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ついにソフトバンクのネットワークを使った格安SIMがスタートします。

これまで一般的に「格安SIM」と呼ばれる低価格なスマートフォン回線プランはドコモまたはauのネットワークを利用したものがほとんどでした(事業者向けMVNOを除く)。2016年7月にはU-mobileが「Yモバイル回線の代理販売」としてソフトバンク系列のネットワークを「U-mobile Super」というプラン名で仲介的に提供したことはありましたが、直接的なMVNO(仮想移動体通信事業者)がソフトバンク網のネットワークを一般向けに提供するのは初・・・でしょうか。

「Hitスマホ」の格安SIMサービスを提供するMVNOは「飛騨高山ケーブルネットワーク株式会社」という、従業員数19名の小さな会社ですね。

☆「飛騨高山ケーブルネットワーク-Hit net TV!

この会社と、2015年にソフトバンクの子会社として設立されたMVNO事業を推進するために設立された「SBパートナーズ株式会社」が協業して格安SIMサービスを提供するとのことです。

このSBパートナーズは「U-mobile SUPER」には関わっていません。

8月10日に出されたニュースリリースでは、料金体系はシンプルに3種類のみしか無いようです。

データ容量 月額料金 系列ネット加入者
3GB 1,980円 各プラン
月額400円引き
5GB 2,380円
10GB 3,380円

すべてのプランは音声通話付きサービスとなっており、データ通信専用のプランはありません。通話料金は国内通話20円/30秒と他社と同水準です(表記はすべて税別)。

Hitスマホの月額料金はケーブルネットワーク加入者で月額1580円~、一般ユーザーで1980円~となっており、格安SIMとしては他社よりも若干割高と言えるでしょう。

以下、いくつかの3GBデータ通信付きの音声プランがある業者の料金と比べてみましょう。

MVNO名ネットワーク3GBプラン
月額料金
HITスマホSB1,980円
UQ mobileau1,680円
DMMモバイルdocomo1,500円
IIJmio
docomo1,600円
楽天モバイルdocomo1,600円
mineoauプラン1,510円
mineodプラン1,600円

上記は2016年8月11日時点での各社が提供する3GBプラン(楽天は3.1GB)の音声プラン月額料金(税別)です。Hitスマホの料金は通常1,980円ではやはり他社よりも2割ほど高いです。ネットワーク加入者特典の400円引きが効いたところで、ようやく他社に並べるレベル。もちろん他社は他社で契約後数ヶ月割引、無料期間などのお得なキャンペーンが別途用意されています。

現時点で公開されている料金プラン・キャンペーンだけなら、はっきり言ってドコモ系・au系のMVNOに遠く及びません。

ですが、MVNOサービスとしての優劣を料金の安さだけで判断してはいけません。多少月額料金が高くても他の特典が多かったり、サービスのサポート・特徴的なオプションサービス、あるいは通信速度の安定性が優れていれば、この程度の料金差をひっくり返すことが出来るのも、格安SIM業界の奥が深いところなのです。

音声プランなので最低利用期間があります。1年以内に解約すると1万円の違約金が掛かり、さら解約手数料が別途3000円掛かるという謎システムが採られています。もちろん、契約時にも事務手数料が3000円掛かります。

他社でも短期間に他社へ転出させると事務手数料が上乗せされるというシステムやSIMカードの未返却・破損時に補償金を請求するという業者(関連記事:MVNOの解約後SIMカード 返却しないとどうなる?各社の取り扱い状況まとめ)は存在しますが、契約期間によらず無条件で3000円掛かるというのはあまり他では見ない料金設定です。

例えば1ヶ月だけ使って解約しなければならなくなった場合、【初期手数料+月額料金+違約金+解約手数料】=合計でおよそ1万8千円(税別)もの料金が発生してしまいます。ちょっとお試しで使いたいという用途には全く向きませんので、契約は慎重に行ったほうが良いでしょう。

MNPで電話番号を維持したまま転出させるにはさらに3000円の手数料が掛かりますので、現状では契約後即他社にMNPすることで転出先の乗り換え割引特典を受けるテクニックに必要な「MNP弾」には成り得ないと言えます。

参考記事:MNP弾 即撃ち・熟成コスト比較 最低利用期間と違約金

現時点でHitスマホで利用可能なスマートフォンは以下の3機種のみが挙げられています。

富士通 arrows M03、FREETEL SAMURAI MIYABI(雅)、Priori3 LTE

上記モデルはソフトバンクの利用している周波数帯に合致するSIMフリースマートフォンです。これまでにソフトバンクで発売されたモデルがそのまま利用できるのか、SIMフリーでしか使えないのかは明らかにされませんでした。

通常のソフトバンクスマートフォンで利用されるSIMとは異なる規格・仕様のSIMカードが採用される可能性があり、続報が待たれるところです。従来モデルのSIMロックが掛かったソフトバンク機種がそのまま使えるのであれば面白みもありますが、果たして・・・

MNP弾としては、即打ちコストが2万円以上掛かってしまうので現状では論外です。ソフトバンクのSIMロック端末が使えないのであれば、ワイモバイルのSIMのみプランの方がまだマシでしょう。

☆「ワイモバイル

また、音声通話が無くてもいいなら月額500円でソフトバンク・ワイモバイルネットワーク網が使えるデータSIMプランも8月1日より提供が始まったところです。

関連記事:MVNOの100倍速い!?ワイモバイル データSIMプランスピードテスト結果

おそらく、今回のHITスマホは本家ソフトバンクともワイモバイルとも、そしてワイモバのデータ専用SIMプランとも被らないように調整された上でこのようなプラン選択肢・仕様になっているのだと察せられます。

ソフトバンクのSIMロック端末が使えるのかどうか、通信速度の速さ・安定性、そして今後の割引キャンペーンや特典次第でHitスマホが人気になることが出来るかどうか、サービス提供が始まる8月22日に注目しておきましょう。

ソフトバンクの格安SIM「Hitスマホ」はMNP弾には使え無さそう
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