カメラセンサーの大きさは2023年秋時点でも最上級Xperiaスマートフォンが発売当時の半額で買えるようになりました。
2023年10月26日より、ソニーは2021年モデルのSIMフリー Xperia PRO-I (XQ-BE42/エクスペリア プロ アイ)の価格を改定し、定価198,000円→99,000円まで超大幅値下げを実施しました。
Xperia Pro-Iはソニーが作ったSIMフリーモデルの最終機種であり、携帯ショップで買える「Xperia 1」シリーズのさらに上位の機種としてソニーストアや家電量販店で販売していた機種です。
Xperia Pro-Iには最新のソニースマホよりも大きな「1型センサー」が搭載されており、プロフェッショナル向けのスペック・仕様となっていたことから、当時は最高級の19.8万円という高額な設定で2021年12月15日に発売されました。
しかし、2023年時点からみるとカメラ以外のスペックはより新しいスマートフォンによって見劣りしているため、徐々に値下げされて、ついに2023年10月の値下げで半額になりました。
1型センサーに興味はあっても、高嶺の花で買えなかったというユーザーは値下げ価格で買う価値があるかどうか検討しましょう。Xperia Pro-Iはソニーストア・アマゾンなど正規取扱店で一斉に値下げされています。
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Xperia Pro-I評価 長所/短所
2021年時点では最高峰のスペックであったXperia Pro-Iは、2023年10月時点から見ても十分メイン利用として堪えうる高い性能である部分と、新型機種と比べると少し物足りないかもと感じられる部分があります。
発売当時の”19.8万円のスマホ”として感じられる評価と、”9.9万円で買えるスマホ”としての感じ方は大きく変わりますので、2023年時点のハイエンド水準でXperia Pro-Iの評価をすると以下のようになります。
Xperia Pro-Iの 長所・メリット |
Xperia Pro-Iの 短所・デメリット |
・現在も最高1型イメージセンサー ・F値の絞り可変カメラユニット ・最大級 RAM12GB+ROM512GB ・nano SIMのデュアル仕様 ・各キャリアのバンドに対応 ・指紋認証センサー搭載 ・おサイフケータイ対応 ・防水防塵性能あり |
・CPUは3世代落ち ・発熱がやや大きめ ・バッテリーは最大級ではない ・eSIMに非対応 ・5G ミリ波に非対応 ・211グラムの重いボディ ・今後サポート/アップデート 提供期間が短い可能性 |
どのポイントを、メリット/デメリットと感じるかはどの機種(水準)と比較するかに依りますが、「2023年のハイエンドモデル」を前提に評価すると、上記のように感じられます。
Xperia Pro-I最大の特長であるカメラは、2023年秋冬時点でもシリーズ最高を維持しています。
Xperia Pro-Iのメインセンサーは「1.0インチ」型であり、これより大きなスマホ向けセンサーは2023年10月時点でありません。2023年最上位Xperia 1 V/5 Vのセンサーでも「1/1.3″」センサーであるため、メインカメラの写真映りは現在でも最高級と言えるでしょう。
また、物理的にカメラの絞り(F値)を変更できるため、スマホ背景ボケをコントロール可能です。昨今では同様の機能をAI・深度測定センサーによってボケ感を表現する技術が発達していますが、Xperia Pro-Iなら本物のボケ感調整が可能です。
一方で、2023年時点から見るとXperia Pro-Iの仕様で時代遅れになりつつあるのは、主にCPUとOS(ソフトウェア)です。
Xperia Pro-Iに使われているCPUは「Qualcomm Snapdragon 888」というチップであり、2021年春~夏モデルのハイエンドクラス向けSoCです。
2023年10月現在、後継のチップとしてSnapdragon 8 Gen 1→ Gen 2→ Gen 3までが発表済みであり、2023年末~2024年のハイエンド主流機の性能から比べるとXperia Pro-Iは半分くらいにまで見劣りし始めます。
Antutuベンチマークスコアで言えば、以下のような差があります。
Antutuスコア (ver 10.x) |
搭載CPU/目安 |
200万点前後 |
Snapdragon 8 Gen3 /2024年の最高峰機種 |
【Xperia 1 Vはココ】 140万~160万点 |
Snapdragon 8 Gen 2 /2023年の最高峰機種 |
【Xperia 1 IVはココ】 100万~120万点 |
Snapdragon 8 Gen 1 /2022年の最高峰機種 |
【Xperia Pro-Iはココ】 80~90万点 |
Google Tensor G2 Snapdragon 888 /2021年のハイエンドクラス |
70~80万点 |
Google Tensor G1 Snapdragon 865 /2020年のハイエンドクラス |
55~60万点 |
Snapdragon 778・ Snapdragon 855 /2019年のハイエンドクラス |
40~45万点 |
Snapdragon 765 5G・ Snapdragon 695 5Gの水準 /2021-2023年のミドルクラス |
35~40万点 |
Snapdragon 690 5G /2021年のミドルクラス |
30~40万点 |
Snapdragon 480 /2022年のエントリーモデルクラス |
*数字は目安です。モデル・測定環境によって同じCPUを搭載していてもスコアが上下することがあります。
Xperia Pro-Iの処理性能は最新のミドルレンジよりはまだまだ上の水準。”ハイスペック”なクラスであることには変わりありませんが、ゲーム性能を何よりも重視する”ハイエンド・ゲーミングスマホ”としては見劣りします。
また、Xperia Pro-Iは発売からもうすぐ2年が経過するため、ソフトウェアの最新アップデート提供がそろそろ終了する可能性があります。Xperia Pro-Iの初期OSはAndroid11であり、2023年2月のアップデートでAndroid 13までは更新可能です。しかし、次の「Android 14」への更新は厳しいかもしれません。最新OSにこだわる方は、Xperia Pro-Iでは寿命が短い可能性を覚悟しておきましょう(OSが最新でなくてもセキュリティアップデート等は続く可能性もあり、更新できないからといってすぐにスマホとして使えなくなるものではありません)。
参考:Xperiaシリーズの価格比較
2023年10月末時点で、Xperia Pro-Iの後継モデル・新型機種の噂はありません。今後、もし”Xperia Pro-II”的なモデルが発売されたとしても、昨今のスマホ価格高騰の時代においては、一般人が手を出せない価格になることは間違いありません。
ソニーはProシリーズではない「1」「5」「10」シリーズのSIMフリースマホは継続して販売しており、「SIMフリーのXperiaスマホが欲しい」というユーザーは、最新のSIMフリーXperiaも選ぶことが可能です。
SIMフリーモデル | 2023年10月28日時点 販売価格 |
Xperia Pro-I(2021) | 99,000円 |
Xperia 1 V(2023) | 194,700円 |
Xperia 5 V(2023) | 139,700円 |
Xperia 10 V(2023) | 67,100円 |
Xperia 1 IV | 139,700円 |
Xperia 5 IV | 99,000円 |
Xperia 5 III | 79,200円 |
*価格は2023年10月28日時点、ソニーストアの設定。