2018年10月までに発表された、2018年秋・冬~2019年春モデルのハイエンドAndroidスマートフォン機種を詳しく見比べていきます。


2018年冬モデルのAndroidスマートフォンの最上位モデルでは、2018年春~夏モデルに採用されたSoC「Snapdragon 845(SDM845)」が引き続き搭載されているため、同年の夏モデルと冬モデルでは処理性能面においては劇的な進化はありません。

一方で、2018年10月10日に発表された日本市場への登場は久しぶりとなる「Google Pixel 3/ Pixel 3 XL」や2018年夏モデルから早くもモデルチェンジを強行したソニーのXperia・シャープのAQUOSなど、各社のトップブランドスマホが新たに登場します。

10月10日時点ではまだドコモ・au・ソフトバンクの携帯会社での正式発表はありません(→ドコモでのPixel3/3XL発売・価格が決まりました)が、おそらくキャリアでも発表・販売が間もなく行われるはずの最新アンドロイドスマホを予習して、次の機種変更候補に入れるべきかどうか考えておくのは有意義だと思います。

本ページで細かく比較・チェックする前に、同じくスナドラ845を搭載したハイエンドモデルをすべてチェックしたい人は「2018年春~ハイエンドスマホ用SoC Snapdragon845搭載機種を比較(SDM845)」の記事も参照下さい。2018年夏モデルから含めて、SDM845搭載機を日本未発売のものまでほぼすべて網羅しています。

ここでは日本市場への投入が確定・濃厚な以下の6機種をチェックしていきます。

・Google Pixel 3/ Pixel 3 XL(ドコモでは10月19日予約開始、11月1日発売確定, SB確定)
・Sony Xperia XZ3(au,SB取扱確定)
・Sharp AQUOS zero (SB専売確定)
・Galaxy Note 9 (au取扱確定)
・LG V40 ThinQ

数値データの比較

まずは各機種のスペックデータシートを見比べてみましょう。

機種名Pixel3Pixel3 XLXperia XZ3AQUOS zeroGalaxy Note9V40 ThinQ
メーカーGoogleGoogleSonySharpSamsungLG
CPUSDM845SDM845SDM845SDM845SDM845SDM845
画面サイズ5.5インチ6.3インチ6.0インチ6.2インチ6.4インチ6.4インチ
本体サイズ145.6
× 68.2
× 7.9 mm
158.0
× 76.7
× 7.9 mm
158
× 73
× 9.9 mm
154
× 73
× 8.8 mm
161.9
× 76.4
× 8.8 mm
158.8
× 75.7
× 7.6 mm
重量148 g184 g192 g146 g201 g169 g
RAM4GB4GB4GB6GB6GB6GB
ストレージ64/128GB64/128GB64GB128GB128GB64GB
電池容量2,915mAh3,430mAh3,330mAh3,130mAh4,000mAh3,300mAh
防水/防塵IPX8IPX8IP65/68IPX5/IPX8
IP/6X
対応IP68
メインカメラ12.2MP12.2MP19MP22.6MP12+12MP12+12
+16MP
生体認証指紋(背面)指紋(背面)指紋(背面)指紋(背面)指紋(背面)
虹彩認証
顔認証
指紋(背面)
顔認証
価格帯95,000円~119,000円~9~10万円9~11万円11~12万円10~11万円
[2018.10.10作成] 海外向けにリリースされた情報を含むため、日本向け仕様とは一部異なる可能性があります。

上記の中で、Galaxy Note9については販売国によってCPUにExynosを搭載したモデル・RAM 8GB/ROM 512GBモデルが存在しますが、おそらく日本で売られるモデルはSDM845/RAM6GB/ROM 128GBモデルのみとなります(根拠は日本語のGalaxy公式ページにRAM 8GB/512GBの記載が無いことに依る)。

Google Pixel以外はまだ日本での発売が公表されていませんので価格は過去のモデルとスペックから予想される数値を入れておきました(決定次第修正します)。

☆「NTTドコモ -Google Pixel 3/Pixel 3 XL発売・予約開始について」(10月10日12時発表)

☆「SoftBank Google Pixel 3/ Pixel 3 XL料金・割引」(10日時点、価格は未定)

いずれも各メーカーの威信をかけたフラッグシップモデルであり、数値として表れる物理的なスペックは過去のモデルよりもワンランク上になっています。

一方で、本体のサイズやカメラ、使える機能・特徴はメーカー毎に特徴が出ていますので、以下で細かくチェックしていきます。

ディスプレイは大画面・縦長化

2018年冬モデルの主要モデルも近年の流行である「18:9(および18.5:9)」比率の縦長・大画面ディスプレイを採用しています。

Google Pixel3の5.5インチを除き、ほとんどのモデルが6インチ級です。

ディスプレイには2つの流行「ベゼルレス(狭額)」と「ノッチ(凹み)」があります。2017年~2018年に発売された多くのスマホで採用されているデザインを2018年冬モデルでも引き続き採用したメーカーがほとんどです。

ディスプレイに切り込みを入れたデザインとしてはiPhone Xシリーズにより定着しはじめていますが、これは好みが分かれるところです。


(2018年夏モデルP20 Proにはノッチ隠しモードも)

ノッチのあり・無しで分類すると「Galaxy Note9, Xperia XZ3, Pixel3」がノッチ無し組、「Pixel 3, V40 ThinQ, AQUOS zero」がノッチ組です。

ディスプレイ関連ではXperiaとAQUOSが初めてOLED(有機EL)を採用しています。

OLEDを使うことで発色の良さと薄型を実現することが出来るため、Appleを含めて近年多くのメーカーがOLED搭載モデルを出しています。シャープはこれまで自社のIGZOディスプレイに固執していましたが、「zero」シリーズでは大きく方針を変えてきたという印象があります。

Pixel 3/AQUOS zeroは超軽量級

今回ピックアップした6機種のうち、Google Pixel 3とAQUOS zeroは、大画面なハイスペックモデルの中でも軽量な140グラム台を実現しています。

140グラム台というと過去のモデルでは4.7~5.0インチクラスのディスプレイのスマホの重量感です。特にAQUOS zeroの軽さは「6インチ超サイズの世界最軽量」となりました(2018年10月、シャープ調べ)。

比較としてiPhoneシリーズのディスプレイサイズ・重量と並べてみましょう。

・AQUOS zero:6.2インチ 146グラム
・iPhone 8 Plus :5.5インチ 202グラム
・iPhone XS:5.8インチ 177グラム
・Pixel 3:5.5インチ  148グラム
・iPhnoe 8:4.7インチ 148グラム
・iPhone 7:4.7インチ 138グラム

過去に発売されたAndroidスマホで大画面+軽量なモデルとして、LG V30+(6.0インチ 158グラム)・ZenFone5 (6.2インチ 165グラム)などもありましたが、Pixel3とAQUOS zeroはこれらを大幅に下回る軽量感であり、近年の重いスマホにはうんざりというユーザーには受けそうです。

カメラはシングル~トリプルカメラなど様々

最近のスマートフォンはデジカメ顔負けレベルの高クオリティな写真が撮れるモデルも多く存在し、特別なこだわりがなければいずれの機種でも十分に綺麗な写真が撮れると思われますが、ピックアップした6機種のうちシングルカメラ・デュアルカメラ、そして3つのレンズを搭載したトリプルレンズカメラまで、幅広い仕様になっています。

・Google Pixel 3/XL、Xperia XZ3、AQUOS zero:シングルカメラ
・Galaxy Note9:デュアルカメラ(標準+ズーム)
・V40 ThinQ:トリプルカメラ(標準+ズーム+超広角)

カメラレンズの数が多ければ綺麗な写真が撮れるというわけではないものの、今回の機種ではV40 ThinQのトリプルレンズは特徴的です。

過去にトリプルレンズカメラを採用して、2018年10月時点までは最高峰の評価を得ているP20 Pro(HW-01K)が存在しますが、P20 Proの場合は標準+ズームと、モノクロカラーセンサーによる3カメラ仕様だったのに対し、V40では超広角レンズを足してきました。


上記は旧モデルのV30+(L-01K)で撮影した写真ですが、過去のモデルでも標準+広角レンズを採用していました(V30+実機レビューはこちら)。広角なレンズを使うことで同じ位置から撮影した写真でも映る範囲が大きく異なり、狭い室内で大人数を入れた写真を撮ったり、風景をダイナミックに切り取ることが可能です。

さらにV40 ThinQやGoogle Pixelにはフロントにもデュアルカメラを採用するなど、自撮り(セルフィー)向けの機能も充実しています。

気になるのは価格だけ

Snapdragon 845を搭載した2018年冬モデルは、各社の最新機能を盛り込んだ高機能・多機能スマートフォンに仕上がっているため、史上最高のパフォーマンス・クオリティが期待できることは発表時点のスペックを見るだけでも判ります。

しかし、一番気になるのはそれぞれの価格です。

10月10日時点で日本での販売価格が確定しているGoogle Pixel3では最も安いモデルでさえ95,000円から、一番高いPixel 3 XL 128GBモデルに至っては13万円を超えました。

Xperia XZ3, Galaxy Note9, AQUOS zero , V40 ThinQのいずれも、おそらく10万円前後の販売価格になるでしょう。

参考までに現在発売中のそれぞれ1世代前のドコモモデルの定価を並べてみましょう。

・Galaxy Note8 (SC-01K ): 126,360円(実質76,464円)
・Xperia XZ2 (SO-03K):94,608円(実質47,952円)
・V30+(L-01K):99,144円(実質38,880円)
・AQUOS R2 (SH-03K):95,904円 (実質49,248円)

(括弧内の数字は2018年10月時点の機種変更時の月々サポート適用後価格)

[追記]ドコモモデル Pixel3/XLの価格が確定しました。予約開始は10月19日午前10時より、発売日は11月1日に確定しました。

Pixel3 新規 機種変 MNP
定価 98,496円 98,496円 98,496円
月サポ 1,728円 1,728円 2,754円
実質価格 57,024円 57,024円 32,400円

 

Pixel 3XL 新規 機種変 MNP
定価 131,544円 131,544円 131,544円
月サポ 1,701円 1,701円 2,736円
実質価格 85,536円 85,536円 65,880円

*各税込。上記とは別途5184円値引き/ポイント還元の「ドコモオンライン限定特典」の対象になることも確定。

それぞれ2018年冬モデルの方がアップグレードされているため、発売直後に現行モデルより安く提供するとはやや考えづらいでしょう。機能・性能を考慮すれば価格が高くなるのは避けられないものの、最新モデルに拘らないのならば型落ちで値下げされた2017年夏~冬モデルあたりのほうがお買い得なのかもしれません。

10月10日時点ではまだ国内向けに登場していない機種もあり、上記6モデル以外にも冬モデルは登場するはずです。スペックデータだけでは判らない各機種の使いやすさ・特徴もまだまだあるでしょう。

気になる新機能、特徴を持った2018年冬モデルの価格と、型落ちになっても十分性能の高い現行モデルのどちらがバランスの良い機種になるのか、各社の冬モデル正式発表までによく考えてみると良さそうです。

2018年冬モデルハイエンドスマホ Googel Pixel3,XperiaXZ3,Galaxy Note9,AQUOS zeroのスペック比較・価格

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