自宅で手軽に超大画面の映画・動画鑑賞を楽しめる、家庭用超短焦点プロジェクター「Funlogy Air」を買ってみたので良かったところ・気に入らないところ・不満点をレポートします。
Funlogy Airは旧名株式会社Sandlots/現 Funlogyという日本のメーカーが出しているプロジェクターのひとつで、いわゆる「超短焦点投影」が可能なモデルです。
超短焦点プロジェクターとは?
一般的なプロジェクターだと投影する画面に対して数メートル程度の距離にプロジェクター本体を設置しますが、超単焦点型は上記の写真のとおり、壁にぴったりと付けても投影が可能です。
この「壁にピッタリつけても表示出来る」という特性から、プロジェクターと壁・投影スクリーンとの間にモノや人が映り込むことない、プロジェクターを使うたびに本体を部屋の中央へ移動させて・・・といった手間がなくなります。
しかしながら超単焦点方式はあまり家庭用プロジェクターには用いられず、本体価格は高価な商品が多いです。価格は製品の仕様・スペック次第ですが、安くても20万円~30万円程度する製品が主流です。
今回購入したFunlogyの超短焦点プロジェクターも決して安くはないのですが、他製品に比べて安価であったこと・超短焦点型でないと設置できない部屋に置きたかったという理由があっため、買ってみることにしました。
Funlogy Airの仕様・スペック
まずはプロジェクターとしての仕様や機能を解説します。
機種名 | Funlogy Air |
価格 | 149,800円 |
最短焦点距離/画面サイズ | 0センチ/61インチ |
投影サイズ(投影距離) | 61インチ~230インチ (0センチ~90センチ時) |
明るさ | 3500ルーメン(光源輝度) 1800ルーメン(ANSI) |
本体サイズ | 31センチ×20.5センチ ×11センチ |
本体重量 | 2.7 kg |
表示解像度 | 1280×800(WXGA) |
光源 | LED |
光源寿命 | 約30,000時間以上 |
OS | Android 5.1.1 |
メモリ | 2GB |
ストレージ | 8GB |
スピーカー |
5W×1個 |
消費電力 | 70W |
騒音レベル | 40dB以下 |
*2023年1月10日時点の仕様。より細かい仕様はメーカーサイト・販売サイト等を参照ください。
では、実際に使ってみて感じた評価・レビューを書いていきます。
Funlogy Airの良いところ
冒頭にも少し書きましたが、今回超短焦点プロジェクターとしてFunlogy Airを選んだ理由である「壁にくっつけて投影出来る」+「値段が(超短焦点モデルとしては)安い」という部分は、満足できました。
Funlogy Airにはスマホと同じ「Android」OSが搭載されており、同梱されているリモコン・マウスによって簡単に動画や写真表示、ウェブサイト表示も可能です。
Google Play Storeアプリも標準で入っているため、各種アプリを追加可能です。スマホやパソコンと連携しなくてもFunlogy Air本体のみで各種の動画配信アプリが使えるという利点があります。
いわゆる「スマートテレビ」のようにネット配信サービスを手軽に大画面で楽しめます。
プロジェクターの明るさは1800 ANSIルーメンであり、室内の照明が点いていてもそれなりに視認性があるほど明るい画面が投影可能です。
もちろん照明を消して、暗幕を使用・暗い部屋で見たほうがキレイですけれど、映画をみんなで見る・会議で使う場合にも準備中は部屋の明かりをつけたままスクリーンの調整やアプリの設定が可能な程度に見えるのは高評価です。
入出力用のインターフェイスは本体横にあり、HDMIは2箇所、USBメモリが2箇所、micro SDカードを挿すことも出来ます。
「ミラーリング」と呼ばれる機能を使うことでiPhoneやスマホの画面を投影することも可能です。
Wi-Fi接続でインターネット接続・Bluetooth接続による各種ヘッドホンの接続も出来ますが、有線のLANケーブル接続・3.5mmイヤホンジャックによる接続も可能です。
そして何と言っても、設置場所を選ばず超大画面で表示出来るというメリットがあります。
壁にぴったりとプロジェクター本体を寄せて投影した場合に最小サイズで61インチ、横幅は130センチを超えています。
投影場所の近くにソファを置いて視聴できるため、60インチでもド迫力。壁から15センチ離すだけで100インチ(横幅2メートル超)です。
広い家で、どこにでも巨大スクリーンを置ける・プロジェクターとの距離を取れるのであれば超短焦点プロジェクターでなくても良いかもしれませんが、超短焦点型ならではの使い方・設置をしたいのなら、Funlogy Airは数少ない選択肢の一つとなっています。
家庭用超短焦点プロジェクターの価格例
Funlogy Airがどのくらい超短焦点プロジェクターとして安いのか、いくつか他の製品と比較してみましょう。
製品名 | 価格 | 明るさ |
LG HF65LSR | 124,900円 | 1000 ANSIルーメン |
XGIMI AURA | 296,901円 | 2400 ANSIルーメン |
アイリスオーヤマ IP-AW400W | 174,250円 | 4000ルーメン |
ViewSonic X2000L-4K | 289,800円 | 2000 ANSIルーメン |
VAVA VA-SP003-REV2 | 394,000円 | 2200ルーメン |
EPSON ドリーミオ EH-LS300W | 220,182円 | 3600ルーメン |
*2023年1月10日調査時点。
このように10万円を大きく超える機種がほとんどです。一番上のLGのプロジェクターと購入を悩んだのですが、解像度より明るさ重視でFunlogy Airを選びました。
明るさだけでなく解像度やコントラスト、スピーカーに力を入れた機種などさまざまなタイプがありますので、用途に応じて選んでみてください。
Funlogy Airのイマイチなところ
Funlogy Airは「比較的お手軽な超短焦点プロジェクター」という点で稀有な存在です。
しかし、実際にFunlogy Airを使ってみて、気になる点・気に入らない不満点もたくさんあります。
まず、買う前から判っていたことではあるものの、気になるのは解像度の低さです。
Funlogy Airは入力解像度は4Kでも対応しますが、実際に出力されるのはフルHD未満のWXGAです。
パソコン側(入力)が高解像度(フルHD)であると、投影描写が低いために文字が潰れて読めないほど粗い状態になります。もちろんパソコン側の文字サイズ・解像度を調整すれば読める文字で表示は出来るのですが・・・プロジェクターを使うたびにパソコンモニターの解像度を切り替える必要があります(出力機器ごとに設定できる機能がPC側にあれば問題ありません)。
1280×800の解像度があれば、Youtubeやamazon Primeビデオなどのオンライン動画サイトを見るくらいなら問題ないでしょう。しかし、”普通のテレビみたいな高画質”をFunlogy Airに期待してはいけません。
次に不満に感じたのは、Funlogy Air本体にあるタッチ式のコントロールパネルです。
Funlogy Airの本体前面には上記のように音量コントロール・画面切り替え・移動など、各種操作が出来るパネルがあります。これが、高感度過ぎるのが不満です。
電源や画面切り替えボタンも、ほんの少し触れただけで動作してしまうため、本体を移動・調整しようとするときに誤操作が頻発します。「触らないように気をつければよい」というだけではあるものの、せめて電源ボタンだけは物理ボタンにして、本体横の入出力インターフェイスの近くに配置して欲しかったかなと。
また、これも明るいプロジェクターのさだめではありますが、ファンによる騒音もやや大きめです。
騒音レベルとしては「40dB以下」とされていますが、冬場の涼しい室温でも電源を入れた瞬間からずっとフル回転が続きます。管理人が普段使っているデスクトップゲーミングPCのファンよりもかなり大きく聞こえます。
40dBの目安は「図書館くらいの静かさ」らしいですが、プロジェクターとの距離が近い場合、スピーカーの音を大きくしても結構聞こえてしまいます。
ただ、大音量でスピーカーを鳴らしたり、ヘッドホンを使って遮断すれば気にはなりませんので、実用上はそこまで問題ではないでしょう。
スピーカーの音質は、小さめだとファンの騒音に負けて聞こえず、大きくしてもこもったような音であるため、音も楽しみたい場合は外部スピーカーの使用を推奨します。
プロジェクターには台形補正を自動で行う機種もありますが、Funlogy Airの台形補正は手動で行う必要があります。
このプロジェクターの裏側には補正用にネジが付いており、これをくるくる回すことで前後の高さを調整出来ます。
バネ式による固定具もあり、スムーズな調整が可能です。
表示画面が上下に歪む(上辺/下辺の長さが異なる)場合はプロジェクターの設定画面でZoom in/outによる補正が出来ます。
自動調整が出来ないので最初は苦労するかもしれません。でも超短焦点プロジェクターの利点を活かして壁際に常設出来ますので、投影場所の変更をしなければ初回以外は微調整で済むと思います。
また、通常はあまり気にする必要はありませんが、Funlogy Airに使われているAndroid OSは非常に古く(Android5.1.1)、アップデートも無いようです。今後、新しいOSにしか対応しないアプリが出てくるとFunlogy Airでは使えなくなるリスクがあります。
本体のストレージも8GBしかないため、複数の動画アプリを入れたりするといっぱいになってしまう可能性があります。Androidとしての機能はあくまでおまけ程度に考えて、メインはパソコンやスマホの画面を投影することに使うのが良いかと思います。
Funlogy Airが買えるショップ・セール情報
Funlogyの製品はいくつかの大手ショップでも購入可能です。
Funlogy Air取扱店 | 販売価格 |
amazon.co.jp | 149,800円 |
ビックカメラ | 149,800円/10%ポイント |
ソフマップ | 149,800円/10%ポイント |
Yahoo!ショッピング | Funlogy公式店の場合 149,800円 |
楽天市場 | Funlogy公式店の場合 149,800円 |
*価格は2023年1月10日時点のもの。Yahoo!ショッピング・楽天店にはアウトレット品(99,800円)の販売もあります。
なお、今回は購入していませんが、Funlogy Airには天井吊り下げ設置用のアタッチメント(金具/4980円)も売られています。