2021年3月、大手携帯キャリアは「20GBプラン」の新ブランド料金としてオンライン受付専用プランの「ahamo(アハモ/ドコモ)」・「povo(ポヴォ/au)」・「LINEMO(ラインモ)/ソフトバンク」をサービス開始しました。

オンライン専用の各社プランは従来のスマホ料金に比べて、店頭でのサポートをしない・割引の仕組みをシンプルすることで基本料金を3,000円程度に抑えたサービスとなっています。

3社の新プランを簡単にまとめると、以下のような料金表になります。

主なサービス ahamo(docomo) povo(au) LINEMO(SB)
月額基本料金 2,970円/月 2,728円/月 2,728円/月
使えるギガ容量 20GB 20GB 20GB
通話料金 5分以内無料通話 従量課金 従量課金
通話オプション かけ放題+1,100円 5分以内 +550円
かけ放題+1,650円
5分以内 +550円
かけ放題+1,650円
キャリアメール 無し 無し 無し

(2021年4月11日時点)

ドコモの新プラン・アハモでは、家族割引やネット通信のセット契約割引などが無くても月額2,970円、通話のかけ放題を追加しても月額4,070円です。これまで一般的なスマホ料金として「月額5~6千円」やそれ以上の金額を支払っていたのなら、アハモプランに変えればスマホ代の節約が出来る可能性があります。

アハモプランを含む3大キャリアの新ブランドプランには上記の通り月間20GBまでの高速通信容量を一律で含みますが「無制限の使い放題プラン」は存在せず、20GBを超えると通信速度制限が課せられます。

また、今までのスマホ契約の場合には、電話番号を契約する携帯会社に合わせてスマホのセット割引が効くインターネットサービスを使い、家族全体(複数回線)で何千円も割引を適用させて料金を安くするのが一般的な節約術となっていましたが、これらのネット割引が新ブランドプラン・アハモでは適用できなくなります

auのスマートフォンプランなら「auひかり」などの”スマートバリュー”割引、ソフトバンク/ワイモバイルのスマートフォンプランなら「ソフトバンク光/ソフトバンクエアー」などの”おうち割光セット”が適用出来るサポートを、そしてドコモなら「ドコモ光」による”ドコモ光セット割”がありましたが、どのインターネット回線を使っていた場合でもアハモに変えると割引が打ち切られます

携帯ショップなどでは各大手キャリアのスマホプランを契約する場合には強く対象のセット割引の適用・加入を勧められられるような場合も多くあり、実際にセット割引を使うことが有利なケースもありました。しかし、アハモ・ポヴォ・ラインモなどの新ブランドプランに変更するのなら、ネット料金もセットで見直す必要があります。

これまでドコモのスマホを使うために、利用するサービスをドコモ系列でまとめてきたユーザーも、アハモプランや他社の新ブランドプランに変更を検討する場合には、自宅のインターネット契約の乗り換え特典などで節約するチャンスがあります。

すでにひかりネット契約をしている場合には割引の効かないネット回線をそのまま続けるべきか、あるいは新しくネット契約をする必要があるか、どこを選べば安くなるのか比較・解説していきます。

アハモユーザーがドコモ光・ネット契約する必要性はあるか?

まず大前提として、「アハモのスマホプランを契約した上で、固定ネット回線が要るかどうか」という判断をする必要があります。

 

これまでスマホでドコモのギガホプランなど、大容量プラン・使い放題プランを使ってきたユーザーにとって、アハモの20GBは大幅なギガ容量減少となるでしょう。

アハモを含む3大キャリアの新ブランドプランはそれぞれ5Gサービス料金を含むため、5G対応のiPhoneやスマートフォンで理論上の最大速度で通信を続けると、1分足らずで20ギガを使い切って低速化してしまうことになります(ahamoの最高速度 4.1Gbpsの場合、2021年4月時点のサービス状況)。

実際にはベストエフォートの最高速度で1度に20GBもの大容量データを転送することはまずありえません。しかし、これまでのように「使い放題・ほぼ無制限」並のプランを契約している気分で動画やアプリをダウンロードしていると20GBを早々に使い切ってしまうことは十分ありえます。

また、アハモプランではテザリング(パソコンやiPadなどのタブレットをスマホ回線を経由してインターネットに繋げる)ことも出来るため、パソコンでたくさんインターネットを使ってしまうと20GBくらいはあっという間に無くなることもあります(パソコンのシステム更新では数GB~レベルのデータを一度にダウンロードするため)。

一人暮らしの学生や単身世帯でパソコンは持っていない・使わない、スマホの利用状況・自分に必要なギガ容量もしっかり把握していて、アハモの20GBだけでやりくり出来る自信があればドコモ光やインターネット回線の契約は要らないでしょう。最悪1Mbpsの低速でやり過ごせばよいのですから、料金節約のためにネットを解約するのも一つの考え方です。

一方で、家でもたくさんパソコンでインターネットを使う、スマホで動画やアプリもたくさん使う場合にはやはり自宅用のインターネット固定回線が必要になります。

特に「5Gは通信速度が速い」なんて言われていますが、2021年春時点ではまだまだ全国エリアで5Gが使える場所は商業施設や繁華街に限られており、モバイルインターネット回線の速度は光回線に比べて安定性も低く、高速とは言えない状況になることもあります。

ドコモ光は通常ドコモの携帯・スマホ回線の契約者向けが使うことの出来るインターネットサービスですが、アハモユーザーもドコモ光を契約可能です。

アハモプランを契約した回線(dアカウント)で、ドコモ光ペア回線を設定することが出来ます。アハモに変えた回線は先述の通り「ドコモ光セット割」は対象外となりますが、家族などがドコモプラン(ギガプラン)を継続していれば、そちらはセット割引の対象にもなります。

ahamo契約回線がドコモ光ペア回線となる場合、同一「ファミリー割引」グループ内の「5Gギガホ プレミア」「5Gギガホ」「5Gギガライト(1GB超)」「ギガホ プレミア」「ギガホ」「ギガライト(1GB超)」契約者については「ドコモ光セット割」の対象となります。

アハモはたしかに「20GBで月額2970円」という部分だけを見れば従来プランより安くなりますが、追加の高速容量購入は1GBあたり+550円ずつとなり、例えばアハモプランで高速通信を30GB使うには2970円+550円×10回=8,470円もかかってしまいます。

「アハモの20GBでは絶対に足りない」・「自宅ではたくさんネットを使う/Wi-Fi環境が必要」というのなら、ドコモ光を契約するメリットはあります

モバイル通信よりも安定したドコモ光サービスで、20GBプランの容量に縛られず思う存分ネットを使ったほうがストレス無く過ごせるでしょう。

アハモ+ドコモ光の料金プラン

アハモの契約者がドコモ光のインターネットサービスに加入しても割引は効かなくなるものの、従来の大容量ギガプランに比べてアハモ料金が安いため、ドコモ光の月額料金を加算しても割安な場合もあります。

ドコモの大容量プラン料金アハモ+固定回線料金

自宅用のインターネット固定回線の料金が高くなってしまうようならば、ドコモの大容量ギガプラン一本にまとめてしまうほうが有利なこともありえますので、アハモユーザーにとって重要なのは、単純に光回線の維持費の安さ(+加入時の特典や初期コスト)になります。

ドコモ光および固定インターネット回線の月額料金は戸建てかマンション用かによって大きく維持コストが変わるため、各自で料金比較が必要です。

セット割引や値引きが複雑に絡み合う過去のスマホプランよりもシンプルに、アハモユーザーの場合は安さを優先して選ぶことになります。

ドコモ光の基本料金は、安いマンションタイプで月額4,400円~となっています。

アハモプランと合わせて、2,970円+4,400円=月額7,370円~の維持費が掛かります。

自宅のインターネット回線は通常複数台のパソコンやスマホを接続して使うことが出来ますので、アハモ契約者や大容量ではないスマホプランを契約している家族が複数要る場合は、家庭全体でドコモ光回線でネットを利用出来るでしょう。

光回線の基本料金比較

ここでは代表的なインターネット固定回線の基本料金(スマホセット割引を含まない)を比べていきます。

固定回線戸建て向け
月額料金
マンション向け
月額料金
ドコモ光5,720円4,400円
OCN光5,610円3,960円
ソフトバンク光5,720円4,180円
NURO 光5,217円*マンションに依る
nifty光5,720円4,378円
auひかり5,610円4,180円
ビッグローブ光(3年契約時)5,478円4,378円
楽天ひかり5,280円4,180円
SoftBank Air5,368円5,368円
各調査時点。サービス・契約エリア・プラン、接続機器レンタル・電話追加オプション料金によっても上記以外に料金表記が変わることがあります。詳しくは各サービスサイトを参照ください

主要なインターネットサービスのうち、マンションタイプ(集合住宅)の基本料金が一番安いのはOCN光、戸建て向けタイプならばnuro光が最安となっています。

*nuro光のマンション向けプランは、集合住宅全体の加入者やサービスプランによって料金が異なるため、管理人や運営会社に問い合わせる必要があります。

また、アハモプランには最低利用期限や2年縛りなどの定期契約は存在しないものの、固定インターネット加入には未だに定期契約が前提となっている点に注意してください。

マンション住まいのアハモユーザーにOCN光がおすすめ

前項での比較で示した通り、スマホプランとセット割引きが使えないアハモユーザーは、単純に月額料金が安いOCN光を契約すると維持費が安くなります。

OCN光は、自社でも「月額料金が光コラボ最安値」をアピールしています(2021年4月時点)。特にマンションタイプは月額4千円を切っており、個人でたくさんインターネットを使う場合に有利になります。

OCN光の契約時にはマンションタイプでも戸建てタイプでもキャッシュバックや特典がありますので、アハモのギガでは足りない場合はOCN光のキャンペーンを使ってインターネット契約をするとお得になります。

なお、OCN光を契約するのであれば、セット割引がある格安SIMサービスのOCNモバイルONEの新料金プランも検討すべきです。2021年4月の料金値下げ+スマホの安売りで人気爆発中、申込み殺到で受付サイトが落ちるほど評判がよく、アハモを超えるスマホ料金節約も可能です。

戸建て住まいのアハモ利用者にはnuro光

セット割引が無くなったドコモ光よりも維持費を少しでも安くしたいと考える戸建て・一軒家住まいの家族には、nuro光の月額料金が多少安くなっています。

nuro光の特徴は、下り速度最大2Gbpsという高速インターネットであることです。

 

戸建て向けの通常基本料金は5,217円です。家族みんなのスマホを接続させるためのWi-Fiルーターのレンタル料金や、セキュリティサービスも一部無料特典があります。ドコモ光の戸建てタイプ料金は5,720円ですので、ドコモ光から変更すれば毎月約500円・年間で6千円くらいの節約になります。

ただし、価格も安くて通信の評判もよりNURO光のサービスエリアは全国すべてではなく、ネット契約が出来るエリアは限定的です。

提供エリア内でも住所によって契約が出来ないこともありますので、詳しくは公式サイトの対象エリアをチェックしてください(対象地域を郵便番号検索で出来ます。エリアは拡大されることがあります)。

ドコモ光に限らず、ほとんどの固定回線サービスでは加入時にキャッシュバックや特典があります。今までずっとドコモ光を使ってきたユーザーは、戸建て契約の維持費があまり変わらない場合でも、特典を重視してインターネット回線を乗り換えるとお得です。。

ドコモギガプランからアハモ(ahamo)変更でドコモ光を使える?おすすめのネット回線-安さ・料金比較