普通のイヤホンとは一味違う「骨伝導」製品ではトップレベルの人気ブランド Shokz(旧称AfterShokz)のイヤホンを買ってみたのでレビューします。
Shokzはアメリカの骨伝導技術メーカーであり、Bluetoothによるワイヤレス接続ができるイヤホン・ヘッドホン/ヘッドセット製品を日本でも販売しています。
今回購入してみた製品は2022年時点では型落ちとなっている「Aeropex」というモデルです。本機種は「究極のスポーツ体験を提供する骨伝導イヤホン」として2019年に発表されたモデルであり、新型と比べて少し機能が劣る部分があるのですが、そのぶん割安・在庫処分セールで安く買えるチャンスがあります。
このShokz Aeropexの主な特長は、
本体重量わずか26グラム
IP67相当の防水防塵対応
音楽再生時間 約8時間
などが挙げられます。骨伝導イヤホンならではの特徴は、水で丸洗い可能なIP67相当の防水性能です。
普通のイヤホンと違って音が出る部分に穴が一切空いていないため、高い防水性能を実現しています(水泳に専用モデルもあります)。
管理人はこれまで普通のヘッドホン・カナル型イヤホンは色々と使った経験はあるものの、骨伝導イヤホンは初体験です。今回は主に「普通のイヤホンと骨伝導イヤホンの違い/メリット・デメリット」について感じたところをレポートします。
Shokz Aeropexの外観・付属品
骨伝導イヤホンAeropexは「骨伝導+ワイヤレス+防水防塵性能」によって、いつでも音楽を快適に聞くことが出来る仕様であることを活かし、持ち運びに便利な同梱品もセットになっています。
Aeropexの充電は専用のマグネット式ケーブルを使います。予備用も含めて2本が入っています(充電アダプターは入っていないため、必要に応じて別途用意してください。普通のスマホ用のアダプターで利用できます)。また、お試し用の耳栓も入っています。
屋外でのスポーツ・ランニング時に便利な軽量ボディーバックも入っています。雨が入り込まない特殊なチャック・鍵入れなどもある便利なバッグです。
さらにマグネットで蓋がピタリと閉じるシリコンポケットケースもあります。これにイヤホンを入れておけばスマートフォン本体と一緒にカバンに入れておいても、スマホ画面を傷つけたりする心配がなくなります。
Aeropexは軽量でシンプルな骨伝導イヤホンです。Aeropexには子供用(mini)モデルもあります。
上記がイヤホンのコントロール部分です。ボリュームは音量ボタンで変更出来ます。ボタン横に充電用のマグネット端子があります。端子部分はキャップレスの防水仕様であるため、簡単に充電できるのもメリットです。
Shokz Aeropexの音質・音の聞こえ方
骨伝導イヤホンのAeropexは、Shokzが持つ特許技術の骨伝導システムを利用しており、鼓膜を迂回して直接内耳に音を伝えるというものです。
Aeropexは左右の骨伝導スピーカー部分を上記のように柔らかなバンドで接続する形状です。一般的なヘッドホンのように「頭の上に乗せる」のではなく、耳に引っ掛けて使います。
骨伝導イヤホンは上記のように耳の穴ではなく、その手前(顔の前面側)あたりに振動部を当てるように装着します。これで、ちゃんと音が聞こえるのです。
まず音の聞こえ方について、パソコンやスマートフォンで一般的なカナル型(耳に挿入するタイプ)イヤホンを利用する場合に比べて、骨伝導イヤホン Aeropexはやや低音が弱く、中程度~高音域はかなり自然に聴こえると感じました。
特にドラマ・映画などの動画コンテンツを骨伝導イヤホンで聞く場合には、人の声はハッキリと聞き取ることが可能であり、ごくごく普通のイヤホンと遜色なく楽しめます。音楽を聞く場合は音源側でイコライザーを駆使すれば低音をある程度強調することも出来るはずですから、運動中に音楽を聴きたい場合にも十分満足できる音質だと感じました。
骨伝導イヤホンでは「振動が強くて痛くなる」/「骨伝導ではなく、ただの小さなスピーカーを耳につけるようなもの」といった評価を受けるアイテムもあるらしいのですが、Aeropexは特許技術の骨伝導により、振動を抑えながらも音が聞こえやすい構造になっているため、長時間の装着でも全く痛みを感じません。
インナー型イヤホンだと暑い時期・運動時の汗が耳内部でジメジメと感じることもありますが、この骨伝導イヤホンなら耳の中の通気性が保たれて快適です。
バッテリーも最大約8時間の連続使用が出来るため、一般的な利用範囲で電池不足を感じることはありません。
耳の穴を塞がないため、音楽の再生中も周囲の音は通常のまま聴こえます。屋外で騒音がうるさい環境で使う場合はかなり音をあげないと競合してしまうため、”外で音楽を静かに聞きたい”という場合には骨伝導イヤホンはあまり向きません。音楽を楽しみたいだけなら、AirPods Proのような普通のノイズキャンセリングイヤホンが良いでしょう。
同梱されている耳栓を使う場合、外の音をシャットアウトしながら音楽を聞くことは出来ます。ただし管理人の場合は耳で音がくぐもったような聞こえ方になってしまい、音質がかなり悪く感じられたため、「耳栓を付けながら骨伝導イヤホンを常用したい」という目的で買うことをは推奨しません。普通のカナル型イヤホンを別途使ったほうが100倍快適です。
*Aeropexにはマイク機能もありますが、使っていないため無評価です。集音機能がやや弱いという評価も見かけるため、通話用には使わないほうが良いかもしれません。
骨伝導イヤホンの音漏れについて
屋外でイヤホンを使う場合、気になるのは音漏れです。音漏れに関しては骨伝導イヤホンの場合はちょっと特殊な事情があります。
骨伝導イヤホンはその名の通り「骨を伝って音が聴こえる」という技術を使っているため、骨伝導スピーカーの本体部分が接触している箇所から音漏れしやすい傾向にあります。イヤホンを耳から話、スピーカー部分がどこにも接触していない状態だと耳を数センチレベルまで近づけないと音はほとんど聞こえません(内容を聞き取ることはまず出来ないでしょう)。
一方で、骨伝導イヤホンのスピーカー部分がどこかに接触している場合、そこを起点にしてスピーカーのように音が骨・皮膚からわずかに漏れるようになります。つまりイヤホンで音楽を聞いている状態だと数十センチくらいまで近づくと静かな環境なら「なにか音がなっている」という程度に音漏れが生じます。
ただ、Aeropexなら最大レベルに音量を上げて他人と密着するくらい接近しないかぎり、再生している曲を判別できるほど音漏れすることはまずありません。ウォーキング・ランニング中に使う場合などであれば、音漏れを気にする必要は全くないでしょう。
満員電車で人と密着するくらい近づくケースや、図書館のような極めて静かな場所で使うと多少音漏れが気になる可能性があるため、周囲の環境に合わせて利用を考えてください。
骨伝導イヤホンの接続・操作性
Shokz AeropexはスマートフォンやパソコンとBluetoothによる接続で利用できます。一般的なiPhone・スマートフォンなら普通に利用できるはずです。
接続可能距離は見通しで約10メートルです。一般的なワイヤレスイヤホンに比べて、特に接続性能が悪い/良いという印象はなく、ごくごく普通に安定して使えます。
イヤホンの操作は耳の後ろにあるボタンによる音量コントロール・骨伝導部分にあるマルチファンクションボタンによる「曲送り/戻し」・「着信応答」・「リダイヤル」・「着信拒否」など、さまざまな操作による機能性も十分です。
実際に利用していて感じた問題点は、一度だけ接続圏外まで離れたあと、再び近づいても自動再接続をしなかった場合がありました(Windows PCで利用時)。再現性はありませんでしたので、PC/イヤホンどちら側の問題だったのか不明です。
それ以外の場面で音が途切れたりノイズが出たりすることはなく、安定してずっと利用できています。
Shokzのイヤホン種類・仕様
今回管理人が「Aeropex」を選んだ理由は、主に「防水防塵性能(IP67)が高いから」というメリットを重視しました。Shokzでは機能・仕様の異なる複数の骨伝導イヤホンを販売しているため、目的によって買うべき製品が違います。
2022年9月時点で販売中のモデルを比較してみると、以下のようになっています。
モデル名 | Openrun Pro | Openrun | Openmove | Aeropex |
定価 | 23,880円 | 17,880円 | 11,880円 | 19,998円 |
重さ | 29グラム | 26グラム | 29グラム | 26グラム |
駆動時間 | 約10時間 | 約8時間 | 約6時間 | 約8時間 |
充電時間 | 約1時間 | 約1.5時間 | 約2時間 | 約2時間 |
防水防塵 | IP55 | IP67 | IP55 | IP67 |
骨伝導技術 | 第9世代 | 第8世代 | 第7世代 | 第8世代 |
上記のほか、マイクが付いたヘッドセット型の「OPENCOMM」や完全防水で水泳用(Bluetooth機能なし・オーディオプレーヤー)の「OPENSWIM」などがあります。
Aperopexは2022年モデルの「Openrun」が後継機になっており、急速充電に対応しています。しかし、それ以外の違いは少ないため、お値段次第ではまだまだ型落ちのAeropexを購入するのもアリです。
Shokzの製品はアマゾンの公式ストアで購入できます。
Shokzイヤホンセール情報
Shokzのイヤホンはセールやキャンペーンで定価より安く買えるタイミングが度々あります。
ショップ | 価格やキャンペーン |
ソフトバンクセレクション | OpenRun Pro 17,600円 |
アマゾン | — |
Yahoo!ショッピング | OpenRun Pro 20,000円~ |
*価格情報は記事執筆時点のもの。最新価格・ポイント還元条件は各自で確認してください。ショッピングモール店の場合、出品者・販売者が信頼できるものかどうかもよくチェックしてください。