ソフトバンクから2017年7月に発売された、iPhoneで簡単に360度を全て1枚の写真・ムービーで撮影することが出来てしまう全天球カメラ「Giroptic iO(ジロプティック・アイオー)」の実機レビューです。全天球カメラで撮影された写真といえば、全世界中の人が最もよく目にしているのはGoogle Mapのストリートビューではないでしょうか。スマホやパソコンから表示された写真をスライドさせることで自由に見たい方向を見ることが出来るというアレです。
その360度ビューの写真をiPhoneで超簡単に撮影できるようにした「Giroptic iO」をソフトバンクから提供してもらったので、早速遊んでみました。
Giroptic iOの概要
Giropticはアメリカ・サンフランシスコに拠点を置く、360度カメラを開発しているベンチャーメーカーです。Giroptic iOにはAndroid用もあるそうですが、国内で売られているのはiOS用のみみたいです。
[追記]2018年3月、Giropticが倒産しました。残念ながら今後の新機種発売・サポートは期待出来無さそうです。とりあえず現時点ではiPhoneにてGiropticは使えますが、アプリのバージョンが対応しなくなるとiOも使えなくなる可能性があり、注意してください。
全天球型カメラは他にもたくさんの製品が世の中にはありますが、Giroptic iOの特長のひとつは「片手に収まるコンパクトさ」でしょう。
カメラは超広角な魚眼的レンズ2枚が付いた本体をクリップのようなものがついており、手のひらに余裕で収まる小ささ。重さはたったの70グラムです。
動作条件はiOS 9.0以降で専用アプリ「iO360」(無料)が動作する、Lightning接続が可能な端末です。従って、iPhoneだけでなくiPadシリーズでも動作します。
対応機種:iPhone 7/7 Plus iPhone 6s/6s Plus iPhone 6/6 Plus iPhone SE/5s iPad mini 2 iPad mini 3 iPad mini 4 iPad Air iPad Air 2 iPad Pro
2017年9月28日時点ではiPhone 8/ 8 Plusはソフトバンクのサイト上の対応機種一覧には入っていませんが、iPhone 8 Plusでも動作することを確認しています(ただし、現時点ではiOS11で動作が不安定になる不具合があり、ソフトウェアのアップデートがあるようです)。
撮影できる機能は、「360度の2K静止画」・「360度のフルHD動画撮影」・「360度のライブストリーミング配信」となります。
有効画素数 | 966万画素 |
レンズ | 2×195° f/1.8, 360°×360° |
動画解像度 | 1920×960 30fps/MP4(H.264) |
静止画解像度 | 3,840×1,920 (JPEG) |
Lightning端子にカメラを直接挿すことで認識させますが、スマホからカメラに給電する必要がないように915mAhのバッテリーを内蔵しています。
撮影した写真やムービーはカメラアプリからすぐにメッセージアプリやFacebookといったSNSに転送することが出来ます。操作は非常に簡単なので、購入後すぐに360°ビュー写真を楽しめます。
早速開封
Geroptic iOを使うには、対応したiPhone/iPadの他にいつか必要なものがあります。
Geropticカメラ本体の他、専用のケース・USB to micro USBのケーブルくらいしか入っていません。使い方も難しくはないのですが、めちゃくちゃシンプルなイラスト付きカードが付いているだけで、説明書もありません。
充電用のACアダプターは同梱されていません。iPhone用なのにカメラの充電にはmicro USBが必要というのはちょっと違和感がありますが、そこはケーブルは同梱されるので妥協しましょう。
Geropic iOには360度を撮影するために両面にカメラが付いているため、そのまま裸の状態で保管するのはレンズに傷がついてしまいそうで不安です。でも、専用のクリアハードケースが付いているので持ち運び時も安心できるでしょう。
このケースにつけたままiPhoneに接続することは出来ませんが(延長ケーブル的な何かを使えば出来るかも)、micro USB用の穴は空いているので充電は可能です。
小型のiPhone SEに取り付けてみましょう。
5.5インチのiPhone 8 Plusにも接続してみました。
Lightning端子に直挿しなので、撮影時は基本的に上下を逆さに使うことになります。
早速撮影
撮影はとても簡単で、カメラを接続すると自動で立ち上がるアプリ(事前にインストールしておく必要あり)から、いつも通りスマホで撮影するようにシャッターを切る・動画撮影をスタートさせるだけです。
こんなおもしろ写真が簡単に撮影できます。
撮影のサンプルは私が撮ったものより、メーカーのサンプルがたくさんあったのでそちらを参照してください。
☆「https://share.360.tv/」(メーカーサイトは消滅しました)
上記のサイトにスマホ(iPhone, Android)でアクセスすれば360°の写真・ムービーを見ることが出来ます。またはアプリの紹介コンテンツでもサンプルを見ることが可能です。
ジャイロセンサーに対応したスマホならVR機能によってカメラの方向を感知して動かすことも出来るはずです。
他社の高級全天球カメラに比べると流石に画質は優れているとはいい難いところながら、360°ビューが活躍する場面は主に屋外・風景やイベントの様子を伝えるためだと思われますので、サンプルを見る限りは十分に臨場感のある写真・ムービーになっていると言えると思います。
撮影&データのシェア
Geroptic io 360のカメラアプルは非常にシンプルです。画質の設定やフィルターなどは一切なく、カメラモードの切り替えのほかはタイマーの設定(3/5/10秒)とスタビライザーのオン・オフくらいです。撮影した写真はすぐにiPhone本体に保存されます。
撮影した写真・ムービーはすぐにアプリ上から共有できます。
全天球データ:Facebook, Street view, Messages
リトルプラネット(静止画):Facebook, Twitter, Instagramなど全般
VRのように動かせる写真を共有できるのは、全天球データに対応したアプリ・ビューワーが必要となります。データが保持されていればLINE上でも動くことは確認しています。
撮影した写真・動画をWindows PC上で再生したい場合は、Go Pro用に配布されているフリーソフトでも見ることが出来ました。
☆「http://www.kolor.com/gopro-vr-player/download/」
全天球カメラはあまり日常的に使うようなものではありませんが、個人でも手軽に使えるアイテムとしてGeroptic iOは面白いと感じました。観光地や各種のイベントをリアルに使えるために360°カメラのデータは役立ちそうです。
個人だけでなく企業・役所用の写真データとしてのほうが役に立ちそうな機会が多いかもしれません。Google MAPの使い方に似ていますが、施設や場所の360度画像データがホームページにアップされていれば、ユーザーが気になる場所を自由にチェックしてもらうことが出来そうです。
Geroptic iOはiPhone, iPadの専用ではありますが、他機種のワイヤレスカメラとは異なり直接接続させることでデータ転送の手間とタイムロスがなく、簡単で快適な全天球カメラ体験が出来ます。
お手軽に全天球カメラを使って何かやってみたい!というiPhoneユーザーなら楽しめるおもちゃだと思います。
☆「ソフトバンクセレクション Giroptic iOを詳しくみる」(ソフトバンクでの販売は終了しました)