影を行った作例を掲載しましたが、はっきり言ってiPhone 11はiPhone7とは別次元にキレイな写真を撮れます

上記がiPhone 11 Proにて撮影した夜景です。

iPhoneでキレイな夜景やライトアップが撮影したいのであれば、iPhone11シリーズへの機種変更をおすすめします。iPhone7も良いモデルでしたが、3年間の進化は伊達ではありません。

続きを読む ▶ [比較レビュー]iPhone11カメラがiOS13.2アップデートで凄いことに「Deep Fusion」で暗闇写真で劇的画質向上

2021年モデル iPhone 13 Proで更に進化

上記のiPhone 11 Proよりもさらに2年が経過し、iPhoneのカメラはもっと進化しました。

iPhone 13 Proシリーズではズーム性能が過去のiPhoneで最高レベルになり、かつセンサーが大型化しました。夜景撮影を最高のスマートフォンで楽しみたいのなら、iPhone 13 Pro/iPhone 13 Pro Maxがオススメです。

続きを読む →2年分のカメラ進化!iPhone 13 ProとiPhone 11 Proの望遠・接写(ズーム/マクロ)画質比較

iPhone7で夜景撮影にチャレンジ キレイに撮るためのコツ