2023年8月に日本登場の新作タブレット機種「MatePad 11.5」(メイトパット-11.5インチ2023年モデル)の先行レビューをお届けします。
(キーボードは別売り、セット販売があります)
MatePad 11.5 は2023年8月時点において、ファーウェイ・ジャパンが日本国内で販売する現行モデルのAndroidタブレットとしては一番性能が高いモデルとなります。
現行モデル | クラス・想定される主な用途 |
[New] MatePad 11.5 2023年8月28日発売 |
ミドル~ややハイスペッククラス ヘビーユーザーのエンタメ~ 一般ユーザーのビジネス用 |
MatePad SE 10.4 | ミドルレンジクラス 大人~子供も使えるエンタメ用 |
MatePad T8 2022 | エントリークラス 8インチの小型タブレット |
ファーウェイのMatePadシリーズはたくさんのバリエーションがあり、今回評価する「MatePad11.5」は新CPUチップ Qualcomm Snapdragon 7 Gen 1を搭載したミドル~ハイスペック寄りモデルという位置づけです。
2023年8月時点でMatePadシリーズで販売終了となっているMatePad 11インチ(2021年10月発売モデル)やMatePad Pro(2020年6月発売モデル)の後継モデルとして、価格はほどほど・性能高めで大画面で作業が出来る最新タブレットが欲しい人向けの端末といえるでしょう。
では実際にMatePad 11.5インチ/2023年モデルでどんな事ができるのか、どんな特徴があるのか評価していきます。
*本ページはメーカーのテスト機にて動作確認・評価をしています。実際に販売されるモデルとシステム・表示・仕様が異なる可能性もありますので、詳しくはメーカー公式サイトにて正しい最新情報を確認してください。
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MatePad11.5の主な仕様
ディスプレイ (解像度) |
11.5インチ (2200×1440) |
生体認証 | 顔認証 |
サイズ | 縦:176.82 mm 横:260.88 mm 厚さ:6.85 mm 重さ:499グラム |
カメラ | 【背面】 1300万画素 【前面】 +800万画素 |
バッテリー | 7700mAh | SIMスロット | 非対応 |
スピーカー | 4個搭載 | 充電接続 | Type-C USB |
CPU | Snapdragon 7 Gen 1 |
防水/防塵 | 非対応 |
RAM/ROM | 6GB/128GB | 価格 |
43,800円 |
120Hz・高解像度のディスプレイ
MatePad 11.5インチでまずチェックすべき最大の特徴は、大きく、滑らかな表示が出来るディスプレイです。
MatePad 11.5インチでは古い機種・低価格機種では非対応なことも多い最大120Hzのリフレッシュレート(1秒間に画面の表示を更新する頻度)に対応し、ぬるぬると滑らか・スムーズに動く画面が体験出来ます。
リフレッシュレートが高いと表示のガタツキ、カクカクする感覚が無く、快適な操作感が得られます(120Hzの表示は対応したアプリで動作します)。
解像度は2K(2200× 1440)、画面の明るさは最大400nit、ディスプレイ画面占有率は86%という仕様です。
初期設定の場合はダイナミック(状況によって60/120Hzが切り替わる)のリフレッシュレートが設定されており、節電したい場合は60Hzに固定することも可能です。さらに「eBookモード」として、画面をモノクロ風・カラーモード(ブルーライトカットが強く効いたような画面)にする専用モードもあります。
また、ビジネス用に長時間使うことを前提に、ブルーライトカットモードの設定可能/フリッカーレスなディスプレイとなっています。
大画面ならではのマルチタスク/マルチアカウント対応
大画面を活かして効率的に作業が出来るタブレットならではの使い方として、画面を分割できるマルチウィンドウ・マルチタスク機能も充実しています。
メインで利用中のアプリのほか、最大2個のアプリを同時表示(オーバーレイ)することが可能です。元の画面が大きいので、ウィンドウで同時表示したアプリも普通のスマホ画面くらいのサイズで表示出来ます(表示サイズは任意に調整も可能)。
カレンダーやスケジュールを表示したり、マップ・インターネットサイトを見ながら作業するなど、効率的な使い方が可能です。
家族でタブレットを共有する場合、「シニアモード」に切り替えると超巨大な文字サイズで表示することも出来ます。
スマホの文字が読みづらいと感じるご高齢の方や、ちょっと離れた位置から画面を閲覧したい場合などにも使えるかもしれません。
HUAWEI M-Pencil(第2世代)を使う場合は、4096段階の筆圧感知に対応したペン利用も可能で、イラスト・図形作成ツールなどを活用してビジネス用の資料作りなどにもマルチ表示は役立つでしょう。
また、Huawei EMUIの機能である「ツインアプリ」を使うと、1つの端末で2つのLINEなどのSNSアカウントをログインすることが出来る機能もあります。個人アカウントとビジネスアカウントを同時に使い分けたいユーザーには便利な機能です。
Snapdragon 7 Gen1の処理性能
新しいミドル~ハイスペック寄りのチップ「Snapdragon 7 Gen 1」を積んだMatePad11.5 2023は、ゲームもかなりスムーズに遊べる水準のCPUです。
AntutuベンチマークテストのスコアでいうとMatePad 11.5は約53.6万点です。最新のハイエンドクラス(100万点超え)には及ばないものの、ほとんどのゲームはちゃんと遊べる水準です。MatePadの価格帯を考えれば、十分な性能といえるレベルになっています。
サウンドは「HUAWEI Histen 8.1 」という独自サウンドシステムで管理され、4つのスピーカーで楽しむ事ができます。
便利なスタンド付き/キーボード切り離しが出来る保護ケース
これが一番便利な特徴かもしれません。
MatePad 11.5には超薄型の着脱式マグネットキーボードケースが用意されています(別売り/セット販売あり)。
タブレットを仕事用に使う場合、すばやい文字・記号入力にはやはり物理キーボードが欲しいものです。
MatePadのQWERTYキーボードはBluetoothで接続するタイプで、タブレット本体からの給電で動作します(300mAhのバッテリーを内蔵しており、短時間なら本体から切り離しても動く)。
キーストロークは1.5mmとかなり浅めですが、普通に文字入力が出来ます(タッチパッドはありません)。
キーボード部分とタブレットケース部分が上記にようにマグネットで分離するため、キーボードを使わないときにはタブレットのみでもスタンド機能を使うことが出来る仕様です。
(折りたたみ式のスタンドが保護ケース側に付属している)
持ち運ぶときはキーボード部分とセットにしてディスプレイ面も保護する事が可能です。キーボード-ケース部分のマグネットはかなりしっかりとくっつきますので、閉じて運搬中に外れてしまうようなことはまずありません。
なおキーボード部分の重量は実測で220グラム、保護ケース部分の重さは236グラムで、ケース合計456グラム+ボディ499グラムなので総重量は1キロ弱となります。総重量は少々重めに感じますが、11インチクラスのモバイルPCだと考えれば標準的でしょう。
ユーザーの顔認識・追跡するインカメラ
MatePad 11.5にはインカメラが搭載されており、テレワーク・オンライン会議で便利な「Follow Cam」という機能があります。
この機能をオンにしておくと、ビデオ通話時にユーザーの顔を常に中心にフレームインするように画角が調整されます(タブレット/カメラが物理的に動くわけではなく、フレームで調整する機能)。
この機能は言葉で説明するのが難しいので、気になる方はメーカーサイトのサンプル動画を参照ください。
ビジネス用として使い易いさまざまなサポート機能
単にアプリで遊ぶ・ウェブサイトや動画を見る、というだけならどんなタブレットでも基本的に同じことが出来ますが、MatePad 11.5ではビジネス用途に使えそうなさまざまなユーザーサポート機能が搭載されています。
例えば、タブレットの画面を保存するスクリーンショットの撮影には、一般的なAndroidタブレットと同じく「電源ボタン+音量ボタンの下同時押し」でも保存できますが、”画面を指の関節で2回ノック”・”3本指で画面をなぞる”というアクションで撮影する設定があります。
MatePadは端末が大きいので、電源ボタン+音量ボタンでのスクショは使いにくいので、このアシスト設定が非常に便利です。さらに”2本の指関節で2回ノック”にすると画面録画が出来る機能もあります。
また、MatePad用のM-Pencil(第2世代)は単なるタッチペンではなく、ペンにセンサーが組み込まれておりブラシ↔消しゴムをセンシングエリアを2回タップすることで切り替える機能があり、ペンタブとしてガンガン使いたい人にも向いています。ペンでメモを取る・アイデアを書き留める・資料やフリーハンドから整った図形を作ることに特化させたツールアプリがあるため、ビジネス用タブレットを想定して買う場合でも便利に使えるでしょう。
MatePad 11.5を使って物足りないと感じた点
最後にMatePad 11.5 (2023)を使っていて物足りない・他のタブレットと比較した場合の欠点・デメリットも公開・評価していきます。
まず使い始めてすぐに少し気になったのは、ファーウェイのスマホ機種に比べてセキュリティの顔認証ロック解除の反応が少し遅いと感じました(試作機のソフトウェア・動作状況時点)。
かつて日本で売られていた同メーカーのハイエンドスマホでは、画面を点灯した瞬間にロックが解除されてホーム画面が表示されているほど一瞬で顔認証が終わっていましたが、MatePadだと画面を点灯してから0.5秒~1秒ほどのラグがある感じです。すごく不満というわけではないのですが、昨今の超高速認識をするスマホの顔認証より反応速度が遅いかな?という違和感を感じました。
MatePadは防水防塵対応ではありません。この価格帯のタブレットで防水防塵に対応している機種のほうが珍しいですが、防水防塵機能が必須という人にはMatePadは向きません。
MatePad 11.5インチは性能に比べて安価な価格を実現するためなのか、管理人が所有している同じくファーウェイのタブレットPC「Matebook」と比べた場合、やはりMatePadは作りも廉価仕様であるとも感じました。
(上MatePad/下Matebookのキーボード)
薄さ・軽さを重視したMatePadのスマートキーボードは、高級なモバイルPCのキーボードに比べてやや安っぽい作りです。MatePadのキーボードにはタッチパッドはありません。
MatePad 11.5 | Matebook(2016) |
もともとの販売価格も全く違う(Matebookは当時定価7万円台~)製品ですので、これは「MatePadのキーボードは価格相応」という印象です。
そして、ファーウェイといえば時代をリードした超高性能なスマホカメラが特徴的でした。
タブレット端末の高性能なカメラは不要という考えなのか、MatePadのカメラ機能はスマホに比べ機能少なめです。標準カメラのほか、ビューティー・ビデオ・パノラマ写真・コマ抜き写真、あとはステッカーによる編集加工機能のみとなっています。夜景モードやぼかしモードなどはありません。
しかし、それでもファーウェイのカメラ性能のクオリティ自体は健在です。
上記はかなり大きな明暗差(LED光源による逆光)のある玩具を撮影したものですが、色のコントラストもキレイで白飛び・黒つぶれが少なめの綺麗な写真に仕上がっています。
撮影後の写真変更加工も、多くのスマホで出来るように色調変更・カラーバランス変更・落書きやモザイク加工など、大画面を活かして細かい修正を手軽に行うことが出来ます。カメラアプリ側の機能としてテキスト認識・補正・翻訳機能などもあります。
あとは、ビジネスユーザーを想定したタブレットではありますが、拡張性はほぼありません。インターフェイスはType-C USBが1箇所のみですので、ノートパソコン風に使いたい場合はBluetooth接続できるマウスの利用が必要です。拡張ドックのようなアイテムを別途使えば、色々出来るかもしれません(Windows PCであるMatebookには”MateDock 2 ドッキングステーション”などの拡張パーツがあった)。
本格的にビジネス用としてタブレットが欲しいなら、MatePadよりMatebook Eシリーズをオススメします(ただし価格はMatebook Eのほうが格段に高くなります)。
なお、Google Playはゴニョゴニョすると入れられます(現時点の仕様の場合。詳しくは「GBOX」というキーワードでググってください。ただし利用は自己責任でどうぞ)。
MatePad11.5がいきなりお得に買える限定クーポン
*当サイトでのMatePad用クーポン発行は終了しました。
最新情報は公式サイトの販売ページを参照ください(2024年3月時点で学割キャンペーンを実施しています)。
Matepad11.5 (2023)まとめ
以上、2023年新型のMatePad 11.5インチモデルの先行実機レビューでした。
MatePad 11.5は超高性能モデルではないものの、一般的なユーザーがビジネス用・エンタメ用として購入しやすい価格帯に抑えつつ、必要十分なタブレットとしての機能を盛り込んだ最新機種、と言えるでしょう。
同価格帯・類似スペックのモデルと比べた場合に、専用のスマートキーボード・ケースの使い勝手の良さと価格面でコスパの良さを感じられるタブレットです。
*本レポートはHuawei Japan提供の試作機による評価です。最新モデル・市販モデルの仕様とは異なる場合があります。