楽天モバイルが2020年のサービス開始から続けてきた「1年無料キャンペーン」が2021年4月7日を以て受付が終了しました。
1年間、ネットも使い放題な基本料金(通常月額3,278円×12ヶ月分)がタダになるという超大盤振る舞いキャンペーン期間中に申し込まれた回線数は3,900,000回線を超えています。
1年分のスマホ代が無料になるという、サービス開始時限定の超大型キャンペーンによって、「第4の携帯キャリア」としての存在感が出てきました。
しかし、まだ既存キャリアに比べると楽天モバイルの携帯契約シェアは小さなものです。
キャリア | 2020年12月 (第3四半期) 携帯電話契約者数* |
NTTドコモ | 81,750,700 |
au | 60,120,900 |
ソフトバンク | 44,749,000 |
楽天モバイル(MNO) | 2021年4月8日時点 3,900,000 |
(電気通信事業協会のデータより。楽天モバイルの契約者数はニュースリリースから)
既存の大手3大キャリアの回線数はドコモ・au・ソフトバンクそれぞれ4000万~8000万契約ほどあると言われているため、まだまだ大手「4大」キャリアと呼べるほどのシェアは獲得出来ていないものの、節約・お得さに敏感なユーザーでキャンペーンを使わなかった人は少ないでしょう。
逆に、この期間中に契約したユーザーのほとんどは「無料だから契約してみた」という人ばかりでもあるため、今後の契約維持率も気になるところです。
楽天モバイルの契約者数が増えようが減ろうが、いちユーザーにとってはどうでも良いことですが(むしろ増えすぎると回線が混雑して遅くなるので、既存ユーザー的にはあまり増えないほうが嬉しいくらい)、楽天モバイルの回線は1年無料期間が終わったあとも、うまく活用すれば最強・最安の予備回線として利用価値があります。
ギガ利用「1GB以下」に抑えて0円維持
楽天モバイルの1年無料キャンペーンを適用した回線では、1年間ギガをいくら使っても基本料金はタダです。
無料期間中はギガの使用量を気にすることなく使っても大丈夫な楽天モバイルですが、無料期間終了後は1GB/3GB/20GBをそれぞれ超えたタイミングで料金が変わるステップ型料金になります(Rakuten UN-LIMIT VI時点)。
「無料じゃなければ契約を維持する意味がない」という考えで楽天モバイルの回線を利用しているユーザーは、無料期間終了後も0円で使いたいなら、データ通信を1GBまでに抑える事ができれば、1年後もずっと0円維持が出来ます。
ただ、スマホのデータ通信を「ずっと1GB以下に抑える」という使い方だと、スマホ本来の便利な機能(動画やアプリの利用)にかなりの制限が掛かってしまうでしょう。特に5G通信が出来る最新のiPhoneやスマートフォンで使うと数秒~10秒くらいで1GBを超えることもあり、文字通りあっという間に0円維持ではなく有料請求になってしまいます。
しかし、楽天モバイルにはデータ通信料を上手く節約運用できる「eSIM」があります。
eSIM or 物理SIMで、組み合わせ自在のデュアルSIM運用
楽天モバイルの電話番号をスマートフォン・iPhoneで使う場合、一般的な物理SIMカード(UIMカード/USIMカード)だけでなく、eSIMタイプの契約も可能です。
日本国内で売られているiPhoneには2枚の物理的なSIMカードを挿入することは不可能です(2020年発売モデルまでの時点。一部海外ではnano SIMスロットを2つ搭載したモデルが存在しますが、国内で通常利用することは違法です)。しかし、iPhone XS/XR世代以降の新しいiPhoneなら「nano SIM+eSIM」の組み合わせでデュアルSIM利用ができます。
この仕様を利用して、データ通信量が安い格安SIMプランと楽天モバイルの契約をiPhoneやDual SIM利用が可能なさまざまなSIMフリースマホに導入し、料金節約をすることが出来ます。
続きを読む ▶ [誰でも0円維持可能]楽天モバイル新料金(2021年4月開始) 1GBまで無料適用条件
楽天モバイル回線の料金を0円に抑えるためには0GB~1GBまでの利用で止める必要がありますが、「毎月1GB~数ギガ程度は使いたい」という中容量のデータ利用が出来る最新プラン料金を比較してみましょう。
楽天モバイル側のSIMカードは物理SIM↔eSIMの交換(再発行)手数料も無料となっています。そのため、副回線・予備回線側が物理SIMでしか契約できないタイプでもeSIMタイプでも組み合わせは自由自在です。
iPhoneで使える使いたい容量・料金・安定性を重視して、「楽天モバイル回線+サブ回線」の組み合わせを選ぶことが出来ます。
ギガ中容量の格安SIMサービス料金比較
2021年春、格安SIMサービス(MVNO)でも料金改定により中容量のデータが使えるプランが大幅値下げされている傾向にあります。
ここでは主要サービスにおける「音声通話機能付きで3GB前後」のプラン料金を一挙に比較していきます。
MVNOサービス | SIMタイプ | 使える容量 | 月額料金 |
---|---|---|---|
nuroモバイル | 音声 | 3GB | 792円 |
LinksMate | 音声 | 3GB | 902円 |
OCN モバイル ONE | 音声 | 3GB | 990円 |
IIJmio | 音声 | 4GB | 1,078円 |
ビッグローブモバイル | 音声 | 3GB | 1,320円 |
イオンモバイル | 音声 | 3GB | 1,298円 |
mineo | 音声 | 5GB | 1,518円 |
UQ mobile | 音声 | 3GB | 1,628円 |
DTI SIM | 音声 | 3GB | 1,639円 |
*上記よりもっと少ない容量でやりくり出来る場合、もっと安いプランを選ぶ事もできます。また音声通話機能が不要な場合(データSIM)で良い場合も、もっと安い料金プランが各社にありますので、各サイトで確認してください。
2021年4月時点の最安クラスのプランは、ソニー系列の格安SIM「nuroモバイル」です。
nuroモバイルではドコモ・ソフトバンク・auそれぞれのネットワークを使った格安SIMが音声プラン3GB月額792円~と、従来の格安スマホ料金の水準を遥かに下回る安さを実現しました。
関連記事:”データ3GB900円”時代は終わった!nuro mobile新料金プランは音声SIM3GB792円に
上記以外にも格安SIMサービスはたくさんありますが、2021年春の新料金プラン登場によっていくつかのサービスは時代の変化についてこられず、割高な料金プランのまま止まってしまっていますので契約の候補にはならなくなってきました。
楽天モバイルでは「Rakuten Link」アプリを使えば通話料金も無料になります。
すべての通話をRakuten Linkアプリを使って無料化していれば、もう一方の回線はデータ通信専用のプランを選んでもよいのですが、Rakuten Linkアプリ・楽天モバイルの通信回線がトラブルで利用不可になった場合にも、もう一方のサブ回線で通話が出来るSIMプランを選んでおけば、災害時など万が一の保険として役立ちます。
上記で解説したとおり、2021年4月時点で3GB程度のデータ通信容量を含む音声通話機能付きSIMプランは月額1,000円を切っているサービスが出てきました。
3GB(+楽天モバイルの1GB)では足りないという場合、もう少しお金を足して5GB~10GB程度までをデータ通信用として追加しても2回線分のスマホ代はせいぜい月1,500円~2000円に収められるはずです。
“楽天モバイルの1GB未満だけで通信を抑える、1GBを超えてしまった場合の料金請求に怯えて使うのがイヤ”、”楽天モバイルはまだサービスが安定していなさそうでトラブルが怖い”という場合に、格安プランで1000円前後で程よく使えるプランを追加する、というのが肝です。
2021年春の格安SIM料金改定によって、お得に契約できる格安SIMサービスではデータ通信のみのプランと音声機能付きプランの価格差が小さくなっていますので、楽天モバイルのサービスエリア・安定性に不安を覚えるのであれば、音声通話可能なSIMを追加することをオススメします。
さらに、格安SIM各社ともに、加入時の特典・キャンペーンも音声SIMプランだけを優遇する傾向が続いています。
格安SIMプランの追加でもスマホ本体をタダ同然で買えるキャンペーンもありますので、せっかく回線契約をするのであればキャンペーンを最大活用して維持費・初期費用を抑えましょう。
家族複数で運用するならワイモバイルをサブ回線に
ちょっと前項までの「割引なしで安いMVNOプラン」との比較とはコンセプトが違ってしまうので直接の比較はしませんでしたが、2021年新料金プランで2人以上の家族で使う場合の割引が強化されたワイモバイルの新料金プラン「シンプル」も楽天モバイルとセットで使うには向いています。
ワイモバイルの場合、1回線のみで利用する場合は「音声通話機能付き3GBで2,178円」という、特に面白みのない料金です。しかし、家族割引が使えるのなら2回線目は「3GB(シンプルSプラン)で990円」で維持できるようになるため、前項で比較した「音声SIMで3GB1,000円以下」と張り合える安さを実現出来ます。
シンプルS契約回線数 | 総額料金 | 1回線あたりの月額料金 |
1回線のみ | 2,178円 | 2,178円/回線 |
2回線 | 2178+990 =3,168円 |
1,584円/回線 |
3回線 | 2178+990×2 =4,158円 |
1,386円/回線 |
4回線 | 2178+990×3 =5,148円 |
1,278円/回線 |
5回線 | 2178+990×4 =6,038円 |
1,208円/回線 |
このように、家族で3人・4人と、みんなが楽天モバイルの0円維持+ワイモバイルのSプラン(3GB)をデュアル運用していれば、1人あたりの維持コストは1,000円台前半にすることも簡単です。
他の格安SIMサービスとは違い、ワイモバイルはソフトバンクの”サブブランド”であるため、圧倒的な回線品質と5Gサービスもすでに使える状態となっています。
月額料金が破格なMVNOサービスだとお昼・夕方などの混雑時間帯に通信速度が著しく低下する可能性と維持コストのトレードオフとなってしまいますが、ワイモバイル回線なら混雑時もまず気にせずスマホを使い続けられます。
ただ、前述の通りワイモバイルの新料金プランが有利になるのは2回線目以降の家族利用者がいる場合の総合的節約効果に依るため、単身・1回線だけ「楽天+ワイモバ」運用をするには微妙な組み合わせとなってしまいますから、合うか合わないかは家庭の回線事情次第です。
詳しいワイモバイルの料金プラン・サービスは公式サイトのシミュレーションを参照ください(家族割引以外にも、ネット割引による維持費節約も可能)。