近年ではスマートフォンの販売が過熱しており、本来「小さなパソコン」と言われるほど超高性能・高価なパーツが使われているのにもかかわらず,大幅な割引が適用されて「実質○円でお買い得!」という状態になっています。
一方で、従来の携帯電話(ガラケー)はスマホに比べて適用できるキャンペーンが少なく、「値引き率」を考えるとスマホやiPhoneに比べて不利になっています。しかし、「スマホの方が割引が多い=スマホがガラケーより安い」とは通常なりません。
まれにショップでは「今はガラケーよりスマホの方が安くてお得なんですよ!」なんて言葉まで耳にしますが・・・
今回は現在ドコモの長期(回線利用15年以上)ガラケーユーザーの方が、そのままガラケー(SH-01J)に機種変更した場合と最新のiPhone(6s 64GBモデル)に買い替えた場合の料金シミュレーション比較をしてみましょう。ガラケーのままだといくらで使えるのか、スマホに変えるといくら負担が増えるのかをチェックして、便利なスマホに買い替えるかガラケーを使い続けるのか判断材料にしてみて下さい。
各機種の機能・価格情報については、ここでは細かく解説はしませんので各自公式サイトでチェックして下さい。
ちなみに管理人はガラケーもスマートフォンも、両方を日常的に使っています。スマホは確かに便利ですが、だからと言ってすべての人がガラケーからスマホに乗り換えなくてはいけないとは微塵も思いません。ガラケーよりスマホの方が絶対的な安さで利用できるのなら話は別ですが、今からシミュレートする内容を見る限り、まだまだガラケーの方が維持費は安い人の方が多いはずなのですから・・・
【2018年6月追記】:ドコモのケータイ向け料金として「シンプルプラン」+「ケータイパック」が選べるようになり、あまり携帯を使ってたくさん通話・ネットをしない人ならば機種代コミで1700円~程度から使える新プランの組み合わせが使えるようになりました。
Xiケータイ SH-01Jに機種変更する場合
2018年時点で購入が可能なドコモガラケー SH-01Jに機種変更(FOMAプランからXiプランに変更)する場合、携帯電話本体の負担額は無料にすることが出来ます。
Xi通信はドコモのスマートフォンが利用する接続方式と同じものですが、ケータイ機種向けには料金の安い専用プランが用意されていますので、普段は通話・メール専用にしており、ネットをあまり使わないのならFOMAプラン並の低価格料金で維持する方法もあります。
SH-01J機種変月額料金イメージ
本体代金 | 1,404円×24回 (総額33,696円) |
基本料金 (シンプルプラン) |
1058円 |
spモード | 324円 |
ケータイパック | 324円~ |
月サポ | -1,404円 |
月額料金 | 1,706円~ |
ドコモでは5分以内ならかけ放題になる「カケホーダイ・ライト」や時間制限無しでかけ放題となる「カケホーダイ」もありますが、あまり電話をかけない・電話を受けることが中心のユーザー向けに、無料通話無しのシンプルプランを選ぶことが出来ます。
ウェブ通信をするために必要な「ケータイパック」は、利用した通信量に応じて月額300円~4200円へ料金が変化するプランです。
SH-01Jでは設定画面から不要なウェブ通信をしないように細かくアプリごとの通信制御をしたり、1ヶ月間に使えるデータ容量上限の通知設定を行うことも可能です。
参照:ドコモのXiケータイ(SH-01J,P-01J)でパケット料金を抑える方法・不要な通信をさせない設定
使いすぎに注意すれば、機種代金込みで1,700円程度の負担でドコモの新しいケータイを買うことが出来ますので、今使っているガラケーが古くなってきた・電池の持ちが悪い・故障して不具合がある場合にはSH-01Jへの買い替えをオススメします。
ガラケー N-01Gに機種変更する場合(販売終了)
以下、本記事初稿時にはまだN-01Gの販売が続いていましたが、ドコモでの販売が終了し、機種変更をすることは出来ません。引き続きドコモで購入できるガラケーは上記のSH-01Jの他、新型ケータイ機種のみとなります。以下に記載したFOMA用プランのままの機種変更価格は新しい機種購入時には契約出来ませんのでご注意ください(本文は参考用に残しておきます。最新ドコモケータイの詳しい料金については「ドコモ新ガラケー AQUOSケータイSH-01J 機種変更時の維持費シミュレーション」を参照ください)。
まず、ドコモの防水ガラケーN-01G(NEC製)に機種変更する場合の料金を考えていきましょう。現在は新規提供されていない古い携帯電話用プランを利用中の方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は維持費を安くするためにカケホーダイプランではなく、現在も契約可能な「FOMAプラン」で契約することを前提とします。同じプランのまま使い続ける人は、その価格を念頭に置きながらシミュレーションを見比べて下さい。
プランの特徴:この加入条件では、無料通話・パケット定額はありません。通話やネットをたくさん使ってしまうと料金は高くなりますが、電話は着信がほとんどでとにかく維持費を安く使いたい人向けの契約内容です。2年契約で月々サポートが適用されます。ただし、長期回線に対する特別な値引きはありません。
本体代金 | 1,296円×24回 (総額31,104円) |
基本料金 (ひとりでも割適用) |
802円 |
iモード | 324円 |
パケシンプル | 0円 |
月サポ | -621円 |
月額料金 | 1,801円 |
上記は無料通話・ユニバーサル料金を含んでいません。通話は30秒あたり20円かかりますので、たくさん通話をしたい方は別のプランを選びましょう。
上記の「タイプシンプルバリュー」は最も月額維持費が安いプランの一つですが、このほか携帯(FOMA)用プランとしてたくさんの無料通話分が含まれるプランがあり、基本料金だけで最大14,600円までのタイプLLまで、自由に選択できます。どのプランを選んでも月サポ(割引額)は同じです。
☆「FOMA料金プラン一覧」
全部をシミュレートしだすとキリがなくなりますので、ガラケー用の安いプランとして「タイプSS バリュー」に加入した場合だけ計算しておきます。
本体代金 | 1,296円×24回 (総額31,104円) |
基本料金 (ひとりでも割適用) |
1,008円 |
iモード | 324円 |
パケホーダイダブル | 401円 |
月サポ | -621円 |
月額料金 | 2,408円 |
少し維持費は上がりましたが、こちらのプランだと月に1000円分の無料通話、パケットプランも4650パケット分は401円までの変動タイプ下限で使えます。
・新料金プラン(カケホーダイ)に加入した場合には、「通話し放題+パケットプラン」に加入することで月サポが適用されます。パケットプランは外すことも可能ですが、月サポがなくなるのでご注意下さい。
従来型のガラケー N-01Gへの機種変更を行った場合、前述のように安いプランを選べば本体価格込みで月額2000円程度から利用できます。2千円の契約プランでは通話・データ通信などはほとんど使わないことを前提としていますけれど、ガラケーには特別な契約方法や割引を使わなくても安く持てるという利点があります。
では続いてiPhoneの場合を検討しましょう。
iPhone6s 64GBモデルに機種変更する場合
iPhone6s 64GBモデルのドコモの販売価格は税込みで99,792円です。ガラケーのN-01Gが31,104円でしたので、本来の代金はなんと3倍。しかし、割引がたくさんあるため本体の実質負担は3倍どころかiPhoneの方が安くなるケースがあります。
さらにしかし、iPhoneの料金が安いのは「本体の実質料金」であって、維持費はガラケーのように2000円や3000円で持つことは出来ません。この違いを具体的に比較計算してみましょう。
プランの特徴:この加入条件では通話はし放題、1か月間に5GBのデータ通信が可能です。また、「ずっとドコモ割」によって4年以上契約中の回線であれば月額100円~800円の値引きが受けられるお得なプラン選択となっています。もっと安い「カケホーダイ・ライトプラン」、家族向けの「シェアプラン」などを選ぶことも可能です。
本体代金 | 4,158円×24回 (総額99,792円) |
基本料金 (カケホ) |
2,916円 |
spモード | 324円 |
データMパック | 5,400円 |
月サポ | -2,295円 |
長期割 | -864円 |
月額料金 | 9,819円 |
iPhone6sに機種変更を行う上記のプランでは、通話はし放題・一般利用者には十分な5GBのデータ通信が出来るという余裕のあるサービスを含むものの、毎月の維持費はガラケーの3~4倍というシミュレート結果になります。というのはガラケーからの機種変更では、iPhoneを安く使うための条件に当てはまっていないため、こんなに高くなってしまうのです。
しかし、ガラケーの購入シミュレーションでは登場しなかった長期割引として、毎月800円の値引きがプランに加入している間ず~っと続きます。
iPhone6sへの機種変更では、買い替え前の機種が「iPhone」であれば「ドコモ 春のおとりかえ割」を利用することによって月額675円さらに安くなるのですが、今回は「ガラケーからの買い替え」を前提にしているので対象外です。iPhone以外のAndroidスマホならおとりかえ割の対象になるモデルもあります。
ここからはiPhone6sではなく、機種変更用が安いGoogle Nexus5Xを使って、さらにプランも安いものに選択しなおして再計算を行ってみましょう。
プランの特徴:この加入条件では「5分以内の通話」がし放題ですが、それ以上の長い時間通話を行うと追加料金が掛かってきます。
本体代金 | 3,888円×24回 (総額93,312円) |
基本料金 (カケホライト) |
1,836円 |
spモード | 324円 |
データMパック | 5,400円 |
月サポ | -3,861円 |
長期割 | -864円 |
月額料金 | 6,726円 |
iPhone6s 64GBとNexus5Xの販売価格は6480円の差しかありませんでしたが、プランを「カケホーダイライト」に見直し(-1080円)ただけで毎月の負担はiPhoneより3000円安くなりました。2年間使えば74000円もの差が付きます。
今回考察したN-01G, iPhone6s 64GB, Nexus5Xのそれぞれの実質価格は以下のようになっています。
機種 | N-01G | iPhone | Nexus5X |
定価 | 31,104円 | 99,792円 | 99,312円 |
実質負担 | 16,200円 | 44,712円 | 648円 |
値引率 | 48.0%オフ | 55.2%オフ | 99.3%オフ |
確かに値引き額はスマートフォンの方がガラケーより大きく、「お得感」はあります。Nexus5Xの値引きっぷりはすさまじいものです。
しかし、これでもまだN-01Gに機種変更するよりも2倍以上の月額料金がNexus5Xの維持に掛かります。
もっと安くドコモでスマートフォンを使うことも可能ですが、その場合は「家族で複数台同時に購入する」「家族でデータ量を分け合う「シェアプラン」に加入する」、25歳以下が利用できる「U25スマホ割および学割を適用」するといった条件を満たす必要があり、今回のシミュレートでは前提が統一できなくなります。
前提を無視していいならば、スマートフォンの維持費を月額5千円どころか2千円くらいにすることも計算上は出来てしまいますが、クリアしなければならない条件がたくさんあります(そもそもガラケーからの機種変更では不可能)。
まとめ
現在ドコモで長らく利用してきたガラケーユーザーは、月額2000円や3000円といった低価格に収めたいのであればそのままガラケーを買い続けるのが唯一の節約方法です。スマホ専用の割引である「ずっとドコモ割」やおとりかえ割の値引きは魅力的に見えるかもしれませんが、今の維持費(5千円程度まで)より安くすることは極めて困難です。
一方で、ガラケーからスマートフォンに買い替えることによってLINEやツイッターなどのソーシャルネットワークツール、情報が豊富な地図アプリやニュースアプリ、ゲームアプリなどを存分に楽しめるようになります。料金は安くて5000円~高いものでは1万円近くの維持費が掛かりますが、ガラケーに比べて1日あたりの負担増は100円や200円程度のものです。スマホの便利さにその価値を感じるのなら、思い切ってスマホ・iPhoneを買ってみると新しい世界が開けるかもしれません。
今回はN-01G, iPhone6s, Nexus5Xという3機種のみを選んでシミュレートしましたが、ドコモにはもっとたくさんの携帯・スマートフォンがあり、それぞれ機能や価格が違います。あとは好みに合わせてガラケーを使い続けるか、スマホを買うかよく考えてみましょう。
ドコモの公式ウェブショップでガラケーからガラケーへの機種変更(FOMA→FOMA)は事務手数料で買い換えられます。
本ページの料金シミュレーションは2016年5月1日の料金プラン・値引き情報に基づき、すべて税込み表記で統一して計算したつもりです。今回は考慮していない細かな料金、もっと適用できる割引がある場合もあります。料金・契約条件は変更されることがありますので、必ず各自で最新情報を公式サイトで確認してから申し込みを検討して下さい。