Xperia初の有機ELディスプレイパネルを採用した2018年冬最新モデル Xperia XZ3(SO-01L)の新機能「Always On Display」を使ってみて実際の電池の減り具合を確認してみたレポートをお届けします(→ 2019年モデル Xperia 1の検証結果も追加しました)。

Xperia XZ3では有機ELディスプレイを採用した多くのスマートフォンと同じように、スマホ画面に常時時計やアイコンを表示させ続ける「Always On Display」(AOD)モードが搭載されています。

AOD設定方法:[設定]→[ロック画面とセキュリティ]→[ロック画面]→アンビエント表示(Always-on display)からモードを選択

Xperia XZ3には3つのAODモードがあります。

・常に表示:ロック時にずっと表示を続けるモード
・スマート表示:手で持つ・ポケットから取り出す・画面のダブルタップでオンになる
・機器を持ち上げた時に有効:スマホを持ち上げる動作をするとオンになる
・OFF

上から順番に点灯の頻度が高くなる設定であり、使い方に合わせてモードを選べます(デフォルトではオフになっています)。

AODに表示できる内容も設定から選ぶことが出来ます。

「新しい通知」をオンにすると、電話・メールおよびアプリの各種通知設定に新着情報があった場合にスリープが解除(セキュリティ設定担っている場合はロック画面の点灯)されます。なおセキュリティ上の都合で新着情報を表示したくない場合には[通知内容の表示]をすべてオフにすることも出来ます。

「ステッカー」は、本ページの一番上の写真にあるようなキャラクター(例ではソニーのロボット犬・aibo)や写真を表示させることが出来ます。

プリインストールされた動物やテクスチャのようなアイコンやイラストだけでなく、ユーザーがアルバムに保存した各種画像・写真を選択(設定時に正方形に切り抜く)することが出来ます。モノクロや単色のものだけでなく、どんな写真でも表示出来ます。

「フォト再生」を選ぶと、位置情報を取得して写真に記録された場所と同じ場所で撮影された画像を自動でAOD表示に出すことが出来ます(位置情報をオフにしていると動作しないようです)。

「ミュージック情報」をオンにすると、音楽のバックグラウンド再生・視聴中に保存されたタイトル・アーティスト・アルバム情報を表示します。

また、時計のデザインも選択することができます。大きな文字でのデジタル時計・アナログ時計などがプリセットされています。

Always on Displayの電池消費

Always on Display(アンビエント表示)機能を使うことで何度もスマホのロックを解除・画面全体の点灯をさせて情報を確認する手間が省けるというメリットがある反面で、常時画面に情報を出し続けるための電池消費が発生します。

実際にXperia XZ3 SO-01LのAODではどのくらいバッテリー消耗が起きるのかを電池表示をグラフ化出来るアプリ(Battery Mix)を利用して追跡してみました。

上記はほぼ購入直後の状態で、AODの「常に表示」を選び、放置しています。AODをオンにした途端、みるみる電池が減っていく様子が確認出来ました。最近のスマホではあまり見かけることがありませんが、旧時代のスマホでバックグラウンドでアプリが暴走している状態を彷彿とさせる減りっぷりです。

ほんとに何か別のアプリの影響で電池が減っているのかも?と疑われましたので、オン・オフを切り替えて確認もしてみました。

上記グラフで判るとおり、常時表示を止めた場合にはバッテリー残量グラフの傾斜が緩やかになり、1時間に1%程度の速度で減っていた残量が3~4時間で1%の減少に改善しました。

Xperia XZ3本体に内蔵された電池状況設定を見ても、アンビエント表示の電池消耗がよく判ります。

6時間で7%の電池を消耗したうち、アンビエント表示が使った電池容量は4%分となり、スタンバイ時にアンビエント表示を利用しない場合に比べて2倍以上電池を消耗してしまうことが発覚しました。便利な機能を使っているのですからある程度の電池消耗は覚悟しなければなりませんが、スマホを長時間利用したいユーザーにとっては、これはなかなかの浪費と感じられるはずです。

ただ、このAODの電池消耗に関して、Xperia XZ3以外のスマートフォンで常時点灯の電池消耗をチェックしてみてもほぼ同じ結果が得られるため(関連記事)、特別にXperia XZ3のAOD機能が電池食いであるというわけではなく、常に表示させつづけたいのであれば避けられない消耗であることを理解しておく必要があります。標準のスマホ画面を点灯させておく場合に比べれば電池消耗は少ないのかもしれませんが、スマートフォンの限られた電池容量では「電池消耗に影響を与えないレベルで常時点灯」はまだまだ難しいようです。

「持ち上げた時にオン」なら消耗は少ない!

アンビエント表示により常時点灯ではどうしても1時間に1%以上のスタンバイ消耗をしてしまうのはどうしようも無さそうなので、続いてXperia XZ3に用意された別のAODモードも試してみることにしました。

下の画像は、「常に点灯」モード→ AODオフ →(写真撮影チェック) → AOD持ち上げた時モードで1日利用したケースの電池消耗をグラフにしたものです。

 

AODの常に点灯モードを使った前半は、前項の実験時と同様に1時間に1%強のペースでバッテリードレインが発生していました。その後AODを完全にオフにしてスリープ状態で保ったところ電池の消耗は止まっています。

画像中で「○」で囲った3時間ほどの時間はXperia XZ3のカメラ動作チェックのため連続で操作を行ったため急激に電池が減っています。

カメラテストの後、今度はAODの「機器を持ち上げた時に有効」モードに切り替え放置しました。持ち上げた時だけ有効にした場合、6時間で1~2%の電池消耗しか起こらず、常時点灯モードに比べて長時間の利用が出来ることが確認出来ました。

持ち上げた時だけ有効にした場合には「スマホを持ち上げる」という操作を感知するために常にセンサーが動くことになるため、若干の電池消耗を引き起こすと予想されましたが、パネルを常時点灯させる場合に比べて待機時の消耗は微々たるものと言えるでしょう。

スマホに触ること無く情報を確認したい場合には「持ち上げた時に有効」モードでは不便だと感じるかもしれませんが、電池の持ちと利便性を考慮し、妥協できるアンビエント表示モードを選ぶことが出来ることがXperia XZ3の特長と言えるでしょう。

Xperia XZ3は特別に大容量の電池を搭載・節電に優れたスマートフォンというわけではないものの、スタンバイ時の電池の持ちはまずまず優秀という印象です。XperiaでもAlways on Displayを使ってみたいという方は、上記のような電池の減り具合になることを理解した上で設定するかどうか考えてみて下さい。

☆「ドコモオンラインショップでXperia XZ3 SO-01Lの価格・割引情報をみる

この他, Xperia XZ3 SO-01Lの詳細実機レビューは以下のページでも実施しています。

☆「ドコモXperia XZ3 SO-01Lレビュー 旧機種からの進化点・スペックや特徴を使ってみて徹底評価

irumo

Xperia 1でも常時点灯は電池食い

Xperiaシリーズ初・世界初の4K HDR対応の6.5インチ有機ELパネルを採用した2019年夏モデル Xperia 1にも上記のXZ3と同じくAlways  On Display機能が搭載されています。

およそ21:9という映画のスクリーンにも近い、圧巻のディスプレイサイズが魅力のXperia 1。

iPhone Xでは見切れてしまうようなワイドのムービーを楽しめる素晴らしいパネルではあるのですが・・・やはりAODは電池食いです。

上記は実際にXperia 1においてAlways on Displayを設定して電池の消耗をXZ3のときと同じように観察した結果です。XZ3から何も進歩していません。

Xperia 1の電池容量は3200mAhであり、6.5インチサイズのスマホとしては容量はやや小さめ。過去のスマホに比べて極端に電池の持ちが悪いということはありませんけれど、AODで無駄に電池消耗をさせてしまっていると「電池の持ちが悪くなった」と感じてしまうかもしれません。

AODによりいつでも通知や時計が見られるというメリットを捨てがたいという場合は電池の消耗をXperia1でも覚悟しなければならないでしょう。あるいはXZ3のテストでも解説したとおり、「持ったときだけON」にしておけば、かなり無駄な消耗を抑えられるのでおすすめです。

Xperia XZ3(SO-01L)のAlways On Displayのバッテリー消耗具合 電池激減りで常時点灯はオススメ出来ない

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