夏のお出かけ・イベント時期に使える超軽量一脚兼三脚として利用できる、SILK スタンドポッド5を購入してみたので詳細レビュー・使い勝手をお届けします。


ビデオ撮影や夜景・ライトアップ撮影などに欠かすことの出来ないカメラの三脚は、安定度を重視するため重量・サイズが大きめになり、持ち運びが少し大変に感じることがあります。

管理人の場合は、カメラで写真を撮るぞ!と気合を入れてお出かけする時にはSLIKのGX 6400という、やはり低価格なのですが十分な安定感がある三脚を使っていますが、三脚を使うかどうかわからない・車ではなくカバンひとつで出かけて写真を撮りに行きたい場合には、GX6400はちょっと邪魔に感じることがありました。

GX6400は重量1.24 kgとなっており4段の三脚として特別に重いわけではありませんが、決して軽くもありません。

そこで「旅行用の超軽量三脚が欲しい!」と考え、今回入手したのが同じくSLIKのスタンドポッド5でした。

☆「SLIK 一脚兼簡易三脚 スタンドポッド5

スタンドポッド5の仕様

最大高さ 1,540mm
収納サイズ 620mm
伸長ステップ
5段階
重量 実測685グラム
(マニュアル数値680グラム)
分解収納サイズ 実寸42センチ
(ポール部分)
雲台 クイックシュー方式
水平計(レベル)なし

スタンドポッドはポール式の「一脚」とは異なり、接地部分に小さく三叉の分かれた三脚部分があります。

一般的な三脚に比べると広げられる脚の幅が極めて小さいため、安定感は小さくなりますが、シンプルな一脚では出来ない「自立」が可能です。

上記はGX6400とスタンドポッド5をそれぞれ開脚+最短状態で比べた様子。ポールが長めであるため、スタンドポッドのほうが10センチほど高くなります。

スタンドポッドを最大まで伸ばすと154センチほどの高さになり、成人の目線に近い高さにまで上げる事ができます。自立しますので、安定した場所での利用であれば手を離しても大丈夫です。

GX 6400も高さは同じ154センチまで上がります。

スタンドポッド5を最大長まで伸ばした状態でカメラを載せると、安定感はどうしても小さく、強く風が吹いたり、地面が不安定な場所で利用すると、ふと紐を引っ掛けて引っ張ってしまったり、体がぶつかって押してしまうと揺れる・倒れる可能性が高くなります。このあたりは、残念ながら普通のがっしりした三脚とは比べ物にならない不安定さを感じました。

スタンドポッドの軸の作り自体はそれなりにしっかりしており、パイプの接続・固定が緩い・全体が歪みやすいということはなく、不安定になるのは設計上の限界があるためです。手を離して放置したいのなら、やっぱりしっかりとした標準の三脚タイプが必要です。このスタンドポッド5を屋外で使うときは、カメラを固定した状態で長く目を離しては危険です(揺れる・倒れた場合に備えて、いつでも支えられるようにしていないと、不安で高額な一眼レフは固定したくないレベル)。

カメラを載せる雲台の部分も、スタンドポッドではかなり小さく作られています。

固定のためのネジは一般的なサイズですので、ほとんどのコンパクトカメラ・デジタルカメラ・一眼レフ、ミラーレスカメラを固定することが可能です。ただし仕様上あまり大きなカメラ・重いカメラを固定するには向かないため、フルサイズの一眼レフ+大きな望遠レンズで使うのは止めたほうが良いです。コンデジやコンパクトなミラーレス、APS-Cサイズ機種+単焦点レンスくらいまでなら大丈夫でしょう(付けられるかどうかで言えばフルサイズカメラでも付きますが、耐荷重量は1kgまでとされています)。

ネジ部分は三脚本体から外せる「クイックシュー方式」を採用しています。

シューの固定は、GX6400ではヒネることが出来る取っ手が付いていましたが、スタンドポッドの場合はドライバーかコイン・硬貨などで回す必要があります。これは軽量化のためやむを得ないところでしょう。1円玉があれば簡単に回せますし、小型で雲台から分離できるため、1度付けたら撮影時にはカメラ側に付けっぱなしにしても苦になりません。

雲台は球形の接続パーツを使うことで前傾から後傾まで、自由な角度で固定する事が可能です。一般的な三脚のようにハンドルがないため、向きをスムースに動かすのは難しいでしょう(雲台の向きを動かすためにゆるく固定すると、カメラの重さで三脚が傾き、倒れる危険が高まる)。

また、水平計(レベル)もスタンドポッドでは省略されています。水平をキープしたい場合、機種によってはカメラ側の機能を使うことも出来るでしょう。

しかし、スタンドポッドの長所は「軽さとコンパクトさ」にありますので、この不安定さ・簡易設計を補って余りある魅力もあります。

スタンドポッド5とGX6400の三脚を全開の状態で比べると、上記のように脚を広げるために必要な面積が段違いです。普通の三脚だと直径1メートルくらいの幅が無いと全開に出来ませんが、スタンドポッドならネコ一匹分の面積があれば自立します。

三脚本体の重量はわずかに685グラム。低価格・小型のものであればもっと軽量な三脚・一脚もないわけではないのですが、軽すぎる製品は不安定・すぐに壊れるので、長く使える三脚ではそれなりのしっかりとした製品を選ぶことをオススメします(私も昔1000円くらいの三脚を買ったことがありますが、数回使っただけで脚の固定部分が折れて、ゴミになりました)。

スタンドポッド5では、長く延びるポール部分を分離することが可能です。ネジをくるくると回すだけで、工具不要で分解・組み立てが出来ます。


雲台部分も外せますので、ポールを取り除くと小型三脚としても利用が出来ます。低アングルから写真を撮ったり、室内で卓上三脚として使うには十分です。

雲台と三脚部分を分離してやることで、持ち運びに便利です。説明書には「持ち運びサイズ62センチ」と書いてあったためGX6400より長くなってしまうかな?と思ったのですが、上記写真のように分解してやるとポール部分は約42センチまで短くなり、大きめのリュックサックにならすっぽりと収まるサイズになってくれました。

通常の三脚と比べるとグラつきはどうしても出てしまいますが、このサイズ感が欲しくて買ったので、個人的には満足です。風がない場所での利用や一脚を使うつもりで撮影するのなら、スタンドポッド5の安定感でもなんとかなります。

なお、このスタンドポッド5は三脚部分を取り外して、一脚として使う場合には下部のネジ部分が飛び出て邪魔になるため、そのままでは利用できません。このネジ部分を保護できるパーツでもあれば、一脚としても使えそうですね。

通常の三脚では大きすぎる・重すぎる・邪魔になる、けれど一脚では物足りないという方はスタンドポッド5が目的にあっているかどうか検討してみると良いでしょう(SLIKにはこれ以外にも長さが違う・モノポッドスタンドやスタンドポッド7といった製品もあります)。

リュックにも入る 旅行に便利な超軽量三脚(自立一脚) スタンドポッド5購入レビュー 収納サイズ・安定感

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