新型コロナウイルスの感染者に接触していたかどうかを確認できるアプリ「 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) 」は2020年7月時点ではスマートフォン向けとして提供されています。

しかし、日本でのスマートフォンの普及率は年々高くなってきているとはいえ、まだまだ「ガラケー」(従来型携帯電話/フィーチャーフォン)ユーザーが数百万~千万人単位で居ます。

接触確認アプリの有効性を高めるためには少しでも多くの国民が利用することが重要となりますが、ガラケーユーザー・ガラホユーザーは新型コロナ感染拡散のリスクを下げるためにアプリを使うことが本当に出来ないのかどうか、ちょっと上級のテクニックを使って確認してみました。

*以下で紹介するアプリのインストール方法は通常想定される手段ではありません。アプリの動作はもちろん、携帯電話の動作にも保証が効かなくなる可能性がありますので、マネしないでください(もしやる場合は自己責任にてお試しください)。

ウイルス接触確認アプリ(COCOA)の利用要件

新型コロナウイルス接触確認アプリ(ココア)は、2020年6月19日より配信開始、2020年7月時点で修正バージョンがiOS/Androidスマートフォン向けに配信されています。

厚生労働省ホームページには以下のように記載されています。

動作可能なOSバージョンは、iPhone端末ではiOS 13.5以上、Android端末ではAndroid 6.0以上となっております。お使いの機種によっては、動作しない可能性がありますので、動作確認機種をご確認ください。

2020年6月19日時点(7月3日時点も更新無し)では、以下の機種で動作確認がされています。

ASUS ZenFone 5
ASUS ZenFone 5Z
ASUS ZenFone Max M2
Galaxy Note 10+
HUAWEI MediaPad M3 Lite
HUAWEI P20 lite
HUAWEI P30 lite
Lenovo TB-8504X
Motorola moto g7 power
NuAns NEO Reloaded (Trinity)
OPPO Reno A
Pixel 3
Pixel 3a
Samsung Galaxy Note 10+
Sharp AQUOS sense3 (SH-M12)
SHV41
Sony Xperia SOV38
TA-1119

上記以外のスマートフォン・iPhoneでも比較的新しいモデルであれば 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) が動作するはずですが、ガラケー・ガラホ機種は動作確認がされていません

アプリを動作させるためにはBluetoothの設定をオンに出来ること・OSがAndroid 6.0以上であることが必要とされていますが、これだけならいくつかのガラケー(ガラホ)機種は要件を満たせます。

しかしながら新型コロナウイルス接触確認アプリはiPhone/iOS用のApp Store、またはAndroid用のGoogle Playストアにて配信されていますが、ガラケー・ガラホ機種の多くはこのアプリ配信ストアを使うことが出来ません

よって、通常の方法(厚生労働省ホームページでアナウンス・解説されている手段)で接触確認アプリを使いたい場合は、各携帯会社が扱うスマートフォン・iPhoneを買う必要があります。アプリの対応状況は各携帯会社にお問い合わせください。

Android搭載ケータイに接触確認アプリを入れてみた

前述の通り、通常の方法では「App Store/Google Playストア」を利用することが出来ないガラケー機種では、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を入手する事自体が不可能です。

2020年7月時点、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなど大手の携帯会社で扱われているケータイ機種でGoogle  Playに正規対応したモデルは存在しないはずです。

しかし、「通常ではない方法」ならば、ケータイにアプリをインストールすることも可能です。

今回アプリを入れてみた機種は、ドコモから発売中の最新モデル AQUOSケータイ SH-02Lおよびarrowsケータイ F-03Lの2モデルです。

この2台は、スマホと同じ「Android OS」を搭載しており、そのバージョンが8.1.であるため、新型コロナウイルス接触確認アプリのインストール要件(Android 6.0以上)を満たしています。

Google  Playに非対応なガラケーにアプリを入れるには、以下のような方法を使います。

・Google Playストアを利用可能なスマホで接触確認アプリをダウンロードする
・接触確認アプリ(apk)をパソコンにコピーする
・スマホとパソコンをつなぎ、ADBコマンドを使ってインストール

この操作を行うためには、以下のツールをパソコンに導入する必要があります。

・Android SDK pltform-tools 「https://developer.android.com/studio/releases/platform-tools?hl=ja」より入手可能
・シャープ 開発者向け ADB USBドライバ 「https://k-tai.sharp.co.jp/support/developers/driver/index.html」より入手可能
・富士通 開発者向け ADB USBドライバ「https://spf.fmworld.net/oss/driver/adb/data/download.html」より入手可能

それぞれの導入方法(PATHの設定、ドライバのインストールなど)は上記各ページに記載されています。

Android SDKと各ADB USBドライバを入手後、ドコモケータイ SH-02L/F-03Lの設定画面より開発者向けオプションを表示(端末情報→ビルド番号を連続で7回クリック)させ、USBデバッグモードにします。

この状態でケータイとパソコンをケーブルで接続し、コマンドプロンプトを開きます。

アプリのインストールコマンド「adb install」を入力し、コマンドウィンドウにパソコン上にコピーした新型コロナウイルス接触確認アプリをドラッグ・アンド・ドロップしてエンターキーを押すと、インストールが始まります。

インストールが完了すると、ケータイにアプリが表示されるようになります。

あとは表示されたアプリを選択するだけで起動します。

ドコモケータイは接触確認アプリをインストール出来ても【使えない】

上記のADBコマンドを使ったアプリのインストール方法を使ってドコモケータイ SH-02L/F-03Lに新型コロナウイルス接触確認アプリを入れる事はできました。

アプリを起動すると、スマートフォンの場合と同じように初期画面が表示されます。

ガラケーでは高性能スマホのように処理能力が高くないため、ちょっと反応速度・表示速度が遅いものの、アプリの初期説明が表示されました。

しかし・・・

接触確認アプリの利用規約の同意を行う初期設定画面において、「規約に同意して次へ」というボタンを押すことが出来ず、初期設定を完了させることが不可能となっています。つまりアプリは事実上動作しないことが判りました(2020年7月3日時点)。

現在ドコモでは5種類のケータイ+らくらくホンが発売中ですが、カードケータイ KY-01Lを除き、タッチパネル機能は搭載されていません。

新型コロナウイルス接触確認アプリはタッチパネル操作を前提に作られているため、たとえケータイ上でアプリケーションを起動出来たとしても、アプリの操作自体に問題が出てしまい、利用が出来ないという結論になりました。

*初期設定自体が終わらないため、その後の設定・動作がガラホで利用可能かどうかも不明です。もし初期設定を何らかの方法で終わらせるが出来ても、接触確認アプリが動作する保証はありません。

Androidを搭載していない古いFOMAガラケー、Android 6.0以前のバージョンしか配信されていない機種を利用中の場合でも接触確認アプリは利用不可となっていますので、アプリを利用したい場合はスマホへ機種変更をオススメします。

新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) はガラケー/ガラホで使えるか?強引にインストールして試してみた