2019年夏モデルの超高コスパスマホとして人気となっているドコモ Pixel 3aは、2018年に発売された定価9.5万円~のハイエンドモデル Pixel 3/Pixel 3 XLと同等のカメラを搭載しています。

従来のスマホでは高級機でしか体験できなかった高クオリティな写真撮影が4万円台の低価格モデルでも可能になったということで買い替えを検討しているユーザーも多いと思いますが、Pixel 3aのカメラの凄さ・他社スマホカメラとの違いがはっきりと分かる例を一つ紹介してみようと思います。

もう記事のタイトルにも書いていますが、Pixelシリーズのカメラ・写真のずば抜けたクオリティを体験出来るのは「夜景モード」を使った場合です。

ただ、今回は夜景モードを使いますが、「夜景」は撮りません

Pixel 3シリーズで撮影した夜景風景はものすごく綺麗に仕上がるのですが、この夜景モードの「色を綺麗に仕上げる」という技術がハッキリと理解できる例として、特定の色の照明でライトアップされた色の表現力、を比べて行こうと思います。

Pixel 3aの照明撮影テスト

今回の撮影テストでは、以下のようなサンプルを用意して各スマホのカメラ機能を使っていきます。

絵の具セットの前に、スマートフォンを置いています。この状態で照明を消して、スマホのバックライト-壁紙の色を変更して、青・赤・黄色などカラフルなライト代わりにします。

スマホのバックライトなので強い光ではなく、ほんのり明るい程度の照明環境でテストをしていきます。

まずは手始めに、ソニーの2019年夏モデル Xperia Ace SO-02Lで撮影したものを見てみましょう。

(Xperia Aceで撮影)

スマホのバックライトを青色にして撮影すると、白かった背景・絵の具のチューブ部分も真っ青に染まりました。光源であるスマホのディスプレイは白に近い色に白飛びしています(フォーカスは後ろの絵の具部分に合わせています)。

一般的なスマホで撮影すると、ほとんどの場合はこのように白い部分まで光源と同じ色に染まった写真に仕上がります。Xperiaの色の調整がおかしいのではなく、これが標準的です(実際、他のスマホで撮影しても似たような感じになります)。

続いて、Pixel 3aの通常カメラモードで撮影したものを見てみましょう。環境は上記のXperia Ace撮影時と同じく、青い光で照らしています。


(Pixel 3a 通常カメラモード)

Pixel 3aの場合も、通常モードでは背景の白い部分は青く染まります。Xperia に比べると幾分青み・明るさが抑えられ、スマホのパネルも白飛びは少なめな調整がされたようです。

この程度の差は、撮影時の明るさ調整でどうにでもなるのでPixel 3aのカメラが良い・悪いという判断例としてはイマイチです。

Googleスマホの本領は、ここからです。

続いてPixel 3aを夜景モードにして全く同じ青色の照明を付けたまま、撮影したものを見ていただきましょう。

(Pixel 3a 夜景モードON)

この違い、理解していただけたでしょうか。照明代わりにつかったスマホのパネルは通常モード撮影時とあまり変わっていませんが、青かった背景・絵の具のチューブが本来の色に戻って見えます

一部を切り抜いて見ると、こんなに色の違いが出ています。かなり暗い光ですので撮影用のLED照明を付けた場合のように明るくはありませんが、絵の具の各色がよりハッキリと見えるようになっています。

これが実際の写真撮影時にどのような意味があるかというと、例えば水族館の展示を撮る場合に効果を発揮します。

水族館でPixel 3aのカメラを使ってみた

水族館では視覚的な効果を狙ったり、生き物にとって自然な光で展示する目的から暗く、青い照明が使われることが多いようです。

(Pixel3aで撮影。右が夜景モード)

青色でライトアップされたクラゲもPixelの夜景モードを使えば、本来の透き通った姿を見ることが出来ます。青は青で綺麗なのですが、Pixel 3aの夜景モードなら本当の色を映し出すことが出来ちゃいます。

深海の生き物コーナーでは、人間の目にはほとんど青にしか見えない水槽も・・・

カニが本当は赤いことを、Pixel 3aを使って観察することが可能です。

Pixel 3aの夜景モードでは一眼レフカメラで使う長時間露光撮影(シャッタースピードを遅くする)とは違う技術で明るさを確保していますので、動く魚を撮影する場合にもブレにくいという強みもあります。フラッシュを使うことも難しい水族館での撮影は良いカメラを持っていても設定が難しいものですが、Pixel 3aならお手軽に撮影を楽しめます。

ちなみに、この「夜景モード」的な機能はPixelシリーズ以外でもファーウェイ・OnePlus(Nightscape 2.0)などのメーカーが夜景を綺麗撮れるモードを搭載しています。

しかし、この「本当の色への補正」は、Pixelのユニークな機能です

こちらも先程と同じく、青い壁紙による照明下でファーウェイ Mate20 Proの通常モードと夜景モードで撮影比較をしたものです。夜景モードを使うとノイズが減り、背景が明るく綺麗に撮影が出来てはいますが、Pixel 3aの夜景モードとは仕上がりが違います。

ファーウェイの夜景モードも、本来の夜景を撮影する・ライトアップを撮影する場合にはノイズが少なく・明るい写真を手持ちのままブレなく撮影する驚異的な夜景モードを実装していますが、ファーウェイの夜景モードを使っても青い背景は青のままです。OnePlus 7 Proの夜景モードでも、結果はほぼ同じでした(それぞれ2019年6月時点の最新ソフトウェアで評価しています)。

ある程度であれば他社スマホでもホワイトバランス調整・画像の加工をすれば照明の色の効果を打ち消し、本来の色へ近づけることは出来ます。しかし、このレベルの色補正をスマホだけ・夜景モードへの切り替えだけで簡単に行うことが出来るのがPixel3aの凄さというわけです。

Pixel 3aだけでなく大画面モデルのPixel 3a XL、Pixel 3/XLの夜景モードでも全く同じように「本来の色への補正」が出来ますので、照明の色がキツくて本来の色が見えづらいような場合にPixel の夜景モードを活用してみることをオススメします。

ちなみに、一番綺麗に補正が掛かるのは青系の照明下の場合のようです。

赤い照明にすると、

(Pixel 3a、通常モードで撮影)

(Pixel 3a、夜景モードで撮影)

さらに照明用スマホの壁紙を黄色にしてみると

(Pixel 3a、通常モードで撮影)

(Pixel 3a、夜景モードで撮影)

こうなりました。黄色に染まった場合、夜景モードを使ってもちょっと色が残るようです。

Pixel 3aの「夜景モード」を使って、夜景以外のいろんな場面・場所で使ってみると面白い写真が撮れるかもしれません。

この他、Pixel3aのより詳しいレビューは下記ページを参照下さい。

実機レビュー:ドコモピクセル3a開封の儀&レビュー Pixel3と使い比べて物足りない部分・満足な部分

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Pixel3aのカメラすごすぎ!夜景モードを使った色補正で「本来の色」を見る

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