2017年9月よりiPhone 6以降のモデルに配信されているiOS11を搭載したiPhone向けに、可能な限り電池を長持ちさせるための節電設定を細かく解説します。
iOS10 → iOS 11にアップデートすると電池の消耗が激しくなるという現象が起きているそうなので、以下を参考に各種設定の見直しを行ってみてください。
ここではiPhone 8 Plusの利用開始直後の状態から変更可能な設定を列挙していきますが、OSのバージョンが同じなら他のiPhoneシリーズで同じ設定方法が可能なはずなので、iOS11にアップデートした端末の電池を節約したい人は参考にしてみてください。
＊以下の設定項目を変更すると、リアルタイムでの通知・情報提供などを制限することになるものを含みます。省電力の効果と利便性の効率を考え、制限をかけて使うべきか否かよく確認してから変更してください。
iOS10バージョンの節電設定は「 [iOS10]iPhone7のバッテリーを長持ちさせる、節電設定まとめ」に記載しています。2020年春時点で最新のiOS 13にアップデートした場合は「[iOS13] iPhone11を電池長持ちにする方法 省エネ設定のための個別設定変更手順-バッテリーが良く持つiPhoneに」のページを参照ください。iPhone11の画面で紹介していますが、設定項目はiPhone8およびその他iPhoneでもほぼ同様です
低電力モードの使用
iPhoneには以下で解説する個別の手動設定ではなく、一括で各種機能を制限することで電池を長持ちさせる「低電力モード」があります。
設定方法：【設定】→【バッテリー】→ [低電力モード]にチェックを入れる
個別の設定がメンドウ、一括で切り替えても利用に問題を感じないという人はこの低電力モードを使えばOKです。以下の個別設定は低電力モードよりもさらに省電力を追求したい・一括設定で制限されては困る機能がある人だけ試してみてください。
特定のアプリの電池使用量
iOS11では、設定→バッテリーの項目において、24時間以内・7日以内にそれぞれアプリが消費したバッテリー量が％表示されます。
購入直後の状態以外で、App Storeからアプリをダウンロード・インストールを行った場合には、それぞれのアプリが通常通り作動しているかどうかもチェックしてください。
極稀にバックグラウンドで稼働し続けるタイプのアプリが異常に電池を消費したり、他の競合アプリとの兼ね合い・通信状況によって電池の減りが早くなることがあります。
これはゲームアプリや地図アプリ、ツールアプリなど、どんな種類のアプリ・ドコモ・au・SoftBankの関連サービスなど有名な一般アプリでも発生しえますので、iPhoneの電池の消耗が突然大きくなった場合には、直近で入れたアプリ・更新したアプリの停止・アンインストール（データのバックアップ等には注意してください）などを試して様子を見ることを推奨します。
個別設定の方法
iPhone8/8 Plus/ Xでは従来の「明るさの自動調節」から、新しく「True Tone」という設定が増えました。True Toneを使うと蛍光灯下・太陽光下などでディスプレイの明るさ・色調を自動調整してくれますが、逆に電池の消費を増やす可能性があります。
ディスプレイのバックライトはスマホで最も電池を消費する原因の一つですので、許容できる最も暗い設定・無駄に点灯している時間を短くする設定が推奨されます。
設定方法：【設定】→【画面表示と明るさ】（明るさ調整はホーム画面で下からスワイプさせて出せるコントロールメニューからも変更出来ます）
コントロールメニューのデザインもiOS10→iOS11で変更されました。
・スライドバーで、明るさを暗めに調整することで、電池が長持ちします。
・True Toneをオフに（自動調整によりセンサーが常時稼働し、逆に電池消費が増える可能性があります）
・自動ロックをなるべく短い時間に
・「手前に傾けてスリープ解除」をオフに
設定方法：【設定】→【Bluetooth】→チェックを外す
設定方法：【設定】→【モバイルデータ通信】→チェックを外す
モバイルデータ通信を切ってしまうと、屋外でインターネットができなくなります(他のインターネット接続を経由すれば繋がります)。この設定は自宅等でWi-Fi接続が出来るときだけ行いましょう。
iOS11では同じアカウントでログインしている他のiPhone端末が近くにある場合、モバイルデータ通信を利用して通話を可能にする機能が増えています。
設定方法：【設定】→【モバイルデータ通信】→【他のデバイスでの通話】→許可のチェックを外す
これも電池消費を増やす原因になりそうなので、不要なら設置をオフにしておきましょう。また、これは節電項目ではありませんが、同じ設定画面からWi-Fiが不安定な場合にモバイル通信を使う「Wi-Fiアシスト」・同じくiCloudへの接続を行う「iCloud Drive」がデフォルトでオンになっていますので、不要なパケット通信発生を防ぎたい場合はオフにしておくと良いでしょう。
設定方法：【設定】→【通知】→ アプリごとに通知許可を変更する
通知機能をオフにすると、アプリからの通知時にサウンドや表示をなくすことで節電に繋がりますが、メッセージアプリや更新情報の連絡がリアルタイムで届かなくなります。
設定方法：【設定】→【通知】→ プレビューを表示 → しないにチェック
設定方法：【設定】→【一般】→【Appのバックグラウンド更新】→ オフにチェック
バックグラウンドでの更新を止めて、アプリが古いまま利用するとセキュリティに問題が発生することがあります。iOS11では「オフ」・「Wi-Fi」（接続時のみ）・「Wi-Fiとモバイルデータ通信」の3種類が選べるようになっています。
設定方法：【設定】→【壁紙】→ [静止画]の中から選ぶ
壁紙の「ダイナミック」を選ぶと電池消費が大きくなります。iOS11では【静止画】/【視差効果】を選べますが、静止画を選びましょう。
設定方法：【設定】→【サウンドと触覚】
・バイブレーション 「着信スイッチ選択時」・「サイレントスイッチ選択時」をオフ
・キーボードのクリックをオフ
・ロック時の音をオフ
・システムの触覚をオフ
設定方法：【設定】→【Siriと検索】→ “Hey Siriを聞き取る”をオフ
Siriを使う場合は「ホームボタンを押してSiriを使用」だけにチェックをいれておけば良いでしょう。
設定方法：【設定】→【プライバシー】→ 位置情報サービスをオフ
設定方法：【設定】→【アカウントとパスワード】→ 【iCloud】→ iCloud Drive のチェックをオフ
・ “iCloud Drive”をオフ（アプリごとのバックアップを停止することも可）
・“iCloudバックアップ”をオフ
・“iPhoneを探す”をオフ
iPhoneを探す機能を停止すると、紛失時にリモートでの操作停止などが出来なくなります。
・”位置情報を共有”をオフ
設定方法：【設定】→【アカウントとパスワード】→ 【iCloud】→ 【写真】→各種設定のチェックをオフ
・“iCloudフォトライブラリ”をオフ
・“マイフォトストリーム”をオフ
iOS10までは「写真」の項目に上記の設定がありましたが、iOS11からアカウント/プライバシーポリシーカテゴリにからも変更出来るようにされています。
設定方法：【設定】→【iTunes StoreとApp Store】
各アプリごとに自動ダウンロード・更新を停止することもできます。
・ビデオの自動再生をオフに （App Storeでの動画再生を止めて、パケットの節約にもなります）
設定方法：【設定】→【メール】→【アカウントとパスワード】→【データの取得方法】→”プッシュ”をオフ、”フェッチ”の設定を”手動”に設定
＊同様の方法で、「連絡先」・「カレンダー」・「メモ」・「リマインダー」のiCloudアカウントとの同期設定を止める・変更することが可能です。
以上、iOS10に比べて設定できる項目はほぼ変わっていませんが、設定メニューの場所が変更されている点がいくつか見られました。止めてしまうとiPhoneの利用に支障をきたす項目もありますので、各自で取捨選択を行って設定を行い節電効果があるかないか確認してください。
設定方法：【設定】→【バッテリー】→[バッテリー残量(％)]にチェックを入れる
[iOS11.4でバッテリー消耗が早くなる不具合？]
2018年8月時点において最新のiOS 11.4において、一部の環境下のiPhoneでは電池の消耗が大きくなる現象が確認されています。
原因は不明であり、アップルからの公式見解は出ていないものの、いくつもの報告例がネット上にはあります。
実は管理人の所有するiPhone XでもiOS11.4に更新してから、最近バッテリー消耗が大きくなっているように感じています。
具体的にはこれまでメールチェックやカメラを少々利用する程度の運用時に、バッテリーは1週間以上余裕で充電しなくても利用ができていたことのほうが多かったのに、iOS11.4に更新してからは4～5日程度で充電がカラになることが増えました。
新しく追加したアプリ・明らかなバッテリードレインを起こしているアプリにも心当たりはなく、原因不明です。現時点では異常なまでの電池消耗が発生しているわけではありませんが、対処方法も不明瞭であるため、2018年9月以降のiOS 12配信で改善されることを待つしかなさそうです。
