Panasonicから2017年春モデルとして(主に法人向けに)発売された小型・超軽量ノートパソコン Let’snote(レッツノート)CF-RZ6についてレビュー・評価をしていきます。
パナソニックのノートパソコン「Let’s note」と言えば、主に法人用・ビジネスマン向けに、物理的に”頑丈”であることを重視したモデルが多く、その中でも今回購入した「RZシリーズ」は超軽量のモバイルモデルとして人気があります。
RZシリーズは2022年時点までに、
・CF-RZ8(2019~2021年)
・CF-RZ6(今回購入したモデル/2016~2018)
・CF-RZ5(2015~2016)
・CF-RZ4(2014~2015)
などのモデルがあります(更に古いモデルでCF-R1~9シリーズもありました)。2022年春夏モデルにRZシリーズはなく、全モデル生産終了状態です。
CF-RZ6は2016年から2018年頃に主に法人向けに出荷されたモデルであり、メーカー正規保証期間(4~5年)が過ぎたためか、法人落ちの中古パソコンが2022年時点で多く流通しています。
レッツノートは法人向け価格だと20~30万円を超えるような設定になっていますが、中古パソコンなら5万円以下で買える格安在庫もあります。
新品では高くて買えなくても、その頑丈さから中古でも安心して使えるレッツノートの購入検討用に、実際に小型レッツノート CF-RZ6を使って感じた良い点・悪い点および使いやすくするために行ったカスタマイズなどを紹介していきます。
レッツノートCF-RZ6のスペック・仕様
レッツノートの「CF-RZ6」の型番から始まるモデルは、個人向け・法人向けにそれぞれたくさんのスペック違いのモデルが存在します。
型番によって主に「CPU」「SSD容量」「メモリー(RAM)」「LTE対応有無」「オフィス搭載有無」といった違いがあります。
【個人向け型番】
CF-RZ6CDBPR
CF-RZ6CDFQR
CF-RZ6QFMQR
CF-RZ61DFQR
CF-RZ62FMQR
CF-RZ6KDFQR
CF-RZ6LFMQR
CF-RZ6NDFQR
CF-RZ6PFMQR
CF-RZ6ADFQR
CF-RZ6BFMQR
CF-RZ6GDFPR
CF-RZ6HFLPR
CF-RZ6HFMQR
CF-RZ6DDFPR
CF-RZ6DFFPR (←LTE対応モデル)
CF-RZ6EDLQR
CF-RZ6EFLQR(←LTE対応モデル)
【法人向け型番】
CF-RZ6EDPQS
CF-RZ6RFDVS
CF-RZ6RDDVS
CF-RZ6RFRVS
CF-RZ6RDRVS
*さらにカスタマイズモデル、中古品の場合は一部パーツを換装している場合もあるため、購入時によく確認をしてください。
今回管理人が購入した機種の型番は「CF-RZ61DFQR」とされていましたので、もともと個人向けに販売されたモデルの中古在庫でした。
CF-RZ6搭載のCPU種類と処理性能(Passmark)
レッツノートCF-RZ6には前述の通りたくさんの型番違いのモデルがあり、搭載されるCPUには主に2種類があったようです。
それぞれのベンチマークスコアを比べておきましょう(参照:Passmark)。
CPU型番 | Passmarkスコア |
Intel Core m3-7Y30 | 2,589 |
Intel Core i5-7Y54 | 2,741 |
*数字が高いほうが一般的に高性能。
CF-RZ6に使われているCPUはゲーム用・高負荷が掛かる動画編集にはあまり向いていません。一方で、一般的なオフィスソフトやネット閲覧がメインであれば十分にサクサクと動いている印象です(Core m3-7Y30モデルの場合)。
2022年6月時点、中古で出回っているレッツノートの場合にはCore m3モデルでもCore i5モデルでも極端な価格差はありません(中古であるため、個々の状態・各ショップの価格設定に依存)。もちろんCore m3モデルのほうが安い傾向にありますので、在庫が選べるのなら価格と性能のバランスを考慮して判断しましょう。
CF-RZ6の主なスペック・仕様
今回レビューをしているレッツノート(モデル CF-RZ61DFQR)の主な仕様を列挙しておきます。
OS | Windows 10 Pro 64ビット |
CPU | Core m3-7Y30 |
RAM | 8GB |
SSD | 128GB→256GBに交換済み |
ディスプレイ | 10.1インチ WUXGA(1920×1200) タッチパネル(光沢パネル) |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス615 (CPU内蔵) |
LTE | 非搭載 |
Bluetooth | Bluetooth 4.1対応 |
光学ドライブ |
なし |
スピーカー | モノラルスピーカー |
カードスロット | SDカードスロットあり |
カメラ | 207万画素 |
キーボード | OADG準拠86キー |
ポインティングデバイス | 静電タッチパネル/タッチパッド |
電池容量 | 4740mAh(標準バッテリーパック) |
駆動時間 | 約11.5時間 |
充電時間 | 約2.5時間 |
サイズ | 幅250mm 奥行180.8mm 高さ19.5mm |
重さ | 約750グラム |
CF-RZ6の場合、ディスプレイ・本体サイズ・カメラなどの基本仕様は共通なはずです。
ちなみにCF-RZ6のLTE対応モデルはSIMフリー・nano SIM仕様となっています。
CF-RZ6のボディ・外観評価
レッツノートCF-RZ6は、シンプルな小型ノートパソコンです。流行のモバイルパソコンのように薄型ではありませんが、ビジネスマンが使いやすいインターフェイスが多数搭載されています。
本体横にUSB3.0 Type-Aポートが3個、HDMI出力端子、ヘッドセット端子、有線LANコネクター、SDカードスロットなどが配置されています。
ディスプレイ部分はぐるりと360度回転します。完全にフラットになるまで折り畳めるため、タブレットのような使い方も可能です。画面上にあるインカメラの横にはWindowsロゴの物理ボタンがついており、タブレット状にした状態でもワンプッシュでWindowsのスタートメニューを開くことが可能です。
レッツノート CF-RZ6のメリットはとにかく軽いこと。
レッツノートは薄型ではないため一見すると重そうに見えますが、軽量な素材で作られているため、片手でも楽々持てる軽さです。
比較として、Apple iPadシリーズ(Wi-Fiモデル)の重さと比べてみると・・・
・レッツノート CF-RZ6 約750グラム
・iPad Pro (第5世代) 12.9インチ 682グラム
・iPad Air (第5世代) 10.9インチ 461グラム
・iPad (第9世代) 10.2インチ 487グラム
・iPad mini (第6世代) 8.3インチ 293グラム
このように、キーボードが無いiPad本体のみと比べるとレッツノートのほうが重いのですが、キーボードセット・カバーセットなどを持ち歩くとiPadのほうが総重量が重い場合すらあるでしょう。
管理人はレッツノートを買う前にiPad mini (第5世代)+キーボードのセット利用も検討していたのですがWindows OSのほうがやはり仕事には向いていると感じたため、レッツノートを入手することにしたという経緯があります。
CF-RZ6には光学ドライブ(CD/DVDを入れる場所)はありません。レッツノートには光学ドライブを搭載したモデルもあるものの、CF-RZ6シリーズは本体の小型化・軽量化のために光学ドライブ無しです。光学ドライブを使いたい場合は外付けドライブなどの周辺機器を使いましょう。
レッツノートの自動画面回転の仕様
レッツノート CF-RZ6では、前述の通り画面をくるりと折り曲げて、タブレットのように使うことも出来ます。
レッツノートは一般的なタブレットデバイスに比べると厚み・重みがあり、ベゼル(ディスプレイ周囲の枠)が太いため、正直に言って操作しやすいとは言い難いながら、タブレット状のほうが使いやすいアプリや利用状況が想定されるのなら、タブレットに変形できるCF-RZ6は便利です。
CF-RZ6の画面は360度回転させた「タブレット状」にすることで、自動で「画面の回転」を有効にすることが出来ます(設定で自動回転させないよう変更可能)。一方で、360度回転させていない状態だとメニュー画面の画面自動回転が有効になりません(システムの設定から回転変更は可能)。
ディスプレイを330度くらい回転させて「Δ」のようにテント型で使うとき、通知メニュー(Windows画面の右下にあるボタン/画面右からスワイプで出現するメニュー画面)から即座に回転できない(?)仕様になっているのがやや不便に感じました。これはレッツノートはあくまで「タブレット」ではなく「ノートパソコン」であるための挙動という感じです(管理人が持っている「Yogabook」は、回転させなくてもメニュー画面から自動回転を設定出来る)。
レッツノートのキーボード/配列
レッツノート CF-RZ6には、キーストローク1.5mmで押しやすいキーボードと画面移動が楽なタッチパッドも搭載されています。
小型のタブレットパソコンではキーボードが無い・別売りだったり、タッチパッドデバイスが無かったりしますが、レッツノート CF-RZ6はキーボードも全部含めて750グラムという軽量感が魅力であり、たくさんの入力をしたいビジネスユースに向いています。
また、ディスプレイ自体がタッチパネル対応となっていますので、直感的に画面を触って操作したい時とパソコン的に操作したい時のどちらでも対応出来る快適さがあります。
一方で、やはり小型サイズに合わせたキーボード配列となっているため、普段デスクトップ用のキーボードに使い慣れているユーザーにとって、一部気になる部分もありました。
その中で一番違和感を感じたのは、「Fn」と「Ctrl」キーの位置です。
CF-RZ6では左下隅にファンクションキー、その横にコントロールキーがあります。私が普段使っているパソコンのキーボードではコントロールキーが左隅にあり、さまざまなショートカットキー・マルチキーを「Ctrl+○」として割り当てて使い慣れているため、この配置はありえません。
このFnとCtrlキーの配置に違和感を感じるユーザーは多いようで、FnとCtrlキーはBIOSの設定でカンタンに入れ替えることが可能となっています。
パソコンを起動する際に「F2」を押してBIOSに入り、「メイン」→「Fn/Ctrlキー」を選択して【入れ換え】に変更、「F10」を押して変更を保存→再起動すると、FnとCtrlの機能を入れ換えられます(PCの文字盤はそのままなので、自分で入れ換えたことを覚えておく必要あり)。これで断然使いやすくなりました。
小型パソコンのキーボードだとEnterキーが小さい製品もありますが、CF-RZ6のエンターは通常キーよりも大きく、押しやすくて良いです。カーソルキーはやや下にズレていますが、これも気になるほどではありません。
レッツノートの電池持ちとバッテリー交換
レッツノート CF-RZ6のバッテリー容量は4740mAhであり、本体の背面に取り付けられています。
このバッテリーはユーザーがカンタンに交換可能です。中古品で購入した場合はバッテリーが劣化している可能性があるため、電池持ちが悪いと感じたのなら新しくバッテリーだけ交換する事ができるのも便利です(工具なしでカンタンに取り外し可能)。
CF-RZ6の場合、メーカー基準で約11.5時間のバッテリー駆動利用が可能です。
バッテリーの劣化具合を調べたい場合、コマンドプロンプトを利用して「powercfg /batteryreport」のコマンドを実行すると本来の容量/最大充電可能容量が表示されます。
管理人が購入した在庫の場合、バッテリーがかなり劣化しているようで、本来の容量36020mWhのところ32,420mWh (90%)に減っており・・・
実際に利用してみると、3時間ほどの利用で92%→10%まで減ってしまいました。本来バッテリー駆動で11時間くらい持つはずなので、期待した電池持ちの半分以下です。
レッツノートの交換用バッテリーは大手家電量販店のネットショップでも取り扱われており、CF-RZシリーズに使える純正バッテリー(CF-VZSU0EJS)へ交換する予定です。
☆「コジマPayPayモール-Panasonic Let’s note CF-RZシリーズ用 バッテリーパック CF-VZSU0EJS」/管理人注文時価格 8,280円(PayPayのキャンペーンで30%還元付きでした)
電池持ちの劣化は残念でしたが、中古品を買う時点で覚悟していたことなので・・・バッテリーをカンタンに購入・交換できるのもレッツノートを選ぶメリットの一つです。
レッツノートの充電とトリガーケーブル
レッツノートはノートパソコンであるため、充電には専用のACアダプターが用意されています。
純正のACアダプター「CF-AA62J2CJS」は16V/2.8Aでの入力に対応したモデルです。CF-RZ6の充電時間は約2.5時間です。
持ち運びを前提にした軽量なアダプターでプラグ部分は可動して収納できます。アダプターの重さは約185g(本体)+約20g(ウォールマウント)+約60g(電源コード)とされています。このACアダプターはノートパソコン用としては小型ながら、スマートフォンに使われるType-C USBとは形状が異なるため、外出時にスマホ用+レッツノート用と別々にアダプター・電源ケーブルを持ち歩くのは面倒に感じます。
そこで登場するのが一般的なType-C USB用のPD充電器→レッツノートの電源に変換・接続できる「トリガーケーブル」というアイテムです。
☆「アマゾン – トリガーケーブル(外径5.5mm/内径2.1mm(2.5mm) )」/管理人が購入したのは「5V-3A-eMarker」版
*トリガーケーブルの利用はメーカー保証対象外です。規格の合わないものを利用すると破損・故障/事故の可能性もあるため、自己責任でご利用ください。
スマホ用の45WPD対応ACアダプター(Galaxy Travel Adaptor)と組み合わせて、CF-RZ6の充電が出来ることを確認しました。「純正ではない」等の警告なども出ませんでした。
この他、各レッツノートでトリガーケーブルと高出力(オリジナルが44.8Wなので、45W~65Wなど)のPD対応 Type-C 電源アダプターと組み合わせれば、スマホ充電とレッツノートの充電を1つのACアダプター(と2本のケーブル)で運用できるはずです。
レッツノート CF-RZ6中古パソコンが買えるショップ
管理人はレッツノート CF-RZ6を購入する際に、さまざまなショップで同型モデルの在庫を探しました。2022年時点で出回っている在庫の多くは中古品であるため、状態の良いもの・価格の安いものに巡り会えるかどうかは運次第です。
以下のようなショップでCF-RZ6が販売されている可能性があるため、いろいろと探してみましょう。
販売ショップ | 在庫参考* |
サウスステーション (Yahooショッピング) |
今回管理人買ったお店。 Core-m3/8GB/256GB版で 購入時42,800円でした。 |
アマゾン | Core i5モデルが49,800円~くらい |
PC WARP(楽天) | Core i5/4GB/128GBで39,800円~くらい |
Be-Stock(楽天) | Core i5/4GB/128GBで39,600円~くらい |
*記事執筆時点で確認したもの。詳細は各ショップにお問い合わせください。