2020年10月時点で、各携帯会社が提供している「スマホおかえしプログラム」(ドコモ)・「かえトクプログラム」(au)・「トクするサポート+」(SB)をiPhone 12シリーズ購入時使うといくら安くなるのか、本当にお得なのかどうか解説します。

2020年、iPhone 12シリーズは5Gに対応し、スペックアップをすることでiPhone 12, iPhone 12 Proシリーズの3大キャリアの販売価格定価(各種割引前の本体価格)はすべて10万円を超えました

昨今のスマホは並の家庭用パソコン・カメラよりも高性能といっても過言ではないほどに高性能化しているため、価格が高くなること自体は仕方がないことではあるものの、iPhone・スマートフォンを1年・2年という短めの期間で機種変更をし続けるにはかなりの負担になってしまいます。

そこで携帯各社では値上がったiPhone・スマホ購入後の負担を軽減すべく、従来は「24分割・2年払い」での24回払いだけではなく36回払い・48回払いの長期ローンを組めるようにしたほか、「2年後にスマホを返却する」という前提で負担額を軽減するリース契約的なシステムを導入しています。

各社で提供される返却前提の購入プログラムは若干システム、仕組みに違いはあるものの、「将来スマホを返却することを前提に月々の負担を減らす」という点は共通しており、過去の「下取りプログラム」とは併用できない(将来返却をせずに下取りを選ぶ事もできる)ため、どちらを選ぶかユーザーが決めなければなりません。

そこで、iPhone 12 Proを返却した場合にいくら負担額が免除されるのか、あるいは返却せずに下取りプログラムを使う/売却した場合にどのくらいの買取額が期待できるのか、ちょうど2年前のiPhone XSの最新買取相場と比較して計算してみましょう。

iPhone 12 Proの価格と免除額比較

まずは各キャリアのiPhone 12 Proの販売価格と、おかえしプログラム・かえトクプログラム・トクするサポート+を使った場合の負担額をリスト化して比較してみます。

iPhone12 Pro
256GBの場合
ドコモ
スマホおかえしプログラム
au
かえトクプログラム
SB
トクするサポート+
本体価格 142,560円 140,750円 151,920円
返却時の免除額(最大) ▲47,520円 ▲66,000円 ▲75,960円
月々の機種負担 3,960円/月 3,250円/月 3,165円/月

それぞれのプログラムの適用条件、その他のiPhone12シリーズの価格などは公式HPを参照ください。各社で適用条件・前提条件が若干異なる比較であり、5G料金プランも含むと「月々の支払額」はさらに変わってきます。

上記の通り、3キャリアでiPhone 12 Pro 256GBの価格比較を行うと、本体の定価が一番安いのはauですが、2年後の返却を前提にした各社の購入補助プログラムを使うと、ソフトバンクが一番安い負担額になります。

ソフトバンクのトクするサポート+は、機種代金を48分割(4年払い)にして、2年後に機種変更をするとお得になるというシステム(特典Aの場合)です。

特典Aは、48回割賦で対象機種を購入し、特典受付開始日以降に、ソフトバンクで指定機種へ買い替え、旧機種を回収・査定完了する等の特典利用条件を満たした場合に、旧機種の査定完了日が属する請求月の翌請求月以降分の分割支払金・賦払金(最大24回分、頭金は対象外)のお支払いを不要とするものです。

トクするサポート+は旧プログラムの「トクするサポート」(+がつかないもの)と異なり、月額のプログラム料金(月額390円)は掛かりません。

ただし、ソフトバンクでトクするサポート+に加入していても、将来ソフトバンクに機種を返却しない(または故障で回収できない状態)・返却せずずっと使い続ける場合には、7.6万円の免除はなくなり機種代全額負担となった場合にはドコモやauよりも高い負担となりますので、「将来iPhone 12 Proを返却しても良いかどうか」を購入時にしっかりと決めておくことをオススメします。

☆「ソフトバンク公式サイト-新トクするサポート(スタンダード/バリュー)の条件・料金について

・48 回割賦で対象機種を購入し、13か月目/25か月目※以降に特典利用を申込み、翌月末までにソフトバンクで機種の回収・査定完了が必要。新トクするサポート(スタンダード/バリュー)が適用される対象機種かは、機種購入時にソフトバンクホームページで確認できます ・ウェアラブルデバイスは、購入時のバンドも回収・査定が必要です。 ・査定条件を満たさない場合、回収に加えて22,000 円(不課税)の支払いが必要。 *お客さまが特典利用を申し込むタイミングによって、お支払い不要になる金額が変わります。 ※お申し込み状況等によって、時期が前後にずれることがあります。お客さまの特典受付開始日は、MySoftBank 等でご確認いただくことができます。最新情報は公式HPで確認してください

2年前のiPhone XSの下取り・買取価格相場

前項で紹介した「スマホおかえしプログラム」「かえトクプログラム」「トクするサポート+」では、各キャリアに将来iPhoneを返却することを前提とした残債免除システムであるため、”端末を下取り買取する”下取りプログラムとの併用は不可能です。

「返却前提の残債免除額」と「下取り価格」は、どちらも”iPhoneを手放すことで負担を減らす”という点では共通(残債の免除と買取額による還元という根本的な違いはあります)していますので、どちらを選ぶべきかはユーザーが決めることです。

2020年モデルのiPhone 12シリーズの将来の買取額について現時点では予測することしか出来ませんが、比較参考として2年前・2018年モデルのiPhone XS 256GBモデルの下取り価格を見てみましょう。

iPhone XS 256GBモデル 下取り価格*
(画面割れなし)
バイヤーズ」の
Bランク買取価格
ドコモモデル 44,000円 31,000円
auモデル 36,850円 31,000円
SBモデル 32,400 31,000円

*2020年10月29日時点。ソフトバンクの下取りは機種変更向け、PayPayボーナスによる最大還元の場合。「Bランク=目立つ大きな傷がない、良品」です。状態が良ければもっと高値で売れることがあります。白ロムとして下取りではなく一般買取店に売却する場合、SIMロック解除をしていると買取額がアップすることがあります。現在各キャリアでは条件を満たせばオンラインで無料SIMロック解除が出来るようになっているため、ここではSIMロック解除解除後の買取価格で比較しています(ドコモ SIMロック解除手順)。

現時点でiPhone XS 256GBモデルの最も高い下取りをしているのはドコモの44,000円でした。

ここで、iPhone XS 256GBモデルの発売当時の価格は147,096円(当時の8%税込み)。それが2年間で10万円分もの価値が減じられ、当時定価の3割の下取り額となっています。

この割合をiPhone 12 Pro 256GBに当てはめると、iPhone 12 Pro 256GBモデルのドコモ下取り額は2年後に4.3万円程度になり、スマホおかえしプログラムの免除額 47,520円のほうが有利になりえます。

iPhoneは一般的に「中古相場が高い」とは言われていますが、2年前の型落ちモデル、しかも傷が多い中古品になってしまうと買取・売却相場はかなり下がってしまうこともあるため、キャリアへの返却のほうが有利になるケースも有り得るといえます。

各キャリアのスマホ返却前提のプログラムは「残価設定型」と言われるように購入時点で下取り額が決まっているようなもの(実際に決まっているのは”免除される残債”)ですので、免除額と将来の買取額のどちらが有利になりそうか、「売却の手間」「どの程度キレイに使うことが出来るか」「返却せずに使い続ける可能性があるかどうか」を各自で検討して加入すべきかどうか判断してください。

iPhone12Proスマホおかえし/かえトク/トクするサポートプログラムは加入すべきか?iPhoneXS買取・下取りプログラムと比較