ソニーの高性能スマホ”Xperia 1″シリーズ最新作、「Xperia 1 V」(えくすぺりあまーくふぁいぶ:ドコモ型番 SO-51D/製品コード ASO48431/ASO48444)の実機レビューです。
Xperia 1 Vは2019年モデルから続く「1」シリーズの第5世代モデルです。ソニーのスマホのなかで最も性能が高く(Proモデルを除く)、毎年最新のCPUを搭載したフラグシップモデルであるこのシリーズは、初代「1」・第2世代「1 II」・第3世代「1 III」・第4世代「1 IV」、そして2023年モデル「Xperia 1 V」まで、一貫したコンセプトを継続しています。
2023 |
2022 | 2021 |
2020 |
2019 |
各モデルの レビューは 【実機レビューリスト】 に掲載中 (5シリーズ/10シリーズ も網羅しています) |
当サイトでは歴代のXperia 1シリーズ全モデルを入手してレポートしてきました。
数少ない日本メーカーのフラグシップモデルとして長く提供されていますので、「旧モデルのXperia 1シリーズから機種変更したい」というユーザーも増えてきているはずです。
旧モデルのXperia 1シリーズを使ったことがあれば、Xperiaシリーズの魅力だけでなく欠点・デメリットが気になった部分もあるはずです。それらの欠点がXperia 1 Vで解消されているのか/向上した性能・機能を目的として機種変更する価値があるのかどうか、実際に各機種を使ってきた主観を踏まえて解説します。
Xperia1Vの処理性能・ゲーム性能進化
まず一番分かりやすい進化として、CPUチップ・処理性能の進化が挙げられます。
Xperia 1 Vで歴代シリーズ最高性能となる「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2」を搭載しています。
Xperia 1シリーズは歴代モデル、それぞれの発売年における最高峰のCPUを積んできました。その処理性能の目安は、以下のように変わってきています。
モデル | 搭載CPU | 処理性能スコア* |
Xperia 1 V | Snapdragon 8 Gen2 | 約120万点 |
Xperia 1 IV | Snapdragon 8 Gen1 | 約100万点 |
Xperia 1 III | Snapdragon 888 | 約80万点 |
Xperia 1 II | Snapdragon 865 | 約65万点 |
Xperia 1 | Snapdragon 855 | 約50万点 |
*Antutu Benchmark (ver9.x系)のスコア基準。一般的に数字が大きいほど、高い性能を示しています。
Xperia 1シリーズの処理性能は毎年20%~30%ほどの向上を続けており、初代Xperia 1と比べた場合にはXperia 1 Vの性能は2倍もの差が付いています。
2023年時点から見て、初代のXperia 1の処理性能はまだ格安スマホ(定価3~4万円程度の機種)よりも性能が優れている水準であるものの、高負荷が掛かるゲームで動作に不満があるのなら、Xperia 1 Vに買い買える価値があります。
Xperia 1 Vでは高い処理機能と引き換えに発熱量も増えるCPUを冷却するために、大きな冷却パーツを組み込んでいます。
Xperia 1 Vでゲームアプリを遊ぶ、高画質動画を撮影すると発熱自体は起こりますが、旧機種よりも安定した動作をすることを確認しています。
さらにXperia 1 V/Xperia 1 IVではゲーミングスマホとして使える専用ギア「Xperia Stream」が利用できます。
Xperia Streamを利用することで熱を逃し、高いパフォーマンスを保ち続ける事ができます。
このゲーミングギアはXperia 1 IV/Xperia 1 V専用となっていますので、Xperia 1 III以前でゲーム動作に不満がある人は購入をオススメします。
買い替え前の機種 | Xperia 1 Vにすると・・・ |
Xperia 1 | 劇的な性能アップが感じられる |
Xperia 1 II | 激重アプリなら差を感じられるかも |
Xperia 1 III | 発熱の低減を感じられるかも |
Xperia 1 IV | 発熱の低減を感じられるかも |
ゲーム目的でXperia 1シリーズを使っていない人にとっては1~2世代前のモデルでも十分高性能と言えますので、あとは発熱に問題を感じているかで判断してみるのも一つの基準になるでしょう。
Xperia1Vのディスプレイ進化
Xperia 1シリーズのユニークな特徴である「4K解像度/21:9比率」のディスプレイは2023年モデルでも健在です。
(左Xperia1初代、右Xperia 1 V)
Xperia 1シリーズは5年連続で「6.5インチ・4K解像度/ノッチ・パンチホール無し」のディスプレイを継続しています。そのため、シリーズを通してほとんどサイズ感は変わっていません。
しかし、ディスプレイにも進化はあります。上記の写真でも分かる通り、ディスプレイの明るさが変更されているのです。
モデル | ディスプレイの仕様 |
Xperia 1 | 4K HDR 有機ELディスプレイ |
Xperia 1 II | 残像低減技術で90Hz相当再現 |
Xperia 1 III | 初めて4K 120Hz HDR対応 |
Xperia 1 IV | III比率で最大輝度を約50%向上 |
Xperia 1 V | 同上 |
このように変わっています。Xperia 1 IVとXperia 1 Vのディスプレイはほぼ同等のはずです。 1 IIIと比べた場合は最大輝度がアップしていますので、リフレッシュレートが60Hzであった1~2世代のユーザー、屋外で画面が暗いと感じる初代~第3世代のユーザーは買い替えるメリットがあります。
Xperia 1 Vのデザイン変化/サイズ
Xperia 1シリーズは前述の通り「縦長の6.5インチディスプレイ」を継続しているため、正面から見た場合のデザインは5年間経ってもあまり変わっていません。
一方で、それ以外のデザイン・コーティングは少しずつ変わっています。
(左Xperia 1/右Xperia 1 V)
最新のXperia 1 Vでは最近流行の「フロスト強化ガラス」を採用し、指紋が目立たず滑りにくいテクスチャを利用しています。
指紋認証は引き続き本体横の電源ボタン一体型を継続しています。カメラ撮影に使えるシャッターボタンも継続しています。
モデル | 縦 | 横 | 厚さ | 重さ |
Xperia 1 | 167mm | 72mm | 8.2mm | 178グラム |
Xperia 1 II | 166mm | 72mm | 7.9mm | 181グラム |
Xperia 1 III | 165mm | 71mm | 8.2mm | 188グラム |
Xperia 1 IV | 165mm | 71mm | 8.2mm | 187グラム |
Xperia 1 V | 165mm | 71mm | 8.3mm | 187グラム |
このとおり、Xperia 1シリーズはサイズ感がとても似ています。旧モデルからの機種変更であれば使い始めたばかりでも操作に違和感を感じることなく利用できるはずです。。
Xperia1Vのカメラ進化
2023年モデルで大きな進化があった機能の一つがカメラです。
Xperia 1シリーズは初代から「超広角+広角(標準)+望遠」のトリプルカメラレンズを搭載しているという仕様は同じですが、カメラのセンサーサイズ・望遠機能は新しい機種ほど機能向上をしています。
Xperia 1 IIから、ソニーのデジタルカメラのような操作が出来る「Photography Pro」アプリに対応・ZEISSレンズを搭載するようになりました。
Xperia 1 Vではメインカメラに新しく「1/1.35インチ 2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー」というセンサーを採用しました。
Xperia 1 IVまでのシリーズに比べてセンサーの面積は約1.7倍まで大きくなり、より高感度で白飛び・黒つぶれの少ない写真が撮れるようになっています。
例えば、Xperia 1とXperia 1 Vで暗い部屋で花を撮る(オートモード)と・・・
このとおり、Xperia 1 Vのほうが圧倒的に明るく、鮮明に撮れるようになっています。
買い替え前の機種 | Xperia 1 Vにすると・・・ |
Xperia 1 | すべてにおいて劇的な画質アップが感じられる |
Xperia 1 II | メイン/望遠レンズで画質アップが感じられる |
Xperia 1 III | メインレンズで画質アップが感じられる |
Xperia 1 IV | メインレンズで画質アップが感じられる |
Xperia 1 IVまでのカメラは、はっきり言ってフラグシップモデルとしてはセンサーサイズが比較的小さい(1/1.7″インチ)という水準まで他社に差を付けられていたため、旧モデルのカメラに不満があるユーザーはXperia 1 Vに買い替える価値があります。
Xperia1Vのバッテリー進化
Xperiaシリーズの電池持ちに関しても、最新型は進化しています。
初代Xperia 1の電池容量は3200mAhであり、これは当時としてもやや小さめだと感じられるバッテリーサイズでした。バッテリー容量は年々増大し、Xperia 1 IV/Vでは5,000mAhに到達しています。
ドコモが公開しているデータによると、以下のような電池持ちに変化があります。
モデル | 容量 | 4G(LTE)の 最大待ち受け時間 |
Xperia 1 | 3200mAh | 約380時間 |
Xperia 1 II | 4000mAh | 約300時間 |
Xperia 1 III | 4500mAh | 約330時間 |
Xperia 1 IV | 5000mAh | 約390時間 |
Xperia 1 V | 5000mAh | 約470時間 |
電池の消耗はスマホの設定・通信環境・アプリの動作状況、CPUやシステムそのものによる消耗/省エネ性能などに大きく依存します。
Xperia 1 IVとXperia 1 Vは電池容量は同じですが、節電性能がアップしているのか連続待受時間は大きく向上しました。
Xperia 1 Vはハイエンドチップを搭載/高解像度・リフレッシュレートが高い滑らかなディスプレイを使っているため、実際にゲームやカメラを起動していると電池消耗は速く進む印象はありますが、使っていない時の無駄な電池消耗が抑えられるようです。
特にXperia 1~1 IIIまでの世代からの機種変更であれば、Xperia 1 Vの電池持ち向上を感じられるはずです。
Xperia 1 Vのネットワーク/SIMの進化
Xperia1シリーズでは、第2世代「1 II」から5G通信に対応したり、最新機種は「eSIM」も利用できるようになるという進化がありました。
従来、キャリア向けのXperiaはシングルSIM仕様で提供されてきましたが、Xperia 1 IVからはドコモ版もnano SIM+eSIMのデュアルSIM仕様になりました。
モデル | SIMスロット | 通信仕様 |
Xperia 1 | nano SIM | 4G |
Xperia 1 II | nano SIM | 5G |
Xperia 1 III | nano SIM | 5G |
Xperia 1 IV | nano SIM+eSIM | 5G SA対応 |
Xperia 1 V | nano SIM+eSIM | 5G SA対応 |
2022年のXperia 1 IVからは「5G SA (Standalone)」にも対応し、調子が良い時なら1Gbps超えの超高速通信が可能となる場所もあります。
最近では「5G表示なのに4Gより遅い」という場合もあるほど混雑が目立つ・繋がりにくいという問題もあるものの、Xperia 1 IIIまでのキャリア版シングルSIMモデルを使っているユーザー・2回線運用/副回線で通信障害に備える場合など、デュアルSIM/eSIMの便利さ・有用性に魅力を感じるなら買い替え時です。
Xperia1シリーズのOSアップデート
最新のOSで快適に使いたい・システムアップデートが提供されている状態で安心して使いたいという場合は、最新のOS・セキュリティアップデートが続いているかどうかも気になるところです。
古いXperia 1シリーズはすでに最新OSへの更新が出来ないモデルもあります。
モデル | 初期OS | OSアップデート |
Xperia 1 | Android 9 | Android 11まで |
Xperia 1 II | Android 10 | Android 12まで |
Xperia 1 III | Android 11 | Android 13対応 |
Xperia 1 IV | Android 12 | Android 13対応 |
Xperia 1 V | Android 13 | — |
2023年の現行OS Android 13に更新できるのは「Xperia 1 III」までです。初代・IIはもう更新が止まっています。
Xperia 1 IIIもおそらくAndroid 13が最終更新となり、Android 14への対応は無いかもしれません。今の時代はOSが多少古くても基本機能やアプリ動作に影響しない場合も多くなっていますが、最新OSにこだわるユーザーは最新機種を買う必要があります。
上記以外にもXperia 1 Vは動画撮影・動画配信などにも力が入っており、プロのクリエイターの撮影機材としても使えるレベルの機能・性能を持っています。
以上から、Xperia 1 IIIよりも古いXperiaシリーズ・廉価なXperia シリーズの機能・性能に不満があるのなら、多くの部分がXperia 1 Vへ機種変更すれば改善されていると感じられるはずです。「妥協しない歴代最高のXperia」が欲しい方は購入を検討する価値があるでしょう。
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