2021年9月13日発表されたauの新ブランドプラン「povo」の新料金体系“povo2.0″の評価・メリットやデメリット、他社の無料スマホ回線との比較を解説します。

auの新ブランド「povo」は、2021年春にサービスが始まったオンライン専用プランです。初期のpovoプランは競合他社と横並びの「20GB3千円」対抗プランとして開始されましたが、2021年9月を以て「20GBプラン」は廃止され(20GB固定プランは「povo1.0」と名称変更。受付停止)、新プラン「povo2.0」へサービスがガラリと変わります。

povo1.0→povo2.0では料金の仕組みが全くと言っていいほど変わり、povo2.0は月額維持費は最安0円を実現可能です。

とことんスマホ代を安くしたいのなら、povo2.0を検討すべきです。

一方で、povo(1.0)プランを含む大手3キャリアの2021年新料金が「シンプル」を一つの売りしていたのに対して、povo2.0の料金・サービスを使いこなすには複雑な「トッピング」という概念を理解・的確に選択しなければならないという障害もあるため、自分・家族のスマホ代金節約を目指すのなら、しっかりと仕組みを勉強しておきましょう。

povo2.0の料金体系概要

auの新ブランドリニューアルプラン「povo2.0」の一番の特徴は「基本料金がタダ」である点、そしてpovo2.0は「すべてをトッピング(有料課金オプション)で選ぶ」という仕組みを採用した、まったく新しいサービスです。

通話や高速通信を全く使わないのであれば、お金を払わずスマートフォンを利用(例えば緊急通報・受話専用にするなど)することも不可能では有りません。

そして、通話・データ通信・コンテンツサービスなどを「個別の有料オプション」としてユーザー自身が自由に選ぶことが出来ます。

2021年9月のサービス発表時点で選べるトッピング(有料オプション)は、

・通話トッピング(かけ放題をつけるかどうか)
・コンテンツトッピング(動画・エンタメの有料サービス)
・データトッピング(auの4G/5G通信を利用したインターネット)

の3種類があります。

それぞれのオプションにはいろんな種類があり、スマホをちょっとだけ使いたい人からたくさん使いたい人まで、用途・予算に合わせて多数の組み合わせを選べます。

povo2.0 月額
基本料金 0円

(請求金額が0円の場合、ユニバーサル料金請求も無し)

povo2.0ショートメッセージ 料金
SMS利用料金 国内 3.3円/通

 

povo2.0通話料金 料金/月額
国内通話料 22円/30秒
5分以内かけ放題トッピング
550円
通話かけ放題トッピング
1650円

(ナビダイヤルなど、かけ放題の対象外となる通話・電話番号がある場合もあります)

povo2.0データ通信量 料金
128kbps低速状態 0円
1GB(7日間)
390円
3GB(30日)
990円
20GB(30日)
2,700円
60GB(90日)
6,490円
150GB(180日)
12,980円
データ使い放題(24時間)
330円

*短期間に大容量通信を行った場合、通信の遮断・速度制限が課される場合があります

povo2.0コンテンツトッピング 料金
DAZN使い放題パック(7日間) 760円
smash.使い放題パック(24時間)
220円

旧料金体系(povo1.0)から新プラン(povo2.0)に変更することも可能ですが、SIMカードが再発行(eSIMも再発行)手続きが必要となります。

*各サービス・料金は2021年9月14日時点のものです。最新情報はpovo公式サイトを参照ください。

povo2.0の評判・評価/他社0円SIMとの比較

auが発表した新料金プランの新料金体系「povo2.0」は、上記の通り「組み合わせ次第」でさまざまな需要に対応できるプランです。

スマホ料金をとことん安くしたい人には「0円で維持できるプラン」として大変に評判です。ovo2.0の基本料金が0円であることを活かして、プリペイドスマートフォンのように「一時的にスマホを使いたい」という利用者にはぴったりなプランシステムという評価です。

通信量のオプション(トッピング)についても、「20GB2,700円」という部分は従来プランと同等ながら、60GB・150GBという長期利用・大容量プランをまとめ買いすることでギガ単価が下がるという、まさに他社プリペイドプランのような仕組みと言えます。

これまでに他社で0円維持が可能であった「楽天モバイル UN-LIMIT VI」の場合には、”1GBまで使えて0円”でした。

楽天モバイルの0円プランも大人気で2021年時点で400万人以上が申し込みをしている神プランながら、楽天モバイルの0円維持は1人1回線しか持てないという欠点があります(2回線目以降は1,078円~)。また、楽天モバイルプランは通信料金も利用量に応じて自動で高くなってしまうため、povo2.0のように使い切りタイプが安心・嬉しいというユーザーもいるはずです。

関連記事:楽天モバイル無料期間終了後も0円維持 デュアルSIM対応iPhoneにオススメ格安SIM中容量プラン料金表

もう一つ0円維持が出来る現行プランとして、ビッグローブが提供する「donedone」(ドネドネ)という新しい格安プランもあります。

ドネドネはauの回線を利用したMVNOプランです。一般向けには「ベーシックU/カスタムU」という50GBの大容量プランを提供するものですが、128kbspの低速通信だけが使えるエントリープランなら月額無料でつかうことが出来ます。

ドネドネのエントリープランは音声通話が使えないため、電話の待受専用としては使えないサービスです。この点では、povo2.0はdonedoneのエントリープランの完全上位互換プランと言えるでしょう(donedoneはエントリープランでお試しコードを使って高速通信を体験することは出来ますが、通話は利用不可能)。

(雑誌の特典として付いていた0SIMのカード)

また、さらに別種の0円プランとしては過去にso-net(現nuroモバイル)がやっていた「0SIM」というサービスもありました。0SIMのサービスは発表当時は挑戦的で面白みのあるプランでした。

0SIMでは利用通信データ量が500MBまでなら、維持費をずっと0円で使えるサービスでしたが、課金利用者が少なすぎたのかサービスが破綻し、2015年12月提供開始→2020年8月31日を以て終了してしまいました。

このような状況で、現時点ではpovo2.0のライバルと言えるのは楽天モバイルだけです。楽天モバイルとpovo2.0は”0円維持”・”20GBくらいまで使って3千円程度”という部分は似ていますが、オールトッピングシステムを採用したpovo2.0はかなり斬新という印象です。

そして、楽天モバイルはサービスとしてまだ若いためか、大規模障害・システムトラブルが発生することもあり、信頼性に欠ける部分が無いとは言えません。その点、povoはauの回線品質・サービスクオリティですので「楽天をメイン回線にするのは不安」という人の新しい選択肢となるはずです。

povo2.0のデメリット・難点

povo2.0のサービスには、いくつかの注意点や気になる点もあります。

まずpovo2.0の料金システムが非常に複雑である点です。”自由度が高い・カスタマイズ性が高い”ことは、ユーザーが自分にあったプラン・オプションを的確に選べることを前提としたメリットである反面で、正しく選べない・サービスの意味・内容を理解出来ないユーザーには料金システムが難しく見えるでしょう。

60GB/180GBプランなどの高額・大容量プランを買ってしまい、使い切らずに失効させることが生じる金銭的デメリットもありえます。

もっとも、povo自体がオンライン専用・店頭でのサポート無しの「上級者向けサービス」であるため、povo2.0の料金が難しくてわからないという人は、店頭でサポートが受けられるau・UQモバイルを選択すれば良いため、無理にpovo2.0を検討する必要はありません。

スマホ料金を安くしたい・でもサポートも欲しいなら、UQモバイルがあれば事足りるでしょう。

povo2.0の注意点

povo2.0を利用する点で、「有料サービスを使わないと自動で強制解約」という仕様にも気をつけなければなりません。

最後に購入した有料トッピングの有効期限の翌日から180日間、有料トッピングの購入などがない場合、利用停止、契約解除となる場合があります。また別途所定の手数料等の費用がかかる場合あります

サービス発表時点ではどの程度まで厳格に「使っていない/0円を維持し続けること」が解約対象になるのかは検討中とされています。しかし、確実に「永久に0円で使う」ことは封じられる予定です。

スマホの利用頻度が極端に低いユーザーや、予備回線として契約してiPhoneやスマートフォンのデュアルSIM・副回線に設定したまま利用を忘れてしまったときなど、いざ使いたいときに回線が停止されているというトラブルが発生しないとも限りません。

有料トッピング利用による更新、通話やSMS利用などの「利用実績」をどこまで判定するかは、今後の公式発表に注意して利用継続を行う必要があるでしょう。

povo2.0は2021年9月下旬提供開始

auはpovo2.0の発表と同時に、現行プラン(povo1.0、20GBプラン)は2021年9下旬に受付を終了し、完全に新プラン(povo2.0)に切り替える予定です。

9月13日からサービス開始日まで「povo2.0デビューキャンペーン」を実施しており、興味のあるユーザーはエントリーしておくことを推奨します。

povo2.0口コミ・評価・優位性を解説/0SIM・楽天モバイル・donedone0円スマホプランとの違い

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