2024年冬モデルの人気スマートフォン ドコモ AQUOS sense9(アクオスセンス9)の実機使用レビュー・評価です。

AQUOS sense9(ドコモ型番 SH-53E、製品型番ASH47570/ASH47596/ASH47600/ASH47583/ASH47613)は、発売日2024年11月7日に登場した廉価帯のスマートフォンです。

2024年11月~12月の売れ筋ランキングではiPhoneに混じって上位に食い込むことが出来る「定番」なスマホの最新作は年々完成度が高くなっており、万人受けするモバイルデバイスに仕上がっています。

旧世代のAQUOS sense8から比べても多くのアップグレードが盛り込まれており、旧モデルからの買い替えはもちろん、iPhoneやその他スマホからの機種変更を検討をしているユーザーは気になるポイントをしっかりと吟味してください。

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AQUOS sense9とは?長年続く定番モデル

機種名の「sense9」の名の通り、シャープのアクオスブランドスマホのうち、中間価格帯の「sense」シリーズの第9世代です。初代AQUOS senseの登場(2017年モデル)から数えて、もう7年も続くシリーズです。

2022年モデル
sense7
2023年モデル
sense8
2024年モデル
sense9

2024年のシャープスマートフォンには他に上位モデルの「AQUOS R9」および最上位「AQUOS R9 pro」、格安スマホの「AQUOS wish4」などもありますが、ドコモで人気があるのはこのAQUOS sense9です。

AQUOS R9シリーズは高性能なのですが値段が高すぎて(ドコモ価格は10万円を遥かに超える)、一方のAQUOS wish4は初心者向けであるため、誰もがスマホを当たり前に使いこなす時代においては性能が物足りないと感じる人もいるでしょう。AQUOS sense9は、その中間的な性能・仕様です。

AQUOS senseシリーズも長く続いていますので、旧モデルを愛用してきたというユーザーで買い替え時期が来ているのなら、最新作のAQUOS sense9との違いを比較し、機種変更する価値があるかどうか検討しましょう。

ではより具体的にAQUOS senseを旧機種やハイエンドモデルと使い比べた場合に感じた感想・評価を公開していきます。

AQUOS sense9の長所/短所

AQUOS sense9は”ミドルレンジ(中間帯)”モデルであるため、最高級機種と比べると物足りない部分もあります。sense9はバランスの良い機種ではありますが、こだわりのある機能・仕様を求める場合は、AQUOS sense9の長所・短所を把握しておきましょう。

AQUOS sense9の
長所/優れている点
AQUOS sense9の
物足りない/不満点
・シリーズ初の新デザイン採用
・アルミ製の軽量&頑丈なボディ

・そこそこ軽い166グラム
・外でも明るく見やすいディスプレイ

・シニア向けのカンタンモードあり
・最長5年のアップデート提供予定
・ゲームもそこそこ出来る新CPU
・滑らか表示の120Hzに対応

・マスクしたまま顔認証+指紋認証対応
・広角写真もキレイ/マクロ撮影対応
・ステレオスピーカーを初搭載
・充電速度が結構アップ
・ゲーミング向きではない
・カメラのズーム性能は低め

・エントリーモデルよりは高価
・3.5mmイヤホンジャックがなくなった

今回、AQUOS sense9で初めて/旧型からアップグレードされた目玉機能は、今までは高級機種にしか搭載されていなかった「Pro IGZO OLEDによる120Hzの滑らか表示」や「ステレオスピーカー」の搭載、広角カメラの高画質化・充電速度のアップなどが挙げられます。

また、OSのアップデートも最大で3回・セキュリティアップデートは5年まで予定されており、同じ機種を長く使いたい人に向いています。

ほぼすべての仕様で旧モデルの上位互換となりますが、旧型(sense8)との決定的な違いとしては、3.5mmの有線イヤホンが使えるマイクジャックは廃止されています。

AQUOS sense9(SH-53E)の主な仕様・スペックは以下のとおりです(赤文字は旧機種(sense8)に比べて強化された項目です)。

ディスプレイ
(解像度/
リフレッシュレート)
6.1インチ
有機EL IGZO
(フルHD+/120Hz)
生体認証 指紋認証
(本体横)
サイズ 縦:149 mm
横:73 mm
厚さ:8.9 mm
重さ:166グラム
カメラ 5030万画素
+5030万画素
(広角)
バッテリー 5000mAh SIMスロット nano SIM+eSIM
充電時間 約100分~ おサイフケータイ 対応
CPU Snapdragon 7s Gen 2
防水/防塵 対応
RAM/ROM 6GB/128GB SDカード
micro SDXC対応

*より詳しい仕様・すべての機能については「ドコモ公式サイト」を参照ください。

AQUOS sense9の使いやすいポイント

続いて主観を含む「AQUOS  sense9は使いやすいと感じる部分」を解説します。

AQUOS sense9には、オンラインショップ限定のブルーとグリーン(本ページで使用しているもの)のほか、ホワイト・コーラル・ブラックの全5色があります。

グリーンは濃いめの色調で大人向けの印象。指紋がほとんど目立たないマット(非光沢)な質感です。指紋認証センサーが内蔵されている電源ボタンはブラックです。

充電用の接続はiPhone 16などと同じ「USB-C」です。最新のiPhoneを使っている家族が居るのなら、ケーブル・充電器を共用できるでしょう。

SIMカード・SDカードの入れ場所(カードスロット)は本体左側に変更され(sense8は上にあった)、引き続きSIMピン無しで取り出せる仕様です。

AQUOS sense9は旧モデルと同じ6.1インチサイズ。先代より少しボディが重くなりましたが、166グラムというそれなりに軽量なボディです。

シリーズの特徴であるバッテリー長持ち機能・指紋認証と連携した「Payトリガー」など、日常的に便利な機能は一通り搭載されています。

AQUOS sense9のディスプレイサイズ・解像度は旧型と同じですが、今回から最大120Hzのリフレッシュレートに対応しました。120Hzに慣れると古い機種(60Hzなど)の表示がカクついて感じられてしまうほど、最近の高性能機種では当たり前に対応する機能ですが、ついにsenseシリーズも時代に追いつきました。

また、ディスプレイの最大輝度(明るさ)も1500nit(ピーク輝度2000nit)まで、従来機種の4倍という大幅アップグレードとなっています。明るい屋外で画面が見にくい古いスマホを使っている人は買い替える価値があります。

AQUOS sense9のカメラ性能

AQUOS sense9には3世代連続で「1/1.55″インチ」という大きさのセンサーが搭載されています。2年前からセンサーの大きさ自体は進歩がないものの、画像処理技術やAI技術の進歩で、誰でもきれいな写真が撮れるようになっています。

AQUOS sense9では、

・AI(自動モード)写真
・ビデオ

・ポートレート(人物撮影)
・ナイト(夜景撮影)
・マニュアル写真(手動設定)
・その他(タイムラプス/スロービデオ/vHDRビデオ)

から選ぶ事ができます。このあたりは旧型と同じです。

すべての設定をスマホまかせにすることも出来ますし、マニュアル設定や夜景モードの指定(花火・星空に対応はsense9からのはず)も可能です。AIによる補正がかなり効く印象です(プレビュー画面と実際に処理/保存される画像に差がある)。

一方で、AQUOS senseシリーズには望遠レンズがないため、ズーム性能は低めです。

(実際にAQUOS sense9で撮影したズーム写真)

AQUOS sense9の最大ズームはデジタル8倍まで。最大望遠でギリギリ撮れるような被写体だと、画質が粗くなります。実用的な画質を保てるのは2~4倍程度まででしょう。

古いsenseシリーズには望遠レンズが付いていた世代もありますが、AQUOS sense9ではメインカメラの高画素写真からデジタルで切り出しを行う+光学式手ぶれ補正により、旧機種に劣らないズーム性能を発揮出来ます(あくまで比較を古いsenseシリーズとした場合)。

一方で、超広角レンズが先代の800万画素→5030万画素へアップインカメラも3200万画素へアップ(センサーも少し大きく)なったため、より多くの場面で写真撮影を楽しめるようになりました。

また、マクロ撮影(接写モード)もAQUOS senseシリーズ初対応です。最短で約2.5センチまで近寄り、どアップの撮影をすることが出来ます。

(AQUOS sense9で接写した写真。5mm角の宝石も余裕で撮れる)

高画質な広角カメラを利用したマクロ撮影は、さまざまな用途に使えそうです。こちらは最大望遠に比べてかなり実用的だと感じました。

やはり最上級スマホほどの写真撮影体験をAQUOS sense9に求めることは出来ませんが、古い格安スマホから比べれば手軽にきれいな写真が撮れると感じられるはずです。

AQUOS sense9のゲーム性能

AQUOS sense9には新しく「Qualcomm Snapdragon 7s Gen 2」というCPUが使われています。

 

AQUOS sense9の処理性能は、前機種に比べて1割程度アップしており、「軽いゲームなら普通に遊べる水準」です。旧機種から少し性能はアップしていますが、2024~2025年の最新スマホ水準としてはそれほど高いゲーム性能とは言えません。

Antutuベンチマークスコア(Lite用)は60万点台前半。ベンチマーク的には数年前のハイエンドモデルにも残念ながら及びません。しかし、一般的なゲームは十分遊べるため、家族や友達と同じゲームで楽しみたいという場合にも対応出来るはずです。

AQUOS sense9のバッテリー性能

AQUOS senseシリーズを選ぶ一番のメリットは、電池が長持ちであるためと言っても過言ではないでしょう。

AQUOS sense9の電池容量は5000mAhという大型バッテリーを搭載。待機可能時間・実利用可能時間ともに長めです。

そして今季モデルの大幅なアップグレードといえる、急速充電への対応です。これは実際に使ってみて、結構びっくりしました。

旧型のAQUOS sense8の充電は、ドコモ純正アダプタを利用した場合で約160分程かかりました。しかし、AQUOS sense9は約100分で充電出来ます(対応充電器を利用した場合)。実測で20W以上の充電速度が出ており、iPhone 16 Proなどと同等のスピードといえます。

AQUOS sense9に充電器は同梱されていません。ドコモでは「【Type-C 45W高速充電】ACアダプタ08」という製品が純正となります。高出力の充電器を持っていないユーザーは、ぜひAQUOS sense9を買う際には出力が「20W」以上と表記されている充電アダプタを用意することをオススメします(純正以外だとメーカーによって特殊な制御を行う製品だと、高出力でも急速充電にならない場合あり)。

それでも他社の”超急速充電系”(20分足らずでフル充電出来る機種もある)に比べるとまだ劣りますが、急速充電に対応したことでより便利に使えるようになりました。

AQUOSシリーズの価格比較

2025年1月2日時点におけるドコモのAQUOSシリーズの本体価格は以下の通りです。

モデル 本体販売価格
AQUOS R9 pro 211,970円
AQUOS R9 117,040円
AQUOS sense9 67,100円
AQUOS wish4 22,000円

*価格は2025年1月2日時点のもの。実際の負担額は利用状況等によって変動するため、詳しくは公式サイトの表記を確認してください。

現時点において、AQUOS senseシリーズでドコモ公式サイトに在庫があるのは現行モデルのみ。性能が低くても良いなら価格が1/3の負担で買える機種もありますし、予算が許すならAQUOS sense9の3倍以上もする高級機種もあります。

自分に必要な機能・不要な機能を見極めて、過不足のないスマホを選びましょう。

*AAQUOS sense9のキャンペーン・割引の最新情報はドコモサイトを参照ください。

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