2023年10月17日発表の新型メガネ型ウェアラブルデバイス「Huawei Eyewear2」(アイウェア2)の実機レビュー・評価です。

Huwei Eyewear2は過去に日本でも発売された「Eyewear」の第2世代モデルです(旧製品に”Eyewear II”というギリシャ数字で「2」がついたモデルがありますが、それとは別です)。カテゴリーとしてはメガネ型のウェアラブルデバイスで、オーディオ再生・通話が出来る「ワイヤレスイヤホン一体型メガネ」という感じのアイテムです。

アイウェア2の一般的なメガネよりやや太めの耳にかける部分(テンプル・つる)に、スピーカー・マイク・タッチセンサーなどのギミックが詰め込まれています。写真で見るとガッシリした印象を受けるかもしれませんが、これがめちゃくちゃ軽いのです。

似たようなメガネ型オーディオデバイスはファーウェイ以外からも発売されており、旧型と比べても劇的に新しい機能や驚く使い方ができるようになったというものではないものの、Eyewear2の特徴・メリットは、

眼鏡店「OWNDAYS」で度付きレンズが作れる
指向性スピーカー+音量制御システムで音漏れ軽減
類似製品最高クラスの防水「IP54」に対応
長持ちバッテリーで待ち受け/連続再生時間向上

などが挙げられます。

通常のイヤホンと違って耳の穴を一切塞がないため、一般的なイヤホンが耳に合わないと感じる人・仕事/作業中に周囲の音を聞きながら自然に音楽視聴や通話をしたい人・長時間の連続利用をしたい人に向いています。

*以下、レビューはファーウェイの試作機での評価となります。日本で実売される製品とは仕様が異なる可能性がありますので、詳細は必ず公式サイトのページ・仕様を再確認してください。

Eyewear2(2023年)の進化点・特徴

初代のファーウェイ アイウェア(2021年発売)に比べて、2023年の新型Eyewear2はさまざまな点が改良・進歩したアップデートモデルとなっています。

(Eyewear2のケースは三角柱型)

Eyewear2は過去製品・類似品の中でも軽量なフレームとなっており、わずか35グラム(ウェリトン型ハーフリムタイプの場合)とされています。

(サンプルレンズ込みで実測39グラム)

フレームのみの重さはブラックで約30.8グラム、チタニウムシルバーは28.8グラムに軽量化されています。

あえてイヤホンタイプではなくメガネ型オーディオデバイスを選ぶユーザーは長時間の連続利用を想定しているはずですから、少しでも軽い・負担にならないことは重要です。

また、IP54相当の防水性能にアップグレードされています(旧型はIPX4)ので、多少の雨・水しぶきで濡れても安心して使えます(完全防水ではないため、水没や丸洗いはNG)。

Huwei Eyewear2は旧型に比べてテンプル(つる)が細く・薄くなり、より普通のメガネに近づきました。リム部分にチタン系素材を使うことで軽量化と耐久性を実現しています。

Huwei Eyewear2には物理的なボタン類は一切ありません(電源ボタンすらない)。フレーム横をタッチ・スライドさせることでコントロールを行います。

ダブルタップ:音楽の再生・一時停止/通話の応答・拒否/アシスタントアプリの起動
長押し:着信拒否
スライド(左右どちらも可):音量調整/曲送り・戻し

*各機能の設定はアプリから可能。スマホとPCなど、同時に2台のデバイスまで接続可能です。制御用のアプリはGoogle Playでは未配信(Android/Harmony OSはApp Galleryからダウンロード可能/iOSは「EYEWEARアプリ」があります)

Eyewear2は電池が旧モデルよりも長持ちになっています。

電池容量 110mAh
(参考:旧モデル85mAh)
音楽再生時間 約11時間
連続通話時間 約9時間
充電時間 50分で100%チャージ
(参考:旧モデル85分)
スタンバイ時間 約4日

*実際の動作時間・電池長持ちは利用状況により変動します。

前モデルに比べて電池持ち・待機時間は2倍以上に延びました。この電池長持ち仕様は類似他社製品よりも優れている水準です。

Eyewear2は以下のような特殊な形状の充電コネクタを使います。

USB-Cのケーブルをつなぎ、メガネのテンプル末端を差し込むことで充電が可能です。強めに接着するマグネット式になっており、少し引っ張ったくらいではずれるもことなく簡単・安定した接続が出来ます。

Eyewear2の音漏れ対策

Eyewear2を含むメガネ型オーディオデバイスはいわゆる「オープン型」のスピーカーであるため、どうしても音漏れが発生しやすい構造です。

そこで、Huwei Eyewear2はハードとソフトの両面から音漏れ防止対策が行われています。

・新開発の同一指向型デュアル振動板スピーカー搭載
・逆音波アルゴリズム2.0で環境音を感知し、静かな場所では音量を自動で下げる/上げる

Eyewear2で実際に音楽を流している状態にして音漏れを確認すると、小さな音量で再生していれば0.5mも離れればほとんど音は聞こえないレベルになります。ひそひそ話が出来るくらいまで他者と接近しない限り、屋外での利用時に聞いている内容まで聞き取られることはありません。

一方で、大音量で聴きたい派の人だと、1mくらい離れていても音漏れ自体はします。とくに静かな室内で大音量のまま聞き続けるのは周りの迷惑になるかもしれません。

そこでEyewear2では静かな場所では自動で音を下げてくれる/周囲がうるさい場所で通話する場合は「大音量モード」に切り替わり、音が大きくなるので、いちいち自分で環境に合わせて音量調整をしなくて良いというメリットがあります。

Eyewear2の音質・安定性

初代のEyewearで不満・不評だった接続の安定性を向上させるため、新型のEyewear2はでBluetooth5.3に対応し、安定性と再生遅延対策がされているとしています。

アイウェア2には電源はなく、電池残量が残っている状態で装着を感知すると自動でペアリングした端末に再接続します(初回登録は一般的なBluetooth機器と同じように接続モードで実施可能)。

実際に数時間連続で音楽を聞きながら室内作業をしてみても、一度も音声が途切れることなく安定した再生・接続が出来るようになっています。


Eyewear2の音質は、普通に良いです。動画再生で音楽・人の声などを聞くだけなら、本当にフツーのスピーカー・イヤホンで聞いているのと遜色ないレベルです。うるさくて耳を塞ぎたくなるレベルにまで音量を上げても音割れもしません(ただし極端に音量を上げるとメガネフレーム全体がビリビリ震えてノイズのように聞こえる)。

密閉型イヤホン・オーバーイヤータイプのヘッドホンに比べると流石に低音側の重厚感は失われる印象がありますが、旧モデルから低音~高周波数帯まで音質再現が良くなっているとしています。

集音マイクも搭載していますので、ハンズフリー通話ももちろん可能です。

度付きレンズはOWNDAYSで作れる

ファーウェイアイウェアシリーズは「メガネ一体型」が最大のウリです。普段からメガネ視力矯正をしている人は、自分に合ったレンズをメガネ専門店であるOWNDAYSで作ることが可能です。

レンズの価格・料金はレンズの仕様・店舗により異なる可能性がありますが、ファーウェイのオンラインショップでEyewear2本体を購入すると2023年11月30日までの期間(予定)、レンズ交換割引チケットが貰えます。店頭で視力検査を受けて、ぴったりとあうレンズを作ってもらいましょう。

ファーウェイアイウェア2の本体価格、レンズ価格などは公式サイトの価格をチェックしてください。

[実機レビュー]Huawei Eyewear2(2023年モデル) 性能向上の進化版-音漏れ・電池長持ち・操作性