NTTドコモが2021年3月から提供を開始する新料金プラン「ahamo(アハモ)」について、現在ドコモあるいは他社でケータイ機種を使っているユーザーがアハモへプラン変更すると料金が安くなるのかどうか、解説します。

2020年12月に発表されたアハモプランは、「ドコモが発表した安い料金プラン」として大きくニュースになっています。

このニュースを聞いて「自分の携帯料金もアハモに変えたら安くなるのか?」と気になっているドコモ利用者も多いと思いますが、現在FOMAプラン・ガラケー向けプランを使っているユーザーの場合には、アハモプランへ変更しても料金が安くなるとは限りません

アハモプランは「デジタルネイティブ世代向け」とされているとおり、残念ながら”使い方が難しい”という理由でスマホやパソコンを使わない世代には、利用サービス内容自体が向いていない可能性があります。

もちろんガラケーユーザーがアハモに変更してはいけないという意味ではないのですが、以下に解説するいくつかの点でFOMA・ガラケー利用者はアハモに変えると不便・料金が高くなってしまうケースがありますので、2021年3月のサービスインまでに機種変更・プラン変更を考えていたガラケーユーザーは事前に問題点を検討しておくことを推奨します。

1.アハモプランは「月額2970円」より安くならない

現在FOMAプランやガラケープランを契約中のユーザーの場合、月額料金は3千円を超えていないユーザーも多いと思います。

古いFOMAプランの場合、無料通話分が少ないバリュープランを選んでいれば月額1000円~2000円程度で維持出来るプランもありました。

現在の携帯料金が月額3千円以下の場合、アハモプランに変えても料金が安くなることはありません

アハモプランは「条件なしで2970円」というシンプルさを売りにしているプランとなっています。

ガラケーユーザーがアハモプランに変更して「ネットや通話を殆ど使わない」という場合であっても2970円以上に安くプランを使うことは出来ない(20GBデータ容量や5分かけ放題を外して安い料金を作ることが出来ない)ため、アハモプランに含まれるサービス内容を十分に活用出来るユーザーでなければ契約するのは勿体ないです。

”ネットを使わない”・”通話も待受/家族だけ”という場合には、20GBデータ通信・5分かけ放題が基本料金に含まれたアハモに変える必要はなく、ドコモが2019年より提供している”ケータイプラン”の低料金プランがあります。

ドコモのケータイプラン(Xi)には家族割引やネット割引など無しでも月額料金は1,320円~です。

このドコモケータイプランは上記のような折りたたみ携帯・カード型携帯の「Xiケータイ」と呼ばれる機種で利用が可能です(FOMA専用携帯では利用不可)。

ドコモのケータイプランにかけ放題を追加したい場合は、「かけ放題オプション(+1870円/月)」か「5分通話無料オプション(+770円/月)」を追加することも出来ます。

アハモプランではこの「5分通話無料オプション(+770円/月)」が初めから基本料金に組み込まれています。5分通話無料オプションを必要としているのなら良いですが、不要なユーザーには無駄な出費です。

また、ドコモ↔アハモ間では、家族間無料通話(ファミリー割引)が使えなくなります

家族の中でドコモ/アハモに変更するユーザーが混在してしまうと、家族割引特典が消失することでかえって通話料金が割高になってしまうケースもありえます。

アハモプランに変えると同時にスマホデビューをしたいのならともかく、「料金が安くなるかも」という目的だけであれば、アハモプランよりドコモのケータイプランの検討をおすすめします。

参考:[購入レポート]ドコモ3Gガラケー終了後も使える初の富士通Xiケータイ arrows携帯F-03L価格・新料金プラン支払額

2.アハモでガラケータイプが使えるかどうか不明(更新)

前項でも解説した通り、アハモプランは基本料金部分に「20GBのデータ容量」が含まれており、スマートフォンでの利用を想定したプランです。ガラケー機種で利用することはおそらく想定外でしょう。

ahamoは「ドコモの4G/5G通信」を使うため、ドコモの4G/Xi対応ガラケータイプ機種を用意すれば通信や通話自体は使える可能性が高いものの、100%使えるかどうかは不明であり、利用保証もありません。

2021年3月1日発表されたアハモ対応端末に、FOMA携帯・Xiケータイは1台も含まれていませんでした。よって、ガラケータイプの機種でのアハモ利用は不可と考えたほうが良さそうです(AndroidスマホでもOSが古いタイプが対象外になっているため、なんらかのシステム制約があるようです)。

*アハモは「4G/5Gサービス」であるため、FOMA専用ガラケーはすべて利用不可の見込み(アハモはspモードを使うため、FOMA方式はそもそも接続不可であることが判りました)。

ドコモでは2021年4月時点で4台の4G対応ケータイを販売しています。これらの機種をahamoプランとセットで販売する可能性は極めて低いでしょう。

ドコモとアハモでは提供される端末(スマホ)のラインナップが異なる予定のため、「ガラケー機種を契約と一緒に買う」という手続きは出来ません

2020年12月時点ではahamo取り扱い機種に関する情報は一切ありません(2021年3月に取扱機種が発表されました。ガラケーはアハモでは販売されません)。

あえてアハモプランでガラケー機種とセットで契約したいと考えるユーザー自体が想定されているとは思えないため、”自分でahamoで使えるガラケー機種を用意できる”というユーザー以外は、アハモに変えるのではなく、各キャリアの4G携帯を購入・プラン変更したほうが無難です。

ドコモでは2021年も継続して安く、簡単に使える「らくらくホン」を販売していますので、「アハモが安いらしい」と聞いて検討していたガラケーにこだわりがあるユーザーは、らくらくホンでの機種変更・ケータイプラン利用を推奨します。

☆「(実機購入レビュー)らくらくホン(最新モデルF-01M)の料金や使い方を見る

参考:アハモのSIMでドコモガラホ動作検証

アハモプランに変更したSIMカードをarrowsケータイ F-03Lに挿入したところ、設定無しで通話・データ通信が出来ることを確認しました(2021年5月30日時点)。公式の動作検証端末には入っていませんが、ドコモのガラホでも最新モデルなら動作する可能性があります。

一方で、同じXiケータイでもP-01JではAPN設定を行っても通信・通話ともに出来ませんでした。どちらも通信方式は4Gに対応しているはずなのですが、システムによる違いによって、動作状況が異なっている可能性があります。

*アハモでのXiケータイ・ガラホの利用保証はありません。自己責任にてお試しください。

3.ドコモメールが使えなくなる

FOMAガラケーを長く使っている方は、おそらくメールアドレス(@docomo.ne.jp)も長く同じものを使っている人もいるはずです。

ドコモからアハモにプラン変更する場合に同じ電話番号を使うことは出来ますが、ドコモメール(@docomo.ne.jp)のアドレスはアハモプランに変更すると使えなくなります(キャリアメールの提供が予定されていないため)。

キャリアメールのアドレスは将来、携帯会社を変更しても持ち運べるように(同じアドレスを使えるように)なる可能性が政府で検討されていますが、現時点では使い慣れたキャリアメールアドレスがアハモに変えることで消えてしまうことになる見込みであるため、注意が必要です。

4.サポートや設定相談が店舗で有料化(更新)

これは「FOMA/ガラケーユーザー」に限ったことではありませんが、ahamoプランのサービス内容として大きな特徴である「オンライン限定」という点において、ガラケーの使い方や設定方法などを携帯ショップで相談・サポートをこれまで必要としてきたユーザーは、アハモへの変更は不向きです。

2020年12月のサービス発表時点において、アハモプランを利用する場合、契約の手続きやサポート・相談はすべてオンライン(ウェブ)で実施され、店頭では取り扱われない予定→2021年4月22日より、店頭でのサポートは1回3,300円にて受付を開始しました。ただし、あくまで店頭では「サポート」を行うのであり、受付自体は引き続きオンライン上でユーザー自身が操作しなければならず、代行してくれるわけではありません。

有料によるサポートでならアハモプランに関わる相談や補助をショップ窓口で受けられるようにサービスが拡大される可能性もありますが(→実際に有償での対応が拡大されました)、各種設定・トラブルをネット(スマホ)を駆使して自分で解決できるユーザー以外は、アハモプランに変えずに従来どおりの携帯会社プランを継続したほうが無難です。

例えばドコモの通常プラン・通常契約者であれば、「ドコモスマホ教室」などを利用することでスマホ初心者でも使い方を学ぶ機会があります。このようなサービスがアハモ用に提供される可能性は低いでしょう(アハモでも通常のドコモスマホ教室と共通の知識で利用できることはあります)。

今後「アハモ利用者向けの窓口サポートサービス」が有料で別途登場する可能性もありますが、オンラインでのサポート・相談だけでは不安というユーザーにはアハモプランは向きません。

関連記事:2019年12月1日よりドコモショップのサポートが一部有料に お金が必要なのはどんな場合?

それでも時代はオンライン手続きへ

以上、いくつかアハモプランに変更する場合の注意点を解説しましたが、「オンラインで手続きをする」という部分に関しては、アハモプランだけではなくドコモプランや他社携帯キャリアの場合も、新型コロナの影響でオンライン化が進んでいます

現在ドコモとソフトバンクでは、公式のオンラインショップを使って機種変更・契約変更手続きを行う場合、事務手数料が無料になる優遇をしています。

オンラインで機種変更をすることで携帯ショップへ移動するまで・携帯ショップ内での新型コロナ感染リスクを避けられるだけでなく、順番待ちの時間も節約できます。

各社のホームページでは、オンラインで機種変更やプラン変更を行う方法・設定方法などもガイドページやチャットによるオンラインサポート、動画で使い方を解説している場合もあります。

アハモは「オンラインでのみ受付する」という点において新しいサービスとなっていますが、FOMA・ガラケーユーザーであっても「携帯電話は店頭・窓口で契約するモノ」という考えではなく、便利なオンラインショップ・オンラインサービスを利用することでスムーズに電話の利用が出来るように慣れておくことをおすすめします。

オンラインの手続きに慣れてしまえば、将来FOMA終了予定日までにアハモや格安スマホサービス(格安SIM/MVNO)で安くスマホデビューをする余地も出てくるでしょう。

*上記は2021年4月22日(更新)時点の情報に基づいています。ahamo(アハモ)の料金・サービス内容は変更される可能性もあるため、アハモプランを検討する場合は必ず最新の情報を公式ページでチェックしてください。

ドコモアハモプランは携帯/ガラケーユーザーが変更しても安い?FOMAユーザー向け解説

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