2020年モデルのSIMフリースマートフォンのうち、トップクラスの人気を誇りながらもターゲットが大きく異なる2台「OPPO Reno3 A」と「Xiaomi Redmi Note 9S」の実機比較レポートです。

2020年7月時点で多くのMVNOが扱う人気のスマホであるReno3AとRedmi Note 9Sは、日本国内においてドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線・楽天モバイル(MNO)回線の4大キャリアで利用が可能な、SIMフリースマートフォンです(利用可否・対応サービスは各通信会社にお問い合わせください)。

2020年7月時点の市場価格でOPPO Reno 3Aは39,800円・Xiaomi Redmi Note 9Sは29,800円(6GBモデルの場合)で販売されており、携帯会社で売られている最先端モデルの半額以下という価格帯ながら豊富な機能性・高めの機能性を持っている2台です。

実際に2台を使ってみて「2020年モデルの格安スマホで人気が出る(すでに出ている)」ことが納得できる仕上がりになっていることは断言出来ますが、このReno 3AとRedmi Note 9Sは、機能性に大きく異なる部分があります。

予め断っておくと、Reno 3Aと Redmi Note 9Sの「どちらが総合的に優れているか」という判断はあまり意味がありません

この2機種を買い替え候補にする場合は、「どの性能を優先したいか/どの機能を取捨選択できるか/どちらが好みか」を基準に選ぶ必要があります。

その判断基準となるであろうReno 3AとRedmi Note 9Sの機能・性能が大きく異なる部分を、実際の使い勝手と評価と共に解説します。

Reno 3AとRedmi Note 9S 大きさ・デザインの違い

まず、ユーザーの好みが大きく分かれる「スマホの大きさ・サイズ」の違いについて。

OPPO Reno3 AとRedmi Note 9Sはどちらも大型のスマートフォンです。しかしそのサイズはかなり異なります。


(左 Redmi Note9S, 右 Reno3 A)

Reno3 Aのディスプレイは6.44インチ、Redmi Note 9Sは6.67インチです。並べてみるとと当然ながらRedmi Note 9Sのほうが一回り大きく見えます。

ベゼル(縁)の幅はどちらも似たようなもので、インカメラ部分についてはRedmi Note 9Sはパンチホール型・Reno3 Aは水滴型にすることで、画面占有率を高めています。

(左 Redmi Note9S, 右 Reno3 A)

本体のサイズ数値は以下のような違いになります。

サイズ比較 Redmi Note 9S Reno3 A
縦幅 165.75mm 160.9mm
横幅 76.68mm 74.1mm
厚み 8.8mm 8.2mm
重さ 209グラム 175グラム

より大きなディスプレイが好みの人にはRedmi Note 9Sが良いかもしれませんが、持ち易さを優先するならReno3 Aが断然おすすめです。

はっきり言って、Redmi Note 9Sは一般的なスマートフォンに比べてもかなり重いです(例えばiPhone 8 Plus 202グラムより重い)。

Redmi Note 9Sは単に画面が大きいというだけではなく、5000mAhの超大容量電池を内蔵している影響で、本体はずっしりとした重みがあります。

一方で、Reno3 Aはディスプレイの大きさのわりに軽めの175グラムという重量・8.2mmという薄いデザインにより、比較的持ちやすいと感じられます。


(エッジがカーブしており、持ちやすいデザイン)

OPPO Reno3AとRedmi Note 9Sはどちらもクアッドカメラを搭載していますが、背面のカメラデザインは異なります(カメラ機能・写真品質については後述)。Redmi Note 9Sは中央上部に四角のパーツとして、Reno3 Aは縦に4個のレンズが並んでいます。

Redmi Note 9Sのカメラパーツはボディ面よりかなり飛び出しています。Reno 3Aも同じくカメラは飛び出していますが、付属のTPUケースを付ければ段差は気にならないでしょう。

Reno3AとRedmi Note 9S 処理性能・スペックの違い

Reno3Aは最新モデルですので、格安スマホ業界の中では平均以上の処理性能を持っています。

処理性能面で比較すると、Redmi Note 9Sの圧勝です。

OPPO Reno3 Aに搭載されたCPUはQualcomm Snapdragon 665、Redmi Note 9Sには同じくQualcommのSnapdragon 720Gというチップが使われています。

どちらも比較的新しいチップですが、ゲームアプリなどを動かす処理性能はSnapdragon 720Gのほうが格上となっています。

スマホの処理性能を数値化出来るアプリ「Antutu Benchmark」(ver8.3.7)で比較すると、Redmi Note 9Sのほうが1.5倍ほど高い数字が出ます。

高い処理性能を必要とするアプリでなければReno3Aでも十分に使うことが出来ますが、3Dキャラクターがたくさん動くようなゲームアプリの場合、Reno 3Aでは動作がカクつくことがあります。

例えば「アイドルマスターシンデレラガールズ」というゲームの場合、ゲーム画質を最高にするとReno 3Aでは明らかにアニメーションの動きが鈍くなりますが、Redmi Note9Sならスムーズに表示されるという事例があります(2020年7月時点のアプリバージョンで確認)。


Reno3 Aでも軽いゲームアプリなら問題なく遊べますので、「Reno3Aはゲームが出来ない」というわけではありません。

Redmi Note 9Sの処理性能は2-3年前のハイエンドモデルクラスに近い水準です。スマホでゲームを快適に楽しみたいと考えるならRedmi Note 9Sを推奨します(Redmi Note 9sの処理性能は2020年夏モデルの中でも2-3万円のスマホとしては突出しています)。

Reno3AとRedmi Note 9S 対応機能の違い

日本で流通している低価格スマホの場合、製造コストを抑えるために機能・対応サービスが少ないこともあります。

前項の処理性能面ではRedmi Note9Sが圧勝したが、機能面ではOPPO Reno 3Aの圧勝です。

対応機能 Redmi Note 9S Reno3 A
防水・防塵性能 非対応 対応
おサイフケータイ 非対応 対応
3.5mm イヤホンジャック 対応 対応
Dual SIM DSDV対応 DSDV対応
急速充電 18W急速対応 18W急速対応

OPPOのReno3 Aは低価格SIMフリースマートフォンながら、おサイフケータイ・防塵にも対応した機種です。国内スマホブランドとしてシャープのAQUOS,ソニーのXperia、富士通のarrowsシリーズ以外でおサイフケータイに対応した機種はAppleのiPhoneシリーズ以外ではレアです。

Redmi Note 9Sは防水防塵・おサイフケータイがありませんので、これらの機能が必要だと感じるならRedmi Note 9Sは選択肢にならないでしょう。

Reno3AとRedmi Note 9Sは、どちらもDual SIM/Dual VoLTE対応スマートフォンです。2枚のSIMカードを一度に装着可能で、2つの電話番号を使い分けることが出来る機能を有しています。

なお、Reno 3AのSIMスロットはmicroSDカードと排他利用(SDカードを使う場合はSIMカード利用は1枚のみ)となります。

【対応周波数】
Reno3A(LTE):B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28/38/39/40/41
Redmi Note 9S(LTE):B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28/38/40/41(2545~2655MHz)

どちらの機種も、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルが利用する主要バンドに対応しています。携帯キャリアや格安SIMサービスを乗り換えた後も、そのまま端末を使い続けることが出来る便利な機種と言えるでしょう。

特に楽天モバイル(MNO)については、Reno3A, Redmi Note 9SともにSIMカードを挿入するだけでAPNが自動設定されます(2020年7月時点、国内正規SIMフリーモデル・最新バージョンの場合)。

関連記事:Xiaomi Redmi Note 9Sは楽天モバイル(自社回線) UN-LIMITプランで利用可能

Reno3AとRedmi Note 9S カメラ性能の違い

Reno3AとRedmi Note 9Sはどちらも「クアッドカメラ」を搭載したモデルです。

しかし、それぞれのカメラレンズの機能・画像処理技術などに大きな違いがあり、撮れる写真のクオリティにやや差が見られます。

カメラレンズ Redmi Note 9S Reno 3A
カメラ1 メイン4800万画素 メイン4800万画素
カメラ2 広角800万画素 広角800万画素
カメラ3 マクロ500万画素 モノクロ200万画素
カメラ4 深度測定 200万画素 ポートレート200万画素

この2機種のメインカメラは、どちらも4800万画素・センサーサイズ1/2.0″という仕様です。F値はRedmi Note 9Sが1.79(1.8)、Reno 3Aは1.7と表示されています。

どちらも低価格スマホとしては画質の高いカメラではありますが、画像処理技術の違いがズーム時や夜景モードに現れています。

Redmi Note9Sの10倍ズーム Reno3Aの10倍ズーム

この2機種の最大ズームはどちらも10倍(デジタルズーム)です。最大ズーム時に、Redmi Note 9Sは滑らでノイズが少なめに、Reno3Aの場合はノイズは多いがクッキリとした画像処理が行われる傾向にあります。

くっきり・はっきりとした写りを重視するならReno3Aのほうが上ですが、ノイズの少ない滑らかな仕上がりが好みならRedmi Note 9Sのほうが良いかもしれません。

ただし、Redmi Note9S, Reno 3Aともにズームレンズを搭載していないため、他機種の望遠機能が高いスマホに比べると画質は低めです。

Redmi Note9Sの夜景モード Reno3Aの夜景モード

LEDによるライトアップがされたミニチュアハウスをそれぞれの夜景モードで撮影した場合、Reno3Aでは全体が明るく・白飛びを抑えたキレイな調整がされます。一方、Redmi Note 9Sも通常モードの撮影に比べれば明るく写りますが、やや写真が暗めになる傾向にあります。

OPPOのスマホの夜景モードは「ウルトラナイトモード」として、特にキレイでSNS映えする画像を作り出す技術が高いと感じられます。

マクロ(接写)機能については、専用のレンズを搭載したRedmi Note 9Sのほうがより近づいて写真を撮れます。

Redmi Note9Sのマクロレンズ Reno3Aのマクロモード

上記の写真はそれぞれの機種で、ピントが合う最も近い距離で撮影した画角です。明らかにRedmi Note 9Sのほうが被写体に接近可能です。

Reno3Aの場合もAI機能によって「マクロモード」というシーン判定がされることがありますが、専用レンズがあるわけではないので最接近距離が変わるわけではないようです。

どちらも格安スマホの中ではキレイに写真が撮れる機種だという評価ですが、個人的には夜景がより鮮やかに撮れるReno3 Aのほうが好みでした。

Reno3AとRedmi Note 9S 価格の違い

最後はスマホ本体の価格比較です。

OPPO Reno3 AとXiaomi Redmi Note 9SはいずれもSIMフリースマートフォンであり、本体単品での販売もされていますが、格安スマホサービスによるセット販売もあります。

本体単品で買う場合とセット販売で買う場合には少しお得度が異なるため、両方のケースで比較してみたいと思います。

携帯電話番号・SIMカードなどの回線契約をセットにしない、本体のみの購入をしたい場合にはOPPO Reno3A, Xiaomi Redmi Note9Sそれぞれがいくつかの販売ショップで取り扱いがあります。

販売店によりキャンペーンや価格が異なる可能性がありますが、まずは定価・市場価格での比較です。

モデル 価格(税込み)
OPPO Reno 3A 39,800円
Redmi Note 9S 4GB/64GB:24,800円
6GB/128GB:29,800円

*2020年7月23日時点、Reno 3Aは「OPPO公式楽天市場店」の公式価格。

Redmi Note 9Sでは、RAM/ROM容量の組み合わせで2モデルがあり、それぞれ取り扱い店舗・ショップが異なります。

[Redmi Note 9S 6GB/128GBモデルの取り扱い店]:「nojima online(ノジマオンライン)」「ビックカメラ」「ヤマダ電機」など

2020年7月時点でReno3 AとRedmi Note 9Sの両方を取り扱い、キャンペーンも実施中のIIJmioの場合は以下のような特典が付きます。

対象機種 特典
Reno3 A
(6GB/128GB)
音声SIMセット:5,000円分のギフト券
他社乗り換え:4,000円のキャッシュバッ
Redmi Note 9S
(4GB/128GB)
音声SIMセット:3,000円分のギフト券
他社乗り換え:4,000円のキャッシュバック

*2020年7月23日時点。キャンペーン特典には付与条件があります。

IIJmioでは音声SIMプランとセットで購入するとギフト券をプレゼントする特典があります(特典内容は変更されることもあります)。7月23日時点ではReno3 Aのほうが特典が大きい一方で、Redmi Note 9Sは本体の3,300円値引き(2020年6月25日時点の価格比)となっており、お得に購入可能です。

単品でも安いReno3AとRedmi Note 9Sですが、月々の料金プランも安くして特典をゲットして購入するのもおすすめです。

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各キャンペーン情報は記事執筆時点のものです。内容は変更されることがあるため、必ずIIJmio公式サイトで正しい情報をご確認下さい。
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