2020年8月14日予約受付開始、2020年8月20日に日本でも発売されることが発表されたGoogleの最新格安スマホ「Pixel 4a」と、2020年春に発売されたアップルの格安iPhone「iPhone SE(第二世代)」について、それぞれの特徴・メリットを歴代シリーズ・実機を使い続けてきた観点から比較・評価します。
GoogleのPixelシリーズは日本国内において2018年のPixel 3シリーズから始まり、通常サイズ+大型サイズのXLの組み合わせでPixel 3→ Pixel 3a → Pixel 4 と3世代が投入されています。海外では初代のPixel , Pixel 2シリーズもあります。
小文字の「○a」が付くシリーズは廉価モデルであり、Pixel 3aに続いて2020年のPixel 4aは「廉価なPixelの第2世代」となります。
(ドコモ・ソフトバンクからも発売されたPixel 3a)
一方、大画面化の一途をたどっていたアップルのiPhoneシリーズにおいて、満を持して登場した2020年春モデル iPhone SE(第二世代)は、旧モデルとなる初代 iPhone SEから4年ぶり・同じ4.7インチのiPhone 8から2年ぶりの小型機種として投入され、すでに大ヒットしています。
(4.7インチのiPhone SE2)
旧モデルのGoogle Pixel 3aから1年でリニューアルされたGoogle Pixel 4aとiPhone SE2にはいくつかの共通点と”廉価な理由”があります。
いずれも4万円台から買える超高コスパ・魅力的なスマホになることはほぼ確定的ですが、Pixel 4aとiPhone SE2およびそれぞれの上位機種・最先端機種と比べた場合の”廉価な仕様”に着目し、Pixel 4aは本当に買いなのか評価していきます。
スペックアップして値下げ!Pixel 4aの概要
すでにApple iPhone SE2については当サイトでも実機レビュー・各機能の評価をたくさん書いていますので、まず最初に2020年8月20日に新発売となるGoogle Pixel 4aをざっくりと理解するため、各種特徴をチェックします。
2020年モデルのGoogle Pixel 4aの特徴を一言でいうと、「スペックアップして値下げ」という印象を感じました。
旧モデルのPixel 3aも、いわゆる「格安スマホ」として分類されるスマートフォンの中では比較的性能が高く、「プレミアムエントリーモデル」という表現を使っていた”ちょっと性能が良い、買いやすい価格のスマホ”でした。
Pixel 4aもコンセプトは同じく、
Google の最新を、 みんなにうれしいプライスで
とされているように、1年ぶりのリニューアルということで各スペック・仕様が最新になっており、Pixel 3aに比べて性能・機能が底上げされています。
・CPU:SDM670 → SDM730Gに大幅アップ
・RAM(メモリ):4GB → 6GBにアップ
・ROM(ストレージ):64GB → 128GBにアップ
・カメラ:上位機種Pixel 4のメインカメラと同等にアップ
・デザイン:パンチホール型で大画面化&軽量化
・通信:nano SIM+ eSIMに対応
・バッテリー:3000mAh→3140mAhに容量アップ
主にこのような違いがあります。それぞれのPixel 4aの仕様について、上位モデルの2019年モデル Google Pixel4に比べて優れている部分は少ない(電池容量とディスプレイはPixel 4aのほうが上)ものの、低価格モデルとしてはかなり高い性能に対応させてきました。
*【訂正】Google Storeサイトには搭載SoCとして「Snapdragon 730」という表記がされていますが、Qualcomm公式SNSによればPixel 4aに採用されているのは”730G”としています。SDM730GはSDM730に対してグラフィックを強化したチップとされており、別のパーツです(型番はSDM730は SM7150-AA、Pixel 4a搭載のSDM730Gは SM7150-ABです)。
Google Pixel 4はハイエンドモデルであり、本体定価も9万円~という高級モデルですのでPixel 4aが敵うはずもないのは当然として・・・驚いたのはGoogle Pixel 4aのお値段です。
Pixel 4aはおサイフケータイ対応で42,900円
Google Pixel 4aの国内向けモデルの価格は、Googleストア価格で42,900円(税込み)です。
これについては旧モデルとの価格比較をすれば、どれだけPixel 4aが高コスパになっているのか理解できるでしょう。
モデル名 | 価格 |
2020 Pixel 4a | 128GB:42,900円 |
2019 Pixel 3a | 64GB:49,500円 |
2019 Pixel 3a XL | 64GB:61,160円 |
2019 Pixel 4 | 64GB:89,980円, 128GB:103,950円 |
2019 Pixel 4 XL | 64GB:116,600円, 128GB:128,700円 |
2018 Pixel 3 | 64GB:95,000円, 128GB:107,000円 |
2018 Pixel 3 XL | 64GB:119,000円, 128GB:131,000円 |
*それぞれ税込価格(Pixel3/3 XLは発売当時の税率)。
Google Pixel 4aは上位モデルのPixel 4 128GBの半額以下、旧モデルのPixel 3aよりスペックアップしたのに1割以上値下げされての発売となります(Pixel 4aには64GBモデル、XLモデルは存在しません)。
過去のストレージ(ROM)128GBモデルのPixelは10万円オーバーだったこと/Pixel 4aのスペック・性能を他社の最新Androidスマホと比較しても、4万円台前半という価格はかなり割安です。
なお、Google Pixel 4aはSIMフリーモデルの他、ソフトバンクからの発売も決定しています(ドコモ・auからの発表はありませんでした)。
ソフトバンク向けモデル Pixel 4aも2020年8月14日受付開始、8月20日発売です。
ソフトバンクでの本体定価は49,680円に設定されていますが、新規・乗り換えなどの契約時には割引やキャッシュバックが期待できます。
iPhone SE2とPixel 4aの比較
Google Pixel 4aは”Pixel 4の廉価モデル”として格安・高めのスペックとなりましたが、”高性能で格安”と言えばアップルのiPhone SE2も2020年夏時点でずば抜けた特徴を持っています。
アップルとGoogle、それぞれの「廉価で高コスパな最新機種」という特徴をもつPixel 4aとiPhone SE2では、それぞれ上位モデル(Pixel 4とiPhone 11シリーズ)に比べて、いくつか”安い理由”があることも確かです。
各特徴をざっくりと比較していきましょう。
各仕様 | Pixel 4a | iPhone SE2 |
価格 | 128GB:42,900円 | 64GB:49,280円~ |
ディスプレイ | 5.81インチ | 4.7インチ |
本体の重さ | 143グラム | 148グラム |
CPU | SDM730G | A13チップ |
RAM | 6GB | 3GB |
電池容量 | 3140mAh | 非公開 (1800mAh程度) |
カメラ性能 | 12.2MPシングル | 12MPシングル |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
防水 | 非対応 | 対応 |
指紋認証 | 対応 (背面) |
対応 (前面) |
SIMスロット |
nanoSIM+eSIM |
nanoSIM+eSIM |
*より詳しい、すべての仕様は各公式HPを参照。
Google Pixel 4aとiPhone SE2を比べた場合、AndroidとiOSというシステム的・根本的な違いを除いても、多くの違いがあります。
まずディスプレイはGoogle Pixel 4aのほうが圧倒的に大きいのに、重量もPixel 4aのほうが軽くなっています。
Pixel 4aに使われているSoC「Qualcomm Snapdragon 730G」はハイエンド相当ではなく、ミドルスペック仕様であり、Pixel 4に使われていたSDM855に比べると大幅な性能ダウンになっています(4万円台のスマホとしてはSDM730Gは性能高め)。
一方、iPhone SE2にはiPhone 11シリーズと同じ A13チップが使われているため、処理スピードはiPhone SE2が圧勝となります。
関連記事:[実機検証]iPhone SE2(第2世代,2020)の発熱・過熱・連続ゲームプレイ時のパフォーマンス低下について
iOSとAndroidスマートフォンでは動作するシステム自体が違いますので「どちらが快適なのか」という比較は難しいですが、どちらもスマホとして高い水準になることは間違いなく、携帯電話としての基本動作、ある程度までのゲームは十分にスムーズに動くレベルです。
カメラ機能についてはどちらもメインカメラは1個だけであり、上位モデルより廉価な仕様です。
カメラ性能で比較する場合、Pixel 4と同じメインカメラが使われているPixel 4aのほうが上位になります。
PixelシリーズのカメラはGoogleの高い画像処理技術が使われており、レンズ1個であってもPixel 4aのカメラは「天の川が撮れる」夜景モードに対応しています。
Pixelシリーズの夜景・星空撮影モードは、本当にスマホでここまでの夜空が撮れるのか、と驚くレベルです。
一方、iPhone SE2についてはカメラ性能は旧モデル相当であり、上位のiPhone 11シリーズで使える夜景モード(およびDeep Fusion)が無いため、はっきり言ってiPhone SE2は夜景撮影には弱いです。
関連記事:[実機レビュー]夜景モード・Deep Fusion無しのiPhone SE2(第2世代)で本当に良い?iPhone11と暗所撮影比較
iPhone SE2のカメラ性能が業界水準から低いというわけではないのですが、天体撮影をしたい・カメラを重視したいならGoogle Pixel 4aをオススメします。
日常的に役立つ機能の比較としては、Pixel 4aもおサイフケータイ(Felica)に対応しています。
日本向けモデルのPixelシリーズには旧モデルからおサイフケータイは標準搭載されていますが、他社SIMフリーモデルの中にはおサイフケータイ非対応機種も多い中で、低価格モデルでもFelica対応であることは大きなメリットです。
また、Pixel 4a/iPhone SE2は「eSIM」に対応するという珍しい特徴もあります。
両機種のeSIMは物理的なSIMカードを必要とせず、通常のnano SIMカードと別途電話番号・通信プランを追加出来る「Dual SIM」利用が出来るようになっています。
日本国内ではまだ対応するサービスは少ないながら、インターネットからカンタンに申し込み・開通が出来るeSIMは、IIJmioおよび楽天モバイルが提供しています(2020年8月4日時点)。
2020年8月4日時点では対応状況は明らかにされていませんが、楽天モバイルでは上位機種のPixel 4/4XLについて公式動作確認機種となっており、Pixel 4aも使えることが期待できます。
IIJmioのeSIMの場合は2020年8月時点でデータ通信プランのみの提供となっていますが、申込みをしてすぐにネットにつなげる利便性・料金節約テクニックが可能となります。
関連記事:最新iPhoneでDSDS利用も可「IIJmie eSIMデータプランゼロ」通常の格安SIMとの違い/スマホ料金節約のコツ
Google Pixel 4aで惜しい点としては、防水機能に非対応であるという点です。
上位モデルのPixel 4の場合は「IP68 に準拠した防塵、防水性能」に対応していました。
旧モデルPixel 3aは防滴対応(IP52相当)とされていましたが、Pixel 4aも防水・防滴との表記もありません(2020年8月4日時点)。
一方で、iPhone SE2はIP67等級相当(水深1メートルで
いずれも4万円台とは思えない高スペックさが魅力
以上で紹介したとおり、iPhone SE2もPixel 4aも、4万円台のスマホとしては従来の平均的なスペック・仕様を大きく超えた高性能・高スペックが魅力です。
どちらもおサイフケータイに対応する・eSIMに対応するといった共通点がある中で、やはりAndroidとiPhoneの違い・大画面モデルと小型モデルの違いなど、異なる点も多くあります。
上位モデルと比べた場合には2020年最先端・最高峰機種には劣る部分も目立つものの、それらの物足りない点も納得できる安さとなっていますので、”10万円前後もする最高級機種は要らない、ほどほどに性能が高くて安いスマホ”が欲しいなら、iPhone SE2かPixel 4aが定番の機種になりそうです。
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