2019年10月11月、NTTドコモは2019年冬~2020年春頃にかけて発売する新しいスマートフォン機種を発表し、2019年10月18日発売(事前購入手続きは15日より開始中)のGalaxy Note10+ SC-01Mを皮切りに、販売を開始しています。
最新モデルのスマホでは、パソコン顔負けレベルの超ハイスペック・コンパクトデジタルカメラ並の広角~ズーム性能まで兼ね備えた超高性能なカメラを搭載したモデルなどが話題となりがちですが、「使いやすいスマホを選ぶ」という観点ではどれほど携帯電話が進歩しようとも欠かせないのは「電池がよく保つか否か」です。
どれほど優れた機能を持ったスマホだとしても、電池がすぐに切れてしまうのでは日常利用に不便極まりないですので、”電池が長持ちすることがすべて”ではないにせよ、比較的電池の持ちが良い機種・バッテリー容量が大きくて安心して使える機種を優先して、その次に価格や機能を考慮してスマホを選びたい人向けに、2019年10月時点で公開されているドコモの公式データより、電池長持ちスマホランキングを作成してみました。
2019年冬モデルの中に、管理人が把握している範囲では実際の利用ケースを想定した場合における歴代最長の電池長持ちスマホが登場しますので、要チェックです。
2019年冬春~夏モデルラインナップ
まず今回ランキングを作るために分析した機種の範囲について解説すると、2019年10月以降にNTTドコモで購入できるスマホ機種のうち、いくつかのモデルは2019-2020冬春シーズンにはモデルチェンジされず、2019年夏モデル以前のモデルを継続して製造・販売するモデルがあります。
一方で、2019年夏に発売されたばかりのモデルでもドコモへの供給が打ち切られており、すでに購入不可能(ほぼ在庫が無く、取り寄せ予約も出来ない)となっている機種もあるため、これからの2019年秋~2020年春頃に機種変更を予定されている方は、在庫の有無・販売終了時期にも注意をしてください。
本記事では以下のモデルについてチェックしています。
・AQUOS sense3 SH-02M(2019年冬発売)
・Xperia 5 SO-05M(2019年11月1日発売)
・Galaxy A20 SC-02M(2019年11月1日発売)
・Galaxy Note10+ SC-01M (2019年10月18日発売)
・P30 Pro HW-02L (2019年夏モデル)
・Galaxy S10+ SC-05L/SC-04L (2019年夏モデル)
・Galaxy S10 SC-03L (2019年夏モデル)
・LG Style2 L-01L(2019年夏モデル)
・arrow Be3 F-02L (2019年夏モデル)
・Xperia Ace SO-02L (2019年夏モデル)
・AQUOS R3 SH-04L (2019年夏モデル)
・Xperia XZ3 SO-01L (2018年冬モデル)
Apple iPhoneシリーズ・Google Pixelシリーズは電池性能についてドコモによる公式データが非公開となっていますので除外しています。
なお、2020年発売予定のAQUOS zero2 SH-02Mについても記事執筆時点でデータがないため、データが公表され次第後日追記します。
注)本ランキングにおける「電池長持ち」の定義
スマートフォンや携帯電話において”電池が長持ちする”という基準は、1つだけではありません。
実は、「ゲームや動画を長時間楽しめるスマホ」と「充電せずに長期間スタンバイし続けられるスマホ」は必ずしも一致しないことがあります。
少し話題がずれてしまいますが、管理人の所有するスマホでおそらく最も「電池の持ちが良いスマホ」は、上記のZenFone Max Pro (M2) ZB631KLです。この機種はドコモからは発売されていませんけれど、電池容量5000mAhを搭載した、電池持ち最高クラスのスマホとして人気があります。
関連記事:[実験]ZenFone Max Pro(M2)ZB631KLでポケモンGOは快適に・何時間連続プレイ出来る?電池持ちチェック
上記のような極端な電池の持ちに特化させたスマホならともかく、”電池の容量と電池の消費のバランス”が実際にスマホを使った場合に電池が長く保つかどうかを決めます。
そこで、ドコモでは独自の利用基準を用いて、「実利用可能時間」というものを算出しています。
平均的なスマートフォン利用(インテージ社2015年6月調査データを基に算出)があった場合の電池の持ち時間です(NTTドコモ調べ/メーカー調べ)。実際の利用状況(連続通話や動画を大量にダウンロードした場合など)によってはそれを下回る場合があります
ドコモのサイトには上記のように但し書きがあり、その実際のテスト内容については公開されていません。
使い方によって「電池長持ちランキング上位の機種なのに、下位のスマホより電池がよく保たない気がする」ということは十分ありえるため、電池持ちを重視したい場合は、
・ドコモがテストした実利用可能時間
・連続待機可能時間
・連続通話可能時間
・内蔵されたバッテリーの容量
この4点について、総合的に判断してみることをオススメします(下記に全データをまとめたグラフを用意していますので参考にしてみてください)。
ではいよいよ、最新モデルの電池持ちランキングを見ていきましょう。
実利用可能時間が長いスマホ:第3位
2019年10月時点でドコモが販売する(発売予定の機種も含む)Androidスマートフォンのうち、3番めに電池の持ちが良い機種は・・・
2019年冬モデルの最上位モデル Galaxy Note10+ SC-01Mでした。ドコモ計測による実利用可能時間は約145時間と、かなりのスタミナ機種です。
この機種はドコモ史上歴代最大となる4300mAhという容量の電池を内蔵しており、電池の持ちに関しても一級品です。しかし、一方でディスプレイパネルが6.8インチと巨大であるため、実際にスマホを使う(画面を点灯させ、さまざまなアプリを動かす)場合には、電池の持ちとしては1位にはならないのです。
ちなみに旧モデルのGalaxy Noteシリーズと比べると、
・Galaxy None8(2017年モデル):115時間
・Galaxy Note9 (2018年モデル):130時間
・Galaxy Note10+(2019年モデル):145時間
と、着実に電池の持ちが向上していることが伺えます。2年前のGalaxy Note8を使ってきたユーザーで電池のヘタリを感じてきた場合は、Note10+に機種変更すれば実利用可能時間は3割近くも向上し、そのバッテリー性能の高さ(容量の大きさ)を実感出来るでしょう。
☆「NTTドコモ公式HP- Galaxy Note10+ SC-01Mの価格・スペックをみる」
実利用可能時間が長いスマホ:第2位
歴代最大の電池容量を誇るGalaxy Note10+よりも実利用可能時間が長いスマホ、第2位は・・・
2019年9月に発売されたばかりのP30 Pro HW-02Lでした。ドコモによる実利用可能時間は約165時間とされています。
P30 Pro HW-02Lといえばクアッドレンズカメラによる圧倒的なカメラの性能が高いことは有名ですが、実はバッテリーに関しても非常に大容量のものを積んでいるため、利用可能時間は伸びています。
P30 Proはワイヤレスで充電出来る「おくだけ充電(Qi)」に対応しているだけでなく、P30 Pro→他のスマホをワイヤレスで充電すること(ワイヤレス給電)も可能です。電池容量4100mAhという、Note10+より若干小さい電池容量ながら、ドコモスマホ内でトップランクの電池性能を持っています。
関連記事:ドコモP30 Pro HW-02L価格と料金を詳しくチェック 機種変更価格と割引クーポン
いよいよ次に1位を発表しますが、その前に現在ドコモでは販売が終わっているのですが、かつて販売されていた機種には実利用可能時間第2位のP30 Proより電池が長持ちする機種がありました。
それは、Galaxy Feel SC-04Jというスマホです。
すでにGalaxy Feelは2年も前のモデルとなり、後継モデルであるGalaxy Feel2 SC-02L(2018年モデル)すら販売がほぼ終わっているのですれど、このSC-04Jはドコモの実利用可能時間として最長170時間を記録しており、ここ2年間、ずっとナンバーワンだったはずです。
しかし、この記録が破る機種が出ました。それが2019年冬モデル最高の電池持ちを記録する、シャープの新機種です。
実利用可能時間が長いスマホ:第1位
ドコモが公表する実利用可能時間において、なんと約180時間という超ロングライフな数字を出して1位に輝いたのは、2019年11月発売予定のシャープ AQUOS sense3 SH-02Mです。
AQUOS sense3は電池容量こそP30 Pro, Galaxy Note10+より若干小さい4000mAhというバッテリーながら、シャープの省エネ技術と処理性能は高くないながら、日常利用には十分なSoCを採用することによって、安くて電池がよく持つ機種を実現しています。
ハイスペックモデルではないため、ゲームアプリを快適に遊びたいというユーザーには向かないながら(ゲームアプリが動かないわけではありません)、シャープの想定する利用ケースでは1週間の電池持ちを可能としています。
続きを読む→SH-02Mを実際に買って使ってみました
シャープの担当者いわく「電池の充電を全く気にせず生活出来ること」を目指してAQUOS sense3を作ったそうで、1日中ゲームや動画を楽しむユーザーの場合でも朝から晩まで使い続けても電池切れになることはまず無いでしょう(動画ストリーミング再生では20時間程度が可能とのこと)。
関連記事:2019年冬モデル格安スマホ AQUOS sense3と旧モデル ドコモsense2 SH-01L, SH-01Kの違い比較 電池長持ち&超広角カメラ
参考データ1:ドコモ実利用可能時間と電池容量の関係
今回電池性能をチェックしたドコモスマートフォンのデータを、電池容量(ピンク色・左軸)と実利用可能時間(水色・右軸)でグラフ化してみました。
電池容量が大きな機種(ピンクの棒が長い機種)ほど、実利用可能時間も長くなる傾向は当然ながらあるのですが、富士通のarrows Be3 F-02LやソニーのXperia Ace SO-02Lなど、電池容量は3000mAh以下なのに、実利用可能時間は120時間以上という機種もあります。
昔のスマホでは実利用可能時間として100時間前後のスマホも多かったのですが、最新モデルは全体的に電池の持ちが良くなっている傾向にあるといえるでしょう。
参考データ2:連続待機時間のランキング
前項で紹介した電池の持ちの良いスマホトップスリーは、ドコモが基準とする「実利用可能時間」を用いた順位でしたが、以下はLTE接続状態で静止した場合に長持ちする機種のランキングも出してみました。
なお、2019年10月11日時点でAQUOS sense3 SH-02Mについては連続通話可能時間のデータが公開されていないため、ランキングから除外しています(おそらくトップクラスには間違いないでしょうけれど)。
機種名 | LTE接続 連続待機時間(h) |
F-02L | 610 |
SH-04L | 520 |
HW-02L | 440 |
SO-01L | 440 |
SC-04L | 430 |
SC-05L | 430 |
L-01L | 420 |
SO-02L | 410 |
SO-01M | 380 |
SC-01M | 360 |
SC-02M | 360 |
SC-03L | 340 |
連続通話可能時間で比較すると、実利用可能時間が長かったP30Pro, Galaxy Note10+の順位は下がり、トップに立ったのは2019年夏モデルのアローズビー3でした。
スタンバイ時に電池消耗が小さい機種というのは、非利用時におけるさまざまなアプリケーション動作処理、電波受信・送信状況による調整が物を言うため、ハイスペックモデルよりもarrows Be3のような低スペックモデルが長持ちになることもありえます。
普段あまり携帯電話・スマホを操作しないというユーザーにはarrows Be3に機種変更すると充電回数を少なく出来る可能性があります。
関連記事:ドコモ2019年夏スマホ最安arrows Be3 F-02L実機レビュー 旧モデルF-04Kと使い比べ・進化点の評価
参考データ3:実利用可能時間と端末価格の話
今回調べたドコモの実利用可能時間と、それぞれの端末価格を安い順に並べてみました。
型番 | 実利用可能時間 (h) |
価格 (円) |
SC-02M | 140 | 21384 |
SH-02M | 180 | 31680 |
F-02L | 130 | 34056 |
L-01L | 135 | 38016 |
SO-02L | 125 | 49896 |
SO-01M | 130 | 87912 |
HW-02L | 165 | 90288 |
SC-03L | 120 | 90288 |
SH-04L | 135 | 90288 |
SO-01L | 100 | 90288 |
SC-04L | 140 | 102960 |
SC-05L | 140 | 117216 |
SC-01M | 145 | 121176 |
(ドコモが公表している実利用可能時間を参照しています。実際に使える時間は利用環境・利用頻度によって大きく変動します)
ドコモで2019年秋~2020年春頃までに購入できるスマホでは、最も安いものなら2万円~最高で12万円まで、価格にも大きな幅があります。
価格が高いスマホほど「総合的な性能が高い・機能が多い」傾向はありますが、”値段が高い=電池がよく持つスマホ”ではないため、電池の持ちの良さだけでなく、予算にも注意してスマホ選びをしてみてください。
*上記はすべて2019年10月11日時点で公開されているドコモの公式データ・価格に基づいていますが、スペックや価格は変更されることもあるため、必ず最新情報は公式HPにてご確認のうえ、購入検討をしてください。