暑い時期には困りものなスマートフォンの発熱問題も、冬になると「ホッカイロ機能」として重宝されたり・・・するかどうかは知りませんけれど、機種によっては連続で操作を続けると本体の発熱・過熱によってパフォーマンス(処理能力)が低下したり、一時的に機能停止する場合があります。

今回はドコモのXperiaシリーズから大小モデル・ XZ Premium SO-04JとXperia  X Compact SO-02Jにて、ベンチマークアプリを連続動作させて機種の表面温度とパフォーマンスの変動を赤外放射型温度計を利用して調べてみました(比較用に2018年夏モデル Xperia XZ2 Premiumの発熱データも追加しました)。

Xperia XZ Premium SO-04Jは2017年モデルのハイエンドCPU Snapdragon 835を搭載した5.5インチの大画面モデル。一方のXperia X Compact SO-02Jは処理能力を少し抑えた省電力モデル Snapdragon 650を採用した4.6インチの小型スマホです。

CPUによる発熱具合の違い・本体が大きいほど排熱機構を組み込み易く・本体の表面から熱を放出することも出来る可能性と、本体の素材による違い(SO-04Jは両面ガラス素材のパネルで、SO-02Jはプラスチック系コーティングパネル)などが、実際にスマホを利用中にどのような熱のもち方をするのか、実機でテストします。

各機種の外観や機能性のレビューについては「コンパクト機からの買い換えもありか?!Xperia XZ Premium SO-04JとXC SO-02Jを比較」などのサイト内過去記事を参照ください。それぞれの機種機能・価格に関しては公式サイトでチェックしてください。

☆「ドコモ Xperia XZ Premium SO-04Jをみる
☆「ドコモ Xperia X Compact SO-02Jをみる

[スポンサード]
irumo

Android/iOS用のベンチマーク測定アプリ「Antutu Benchmark」にて、5回連続の測定を行い、スマホ本体の温度とベンチスコアの推移をチェックしました。

その結果は以下のとおりです

測定回数 XZ Premium X Compact
1回目 167,080点
(29.4℃)
81,024点
(31.6℃)
2回目 170,505点
(31.4℃)
80,841点
(32.0℃)
3回目 169,503点
(31.5℃)
79,856点
(34.3℃)
4回目 166,087点
(32.1℃)
80,011点
(33.4℃)
5回目 167,010点
(31.8℃)
81,104点
(34.0℃)

1回の測定でおよそ5分~5分30秒程度がかかっており、終わった直後に「発熱したスマホで低温火傷のキケンも!放射温度計を使ってスマホの温度を物理的に測る方法」で使ったものと同じ放射温度計を使ってディスプレイ側の温度を測り、すぐに次のベンチマーク測定を実施しています。

今回の結果では、30分ほど連続してパネルが点きっぱなしの状態で操作を行いましたが、Xperia XZ PremiumもX Compactも、ほとんど測定回数を重ねてもパフォーマンスの低下は見られませんでした。数千点の上下はありますが、これは誤差範囲内でしょう。


本体の発熱具合については、測定を行うごとに少しずつ上昇はしていきますが、30分後でも手で持てないほど熱くなることはなく、もちろん熱で誤動作・エラーが起きるようなレベルにはなっていません。手で触った感触では、ちょうどひと肌くらいの温度です。

毎回は測定していないのですが、本体の裏の温度については5回の測定後にXperia X Copmact SO-02Jでは37℃、XZ Premiumでは34℃ほどになっていました。全体的にX Compactの方が若干発熱が大きいといえるでしょう。

Xperia XZ Premiumのボディで比較的熱を持ちやすい(温かいと感じる)箇所は、バッテリーが内蔵されている本体中央部裏の、ドコモのロゴがある辺りです。それでも30分の利用で「熱い」と感じるものではなく、少し温い程度です。

ただし、Xperia X Compactで過去に同じ測定を真夏に行った時(室温28℃くらい)には5回の測定で43℃まで上昇していました。そのため、周囲の温度状況によってはSO-02JもSO-04Jもある程度の発熱を感じることはあるでしょう。

Snapdragon 835搭載機種では特別に発熱が問題になっているという評判・口コミも見かけませんので、Xperia XZ Premiumを始めとする2017年夏~冬モデルのハイエンドスマートフォンを購入する場合は、そこまで発熱・過熱問題を心配する必要はなさそうです。少なくとも、数年前のSnapdragon 810搭載機種の発熱問題があったXperia Z4~Z5あたりのモデルよりはずっとマシになっていると感じました。

SDM845搭載 Xperia XZ2 Premium SO-04Kの場合

当サイトでは2018年夏モデルのXperia XZ2シリーズもすべて入手して発熱状況を実際に使ってみてチェックをしています。

Xperia  XZ2 Premium SO-04Kを用いて上記のXperia XZ Premiumと同じ実験をしたところ、室温26度環境で5回のベンチマークテスト後、本体表面温度は40℃まで上昇しました。

40℃まで発熱した状態でもXperia XZ Premium等のSnapdragon 835搭載モデルよりも高パフォーマンスを維持しますが、スナドラ835系のスマホに比べてやや本体が熱くなりやすいと感じました。アプリが終了したり動作が遅くなったりする現象は起きていませんので実利用上は問題ありませんが、発熱が気になる人はあえてSnapdragon 835搭載の型落ちモデルへ機種変更するという手もあるかもしれません(型落ちモデルのほうが安いですし)。

参照:ドコモXperiaXZ2プレミアム SO-04KのSDM845発熱具合は?30分連続動作超の温度上昇チェック

Xperia XZ Premium SO-04Jは10月末に追加されたロッソ(Rosso)を含め、引き続きドコモで販売が続きます。Xperia X Compact SO-02Jは間もなく新機種「Xperia XZ1 Compact SO-02K」が発売されますので、間もなく販売が終了しますので、易くて小さいスマホが欲しい方は早めにSO-02Jを買っておくことをオススメします(SO-02Jの方がSO-02Kより1万円以上安い)。

irumo
Xperia XZ Premium SO-04Jは発熱するか 連続操作で表面温度とパフォーマンスの変化を調べてみる

Tagged on: